天下分け目の戦いを戦場外で決定させた城～近江大津城～

5.0
旅行時期：2015/09（約10年前）

by たかちゃんティムちゃんはるおちゃん・ついでにおまけのまゆみはん。さん（非公開）

大津クチコミ：111件

近江のお城は彦根と膳所。アミンチュでもそう思っていることが多い歴史の中で、大津城とは何ぞや？とも言われることもあります。三日天下の明智光秀所領の坂本城を豊臣秀吉が廃し、天正14（1586）年浅野長政が築いた城郭、それが大津城になります。元々籠城には適さない?水城?でしたが、慶長5（1600）年の関ヶ原の戦いに於いて、城主京極高次が9月7日から8日間に渡って籠城し、僅か3,000もの手勢を率い、毛利元康・立花宗茂ら西軍15,000もの兵を城攻めに釘付けにしました。9月15日に降伏開城して高次は園城寺に入りその後剃髪して高野山へと上りますが、当然その日の早朝から始まった関ヶ原の戦いには、城攻めにかかっていた西軍の軍勢は間に合いませんでした。京極高次は局所的戦闘である?大津城の攻防?には負けたものの、結果として東軍の?関ヶ原の戦い?勝利に導いた立役者となりました。

関ヶ原の戦い後徳川家康によって京極高次は召し出され、若狭へ加増転封することになります。その後攻防戦を戦い抜いて荒廃した大津城には戸田一西が一旦入り、家康の命によって廃され、膳所城が構築されます。?関ヶ原の戦い?の?前哨戦のひとつ?と言われる?大津城の戦い?、その戦禍に残った建築物は、膳所城や彦根城の一部として、江戸時代260年という長い平和な時代を過ごすことになりました。

大津城の攻防戦の際に城下を焼き払ったこともあり、明確なものが多く残っている訳ではなく、大津港入口付近の?大津城跡?の石碑位でやっと気付くことなのかも知れません。田舎でありながら交通の便の良さから?交通の要地?とされてしまった大津の悲しい一面を知ってしまったようにも思いました。