2013/04/13 - 2013/04/13
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naoさん
この日は、京都市美術館で催されている『ゴッホ展 −空白のパリを追う−』を鑑賞したあと、愛宕街道沿いにある嵯峨鳥居本を訪れました。
愛宕街道は、洛中から、嵯峨野にある「清涼寺(嵯峨釈迦堂)」を経て、愛宕山の山頂にある「愛宕神社」へ至る道で、嵯峨野巡りには欠かせないものとなっています。
この愛宕街道沿いにある「嵯峨鳥居本」は、嵯峨野の最も北に位置する町で、室町時代末期に農業や林業を営む里村として開かれ、江戸時代中期に「鎮火の神」として広く信仰されるようになった愛宕神社の門前町として発展しました。
嵐山から、嵯峨野トロッコ列車の線路を越え、「清涼寺」をさらに北に進むと、虫籠窓(むしこまど)や京格子の建物が連なる、「嵯峨鳥居本」の情緒あふれる町並みが現れます。
「嵯峨鳥居本」は上・下二つの地区に分かれていて、千灯供養で知られる「化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)」までが下地区、化野念仏寺から愛宕神社の一之鳥居辺りまでが上地区と呼ばれています。
「仏野念仏寺」は、都の風葬地だった仏野で野ざらしになっていた遺骨を集め、その菩提を弔うため、平安初期、空海(弘法大師)が五智山如来寺を建立したのが始まりで、境内には一帯から出土した約8000体の石仏や石塔が並べられています。
毎年8月23日と24日の夜、これら無縁仏にローソクをお供えする千灯供養(予約制)は、京の夏の風物詩になっています。
上地区にある「鳥居本町並み保存館」は、明治初期に建てられた建物を改修・整備し、嵯峨鳥居本の町家様式を復元したもので、観光客の休憩所などとして利用されています。
「鳥居本町並み保存館」を過ぎてさらに進むと、「愛宕神社」の一之鳥居が見えてきます。
この鳥居の前には、茅葺き屋根が見事な、江戸時代創業の「つたや」さんと「平野屋」さんの、2軒の鮎料理屋さんがありますが、この辺りが「嵯峨鳥居本」の北のはずれにあたります。
一之鳥居のさらに北には、愛宕街道沿いにある最後の寺院で、1200躰もの表情豊かな石の羅漢像が独特の雰囲気を醸し出す「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」があり、その先のトンネルを抜けるとモミジとゲンジホタルで有名な「清滝」に通じています。
「愛宕念仏寺」の石の羅漢像は、昭和56年に行われた解体修理の際、寺の興隆を祈願して境内に置いたのが始まりで、現在では約1200体にも及ぶ羅漢像が並んでいることから、別名「千二百羅漢の寺」とも呼ばれています。
一体々々表情の異なる羅漢像は、知り合いの風体を思い起こさせるようなものもあり、じっくり見て廻ると、ついつい時間の経つのを忘れてしまいます。
この日は、この「愛宕念仏寺」の近くに車を停めて、北側から「嵯峨鳥居本」の町並み散歩を楽しみます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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『ゴッホ展 −空白のパリを追う−』が開催されている京都市美術館。
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『ゴッホ展 −空白のパリを追う−』の入場券。
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愛宕神社の一之鳥居の北にある「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」。
仁王門には、鎌倉時代の作とされる阿形・吽形の仁王像が奉られています。 -
仁王門を入ると、いきなり斜面に並ぶ羅漢像が目に飛び込んできます。
別名「千二百羅漢の寺」と呼ばれるゆえんを感じさせます。 -
仁王門右手の羅漢洞を潜ると、整然と並べられた羅漢像が迎えてくれます。
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一体々々仕草や表情が異なる羅漢像。
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中には、知り合いの風体を思い起こさせるような羅漢像もあります。
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じっくり見ていると、つい時間の経つのを忘れてしまいそうです。
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楽しそうな羅漢さん。
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本堂などがある上段の境内へ通じる石段。
正面に見えるのは地蔵堂です。 -
上段の境内に並ぶ千二百羅漢。
右側が本堂で、奥が多宝塔です。 -
楽しい顔、悲しい顔、怒っている顔など、表情豊かな羅漢像であふれています。
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別名「千二百羅漢の寺」と呼ばれるだけのことはあります。
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数ある羅漢像の中でも、この二人が一番楽しそうです。
「羅漢さん、程々にね!」 -
多宝塔から眺めた上段の境内。
左側が本堂、真ん中がふれ愛観音堂、右側でわずかに屋根が見えるのが地蔵堂です。 -
羅漢像の向こうに本堂が見えます。
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この寺の御本尊は厄除千手観音です。
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左側が心の目と手で仏の御心に触れることが出来るという、ふれ愛観音堂で、右側は火除地蔵菩薩坐像が祀られた地蔵堂。
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仁王門を入った時に出迎えてくれた、斜面に並ぶ羅漢像。
斜面の上に見えるのは地蔵堂です。 -
いろんな表情の羅漢像を見ていると、どこか心が癒された気がします。
では、「嵯峨鳥居本」の町へ向かいます。
「羅漢さん、楽しい時間をありがとう。」 -
「愛宕神社」の一之鳥居です。
嵯峨野の最も北に位置する「嵯峨鳥居本」は、愛宕神社の門前町として発展した町で、この辺りが北端にあたります。 -
「あゆよろし」の駕籠提灯を掲げた「平野屋」さんは江戸時代創業の鮎料理屋です。
この提灯は、手編みの竹篭に和紙を張ったもので、灯りを入れると竹篭の荒々しい網目がシルエットとして浮かび上がり、とても存在感のある雰囲気を醸し出します。
別名、嵯峨提灯とも呼ばれています。 -
こちらも江戸時代創業の鮎料理屋の「つたや」さん。
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前庭のもみじが芽吹きをむかえています。
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「つたや」さんの、味のある暖簾。
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上地区にある「鳥居本町並み保存館」。
明治初期に建てられた建物を改修・整備し、嵯峨鳥居本の町家様式を復元したものです。 -
町家の門の装飾に使われている瓦の数々。
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門の上で、「ぐっ!」と睨みをきかせています。
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嵯峨野ではあちこちで竹林を見ることができます。
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町家の茅葺屋根。
日本の原風景とも言えるものなので、いつ見ても「ほっ」とします。 -
上地区の町並みをしばらく進むと・・・
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千灯供養で知られる「化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)」の参道があります。
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「嵯峨鳥居本」は、この「化野念仏寺」を境に上地区と下地区とに分かれています。
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では、「化野念仏寺」を拝観しましょう。
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「仏野念仏寺」は、仏野で野ざらしになっていた遺骨を集め、その菩提を弔うため、平安初期、空海(弘法大師)が五智山如来寺を建立したのが始まりと言われています。
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境内の所々には、新しい石仏が奉られています。
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西院の河原と呼ばれる所には、化野一帯から出土した約8000体の石仏や石塔が並べられています。
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西院の河原にある鐘楼。
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毎年8月23日と24日の夜、西院の河原に並ぶ無縁仏にローソクをお供えする千灯供養が執り行われます。
この千灯供養は、今では京の夏の風物詩になっています。 -
正面に見えるのは地蔵堂です。
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地蔵堂。
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本堂の左手にある、水子地蔵尊を祀るお堂。
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水子地蔵尊。
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水子地蔵尊を祀るお堂。
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水子地蔵尊のお堂の背後にある竹林を縫うように、六面体地蔵まで竹の小径が続いています。
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外国人の観光客も訪れています。
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六面体地蔵です。
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竹林を透かして、水子地蔵尊のお堂が見えています。
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竹林と水子地蔵尊のお堂の境には、多聞塀が延びています。
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本堂の鬼瓦。
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本堂に奉られている御本尊は阿弥陀如来像で、鎌倉時代の作と伝えられています。
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本堂の右手には寺務所があります。
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今年の桜の開花は早かったですが、ここの境内には・・・
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名残の桜が咲いています。
嵯峨野の北端ともなれば気温も低いんでしょうね。 -
寺務所に貼られた戒めの言葉。
自分の胸に手をあてて、よ〜く振り返ってみると、恐いくらい当たっています。 -
地蔵堂の正面。
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西院の河原に並ぶ石仏達。
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木立に囲まれた西院の河原。
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多聞塀の瓦。
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西院の河原に建つ石塔。
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西院の河原に並ぶ石仏達。
永らく放置されていたので無縁仏になっています。 -
千灯供養の時には、ローソクの灯りがさぞ幻想的なんでしょうね。
予約制とのことですが、一度は来たいものです。 -
地蔵堂と鐘楼。
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では、このへんで石仏達に別れを告げて・・・
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下地区の町並みへ向かいます。
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下地区には、数件のお土産屋さんが並んでいます。
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まゆ細工を使ったモビールが揺れています。
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この子は、いかにも楽しそうな表情をしています。
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竹細工や和雑貨のお土産屋さん。
京都らしい風情にあふれています。 -
竹篭の荒々しい網目が浮かび上がる駕籠提灯。
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まゆ細工のお土産屋さん。
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下地区の町並みです。
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茅葺屋根の町家が目立った上地区とは、ちょっと趣が異なります。
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この辺りが嵯峨鳥居本の南端になるので、そろそろ引き返します。
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路地にも趣があります。
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虫籠窓(むしこまど)や京格子の建物が連なる・・・
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情緒ある町並みが続いています。
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愛宕街道を知らせる道標が立っています。
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お土産屋さんが向かいあう所まで戻って来ました。
趣を変えて、ジオラマ風にしてみました。 -
そろそろ町家の灯籠に灯が入る時間になりました。
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この先の左手に「仏野念仏寺」の参道の石段があります。
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「仏野念仏寺」の参道の石段です。
拝観受付は16時30分で終わるので、門が閉じられているのが見えます。 -
名前は知りませんが、側溝の縁に咲いていたかわいい花。
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これは馬酔木(あせび)の花です。
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これも名前は知りませんが、水辺に咲くかわいい花です。
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これは木瓜(ボケ)の花。
梅によく似た端正な花です。 -
嵯峨鳥居本の町並み越しに・・・
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京都の町が望めます。
京都タワーがランドマークになっています。 -
茅葺屋根の向こうに一之鳥居が見えています。
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日没の時間なので、ちょっとうす暗くなってきました。
このくらいの明るさで見る茅葺屋根は、しっとりとした良い雰囲気が漂っています。 -
「つたや」さんの店先には、打ち水が打たれ、お客さんを迎える準備が出来たようです。
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大きな壺に活けられたお花の準備も出来ています。
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一之鳥居と「平野屋」さん。
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一之鳥居には「愛宕山」の額が掲げられています。
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「つたや」さんにしても「平野屋」さんにしても、かたくなに茅葺屋根にこだわっておられるようです。
これが伝統というものなんでしょうね。 -
入口には所狭しと千社札が貼られていますが、さすがに京都ですね〜、祇園の舞妓さんとおぼしき札も見えます。
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「嵯峨鳥居本」は、いつ来ても嵯峨野らしい情緒にあふれています。
では、そろそろ帰ることにします。
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