高松市の郊外、新田町久本にある古墳。封土はほとんどが流失し天井石が露出している。
標高約15mの平野部に位置する...
続きを読む円墳。現存長は東西14m,南北17mであるが,径20m以上の二段築成による古墳であったと想定されている。埋葬施設は南に開口する全長10.8mの両袖型横穴式石室、玄室は長さ4.7m・幅2.4m・高さ3.4mの規模で、奥壁に接して安山岩の巨大な一枚石による石棚をもつ。玄門・羨門の立石は、壁からやや飛び出しており、玄室・羨道部ともにプランは明瞭である。埋葬施設は土師質の陶棺で石棚直下に置かれていた。天井部と両端部は壊れており、現存長1.65m・幅0.6mの亀甲形の陶棺である。石室内はかなり捜乱を受けているが、須恵器・土師器・鉄器のほか、陶棺の横から鏑器の脚台付承盤1・宝殊紐付蓋1・碗1・碗破片1が出土している。仏教色の濃い銅鋺類を副葬するなど注目される古墳である。築造年代は6世紀末期で、7世紀中期まで追葬が行われていたと考えられている。
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投稿日:2012/12/20