ギルギット旅行記(ブログ) 一覧に戻る
世界第9位、標高8125mのナンガ・パルバットを見上げる草原に、フェアリーメドウ(おとぎ話牧場)というシャレた名前のキャンプ場があります。「歩き方」にも載っているこの人気トレッキング・ルート、実際のところどんな感じなのでしょうか。

[パキスタン] フェアリーメドウの真実

7いいね!

2009/10/28 - 2009/11/01

15位(同エリア24件中)

0

16

世界攻略者

世界攻略者さん

世界第9位、標高8125mのナンガ・パルバットを見上げる草原に、フェアリーメドウ(おとぎ話牧場)というシャレた名前のキャンプ場があります。「歩き方」にも載っているこの人気トレッキング・ルート、実際のところどんな感じなのでしょうか。

PR

  • ヒマラヤの西端にどっしり座るナンガ・パルバット。岩壁は3つあり、最もポピュラーな北壁は、ギルギットから簡単にアクセスすることがでます。その北壁の麓にあるのが、「おとぎ話の牧場」ことフェアリー・メドウ(Fairy Meadow)という名のキャンプ場です。有名な割には情報が少なく、スムーズに旅が運ぶのか少々不安です。実際に行ってみると、いろいろな発見がありました。それを「フェアリーメドウの真実」と銘打ってご紹介していきます。<br /><br />それでは出発です。ギルギットからチラス行きのバスに乗り、カラコルムハイウェイを南に向かいます。だいたい1.5-2時間くらいで、ライコット橋(写真)に着くので、ここで途中下車します。現在、この道は工事が盛んに行われているため、実際にはこの1.5倍くらい時間がかかるようです。

    ヒマラヤの西端にどっしり座るナンガ・パルバット。岩壁は3つあり、最もポピュラーな北壁は、ギルギットから簡単にアクセスすることがでます。その北壁の麓にあるのが、「おとぎ話の牧場」ことフェアリー・メドウ(Fairy Meadow)という名のキャンプ場です。有名な割には情報が少なく、スムーズに旅が運ぶのか少々不安です。実際に行ってみると、いろいろな発見がありました。それを「フェアリーメドウの真実」と銘打ってご紹介していきます。

    それでは出発です。ギルギットからチラス行きのバスに乗り、カラコルムハイウェイを南に向かいます。だいたい1.5-2時間くらいで、ライコット橋(写真)に着くので、ここで途中下車します。現在、この道は工事が盛んに行われているため、実際にはこの1.5倍くらい時間がかかるようです。

  • ライコット橋から先、最寄の登山口まで谷沿いにジープ道(写真)が続いています。ずっと緩やかな登り道で、歩けば数時間、車なら1時間といったところでしょう。ガードレールはありませんが道幅は十分あります。実はこの道、この先にあるタトー村の所有地のため、一般の車は乗り入ることができません。ではどうするかというと、ここのジープスタンドにたむろしているドライバーを雇うのです。彼らは村の人間のため、この道を通ることが出来ます。その料金なのですが、現在の相場は片道なら3000ルピー(3200円)、往復なら4000ルピー(4300円)。ちなみにギルギットからのバス(3時間)に払った運賃はたった130ルピー(140円)です。ぼってますよねー。ドライバーは順番に客を取る決まりになっているため、ディスカウントの余地はほとんどありません。もちろん、これは一台あたりの費用なので、同行者とシェアすれば安くなります。今回、私は一人で来ているため、その手は使えません。そこでジープでも徒歩でもない第三の方法を考えました。物資を運んで村に帰るジープがたまに通過するので、それをヒッチするのです。私の思惑通り、ジープを一台捕まえ、登山口まで移動することができました。ただし、無料ではなく片道1000ルピーほど必要です。<br /><br />[真実1] 有料ヒッチという第三の交通手段もある。

    ライコット橋から先、最寄の登山口まで谷沿いにジープ道(写真)が続いています。ずっと緩やかな登り道で、歩けば数時間、車なら1時間といったところでしょう。ガードレールはありませんが道幅は十分あります。実はこの道、この先にあるタトー村の所有地のため、一般の車は乗り入ることができません。ではどうするかというと、ここのジープスタンドにたむろしているドライバーを雇うのです。彼らは村の人間のため、この道を通ることが出来ます。その料金なのですが、現在の相場は片道なら3000ルピー(3200円)、往復なら4000ルピー(4300円)。ちなみにギルギットからのバス(3時間)に払った運賃はたった130ルピー(140円)です。ぼってますよねー。ドライバーは順番に客を取る決まりになっているため、ディスカウントの余地はほとんどありません。もちろん、これは一台あたりの費用なので、同行者とシェアすれば安くなります。今回、私は一人で来ているため、その手は使えません。そこでジープでも徒歩でもない第三の方法を考えました。物資を運んで村に帰るジープがたまに通過するので、それをヒッチするのです。私の思惑通り、ジープを一台捕まえ、登山口まで移動することができました。ただし、無料ではなく片道1000ルピーほど必要です。

    [真実1] 有料ヒッチという第三の交通手段もある。

  • さて、このフェアリー・メドウはパキスタンの山には珍しくロッジが整備されています。ただ、シーズンは10月中旬ぐらいまでで、それ以降は閉鎖されてしまいます。現在すでに10月終盤、普通ならあきらめてしまう季節です。それでも、方法がないわけではありません。フェアリーメドウのロッジはすべて、タトー村の住民が所有しています。登山口に向かう前に村に立ち寄り、オーナー家族を探すのです。うまくいけば、そこからフェアリーメドウまで一緒に歩いてホテルを開けてくれます。そんなワガママなこと...と思いますよね。これは普通に行われているようです。私がヒッチしたジープには、あるロッジのオーナーが乗っており、大工を連れて新しい小屋の建設に向かう途中でした。日本通で話も合いそうなので、彼のロッジに泊まることにします。<br /><br />[真実2] オフシーズン、ホテル休業中でも泊まれる。<br /><br />[写真 ヒッチしたジープ。年代モノのランクルです]

    さて、このフェアリー・メドウはパキスタンの山には珍しくロッジが整備されています。ただ、シーズンは10月中旬ぐらいまでで、それ以降は閉鎖されてしまいます。現在すでに10月終盤、普通ならあきらめてしまう季節です。それでも、方法がないわけではありません。フェアリーメドウのロッジはすべて、タトー村の住民が所有しています。登山口に向かう前に村に立ち寄り、オーナー家族を探すのです。うまくいけば、そこからフェアリーメドウまで一緒に歩いてホテルを開けてくれます。そんなワガママなこと...と思いますよね。これは普通に行われているようです。私がヒッチしたジープには、あるロッジのオーナーが乗っており、大工を連れて新しい小屋の建設に向かう途中でした。日本通で話も合いそうなので、彼のロッジに泊まることにします。

    [真実2] オフシーズン、ホテル休業中でも泊まれる。

    [写真 ヒッチしたジープ。年代モノのランクルです]

  • ジープで登山口に到着。ここはフェアリーポイント(2666m)と呼ばれる場所です。ここにいる村のオジサンに名前とパスポート番号を伝え、登山開始です。この先ルートは2つあり、道の広い正規ルートと、地元民専用の近道ルートがあります。私はローカルと一緒ですので、近道ルート(写真)を試すことにします。ホテルオーナー、大工と共に、急な坂道を登っていきます。皆健脚なため、一時間ほどでフェアリーメドウに到着しました。通常ルートなら2時間ほどかかるようです。<br />

    ジープで登山口に到着。ここはフェアリーポイント(2666m)と呼ばれる場所です。ここにいる村のオジサンに名前とパスポート番号を伝え、登山開始です。この先ルートは2つあり、道の広い正規ルートと、地元民専用の近道ルートがあります。私はローカルと一緒ですので、近道ルート(写真)を試すことにします。ホテルオーナー、大工と共に、急な坂道を登っていきます。皆健脚なため、一時間ほどでフェアリーメドウに到着しました。通常ルートなら2時間ほどかかるようです。

  • フェアリーメドウ(3306m)は、氷河を望む崖の端のようなところにあります。もちろん、ここの魅力は正面にそびえるナンガ・パルバット(写真)がよく見えることです。ロッジは全部で5つあり、どこも敷地内にキャンプ場を持っています。客室である山小屋はそれぞれ独立しており、キャンプ場の端に並んでいるのですが、数は多くありません。バスルームが共同のロッジには、それ専用の小屋があり、薪でお湯を作ります。正直、どのキャンプ場もこじんまりしており、ちょっと地味です。それでも季節が変われば、青々とした草原と共に、より賑やかな雰囲気が展開されるのでしょう。<br /><br />[キャンプ場からの眺め]<br />

    フェアリーメドウ(3306m)は、氷河を望む崖の端のようなところにあります。もちろん、ここの魅力は正面にそびえるナンガ・パルバット(写真)がよく見えることです。ロッジは全部で5つあり、どこも敷地内にキャンプ場を持っています。客室である山小屋はそれぞれ独立しており、キャンプ場の端に並んでいるのですが、数は多くありません。バスルームが共同のロッジには、それ専用の小屋があり、薪でお湯を作ります。正直、どのキャンプ場もこじんまりしており、ちょっと地味です。それでも季節が変われば、青々とした草原と共に、より賑やかな雰囲気が展開されるのでしょう。

    [キャンプ場からの眺め]

  • これが一般的な客室です。丸太作りの山小屋で、中にダブルベットがあるだけのシンプルな物です。今回、オフシーズンのため、700ルピー(750円)で泊まることができました。食事代は別です。ライコット・サライ・ホテルなど、高級なところは、部屋にバスルームもついてます。高級といっても1600ルピー(1700円)ぐらいですが。<br />

    これが一般的な客室です。丸太作りの山小屋で、中にダブルベットがあるだけのシンプルな物です。今回、オフシーズンのため、700ルピー(750円)で泊まることができました。食事代は別です。ライコット・サライ・ホテルなど、高級なところは、部屋にバスルームもついてます。高級といっても1600ルピー(1700円)ぐらいですが。

  • パキスタンでは、トレッキングルート上にロッジがあること自体、かなり珍しいことです。さらに驚きなのは、ここには電気があるのです。シーズン中限定ですが、小型水力発電装置を稼動させて、ロッジの各部屋に電気を供給させています。コンセントもあるので、ラップトップを持って山篭りすることも可能です。それに加え、キャンプ地の端に立つと、携帯の電波が拾えます。これは何気にすごいことです。ここフェアリーメドウは、ただロッジが数軒あるだけの集落。周りはシェルパの小屋がある程度で、一年を通して定住している人はいません。こんな所にも、文明のちからが持ち込まれているのです。私の宿泊したロッジでは、アイワのミニコンポまでありました。夏、キャンプファイヤーを囲んでの余興に使用するのです。<br /><br />[真実3] 電源、携帯電波ありの驚きのインフラ。

    パキスタンでは、トレッキングルート上にロッジがあること自体、かなり珍しいことです。さらに驚きなのは、ここには電気があるのです。シーズン中限定ですが、小型水力発電装置を稼動させて、ロッジの各部屋に電気を供給させています。コンセントもあるので、ラップトップを持って山篭りすることも可能です。それに加え、キャンプ地の端に立つと、携帯の電波が拾えます。これは何気にすごいことです。ここフェアリーメドウは、ただロッジが数軒あるだけの集落。周りはシェルパの小屋がある程度で、一年を通して定住している人はいません。こんな所にも、文明のちからが持ち込まれているのです。私の宿泊したロッジでは、アイワのミニコンポまでありました。夏、キャンプファイヤーを囲んでの余興に使用するのです。

    [真実3] 電源、携帯電波ありの驚きのインフラ。

  • フェアリーメドウからの眺めはすばらしいのですが、この先、ベースキャンプまで道が続いています。歩いて1時間半ほどにベヤル(Beyal、3500m)という場所があり、そこにロッジが3軒。さらに30分程歩くとモレーンの端に到着します。ここがビューポイント(View Point、3667m)と呼ばれる場所で、ナンガ・パルバット麓の白い氷河がよく見えます。この場所は近くのモレーンが邪魔で、ナンガ・パルバット自体は半分くらいしか見えません。景色自体は悪くないので、時間があれば訪問してみてください。ビューポイントから先に進むと、ベースキャンプ(3967m)があり、そこにはロッジが一軒あります。距離的にはフェアリーメドウからの日帰りも可能です。<br /><br />[真実4] View Pointは氷河のビューポイント。ナンガ・パルパットは良く見えない。<br /><br />[写真 View Pointからの眺め]<br /><br /><br />

    フェアリーメドウからの眺めはすばらしいのですが、この先、ベースキャンプまで道が続いています。歩いて1時間半ほどにベヤル(Beyal、3500m)という場所があり、そこにロッジが3軒。さらに30分程歩くとモレーンの端に到着します。ここがビューポイント(View Point、3667m)と呼ばれる場所で、ナンガ・パルバット麓の白い氷河がよく見えます。この場所は近くのモレーンが邪魔で、ナンガ・パルバット自体は半分くらいしか見えません。景色自体は悪くないので、時間があれば訪問してみてください。ビューポイントから先に進むと、ベースキャンプ(3967m)があり、そこにはロッジが一軒あります。距離的にはフェアリーメドウからの日帰りも可能です。

    [真実4] View Pointは氷河のビューポイント。ナンガ・パルパットは良く見えない。

    [写真 View Pointからの眺め]


  • フェアリーメドウに戻り、周辺のホテルを見てみましょう。中心となるのが老舗のライコット・サライ。すぐ隣に広い牧草地があります。川下側に少し進むと、ブロードビュー・ホテルとビューポイント・ホテルがあります。この2つからは、ナンガ・パルバットと氷河がよく見えます。ライコット・サライからベヤル方向に進むと、グリーンランド・ホテルとフェアリーメドウ・コッテージが森の中に建っています。お互いそれほど離れていませんので、実際に訪問してみて宿泊先を決めればいいでしょう。各ロッジ、山小屋スタイルの客室は3−6個程度と多くありません。その代わり、貸し出し用のテントを沢山持っているので、行って泊まれないということはありません。食事も各ロッジでとることができます。<br /><br />[写真 フェアリーメドウ・コッテージのダイニング・ルーム]<br />

    フェアリーメドウに戻り、周辺のホテルを見てみましょう。中心となるのが老舗のライコット・サライ。すぐ隣に広い牧草地があります。川下側に少し進むと、ブロードビュー・ホテルとビューポイント・ホテルがあります。この2つからは、ナンガ・パルバットと氷河がよく見えます。ライコット・サライからベヤル方向に進むと、グリーンランド・ホテルとフェアリーメドウ・コッテージが森の中に建っています。お互いそれほど離れていませんので、実際に訪問してみて宿泊先を決めればいいでしょう。各ロッジ、山小屋スタイルの客室は3−6個程度と多くありません。その代わり、貸し出し用のテントを沢山持っているので、行って泊まれないということはありません。食事も各ロッジでとることができます。

    [写真 フェアリーメドウ・コッテージのダイニング・ルーム]

  • フェアリーメドウの見所のひとつに、山が水面に映る池(Reflection Lake)があります。フェアリーメドウ紹介の写真によく使われる場所です。池は、ライコット・サライ隣の草原を端まで歩いた所にあります。池の大きさは季節により変化しますが、私が見た時は長さ10mくらいの大きさでした。そう聞くとしょぼい感じがしますが、ナンガパルバットがちゃんと映りこみます。絶好の写真スポットといえるでしょう。すぐ近くにもっと大きな池があるのですが、そちらは森の中にあり、山が映ることはありません。<br /><br />[真実5] Reflection Lakeはだだの池だが、まあまあ使える。

    フェアリーメドウの見所のひとつに、山が水面に映る池(Reflection Lake)があります。フェアリーメドウ紹介の写真によく使われる場所です。池は、ライコット・サライ隣の草原を端まで歩いた所にあります。池の大きさは季節により変化しますが、私が見た時は長さ10mくらいの大きさでした。そう聞くとしょぼい感じがしますが、ナンガパルバットがちゃんと映りこみます。絶好の写真スポットといえるでしょう。すぐ近くにもっと大きな池があるのですが、そちらは森の中にあり、山が映ることはありません。

    [真実5] Reflection Lakeはだだの池だが、まあまあ使える。

  • さて、主役のナンガ・パルバットを見てみましょう。そもそもフェアリーメドウに来るのは、ナンガ・パルバットを見るのが目的です。なんといっても世界で9番目に高い山(8125m)です。麓のベースキャンプが標高約4000メートル。つまり、今見えている北壁は約4000mの高さがあるのです。では、山頂はどこでしょう。実は、ここから山頂は見えません。しかし、ナンガ・パルバットを構成するピークが何箇所か見えます。中心に2つのコブが見えます。左がSilberzacken(7597m)で右がNorth Peak II(7785m)。その左側の小さな尖がりがライコット・ピーク(7070m)。逆に右端にあるのがガナロ・ピーク(6606m)となっています。山の下に見える川のようなものは土を被った氷河です。氷河が白いのは麓のあたりだけです。<br /><br />[真実6] ナンガパルパットの本当の山頂は見えない。

    さて、主役のナンガ・パルバットを見てみましょう。そもそもフェアリーメドウに来るのは、ナンガ・パルバットを見るのが目的です。なんといっても世界で9番目に高い山(8125m)です。麓のベースキャンプが標高約4000メートル。つまり、今見えている北壁は約4000mの高さがあるのです。では、山頂はどこでしょう。実は、ここから山頂は見えません。しかし、ナンガ・パルバットを構成するピークが何箇所か見えます。中心に2つのコブが見えます。左がSilberzacken(7597m)で右がNorth Peak II(7785m)。その左側の小さな尖がりがライコット・ピーク(7070m)。逆に右端にあるのがガナロ・ピーク(6606m)となっています。山の下に見える川のようなものは土を被った氷河です。氷河が白いのは麓のあたりだけです。

    [真実6] ナンガパルパットの本当の山頂は見えない。

  • フェアリーメドウに2泊して、気づいたのですが、ナンガ・パルバットの北壁は、全く陽が当たっていません。朝、端っこのほうに少しあたる程度で、後は全滅。残念ながら、太陽の当たらない雪山はぜんぜん美しくありません。これでは、世界第9位も魅力半減です。ん? 何か変だぞ..。ふと思い出して、ホテルの名刺(写真)を見てみると、山が太陽でピッカピカに輝いています。これは...角度的にありえませんねー。他のロッジのポスターも同様で、北壁全体に太陽が当たっています。雪山の部分だけ色調修正しているに違いありません。と、その時は「捏造」を確信したのですが、後で旅行会社のページや他の旅行者のホームページをチェックしてみると、確かに陽が当たっているのです。ますます訳がわかりません。季節が違えば太陽の角度も違いますが、ここまで差が出るか疑問です。<br /><br />[真実7] 少なくとも晩秋は、ナンガルパット北壁に明るい景色を期待できない。

    フェアリーメドウに2泊して、気づいたのですが、ナンガ・パルバットの北壁は、全く陽が当たっていません。朝、端っこのほうに少しあたる程度で、後は全滅。残念ながら、太陽の当たらない雪山はぜんぜん美しくありません。これでは、世界第9位も魅力半減です。ん? 何か変だぞ..。ふと思い出して、ホテルの名刺(写真)を見てみると、山が太陽でピッカピカに輝いています。これは...角度的にありえませんねー。他のロッジのポスターも同様で、北壁全体に太陽が当たっています。雪山の部分だけ色調修正しているに違いありません。と、その時は「捏造」を確信したのですが、後で旅行会社のページや他の旅行者のホームページをチェックしてみると、確かに陽が当たっているのです。ますます訳がわかりません。季節が違えば太陽の角度も違いますが、ここまで差が出るか疑問です。

    [真実7] 少なくとも晩秋は、ナンガルパット北壁に明るい景色を期待できない。

  • 十分山を堪能したので帰ることにします。まず、フェアリーポイントまで下りて、そこから30分先のタトー村まで行きます。ライコット橋にはジープスタンドがありますが、フェアリーポイントやタトー村にはありません。運良く、選挙カーならぬ選挙ジープ(写真)が走ってきたので、それを500ルピーでヒッチすることにします。この時、パキスタン北部は地方選挙で大変な盛り上がりを見せていました。彼ら政党の選挙カーは、タトー村までただで荷物を運ぶ見返りとして、私道を通って村まで来ることが許されています。つまりただ働きです。パキスタンの選挙、特に田舎の人は、ほとんど地縁で投票するので、選挙活動にどれだけ意味があるのか疑問です。<br /><br />ジャガイモを満載したジープの荷台に乗り、出発進行。ここからずっと下り道です。ところが、1/3ほど走ったところで突然タイヤがパンクしてしまいました。思い通りにはいかないものです。仕方がないので、残りの部分は歩くことにします。1時間半ほど歩いてライコット橋に到着。予想より早く下ることができました。もしフェアリーメドウから通して歩いた場合、4時間ほどでライコット橋まで来れる計算になります。歩いて帰るのは全然余裕だったわけです。私は歩くのが速いほうなので、実際にはもう少しかかるかもしれません。<br /><br />[真実8] 帰りは徒歩でも可能。

    十分山を堪能したので帰ることにします。まず、フェアリーポイントまで下りて、そこから30分先のタトー村まで行きます。ライコット橋にはジープスタンドがありますが、フェアリーポイントやタトー村にはありません。運良く、選挙カーならぬ選挙ジープ(写真)が走ってきたので、それを500ルピーでヒッチすることにします。この時、パキスタン北部は地方選挙で大変な盛り上がりを見せていました。彼ら政党の選挙カーは、タトー村までただで荷物を運ぶ見返りとして、私道を通って村まで来ることが許されています。つまりただ働きです。パキスタンの選挙、特に田舎の人は、ほとんど地縁で投票するので、選挙活動にどれだけ意味があるのか疑問です。

    ジャガイモを満載したジープの荷台に乗り、出発進行。ここからずっと下り道です。ところが、1/3ほど走ったところで突然タイヤがパンクしてしまいました。思い通りにはいかないものです。仕方がないので、残りの部分は歩くことにします。1時間半ほど歩いてライコット橋に到着。予想より早く下ることができました。もしフェアリーメドウから通して歩いた場合、4時間ほどでライコット橋まで来れる計算になります。歩いて帰るのは全然余裕だったわけです。私は歩くのが速いほうなので、実際にはもう少しかかるかもしれません。

    [真実8] 帰りは徒歩でも可能。

  • ライコット橋に着いた時には、すでに夕方でした。待てども待てどもバスは通過しません。諦めてトラックをヒッチハイクすることにします。たまにトラックがやってくるのですが、みな素通りしていきます。やっと止まってくれた車にヒッチをお願いすると、「乗ってけ!」と目で合図してくれました。クールなドライバーです。しかし、このトラック何か変です。パキスタンなのに左ハンドル。デコトラの装飾もほどこされていません。それもそのはず、このトラックは国境に向かう中国のトラックだからです。ドライバーはもちろん中国人。新疆音楽をBGMに三菱製トラックを運転します。彼はそのままスストに向かうため、ギルギット手前の分岐で降ろしてもらいました。ここから町の中心までまだ10kmあります。すでに周辺は真っ暗、歩きながヒッチを試みるのですが、不審がって誰も止まってくれません。2kmほど歩いた後、一台だけ乗せてくれる車がありました。ギルギット在住の会社経営者です。話をすると、中国人労働者と思ったけど、かわいそうだから乗せてくれたそうです。確かに、カラコルムハイウェイ工事で働く人の多くは、中国から派遣されたブルーワーカーです。夜8時、なんとか宿に戻ることが出来ました。中パの男気に感謝したいと思います。<br /><br />[真実9] ライコット橋からの戻りは簡単ではない。

    ライコット橋に着いた時には、すでに夕方でした。待てども待てどもバスは通過しません。諦めてトラックをヒッチハイクすることにします。たまにトラックがやってくるのですが、みな素通りしていきます。やっと止まってくれた車にヒッチをお願いすると、「乗ってけ!」と目で合図してくれました。クールなドライバーです。しかし、このトラック何か変です。パキスタンなのに左ハンドル。デコトラの装飾もほどこされていません。それもそのはず、このトラックは国境に向かう中国のトラックだからです。ドライバーはもちろん中国人。新疆音楽をBGMに三菱製トラックを運転します。彼はそのままスストに向かうため、ギルギット手前の分岐で降ろしてもらいました。ここから町の中心までまだ10kmあります。すでに周辺は真っ暗、歩きながヒッチを試みるのですが、不審がって誰も止まってくれません。2kmほど歩いた後、一台だけ乗せてくれる車がありました。ギルギット在住の会社経営者です。話をすると、中国人労働者と思ったけど、かわいそうだから乗せてくれたそうです。確かに、カラコルムハイウェイ工事で働く人の多くは、中国から派遣されたブルーワーカーです。夜8時、なんとか宿に戻ることが出来ました。中パの男気に感謝したいと思います。

    [真実9] ライコット橋からの戻りは簡単ではない。

  • さて、ここまでの旅行記を読んでこう思ったかもしれません。「お前の貧乏旅行は参考にならん」。確かにそうでしょう。ギルギットの旅行会社でジープを手配すれば、何の不自由もなく、フェアリーポイントまで往復できます。その先、往復4時間歩くだけです。ただ、ひとつ注意が必要なのは、ライコット橋から先は私道のため、ギルギットから乗ってきたジープは先に進めません。その場合、現地のジープに乗り換えるか、自分のジープで乗り入れる代わりに、ジープスタンドの運転手にお金を払うことになります。理不尽ですよね。いずれにせよ片道3000, 往復4000の相場は変わりません。<br /><br />[真実10] お金を惜しまなければ楽勝。日帰りも可能。

    さて、ここまでの旅行記を読んでこう思ったかもしれません。「お前の貧乏旅行は参考にならん」。確かにそうでしょう。ギルギットの旅行会社でジープを手配すれば、何の不自由もなく、フェアリーポイントまで往復できます。その先、往復4時間歩くだけです。ただ、ひとつ注意が必要なのは、ライコット橋から先は私道のため、ギルギットから乗ってきたジープは先に進めません。その場合、現地のジープに乗り換えるか、自分のジープで乗り入れる代わりに、ジープスタンドの運転手にお金を払うことになります。理不尽ですよね。いずれにせよ片道3000, 往復4000の相場は変わりません。

    [真実10] お金を惜しまなければ楽勝。日帰りも可能。

  • フェアリーメドウをめぐる10の真実、ご理解いただけたでしょうか。世界でトップテンに入る山を、ほとんど歩かず間近で見えるところはそう多くありません。ギルギットを訪問する時は、ぜひフェアリーメドウへの小旅行を考えてみてください。そして、私が発見した10の真実も忘れずに。それではよい旅を!<br /><br />元記事<br />http://sekakoh.web.fc2.com/pakistan/pakistan_others_fairy_meadow.html<br /><br /><br />--------------------------------------------<br /><br />[リンク集]<br /><br />==パキスタン旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?view_mode=&amp;dmos=os&amp;level1=1&amp;level2=798&amp;level3=&amp;sort=when<br /><br />==海外旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&amp;sort=when&amp;view_mode=list<br /><br />==国内旅行記一覧==<br />http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&amp;sort=when&amp;view_mode=list

    フェアリーメドウをめぐる10の真実、ご理解いただけたでしょうか。世界でトップテンに入る山を、ほとんど歩かず間近で見えるところはそう多くありません。ギルギットを訪問する時は、ぜひフェアリーメドウへの小旅行を考えてみてください。そして、私が発見した10の真実も忘れずに。それではよい旅を!

    元記事
    http://sekakoh.web.fc2.com/pakistan/pakistan_others_fairy_meadow.html


    --------------------------------------------

    [リンク集]

    ==パキスタン旅行記一覧==
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?view_mode=&dmos=os&level1=1&level2=798&level3=&sort=when

    ==海外旅行記一覧==
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list

    ==国内旅行記一覧==
    http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list

この旅行記のタグ

7いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

パキスタンで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
パキスタン最安 616円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

パキスタンの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP