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学童慰霊の碑 施設情報・クチコミに戻る

波照間島に於ける戦争の爪痕…。

  • 5.0
  • 旅行時期:2016/04(約8年前)
たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん(非公開)

波照間島 クチコミ:15件

昭和20(1945)年4月、沖縄本島では日米両軍の熾烈な地上戦が始まった頃、石垣に駐屯していた独立混成第45旅団司令部(旅団長:宮嵜武之少将)からの軍命で、波照間島民は西表島南風見の浜に強制疎開を余儀なくされました。

地上戦が行われた沖縄本島とは違い、八重山では主に船舶からの艦砲射撃と単発的な空爆があったとされてはいるものの、居住地が戦場になる確率が低い中で何故強制疎開が行われたのか?これが八重山地区に於ける戦争被害につながっています。

昭和20(1945)年波照間島に一人の青年学校教師が来島しました。沖縄県知事島田叡氏が発行した辞令を持ったこの青年は?山下虎雄?と名乗り、島の生活に馴染んで行ったとされています。しかし旅団命令が出た4月を機に豹変した彼は、実は陸軍中野学校の軍曹(諜報員)であり、離島残置要員特務兵であることを口にし、マラリアの罹患地である西表島への疎開を拒む島民を脅しに掛かります。この目的は波照間島に豊富にあったとされる島の牛・豚・山羊・馬、そして水を米軍の手に渡らないようにすることも理由にしたそうですが、結果として島民を疎開させた後日本軍兵士の食料にしたという記録が残っています。

しかし南風見に疎開せざるを得なかった島民を引率した一人である波照間国民学校校長であった識名信升先生は、逆境でありながらも南風見の地で入学式を執り行い、波照間の住民を勇気づけようとします。しかしマラリアの罹患地として知られていたこの西表島南風見田の地で恐れていることが5月に起こってしまいます。マラリアの罹患、その中でも?熱帯性マラリア?と呼ばれる?ハマダラカ?がマラリア原虫を媒介することによって引き起こされる病気に国民学校生徒が罹患し亡くなります。その後島民にマラリアに罹患する者が多発し、沖縄戦終結後の昭和20(1945)年8月に識名校長自らが石垣の独立混成第45旅団司令部に乗り込んで帰島の許可を得るまでの期間に島民の3割強にあたる552名がマラリアにて亡くなりました。そのうち66名が波照間国民学校の児童でした。

西表から波照間への帰島の際、識名校長が入学式を執り行った南風見田の?ヌギリヌパ?の砂岩の巨石に、?忘勿石 ハテルマ シキナ?と刻んだものが、戦後昭和28(1953)年に偶然発見されました。この場所で勉強した生徒から死者が出たことに対する追悼と、強制疎開により死者が出たという事実を決して忘れてはならないという思いから、?波照間住民よ、この石を忘れるなかれ?という意味を込め刻んだものだと後に答えたそうです。

そして当の波照間島に於いては昭和59(1984)年7月に、西表島にてマラリアに罹患し亡くなった子供達を慰霊するため、波照間小学校創立90周年を機に忘勿石と向かい合う位置に学童慰霊碑が建立され現在に至っています。

コート盛近くに建立されたものではあるものの、訪れるものも少なく寂しい場所となってはいます。また学童慰霊碑に向かい合う?忘勿石?は、保存という名目のもとでとんでもない改悪が行われました。史実を伝承することは確かに必要なことではあるものの、その残し方には賛否両論あることは間違いありません。私自身も一時は?なんでもかんでも残す?意見に賛成だったこともあります。しかし本末転倒な保存の仕方をすることが果たして正しいものなのかどうかは正直疑いたいことがたくさんあるのが現実だということに気付きました。

4tra琉球熱さんが仰るように波照間小の?星になった子供達?の歌詞、そして?学童慰霊碑?、?忘勿石?は、それぞれ別のものではあるものの、言っていることは同じであることは理解できます。しかしその保存を巡った論議にはあまりにも幼稚な?駆け引き?がされていることに対し残念に思う以外なにものでもありません。今後どのような展開がなされるのかは?知りたい欲望?はあるものの、なんとなくしっくりくるようなこともないように思えて仕方がありません。受け身的な観点で戦跡を見続けるということの限界が見えてきているように思えてならない今回の学童慰霊碑の訪問でした。

施設の満足度

5.0

利用した際の同行者:
一人旅
アクセス:
5.0
波照間港から自転車で7分程。
人混みの少なさ:
5.0
どなたもいらっしゃいませんでした。
バリアフリー:
5.0
慰霊塔下までは行くことができます。
見ごたえ:
5.0
やはり文面の重さを感じました。

クチコミ投稿日:2016/08/06

いいね!:7

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