2009/10/26 - 2009/10/27
105位(同エリア154件中)
世界攻略者さん
- 世界攻略者さんTOP
- 旅行記213冊
- クチコミ2件
- Q&A回答0件
- 2,417,166アクセス
- フォロワー69人
「何もない」とされているズードホンでの主要アクティビティは、近隣の山へのトレッキング。その中で最も人気なのが、谷をさらに上流に進んだ先にある夏の牧草地、ババグンディへの訪問です。そこは、アフガニスタン国境と15キロも離れていない場所。辺境のロマンをかきたてられます。
**情報は2009年10月のもの。1ルピー=1.1円で計算。
==シリーズ一覧==
フンザ心の旅① ハイダー爺と魔法の青い樽 (フンザの水)
http://4travel.jp/travelogue/10442688
フンザ心の旅② 長谷川メモリアル学校 - 魂の文化祭 その1
http://4travel.jp/travelogue/10443973
フンザ心の旅③ 長谷川メモリアル学校 - 魂の文化祭 その2
http://4travel.jp/travelogue/10444125
フンザ心の旅④ グルミット - 美人村の学園祭
http://4travel.jp/travelogue/10441914
フンザ心の旅⑤ フサニ村 - 吊橋と温泉のある風景
http://4travel.jp/travelogue/10443768
フンザ心の旅⑥ パスー - 村の伝統結婚式
http://4travel.jp/travelogue/10444518
フンザ心の旅⑦ カラコルムハイウェイ - デコトラ街道の男たち
http://4travel.jp/travelogue/10444759
フンザ心の旅⑧ チャプルソン谷 - その伝説の何もなさ
http://4travel.jp/travelogue/10575819
フンザ心の旅⑨ ババグンディ - アフガンへと続く道 <==
http://4travel.jp/travelogue/10575824
変更:
2014/09/15 写真拡大
PR
-
[目次]
Mt.Pamiriを探して
ババグンディへの道
ババグンディで一泊
アフガンへと続く道
旅の終わりに
まとめ -
[Mt.Pamiriを探して]
ズードホンはチャプルソン谷最後の集落ですが、ジープ道はまだ先へと続いています。一体、この先はどうなっているのか。気になった私は、道に沿って歩いてみることにしました。散策ルートについては、情報ノートにある程度情報が載っています。 -
ジープ道を歩いて西に向かいます。村を抜け、緩やかな登り坂を登っていくと、小屋とゲートが出てきます。ここで通行料を取るおじさんがいるとの話ですが、オフシーズンのためか無人。ゲートの後、少し歩くと、広い川原/湿地のエリアが目の前に出てきます(写真)。
車道は左に大きく迂回していますが、私は徒歩のため、そのまままっすぐ湿地エリアに入っていきます。このエリアの右端の方には、エメラルド・グリーンの小さな池があるそうです。 -
湿地エリアの中の道を行くと、途中で3箇所ほど吊橋が出てきます。それを渡りながら、先に進みます。正面に見える山の左側には雪山と氷河。右側には、ババグンディへと続く道があります。ここで目指すのは後者のほうです。
-
写真は、湿地エリアから見た雪山(南)の眺め。土砂を被ったYishkuku氷河の向こうに見えているのが、Pamiri Sar I (左、7016m)とKampire Dior (右、7168m)。ちゃんとあるじゃん絶景! 宿でかっこいい雪山はないか聞いた時、紹介されたのが、このMt.Pamiriでした。パミールみたいな名前ですが、この山があるのはパキスタン側です。
この氷河の右側の山を登っていくと、夏の牧草地やベースキャンプ、雪山のビューポイントなどがあります。そこへのトレッキングもズードホンで人気アクティビティですが、時期はずれということもあり、私は行きませんでした。 -
この湿地帯では、馬や牛がくつろいでいるのをよく見かけます。景色がいいため、人がのんびりするのにも最適です。
-
湿地エリアを渡りきると、小さな丘が出てきます。その丘を登りきった先で、湿地帯を迂回してきたジープ道と合流します。写真は丘の上から見た景色。この幅広の道はババ・グンディまで繋がっているようです。今日はここまでにしておいて、明日ババ・グンディまで行ってみることにします。
-
[ババグンディへの道]
ズードホンからババ・グンディへ行くには、いくつか方法があります。1つは徒歩で、片道約3-5時間。その他、ジープ(3000ルピー= 3300円)、トラクター(2000ルピー=2200円)、馬(1500ルピー?=1650円)、オートバイ(1000ルピー=1100円)など。旅行者は馬、つまりホーストレッキングをしながらババ・グンディを目指す人が多いようです。私は長時間の乗馬する退屈さをよく知っているので、これはパス。
その他、徒歩だと日帰りできないかもしれないし、ジープのお金も払いたくない。そこで私が思いついたのが、自転車で行くというかつてない方法です。徒歩より速く、車よりも安い。アップダウンが少なく、道も悪くないので、我ながらナイスなアイデアです。交渉の結果、一日300ルピー(330円)でレンタルすることになりました。
このあたりでは、自転車はそれほど一般的でないので、たまたまバイクを持ってる住民から借りることになります。翌朝、ダリオが友人から借りてきたマウンテンバイクに乗り、いざ出発です。念のため、ババ・グンディにあるダリオ家別荘の鍵も借りておきました。 -
ズードホンから30分ほど走り、まずはゲートのある小屋に到着です。ここまで乗ってみて、いくつか致命的な問題があるのに気がつきました。まずは、自転車のコンディション。この自転車、ブレーキが常時半分利いているため、漕ぐのに3倍のエネルギーを要します。試しにブレーキのワイヤーを調整してみると、今度はほとんど利かなくなりました。
次に、ギアが変えられないこと。こちらは、無理に変えても漕いでるうちに、低速ギアに戻ってしまいます。まったく、こんな状態の悪いバイク、よくもレンタルしやがって..。バイクを用意するのに1時間もかかった理由がよくわかりました(笑)。
それに加え、道路の状態にも問題があります。このジープ道、山から小川が流れ込んでいる場所が何ヶ所かあるため、そこを渡らなければなりません。さらに、日陰の場所では道が凍ってたりします。
写真: ゲート小屋と、その手前を流れる小川。 -
本当なら今日はあきらめて戻ってもいい所ですが、一日無駄にしたくない私は、そのまま走り続けることにしました。慣れが問題を解決すると考えたからです。でも、思ったより簡単ではありませんでした。特に苦労したのが全く利かないブレーキ。下りで加速する度に足で止めます。ジグザグに走ってスピードを抑えても効果なし。本来、スイスイ走っているはずの下りで、20メートル毎にストップを繰り返しながら前に進んでいきます。 何というアホらしさ!
さらに困ったことに、道が大きく迂回しているため、いくら走っても昨日の丘までたどり着けません。距離的には倍くらい遠回りでしょうか。 -
ゲート小屋から約50分、なんとか氷河手前の橋までやってきました。写真右上に見えている丘が、昨日到達した場所です。
-
橋の直後、更なる困難が待っていました。幅5メートルほどの小川があって、それを渡らないことには先に進めないのです。川幅が狭くなる上流まで行ってみたのですが、逆に底が深くなっていて越えられない。ここでは、いろいろな作戦を考えてみました。自転車を向こうに放り投げて、自分はとび石の上を走るとか。自転車を担いで、さらに上流の巨石を登るとか...。1時間ほど奮闘しましたがすべて失敗に終わりました。努力が報われないことも、たまにはあります。
-
途方にくれていると、丘のほうから車がやってきて、強引に川原を突破していくではありませんか。どういうこと? タクシーのような車がこの僻地を走っていること自体驚きですが、何の躊躇もなく川の中を走っているのに、さらにびっくりです。どうも、ババ・グンディを見に来たパキスタン人観光客を乗せているようです。
-
車の走るコースを見て、やっと気がつきました。橋の手前辺りからワダチが見えていて、それが川原の中の砂利道に合流しているのです。つまり、これがスタンダードなルート。川幅が広い反面、水深も浅めです。橋の前まで戻り、私もこのコースを渡ります。
-
靴を脱ぎ、氷のような水温に我慢しながら、一歩一歩自転車を引いていきます。時々休憩を挟み、5分以上かけて何とか対岸に渡ることができました。なぜ、このコースを最初から選択しなかったかというと、川の水が半端なく冷たいから。氷河から流れ出る水は、氷と変わらない冷たさ。濡れずに済む方法を懸命に模索しましたが、結局は川を歩くはめになりました。
-
その後、川原を越えて、丘の上へ。川から20分後、やっと昨日と同じ場所に立つことができました。ここまで約3時間。直線コースを歩いてきたほうが全然早かったですね。でも、この先はわかりやすいジープ道が続くだけなので、なんとか挽回したいと思います。
気持ちを入れ替え走り出してみると、ゆるやかに見えたジープ道にも、多少アップダウンがあるのに気づきます。下りのほうは、だいぶコツがつかめてきましたが、時々出てくる登りの道で苦労します。何しろギアが軽いギアに固定されているため、全力で漕いでもなかなか先に進まないのです。カゴの中を懸命に走るハムスターにでもなった気分です。
しかも、ここは3500メートルを越える高地。少し「本気」を出すだけで、すぐに息が切れてしまいます。富士山9合目と同じ高さの山道を、低速ギアで走る汗だくの男...ほとんどジョークの世界です。登りは全力で立ち漕ぎ、下りは足ブレーキ。一体、俺はここで何やってるんだ..。そう感じるまで長い時間はかかりません。丘から80分ほど長いジープ道を走った後、やっとババ・グンディが見えてきました。
計4時間半もかかってしまいましたが、川越えを除けば約3時間。自転車の状態がよければ2時間ちょっとで来れたはずです。私の判断は間違っていなかった。でも、運がなかった。 -
これがアフガニスタンに最も近い集落、ババ・グンディ。夏の牧草地という話ですが、晩秋の今、砂漠の町のような荒涼さを感じます。全部で小屋が10軒ほど。中央の白い建物が、聖人を祭った廟になります。
このババ・グンディが一番盛り上がるのは、やはり夏。放牧地には家畜が溢れ、キルギスからの遊牧民が峠を越えて商売にやってきます。さらには軍隊のキャンプも張られ、写真の閑散とした風景とは全く違った姿を見せるとのことです。 -
早速、集落の中に入ってみます。ここババ・グンディのランドマークがイスラムの聖人を祭った廟(写真)。有名な巡礼地でもあり、ここまでジープ道が伸びているのは、この廟のためかもしれません。
この時は、門に鍵がかかっていて中に入れませんでした。先ほどの観光客がここを訪問したとすると、この集落の誰かが鍵をもっているのでしょう。でも、その人を探す気力はもう残っていません。 -
[ババグンディで一泊]
このババグンディは、ズードホンよりさらに何もないところ。ズードホンにはあった電気もトイレもここにはありません。荒涼とした景色と相まって、「すごいところに来てしまった」感が、疲れた体にガツンと響きます。
しかも今日は風が強くて寒い。陽が傾くに連れ、気温がどんどん下がっていくのがわかります。早くダリオ家の別荘を見つけて体を休めなくては..。でも肝心の場所がわからない。すぐ近くに煙が上がっている小屋(写真)があったので、とりあえず聞いてみます。 -
小屋の人に場所を教えてもらい、やっとダリオ家の「ババグンディの家」を見つけました。場所は廟の裏側、集落から少し離れたところで、農地を囲う柵の内側にあるため、見逃していたのです。ここには、写真のような小屋がひとつ。少し後方に、窓のないキッチン小屋がひとつあります
-
鍵を開けてそれぞれの小屋に入ってみます。ゲスト小屋のほうは、ズードホンのゲスト部屋と同じで殺風景な洋間。物置スペースで寝袋や布団を発見したので、なんとか一泊することはできそうです。今の私に日帰りする体力は残っていません。
-
一方のキッチン小屋は、小さめの伝統家屋。ズードホンの母屋同様、部屋の中心にカマドがあり、回りが寝るスペースになっています。サイズが小さくなっただけで、構造は基本的に同じ。この小屋の場合、さらにシンプルになっていて、床は土間にゴザをひいただけ。天井もズードホンと比べ、かなり低めです。 夏のシーズン中、このキッチン小屋にはダリオの父親が住んでいるという話です。
-
この小屋は、ダリオ父が住んでない時、宿泊者やガイドが勝手に使うこともあるようです。戸棚には、食器に加え、鍋やヤカン、圧力鍋などの調理器具も一通り揃っています。よく見ると、お茶の葉やヤク・バター、ジャガイモなどの食料が入った袋もあります。
おっと、大事なことを忘れていました。この集落には電気がないため、夜は部屋が真っ暗になっちゃいます。ヘッドライトは持っているものの、就寝までそれで過ごすのは勘弁願いたい。キッチン小屋でランタンを発見したので、これを活用することにします。 -
先ほど訪ねた小屋に向かい、恥を覚悟で灯油を分けてもらいます。同時に、古くなった芯のロープも交換してくれました。この小屋に住むのは国境警察の老夫婦。他にも羊飼いがいるはずなので、オフシーズンのこの時期でも、二世帯ババグンディに住んでいることになります。
この小屋もキッチン小屋より少し大きい程度の伝統家屋。部屋の奥には、警備用ライフル(写真)が立ててあり、アフガンからの怪しい侵入者に備えます。
ところでこの小屋、カマドに火がついているため暖かくてとても快適です。一泊させてくれないかお願いしてみましたが、答えはNO。でも、夕食には誘ってくれました。もともと日帰りの予定だったため、私はほとんど食べ物を持参していません。 -
この家で料理を作るのは男性の役目。ヤギの肉をぶった切り、たまねぎやジャガイモ、砂糖・スパイスと炒めます。おかずを作った後は、小麦粉をこねてカマドの上でチャパティを焼いていきます。いつも関心してしまうのが、パキスタン人の手際のよさ。原料の小麦粉からチャパティを焼き終えるまで5分もかかりません。このリードタイムの短さは、お米やパン、麺類には絶対まねできない芸当です。それだけ、チャパティが原始的な料理といえるかもしれませんね。
調理が終わると、暗い部屋の中でカマドを囲み、3人でこじんまりと食事をします。文字通り何もないこの土地で、おいしいものを食べられる喜び。カマドから伝わる火の暖かさ。そして、テレビも商店街ないこの静かな場所だからこそ、感じることのできる人の温かさ。すべて、おなか一杯いただきました。 -
さて、腹を満たしたところで、次は寒さ対策です。ババグンディは標高約3600メートル。ズードホンより200メートルほど高いだけですが、その差以上に寒く感じます。
私にはひとつ妙案がありました。ゲスト小屋ではなく、キッチン小屋で火を起こして寝るのです。小屋の中には、低木の枝やヤク・牛の糞などの燃料、さらにマッチがあるのは確認済みで(写真)。
宿に戻り、これらの燃料をカマドの中に入れ、さっそく実験開始です。マッチで枝に火をつけるてみるのですが、なかなか燃え上がりません。さっきの小屋の男性はいとも簡単に点火してたのに、何かコツでもあるのでしょうか。結局、あきらめてゲスト小屋に戻ることにしました。 -
とても底冷えする10月後半のババ・グンディ。物置からあるだけの布団と寝袋を取り出し、寝床を作ります。まだ寝るには早いため、キッチン小屋にあった情報ノートを寝そべって読んでみます。
フムフム。やはりこのババグンディは、夏来るのがよさそうです。辺りは緑の草原に変わり、乗馬の練習もできます。ダリオの父と語り合い、ガイドの作った料理に舌鼓を打つ。一方、今の私はひとりきり。寒さに震えながら寝付けぬ夜を過ごしています。 -
[アフガンへと続く道]
何とか夜を越し、無事朝を向かえました。東側の窓からは、強い朝日が差し込んでいます。さて、すぐにズードホンに戻るべきか。それとも、この辺りを散策するべきか。昨日の夕飯のおかげで、体力はかなり回復しています。 -
私が気になっていたのは、西側の風景。さらに奥へと谷が伸びています。このまま進んだ先には何があるのか。午前中の時間を利用して、行けるところまで行ってみたいと思います。この先、ジープ道はないため基本的にヤギの道を歩きます。
鶴田真由さんの番組チームもこの谷を通って、ワハン回廊へ向かいました。その時は、カメラ3台に音声さん、修理エンジニアにディレクターなど、日本人が20人。さらに、荷物を運ぶ22頭の馬、55頭のヤク、それてそれらを世話する現地人など、合計100人を越える大キャラバンだったという話です。それが隊を成して一列に歩く姿は、さぞかし壮観だったでしょう。でも、それだけ人が多いと、いろいろ人間関係もあるわけで、本当の意味で秘境を楽しめたかは疑問が残ります。 -
チャプルソン谷の北側の山を越えた先は、すでにパミールの地。数キロ先にはアフガニスタンとの国境があります。ただ、山が高く、5000メートル近い峠を越える必要があるため、国境越えのルートは限られます。
1時間ほど歩いて、対岸に赤茶色の山が見える場所に来ました。各種情報を見ると、この赤茶色の山の辺りから山を登っていけば、国境のイルシャット峠まで行けるように読み取れます。しかし、この時は適当な道が見つからず、そのまま谷の奥へと進んでいきました。 -
そのまま歩き続けると、前方に大きな雪山と、その下に太い氷河が見えてきます。対岸の山の斜面(写真矢印)にトレイルが見えているため、まだまだ道は続きます。とりあえず、氷河が見下ろせる場所まで行ってみましょう。
-
河原まで降りると、再びいやな現実に直面させられます。ここにも幅広の川があり、簡単に飛び越せそうな場所はありません。仕方がないので靴を脱ぎ、凍えるような川の中を横断していきます。二度目だから、もう慣れっこです。本来は、ババグンディの後すぐに対岸に渡るべきだったのですが、直感で歩き出してしまったため、こうなってしまいました。ガイドを付けない旅行者への罰ゲームみたいなものです。
-
川を渡り、その先に続く道を登ると、Kuzyaz氷河を見下ろせる場所に至ります。ババグンディからここまで約2時間半。チャプルソンを流れる川はこの氷河が源流。いうなれば、ここがチャプルソン谷の終点です。斜面沿いの山道はさらに遠くに続いており、このまま進めばアフガン国境まで行けるかもしれません。でも、今日は時間がないので、ここで引き返すことにします。
後で調べてみると、これは私の勘違い。この氷河沿いの道を進むとブアタールという場所まで行けます。この場所はアフガン国境から3キロと離れていませんが、そこから国境を越えていく道はありません。やはり国境への道は、あの赤茶色の山の辺りからスタートのようです。
道を間違えた訳ですが、全く後悔はありません。というのも、この荒々しい雪山に向かっていく山道が、私の中の「アフガンへと続く道」のイメージにぴったり一致したからです。いずれにせよ、国境のイルシャット峠までは2日かかるため、それなりの準備なしに到達することはできません。 -
とりあえず納得したところで、ババグンディに戻ります。来る時は人ひとり会いませんでしたが、帰りは放牧中のヤギに遭遇しました。動物とはいえ、なぜか、ほっとさせられます。家畜がいるということは、人間もどこかにいるからです。
ババグンディに着くと、まずは国境警備の男性宅にお礼の挨拶に向かいます。お別れのチャイをいただいた後、気合を入れてズードホンに向かって出発です。ここまで自転車で来た以上、帰りももちろん自転車です。慣れも手伝ってか、行きよりはスムーズに運転できました。川も手際よく渡り、合計3時間ほどでズードホンに到着です。 -
[旅の終わりに]
今回旅したエリアを地図にするとこうなります(クリックで拡大)
黄色 - 自転車ルート 片道17.5キロ。
緑色 - 徒歩ルート 片道7キロ。
ピンク色 - 徒歩近道
青い点 - 川越え 片道2回
赤い点 - 右から、ゲート小屋、橋。
この2日間を振り返ってみると、6時間の自転車、4時間半の歩き、そして4度の川越え。まるでトライアイスロンのような、困難に満ちた「修行旅行」でした。 -
夕方宿に戻ると、ダリオが「ババ・グンディはどうだった?」と明るい顔で尋ねてきます。私が予定外の一泊をしたので、すっかり村が気に入ったと勘違いしたのでしょう。借りた自転車のせいで大変苦労したことを話すと、「ほーっ、それは楽しかっただろ(You must have enjoyed it!)」と他人事のようにニヤニヤしています。確かに、私はトラブルを楽しむタイプの人間だが、それはないだろ!いずれにせよ、チャプルソン谷で過ごした日々は、期待以上に有意義なものでした。 満足して村を後にできそうです。
-
翌日、ズードホンを去ることにしました。早朝、一日1本しかないジープは、ホーンを鳴らしながら村にやってきます。通常5時半とのことですが、この日車がやってきたのはは7時半過ぎ。ひょっとして冬は遅いとか。
車体は年代物のトヨタ・ランドクルーザーで、後部座席は向き合うように座ります。休憩込みで2時間半ほど乗り、スストに到着です。私は中国に行く予定はないので、その日のうちにカリマバードに戻りました(2時間半)。 -
この3泊5日の旅で使った費用はこんな感じです。
宿泊料金: 宿代 200 x 3日 (ズードホン2泊、ババグンディ1泊)
食費: 夕食 80 x 2回、朝食35 x 1回
自転車レンタル: 300 x 2日
スストからのジープ 150 x 2
====================
合計1695ルピー(約1800円)
充実の5日間でした。 -
[まとめ]
私がチャプルソン谷を旅してからすでに1年半。やっと旅行記を書くことができました。遅くなりましたが、ずっと書きたいとは思っていました。なぜなら、この場所を紹介した旅行記がほとんどないからです。情報ノートの書き込みが2004年以降ないのを見てわかる通り、ほとんどの人はこの場所を知らないのです。
「ズードホンは何もないけどいいところだよ」。この旅行者による伝言ゲームも、今や空前の灯火。誰かが、誰かに伝えていかなくてはなりません。読者の皆様も、フンザへ旅行の際は、ぜひチャプルソンにも足を運んでみてください。この地方の何もなさが続く限り、私が体験したような村の素朴さにきっと出会うことができるでしょう。私は確かにバトンを渡した。次はあなたの番です。
[リンク集]
==パキスタン旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?view_mode=&dmos=os&level1=1&level2=798&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
パキスタンで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
パキスタン最安
529円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
0
39