2010/05/14 - 2010/05/17
400位(同エリア914件中)
がおちんさん
ドイツのローテンブルグで行われる鍼灸学会(TCM KONGRESS)にて、師匠による3日間のセミナーが始まりました。
実技のビデオ撮影をするのが私の役目。録画されたビデオは学会からDVDで販売されるため、絶対にミスは許されません。
師匠のため、そして日本鍼灸を広めるため、私も全力で頑張りました。
緊張感と疲労感に包まれた3日間でしたが、普段のバックパッカーの旅では口に出来ない、美味しい酒や食事も楽しむことが出来ました。
3日間の様子をダイジェストで紹介します。
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旅のスケジュール:2010/5/11から5/20の10日間
5/11 上五島-博多
5/12 福岡-香港
5/13 フランクフルト-ローテンブルグ
5/14-16 ローテンブルグ
5/17 フランクフルト-香港(5/18)-台北
5/19 台北-福岡-フェリー
5/20 帰宅
※今回の目的地はドイツですが、訪問エリアは日にち別に選択してあります。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
2010年5月14日(金) 【旅の4日目】
今朝は早く目覚めた。昨夜は緊張で眠りが浅かった。
ちょっと宿の付近を散歩してみよう。 -
ユースホステルは城壁のすぐ近くに建っており、城壁の上を歩くと森の眺めが良い。
☆朝の音を録音しました。野鳥の声がきれいです。
http://www.voiceblog.jp/gaochin/1211764.html -
森に囲まれたローテンブルグの街。
石の文化は長持ちする。
やはり欧州は歴史の古さから来る重厚さが魅力的。 -
いよいよ師匠によるセミナーの開始。
本日は「経絡治療の基礎」を6時間30分かけて講義する。翻訳の時間があるとはいえ、日本ではありえないタフな内容だ。それだけ欧州に対する思いが強く表れているのだろう。
弟子達も一丸となってサポートに徹する。 -
師匠の首藤傳明先生と通訳・翻訳家のS・ブラウン氏。
これまでアメリカで10回のセミナーを行ってきた、良きパートナーである。 -
実技が始まると、私の出番。
会場の人に見やすいよう、手持ちで手技のクローズアップを撮る。 -
こんな感じで撮る。
後ろのスクリーンに映されたのが、手技のアップシーン。
指先の動きを分かりやすく映すことで、勉強する人の理解が高まるのだ。
首藤先生の動きは非常に速く、証や症状から先を予測して撮らないと間に合わない。
私は先生の治療院で臨床を撮り続けるうちに、どうにか動きについて行けるようになった。 -
ビデオカメラのVX-2100はケーブルも含めてかなり重い。
長時間の撮影は無理があるだろうが、やるしかない。 -
昼食休憩。谷を見下ろすレストランで食事となった。
私はこの時点で腕がパンパン。午後の撮影がもつか不安になっていた。 -
ファインダーの先で師匠がこちらを見据えていた。
きっと私が情けない顔をしていたのかもしれない。あるいはカメラの動きが悪くて治療の邪魔になってしまったのか?
どちらにせよ、「気合を入れろ」というサインだと思って午後に向かうことにする。
しかし、まずは食事だ。 -
私が注文したソーセージ。
一口カリッと食べる。美味い!これはイケル。
イモは酸っぱくてダメだが、ソーセージとパンは最高だ。 -
隣席の人のソーセージ。
これも1本食べてみる。
ゲッ! 味がキュッと凝縮されて美味い。なんだこのソーセージは。
正にシャウエッセンを凌ぐ本場の味。 -
反対の席の人のカツレツ。なんと肉よりイモの皿のほうがでかい。
ドイツ人は、本当にイモ好きなんだなー。 -
ピザのようなせんべいのようなパエジャのような海鮮系。
どれもおいしいけど、飲み物が来ないよ〜。 -
いつになっても出てこない料理があるし、お茶が出てくるまで30分という、マヌケなサービスに、一行の評価は激減。
ウエイトレスの姉さん、一生懸命笑ってごまかすが遅かった。原因は彼女が注文を忘れてしまうという初歩的なミスであった。
ま、個人的にはウインナーの味に免じて許す。 -
午後の講義が始まった。
時おりジョークも交え、会場はリラックスしたムードになる。 -
そして実技。
私も気合を入れて撮影する。
さすがに長時間は厳しく、後半は腕痛と腰痛に耐えながらの撮影となった。 -
もはや手が上がらなくなってしまった、情けない私。
大きなミスもなく、なんとか初日の撮影を乗り切った。 -
夕食のため、中華レストランに入るが、疲れて写真を撮る気力が無かった。
撮っておけばよかったなー。 -
美しい夜の街を歩いて宿に帰る。
深夜、足がつって、痛みで目が覚める。
俺ももうオッサンだ。 -
2010年5月15日(土) 【旅の5日目】
ローテンブルグのユースホステルは人気が高いらしい。
おそらく理由のひとつが朝食の美味さだろう。
特にパンだ。カリッとしてサクッして、もうたまらん。
コーヒーもうまい! -
ハムやチーズなどの種類も豊富。
日本なら高級ホテル並みだよ。 -
今日も学会会場へ。(実はユースのすぐ近所)
入り口では入場者をチェックしている。
首からネームタグを提げないとダメと言われてしまう。 -
今日は午前、午後合わせて4時間近くの講演となる。
まずは「心の病」の講演をする師匠。 -
熱心に講義を聞く、欧州の参加者。
-
午後の講演までの間、時間が出来たので街を歩く。
今日はやたら観光客が多いけど、これが普通なのかな? -
ローテンブルグの有名なお菓子屋さん。
シュネーバル(スノーボール)という、パリパリした歯ざわりの甘い揚げ菓子で、パイのような、かりんとうのような味。
ま、名物にうまいものなし、とまでは言わないけど、1回食えばいいかな。 -
次は中世犯罪博物館へ。
この手のジャンルは好き嫌いが別れるが、果たして・・・。 -
中に入ると、けっこう重々しい雰囲気。
真剣に見ていると、ちょっとアクが強いかな。
ツールスレーンのようなリアルさは感じないが、
人を痛めつける道具がたくさん陳列されている。 -
こんなトゲトゲの棒で人を叩いたのだろうか。
-
博物館はいくつものエリアに分かれている。
ゆっくり見たら相当に時間がかかりそうだ。 -
学会会場に戻る途中、パレードに遭遇した。
-
中世の雰囲気たっぷり。
ちなみに左側を歩く、水色のデイバッグの人たちは学会参加者。記念品として全員に配られたのだ。
だから水色同士がすれ違う時、「あっどうも」という感じで挨拶しあう。
志を同じくする人と知り合える、ナイスアイデアだと思う。 -
会場に戻って午後のカリキュラム、「頭痛、めまいの治療」の講義が行われた。
師匠は、めまい治療の達人である。 -
会場内は心地良い緊張感に包まれていた。
-
真剣な表情でセミナーを受ける参加者。
あっという間に3時間半が過ぎた。 -
夕食前にブルク公園へ行ってみる。
-
あっちの城壁はユースがある辺りだ。
-
今日は高級ホテルで夕食。
ピアノの生演奏が流れる中、落ち着いた雰囲気でのディナーとなった。
まずは白ビールで乾杯。 -
アスパラのスープが来た。
スープと言うよりはクリームソースに近い舌触りだが、濃厚な味でおいしい。 -
フィレ肉のステーキと名物のホワイトアスパラとジャガイモ。
肉と野菜のバランスが反対のような気もするが、これもドイツ風なんだろう。
イモは何を頼んでもついてくるようだ。
味は・・・こんなもんか。 -
ほろ酔い気分でユースホステルに帰る。 -
そして、ただちに入眠・・・したらしい。
-
2010年5月16日(日) 【旅の6日目】
ローテンブルグのセミナーも、ついに最終日となった。
今朝も城壁から外を眺める。 -
今日のセミナーは谷を下った森の中にある建物で行われるため、タクシーで会場へと向かう。
ドイツのタクシーはルームミラーに料金表がついている。
何かとスマートでカッコイイな、ドイツ。 -
セミナー会場に到着。
川も流れている、静かな森だ。 -
最終日のセミナーは「心身症の治療」。
6時間半の長丁場である。さすがの師匠も疲労気味だ。 -
本日の会場は、お城のような雰囲気の美しい部屋。
-
落ち着いた雰囲気の中で講義が続く。
-
昼食。
時間の都合と師匠の体調を考え、会場内でいただくことになった。
かぼちゃスープとサラダに、ごはん。
連日の肉食で胃も疲れ気味だったので、こりゃ嬉しい。 -
午後の3時間は、ほとんど実技を行った。
理論だけでなく、「実際に日本の鍼灸を体験してもらおう」という師匠の意気込みが伝わる。
私もひたすらビデオを回す。 -
セミナーの最後は参加者に、師匠の考案した「超旋刺」の手技を体験してもらった。
先生の前には長蛇の列が。 -
私たち弟子のところにも参加者が質問に来た。日本人よりも積極的に教えを求めてくる。
TCMを学んだ人は日本式の押手や管鍼法を知らない。
簡単にやさしく説明するように努めた。 -
予想と違い、陽虚の人が多かった。
白人は冬でも薄着で歩いている人が多いし、民族的にも寒さに強い人種かと思っていたが、考えを改めた。
ドイツの人も、もっと体を温めなくちゃ。 -
刺激の少ない、やさしい手技が日本鍼灸の特徴のひとつ。
刺さない鍼でも良く効くということを、皮膚の変化を見てもらいながら説明した。
でも、西洋人は肩こりの人が少ないな。きっと肩がこらない社会生活なのだろう。 -
ローテンブルグ講演も無事終了。
会場からスタンディングオベーションが起こった。 -
学会も終わり、ほっとした気持ちで街を歩く。
-
ドイツ最後の夕食を食べにレストランへ。
この店は地元でも評判が高いそうだ。 -
本場のハンバーグステーキを食べてみたかった。
あれっ、やっぱりポテトのほうが多いよ。
ひょっとしたら、日本が変わっているのかなあ? -
ロースとビーフの横にあるのもポテトの団子。
もっちもちしてこれまで未体験の味。 -
2010年5月17日(月) 【旅の8日目】
シャキーンと冷えたローテンブルグの朝。
私は一行と別れて帰国へ。
早朝の列車に乗るため、朝食前にユースを出発する。 -
シーンと静まり返った中世の街。
-
鉄道で再びフランクフルトに戻り、香港・台湾と経由して帰国する。
さらば、ローテンブルグ!
【ドイツへの旅 2010】 その5 帰国〜香港ブルース・リーの家と台湾の臭豆腐編 に続く
http://4travel.jp/travelogue/10497703
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この旅行記へのコメント (9)
-
- のんほさん 2010/09/11 19:46:53
- 肩こり
- こんにちは。
旅のメーンイベントの旅行記を読むのが一番最後になってしまいました。
あのような位置から3時間もビデオカメラを回し続けられるなんてすごいです。お疲れさまでした。
欧米人に肩こりが少ないというのは上海留学中に知りました。英語でどう言うのかわからなくて、初めて「stiff neck」という表現を辞書で知りました(本場でもそういうのかわかりませんが)。
- がおちんさん からの返信 2010/09/11 21:19:11
- RE: 肩こり
- のんほさん
こんばんは、コメントをありがとうございます。
> あのような位置から3時間もビデオカメラを回し続けられるなんてすごいです。お疲れさまでした。
いや、本当に大変でした。ただ、今回は大舞台だっただけに、何が何でもやり遂げなくてはという使命感だけで乗り切りました。その後の香港・台湾ではずっと筋肉痛でした(笑)。
> 欧米人に肩こりが少ないというのは上海留学中に知りました。英語でどう言うのかわからなくて、初めて「stiff neck」という表現を辞書で知りました(本場でもそういうのかわかりませんが)。
アメリカでは「Stiffness in the shoulders」と翻訳されるようですが、実際のセミナーでは「katakoli」とそのまま表現している場合も多いです。自己主張の強い欧米社会では、肩こりになる人がいないようですね。中国でも同様です。日本社会はよほど肩が凝りやすい体質なのでしょうね。
次回からは昔の旅行記の続きをアップします。よろしくお願いします。
あと、「医道の日本10月号」に私の記事が載ります。こちらもよろしくお願いします。
がおちん
- のんほさん からの返信 2010/09/12 00:01:15
- RE: 肩こり
- 「医道の日本」ですね。前は吉祥寺クリニックの待合室で読んだ気がします。大きな図書館には入っているのでしょうか。探してみます。
-
- arfaさん 2010/09/06 23:59:56
- こんばんは、arfaです。
- がおちんさん、お疲れさまでした。
五島列島から何でドイツにと思っていましたがこれで納得!
講義の時間中、中型のビデオカメラをずっと持つなんて私には
考えられない元気さです。多分私なら夜には腕がブルブル震
えて翌日は筋肉痛で腕が上がらないでしょうね、きっと。
ドイツのソーセージとビール、本当に美味しそうです。実は昔で
すが福岡で開かれたドイツ物産展で買ったソーセージが今まで
食べたソーセージで一番美味しいものでした。
以来、ドイツのソーセージには特別な思いがありますね。
もう少ししてリタイアした時、ユーロ安ならドイツでビールとソー
セージもいいかなと思ってしまいました。
それでは、また失礼します。
- がおちんさん からの返信 2010/09/07 10:18:27
- RE: こんばんは、arfaです。
- arfaさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます。
> 講義の時間中、中型のビデオカメラをずっと持つなんて私には
> 考えられない元気さです。多分私なら夜には腕がブルブル震
> えて翌日は筋肉痛で腕が上がらないでしょうね、きっと。
いやー、重かったですよ。3日間もよく体力が続いたと思います。
なにしろ普段は「鍼」しか持たないもので(笑)
> もう少ししてリタイアした時、ユーロ安ならドイツでビールとソー
> セージもいいかなと思ってしまいました。
あのビールは毎日でも飲みたいです。日本にもあったらなとも思いますが、旅先で味わうからこそ良いのかもしれませんね。
ではまた。
- arfaさん からの返信 2010/09/07 20:49:26
- RE: こんばんは、arfaです。
- arfaです。
>あのビールは毎日でも飲みたいです。日本にもあったらなとも思いますが、旅先で味わうからこそ良いのかもしれませんね。ではまた。
早ければ5年後、遅くても10数年後にがまだすさんやツッチーさんとドイツであの美味しいビールを飲みましょう。
雲南組の再開がドイツというのもまぁ、オツなもんです。はい。
- がおちんさん からの返信 2010/09/07 21:19:07
- RE: RE: こんばんは、arfaです。
- arfaさん
> 早ければ5年後、遅くても10数年後にがまだすさんやツッチーさんとドイツであの美味しいビールを飲みましょう。雲南組の再開がドイツというのもまぁ、オツなもんです。はい。
そうですね。それは楽しいと思います。
今年はいろいろと忙しかったのですが、ようやく4trに向かう時間が出来ました。ドイツ編が終わったら、昔の雲南旅行記を再開します。シコシコとフィルムをスキャンしてアップしますので、よろしくお願いします。
-
- captainfutureさん 2010/09/06 13:23:22
- ご無沙汰しております。
- がおちんさん、ご無沙汰しております!
やり直しがきかない超ハードなお勤め、無事に遂行できて良かったですね。
お疲れ様でした!
ドイツのYH、さすが本場だけあって朝食まで素晴らしいです。
日本だと学生が中心のイメージがありますが、それ以外の人でも泊まれそうですね。
いつか行く機会があったら泊まってみたいです。
五島列島へ移住されたとか!
思わず地図を見てしまいました。
直ぐ側にこんなキレイな海があるとは感動モノです。
こんなところに住むことができたら、きっと毎日心穏やかに過ごすことが
できるのだろうなあと思ってしまいました。
毎日美味しい刺身が食べられそうで羨ましいです。
ネコちゃんを気遣いながらの道中、がおちんさんのお人柄が伝わってきました。
良き門出になりますように祈っております!
続編、楽しみにしております。
- がおちんさん からの返信 2010/09/06 15:02:16
- RE: ご無沙汰しております。
- captainfutureさん
お久しぶりです。もう体調のほうは大丈夫なのでしょうか?
> やり直しがきかない超ハードなお勤め、無事に遂行できて良かったですね。
> お疲れ様でした!
ありがとうございます。いつもの気ままな旅とは違い、緊張の連続でしたが、ドイツまでの往復に時間がかかったため、なんとなく旅気分も味わえました。
> ドイツのYH、さすが本場だけあって朝食まで素晴らしいです。いつか行く機会があったら泊まってみたいです。
へたな高級ホテルよりも快適なのではないかと思いました。フロントの人は気さくで親切だし、部屋も清潔。ランドリーや乾燥機も完備されていました。料金がやや高くなりますが、大人も普通に泊まれますよ。
> 五島列島へ移住されたとか!良き門出になりますように祈っております!
ありがとうございます。人の少ない田舎でのんびり暮らすことにしました。
> 続編、楽しみにしております。
しばらく4trから遠ざかっていましたが、これから昔の旅行記をどんどん載せる予定です。よろしくお願いします。
captainfutureさんの新作も期待しております。
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