2010/09/09 - 2010/09/10
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kuroneko12さん
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2010年9月、遅めの夏休みとなったので、海外に出ることにした。
せっかくだから涼しいところに行こう!
ということで、バルトの国に行ってみることにした。
リーガはラトビアの首都。
他のバルト3国の首都と同様、やはり世界遺産に登録されている。
かつてはハンザ同盟の重要な拠点として栄え、現在でもバルト3国屈指の大都市とのことだ。
小さな旧市街の中に、見どころがぎゅっと詰まった華やかなおもちゃ箱みたいな街で、歩いているとわくわくする。
が、そんなことよりもなによりも。
リーガは街中の見どころも素晴らしいのだが、食べ物とビールがとても美味くて安かったのである。
ビール党の楽園といってもいい!
これは、リーガの街と食を楽しんで歩いた2日間の記録である。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
朝6:30のバスに乗ってヴィリニュスからリーガへ移動。
10:30にリーガに到着した。
料金は17.4ユーロ。
この時間にリーガに着けば、大聖堂での昼の小オルガンコンサートに間に合うのだ。
ホテルに荷物を置いて、とりあえず行ってみる。
時間があるので、ちょっとうろうろする。
別に初めから食べ物目当てだったわけではない。
いきなり妙な彫刻を見つけてテンションが上がる。 -
どこから旧市街に入ろうか考えて、ラトビアの自由と独立の象徴、自由記念碑のある通りから入ることにする。
自由記念碑は、1935年にラトビアの独立を記念して建てられた。
ラトビアがロシア帝国から独立し、国家となったのは1919年のことだが、1940年にはソ連に再征服されている。
ソ連時代にも破壊されることなく残ったが、市民は近づくだけで反体制派と見なされてシベリア送りになったという。
それでもあえて破壊せずに残したのは、「ラトビア民族は自由である」と表面上だけでも示すためだったのだろうか。
ラトビアが再び独立を勝ち取ったのは1991年。
記念碑の基部に刻まれた文字は「祖国と自由に」という意味だそうである。
記念碑の足元には常に衛兵がいるが、彼らが活躍するような機会が訪れないことを願う。 -
自由記念碑の裏の広場から、カリチュ通りに入る。
ちょっと歩くと、リーヴ広場である。
午後になるとお土産屋さんやビールの露店なんかがたくさん出る。
昔は、このあたりにリーゼネ川という川が流れていて、それがリーガという街の名前の由来になったらしい。
それにちなんで、広場の敷石も水を表す波型になっている。 -
リーヴ広場の隅に、「猫の家」がある。
この家には裕福なラトビア商人が住んでおり、大ギルドに加わりたいと思っていた。
しかし、ラトビア人であるという理由でドイツ人が支配的なギルドへの加入を拒否された。
怒った商人は、ギルドの会館に尻を向けた猫を屋根に取り付けることで報復としたらしい。
…のだが、それが報復になるうえ、それでギルド側も激怒したというのだから、なんだか小さい話だなぁ。
と思うのは私だけだろうか。
猫は、今は大ギルドの会館のほうを向いている。
結局、猫を屋根に取り付けた商人は、ギルドに入ることはできたのだろうか。
ちなみにこの猫は、お土産屋さんで売ってるスノードームの題材にもなっている。
このへんから左に曲がると、大聖堂のあるドゥアマ広場に出られる。 -
<大聖堂>
リーガ大聖堂。
北方十字軍、リヴォニア騎士団を率いるブレーメンの僧正アルベルトが建設を始めた、バルト地方の宗教的中心である。
バルト地方最大級の大聖堂にして、バルト地域最古の建築物の一つである。
18世紀の後半まで増改築が重ねられ、さまざまな様式の建築が入り混じっているらしい。
塔の高さは90m。
この大聖堂の全容を写真に収めようと思うと、広場のはじっこまで行かねばならない。
それぐらい大きい。 -
20分ぐらいの小オルガンコンサートは、夏季ならば日曜以外は毎日あるらしい。
料金は5Ls。(当時800円ぐらい)
教会の壁にパイプオルガンの音色が響き渡り、足元から低音の振動が伝わってくる。
教会でパイプオルガンを聞く経験なんてそうそうないので、新鮮である。
リーガ大聖堂は外見だけでなく、内側も見ごたえがある。
昔の司祭やギルドの人たちの紋章や墓碑が掲げられている。
特に目を引くのは、リーガの歴史を描いたステンドグラスだ。
パイプオルガンの音色を聞いて、教会の装飾を眺めてリーガの歴史にひたる。 -
大聖堂の中庭は、博物館みたいになっている。
陽光が降り注ぐ昼時は気持ちいい。
昔、塔のてっぺんに取り付けられていた雄鶏や、司祭の像なんかが並べられている。
大聖堂からの帰りがけ、夜のコンサートにも行ってみたくて翌日夜のチケットを買ってしまった。
教会のオルガンコンサートの時間は、リーガ大聖堂のホームページで確認できるので、行く前にチェックしていくと良い。 -
このへんでお昼にする。
ドゥアマ広場の南側、「プラネタ・スシ」という怪しげなすし屋をはさんだ2本の通りにはご飯を食べられるところが多い。
「プラネタ・スシ」の角を右に進まず、まっすぐ行くとパンケーキのお店「シェフパヴァールス・ヴィルヘルムス」がある。
「料理長ヴィルヘルムス」という意味らしい。
ビュッフェ形式で、パンケーキやサラダ、ドリンクなどを好きに取っていく。
店内はわりとゆったりした空間で落ち着けるが、平日のお昼時のお客さんの回転は早い。
近所で働くビジネスマンたちだろうか。
人気のお店のようである。 -
ミート、チーズ、バナナのパンケーキと、サラダ、飲むヨーグルト。
全部で2Ls。(当時320円ぐらい)
安い、早い、美味い。である!
けっこうお腹にたまるうえに、この値段なので大満足だ。
チーズは普通のチーズを想像していたが、甘いチーズだった。
サラダや飲み物はグラムいくらで買う。
パンケーキは全部で10種類ぐらいあったと思う。
飲むヨーグルトは、思っていたよりも重かった。日本のさらっと飲めるヨーグルトとは一味違う。
(実は飲むヨーグルトじゃなくて、普通のヨーグルトだったのかもしれない…)
このお店は美味しかった。
しかしこれは、私のリーガの食の思い出のまだまだ入口でしかない。 -
<聖ペテロ教会のあたり>
「シェフパヴァールス・ヴィルヘルムス」から旧市街の南側に進んだ、スカールニュ通りの右側に聖ペテロ教会がある。
通りの左側には聖ヨハネ教会や、エッケの修道院跡を改装したホテル、カフェがあったりする。
広い通りにはカフェがあったり、お土産屋さんが屋台を出したりしている。
当然、観光客がいっぱいいるエリアになっている。 -
聖ペテロ教会の塔である。
高さは123.25mもあり、72mの展望台までエレベータで登ることができる。
塔は何度も火災で倒れ、何度も建てなおされてきたらしい。
塔を再建すると、建築責任者は塔のてっぺんの雄鶏にまたがってワインを飲みほし、グラスを下に投げ落とすという習慣があった。
グラスの破片の数が、塔が存続し続ける年数を表すと信じられていたという。
この習慣は、ソ連時代にも行われたというから驚きである。
ソ連というのは、そういう俗っぽいことは許さないものと思っていた。
やはり人々に伝統的に根づいたものというのは、簡単には壊せないものなのだろう。 -
塔の上からみた旧市街の北側の景色。
素晴らしい眺めではないか!
こうして見ると、リーガの街はまるでおもちゃ箱のように色とりどりだ。
建物の屋根の色も壁の色も雰囲気も統一されていない。
ヴィリニュスでは建物がほとんど赤い屋根に白い壁だったのと比べると、やっぱり華やかである。
手前の塔は市庁舎の塔。
中央に見えるのが大聖堂。
右の緑色の塔が聖ヤコブ教会の塔である。
背景にはダウガヴァ川が滔々と流れている。
古くはバルト海から貿易船がこの川を通ってリーガの街にやってきて、港で交易を行ったのかもしれない。 -
新市街側に目を転じる。
左側に自由記念碑が見える。
その後ろに見える高いビルはホテル・ラトヴィア。
しかし、他に近代的な高い建物はほとんどない。
ヴィリニュスの新市街エリアのほうが、まだビルがいくつか並んでいた分、新市街っぽく見える。
19世紀の後半から20世紀の前半にかけて形成されたエリアである新市街には、ここからではわからないが独特の建築様式の建物が立ち並んでいるらしい。
この展望台は、数分に一回エレベータで観光客が登ることができる。
入場制限をしているわけではないので、観光客でいっぱいになると狭いのでちょっと厳しい。 -
塔から下りて、向かいにある聖ヨハネ教会へ。
赤茶色のレンガが積み上がった教会はどっしりとした重みがある。
内装はけっこう普通だ。
この教会の外壁には、中世の時代の跡がいくつかある。
ペテロ教会の隣はエッケの修道院という修道院を改装したカフェ・ホテルがある。
ここの外壁にも中世の時代の有名なレリーフがある。 -
<市庁舎広場>
スカールニュ通りから聖ペテロ教会の正面側に回ると、市庁舎広場に出られる。
市庁舎広場はリーガの守護聖人、聖ローランドの像を中心に、ブラックヘッドの会館、市庁舎、占領博物館が囲んでいる。
奥に聖ペテロ教会の塔も見えるし、リーガの街の絶好の撮影スポットである。
ブラックヘッドの会館の隣の建物(この写真の真ん中の建物である)はインフォメーションセンターである。
この広場は、いつ行っても観光客で賑わっている。
ところで、聖ローランドというのがどんな人物なのか。
検索してもそれっぽい人物がヒットしない。 -
と、思っていたのだが。
後日クロアチア旅行のために「歩き方」のクロアチア・スロベニア編を読んでいたら、ドブロブニクのページに「オルランド(オーラン)」なる人物の記述があった。
彼は8世紀にカール大帝に仕えた騎士の一人であり、ヨーロッパの自由都市には、自由の象徴として彼の像が立てられた街が多かったという。
さらに、中世ドイツにおいては彼の像は、都市が地方貴族から独立していることの象徴として各都市に立てられたらしい。
ドブロブニクも「自由はお金では購えない」という文言を門に刻み、自由独立をなによりも重んじた都市である。
ドブロブニクに実際に行って像を見ると、リーガの聖ローランド像と同じように、右手に剣を、左手に盾を携えた姿で街の中心の広場に立っている。
剣と盾を携えた、中世都市の自由の象徴である騎士。
完全に推定でしかないが、リーガの聖ローランドと、カール大帝の騎士オルランドは、同一の存在だと思う。
写真は、ドブロブニクのオルランド像。 -
ブラックヘッドの会館は、ハンザ同盟都市にはつきものの商人ギルドの会館である。
装飾豊かな外観だ。
上部の時計は、月、日、時間、月齢を刻む。
これを造った職人は、同じものが二度と造れないように目をくり抜かれてしまったらしい。
怖い話である!
時計の下の4つの紋章はハンザ同盟都市を表しており、下にはギリシャ神話の神の像が置かれている。
左から、リーガ、ハンブルグ、リューベック、ブレーメンだそうである。 -
当時のホールや会議室が再現されている会館の中は、2Ls(320円ぐらい)で見学できる。
地下は、当時の商館の様子を再現した博物館になっている。
4Fより上は、ギャラリーになっており、絵画が展示されていた。
広場で会館の外観を眺める人は多くても、中に入る人はあまりいなかった。
「ブラックヘッドのギルド」は、未婚の貿易商の所属する会のことだそうだ。
なぜ、正規の会とは別の会なのだろう?
正規のギルドに所属しても、独身だと身軽なので街を離れてしまい、ギルドの商売上の秘密などが流出する可能性があるからだろうか?
ちなみに、手前に写っているのはクリスマスツリーを模したものである。
2010年は、リーガにクリスマスツリーが飾られてから500年目であり、それを記念しているらしい。
日本語を含む各国の言葉で解説された敷石があった。 -
ブラックヘッドのギルドの向かいが市庁舎である。
今は市庁舎としては使われていないらしい。
市庁舎前の広場は、中世には市場が立ち、祭や政令の布告、果ては魔女の火あぶりなどの刑罰が行われるリーガの中心地であったらしい。
バルト海を運ばれてきた積荷がダウガヴァ川を通ってリーガに運ばれ、河岸の港から荷揚げされてこの広場の市に並んだのだろうか。
ところで、市庁舎広場周りの建築物はどれも第二次大戦等で破壊され、最近になって再建されたものらしい。
だからだろうか、立派な建物が立ち並ぶ姿は壮観なのだがちょっと小ぎれいであり、それほど歴史にさらされてきた重みのようなものが感じられない。
とはいえ、もし平和な歴史を経ていたとすれば、人の営みと雨風にさらされた厚みのある外観を見せるはずの建築物が、戦争によって破壊され、再建されて新しくなっているという事実も、ある意味で歴史の重みを伝えているといえるのかもしれない。 -
さて、市庁舎広場を出て再び街の北側、Tirgonu通りを通ってドゥアマ広場のほうへ行くと、カフェ・リゲンスィスがある。
某「歩き方」によれば、ここではケーキやコーヒーが楽しめるだけでなく、店内で焼いた伝統的なパンも味わえるらしい。
旧市街の中心に近いためか、お茶の時間にはお客さんが多くて賑わっていた。
パンやケーキをテイクアウトもできるみたいで、会社員風の人が買って帰っていくこともあった。
市庁舎広場、ドゥアマ広場、聖ペテロ教会というリーガの三大観光名所の真ん中にあるので、観光客にとってもいい場所である。 -
ラインナップはこんな感じである。
写真に写っていない手前側にも、もっとケーキやパンが並んでいる。
レーズン入りのチーズケーキとカフェラテを頼んだが、日本円にして400円弱だった。
海外で食べるスイーツは往々にして甘すぎるが、ここのケーキは甘すぎずさっぱりしている。
食べ飽きないし、他のケーキやパンも食べてみたくなる。
400円弱でこの味なら大満足である。
こう言ったらアレだが、日米他に展開している某カフェチェーン店がコーヒーだけで400円ぐらいするのを思ったら、やっぱり日本の物価は高すぎる気がした。
もっとも、リーガの物価もヨーロッパにしたらかなり安い部類に入るのだが。 -
<旧市街の北側>
一休みもしたので、街の北側を歩いてみる。
南側ほどじゃないが、北側も歩き甲斐のある街並みが広がっている。
大聖堂を背にしてドゥアマ広場から伸びるイェーカバ広場を歩いてすぐの角を左に曲がると「三人兄弟」がある。
中世の住宅の外観をそのまま残しているという。
右の建物が一番古く、15世紀に建てられたものであり、左に進むにつれて新しいものになっている。
どれも立派な面構えだ。
内部は現在建築博物館になっていて中世の住宅の様子が分かるということである。
楽しみだったのだが、ドアを開けたらおばちゃんに申し訳なさそうに“close”と言われてしまった。
某「歩き方」には平日9時〜17時オープンとあるが、間違いみたいだ。
後で博物館のホームページを見たのだが、月曜は18時まで、金曜は16時までである。 -
イェーカバ通りに戻り、そのまま北へ進むと聖ヤコブ教会がある。
1225年という古い時代の記録にも残っているという歴史ある教会である。
尖塔のちょうど真ん中あたりに鐘が吊るされている。
この鐘は市庁舎広場で罪人の処罰が行われるときに鳴らされ、市民にそれを知らせたらしい。
また、言い伝えによれば、この鐘は下を不貞な婦人が通ると自然に鳴りだしたため、女性に嫌われていたらしい。
嫌う前に、不貞をやめろという話だと思うのだが…。
リーガの観光名所にはこういう小さな面白いエピソードがある場所が多いような気がする。 -
リーガ旧市街にわずかに残る城壁。
とはいえ、これも修復されたもの。
城壁は建材として使用され、今ではほとんど残っていないのだ。
「旧市街の城壁」と聞くとわくわくする私には残念至極である。
この通りの反対側はカフェ、レストラン、お土産屋さんが並んでおり、実はけっこう人通りが多い。
というか、リーガの旧市街の主だった通りはだいたい人が多い。 -
というわけで、旧市街の内側をほとんど一日歩き倒して夕食にした。
(たしか)リーヴ広場にあったレストラン。
ここまで2ヶ所、リーガの食べ物は美味しい、安いと書いてきたが、ちゃんとしたレストラン風の場所で食べるとけっこうちゃんとしたお値段になるのである。
スープにサラダ、豚肉のビール煮、ビールで2500円弱だった。
ちゃんと食べているのでそれぐらいするのは当たり前かもしれないが、これまでのヴィリニュスやリーガの相場からするとちょっと高く感じられる。
リーガは、もっと安い値段で美味しいものが食べられる。
とはいえ、いかにも肉料理というものは、そういう安い店ではあまり食べられないと思うので、これはこれで全然アリだとも思う。 -
<新市街の建築>
さて、翌日。
新市街のユーゲントシュティール建築を観にいくか、リーガからバスで日帰りできるスィグルダ峡谷やツェースィスに行くか考えた末、結局リーガ内に留まることにした。
なんとなく、旅行の最終日に遠出したくなかったのだ。
ユーゲントシュティールとは、ドイツ語でアールヌーヴォーの意味。
19世紀末から20世紀初頭にかけて盛んだった「新しい芸術」の運動であり、従来の常識にとらわれない装飾や素材の使用が特徴であるという。
リーガ中心部の建築の4割はこの様式であるという。
旧市街から新市街に出てみる。
正直なところ、ユーゲントシュティール様式の建築なのかどうかはわからないが、見応えのある街並みが続いているのだ。 -
新市街にも立派な教会がそこかしこにある。
これは古聖ゲルトルード教会。
15世紀に建てられた教会である。
聖ゲルトルードは旅人の守護聖人であり、中世の時代、リーガを旅立つ者は皆この教会に祈りにきたという。
明日リーガを旅立つ身であり、今後もヨーロッパを旅したい私としては、ここに来ずにはいられなかった。
今後もいい旅が続けられますように。
ところでこの写真の右の建物は、見た目も立派でありかつ、色が鮮やかなピンクである。
この素晴らしいセンスは「ユーゲントシュティール」なのだろうか。 -
エスプラナーデ公園の先、ヴァルデマーラ通りを越えたあたりから、こういう感じの建物が増えてくる。
豊かで凝った装飾の建築群である。
オフィスや住宅に使われている。
自分が住むことになったら落ち着かないかもしれない。
でも、見ている分には面白い。 -
道の両側の建物がユーゲントシュティール様式のアルベルタ通り。
ここまで来る観光客はそうそういないのか、旧市街と比べると閑散としている。
通る人は地元民風の人が多い。
旧市街の街並みも歩いていて面白いが、新市街の建築群も見ていて飽きない。 -
個人的には新市街ユーゲントシュティール建築巡りの中で一番気に行った建物。
2002年に修復されたらしい。
その甲斐あってか、白地に青いレンガのアクセントが見事に鮮やかである。
ファンタジックな外観は、何かの物語に登場しそうな雰囲気だ。
内装や間取りがどんな感じなのか、少し気になる。 -
さて、旧市街を出て新市街の建築をめぐっていると結構歩くことになる。
そんな中、カフェを見つけた。
コーヒーが飲みたかったのと、これまでのヴィリニュスとリーガのカフェの経験上、期待を裏切らないに違いないと信じて入ってみた。
ちなみに、右側に見える「AMAYA」と書かれたポスターは、なんと桃井かおり主演のラトビア映画のものである。
こんなヨーロッパの辺境で、日本人が主演を演じる映画が上映されているとは思わなかった。
しかも、失礼ながら桃井かおりさんがこんなにグローバルな女優だとは知らなかった。
調べたところ、アカデミー賞2011にもラトビア代表として出品され、外国語映画賞にノミネートされたらしい。 -
店内にはケーキのショーケースだけでなく、紅茶のリーフやコーヒー豆が並んでいる。
最初はコーヒーだけにしようと思っていたけど、眺めてるうちに食べたくなったのでさっぱりしてそうなやつを頼んでみた。
小腹を満たして一休みするにはちょうどいい。
ベリーのケーキとコーヒーで1.3Ls(200円)ぐらい。
日本でもこれぐらいの値段だったら、もっと気軽に喫茶店に入れるんだけどなぁ。
店内は近所の人と思しき人がおしゃべりをしていたり、スーツ姿の人がノートPCで仕事をしていたりする。
静かなので落ち着く。 -
<食!!>
この後は国立美術館に行き、ラトビア人の絵画を見て回った。
のだが、ここからは食の話ばかりになる。
ラトビア料理は安くて美味しい。
昼食を食べたのは「ヴェールマニーティス」である。
国立美術館を出て、エスプラナーデ公園とヴェールマネス庭園の東側を歩いていったあたりにある。
肉料理、魚料理、サラダに温野菜などなどいろんな料理が並んでいる。
学校や会社の食堂のように、厨房側にいる人に食べたい物を言うとお皿に盛ってくれる仕組みである。
ビールやスープは自分でグラスやボウルに注ぐ。
というわけで、ビール、赤カブの冷スープ、ザワークラウト、焼いたタラ。
合わせて4.6Ls(720円)ぐらいである。
ラトビア料理はビールに合うと思う。 -
お昼の後は、スーパーでお土産を買ったり、占領博物館に行ったりした。
旧市街内と外の境目あたりにはスーパーやコンビニの類がけっこうある。
特に旧市街の南東にあるショッピングセンター「ツェントルム」には、大型のスーパーにワインセラー、いかにもお土産屋さんといったものが並ぶお店等などがあり、お土産を買うにはもってこいなのである。
ラトビアを代表するライマのチョコレートはたくさんの種類が揃っていて、グラムいくらで買える。
100粒買ってみたが6.3Lsぐらい(1000円程度)でとてもお得だ。
箱で買うよりこっちのほうが割安に違いない。
瓶ビールもいろんな銘柄のものが並んでいて、ものによっては100円以下で買える。
調子に乗ってお土産にするもの含め10本買ったら、スーツケースに詰めた後でその重さにちょっと後悔した。
あくまでもちょっとである。
ワインも、ワインセラーではメジャーな国のワインばかりだったが、スーパーには日本ではなかなかお目にかかれない中欧地域やイスラエルやギリシャ産のものが並んでいる。
試してみたかったが、ついついビールを優先してしまった。 -
お次は、リーガ市内のところどころで見かける「ダブルコーヒー」である。
スタバにもあるようなお馴染みのメニューだけでなく、アルコールもある。
食事もパスタやスシがあったりしていて充実している。
でも、まさかスシがあるとは思わなかった。
オーダーはセルフではなく、席までウェイターが聞きにくる形式。
カウンターで注文しようとしたら、席で待てと言われてしまった。
でも、なかなか来てくれないので、気長に待つ。 -
「リガ・コーヒー」というメニューがあったので、せっかくだからオーダーしてみた。
コーヒーにラトビアの薬草酒、ブラック・バルザムを混ぜてホイップクリームをのせたものである。
ちょっとお酒をきかせたぐらいのコーヒーかな、と思っていた。
しかし、大間違いだった。
これはコーヒーではなく、コーヒーベースの強目のカクテルである。
なんというかこう、えぐい味がした(意見には個人差があります)。
がんばって飲んだ。
残念。 -
さて、最後に夜ごはん。
Tirgonu通り、リゲンスィスの近くにある「アルス・セータ」である。
ここも「ヴェールマニーティス」のように、並んでいる料理から好きなものを選び、お皿に盛ってもらう。
ビールの種類や料理についてなど、店員さんに聞けば親切に教えてくれる。
夕食時の店内はとても賑やかである。
先に料理を盛ってから席に向かうと、お皿とビールを持ったまま席がない…なんてことにもなりかねない。
でも、料理はどれもいい匂いで美味しそうだ。 -
豚肉のベーコン巻きにザワークラウト、ボウルいっぱいの黒豆とベーコン、ビールである。
これで5Lsなので、800円ぐらい。
どれを取っても美味で、しかもビールが進む。
ビールはUzavasというブランドのMEDUSという種類のもの。
Medus(ハチミツ)という名の通り、ちょっと甘い。
ビールは他にも生ビール、黒ビールなどがある。
海外のビールは日本のビールと違って味がしっかりしてて好きである。
このお店はとってもおススメである。 -
リーガ旅行はここまでである。
世界遺産リーガは、同じバルト3国の首都、タリンやヴィリニュスと違ってけっこう観光都市である。
見どころも食べるところも旧市街内に集まっている。
団体観光客も地元の人も一緒くたに歩きまわっていて、とても賑やかである。
なんだか歩いているだけでわくわくして楽しい。
カフェやレストランに入れば安くて美味しいものが食べられる。
すばらしい。
写真は旧市街からピルセータス運河を渡ったリーガ駅前の両替屋さん。
ホテルの人が勧めてくれたのだが、結構レートが良かった。
手数料も取らない。
バスでリーガに着いたらまず行くといいかもしれない。 -
リトアニアのヴィリニュスは、緑の中にある落ち着いた街だった。
エストニアのタリンは、中世の香りが漂う渋い街だった。
そして、ここリーガは色鮮やかで華々しい、あっちにもこっちにも目移りしてしまうおもちゃ箱のような街だった。
それはそれとして、ビール好きとしてはいつかもう一度ビールを飲むためだけにリーガに行ってみてもいいぐらいだ。
いや、そのときは当然リーガだけじゃなく、バルト3国ビール行脚になってしまうだろう。
というか、そんな旅行がしてみたいなぁ…。
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