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5月、スペインの朝は遅い。<br />6時、といっても、外は真っ暗なのである。<br />ホテルから駅につくと、ちょうど、地平線が、うっすらとあかるくなっていた。<br />朝焼けの駅に停車している「タルゴ」は、始発列車である。<br />どうやら、トレドの小学生たちの遠足の日に当たったらしい。<br />駅の構内は、見送りの母親と、子供たちがあふれていた。<br />びっくりするような美少女がいる。<br />フランス人形なくて、スペイン人形だ。<br />カメラに収めたいが、配偶者が「ダメ」というので、断念。<br /><br />マドリ・アトーチャまで戻り、グラナダ行きの特急に乗り換える。<br />7:35発、アトーチャ発グラナダ行き、特急「アルタリア」。<br />そして、延々とオリーブ畑の中を走り続け、砂漠を越え、正午にグラナダの駅にすべりこんだ。<br />グラナダといえば、アルハンブラ宮殿。<br />リベリア半島がアラブの支配下にあったときの、歴史的な宮殿である。<br />とりあえず、そこを目指さなくてはならぬ。

グラナダの教訓

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2007/05/11 - 2007/05/12

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鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

5月、スペインの朝は遅い。
6時、といっても、外は真っ暗なのである。
ホテルから駅につくと、ちょうど、地平線が、うっすらとあかるくなっていた。
朝焼けの駅に停車している「タルゴ」は、始発列車である。
どうやら、トレドの小学生たちの遠足の日に当たったらしい。
駅の構内は、見送りの母親と、子供たちがあふれていた。
びっくりするような美少女がいる。
フランス人形なくて、スペイン人形だ。
カメラに収めたいが、配偶者が「ダメ」というので、断念。

マドリ・アトーチャまで戻り、グラナダ行きの特急に乗り換える。
7:35発、アトーチャ発グラナダ行き、特急「アルタリア」。
そして、延々とオリーブ畑の中を走り続け、砂漠を越え、正午にグラナダの駅にすべりこんだ。
グラナダといえば、アルハンブラ宮殿。
リベリア半島がアラブの支配下にあったときの、歴史的な宮殿である。
とりあえず、そこを目指さなくてはならぬ。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道 高速・路線バス
航空会社
JAL
  • グラナダ駅で、配偶者に、ひとこと、申し上げた。<br /><br />「キミは、いっつも、わしの後ろにくっついているだけではないか。<br />たまには、駅のインフォメーションに行って、パンフレットなど、もらってきてほしい」<br /><br />すると、彼女は口の中でブツブツいいつつも、いずこへかへ消え、パンフレットらしきものを貰ってきた。<br /><br />「バスは何番に、乗ればいいか、聞いた?」<br /><br />「聞いた、聞いた。32番ですって」<br /><br />「おお、さすが」<br /><br />といいつつ、荷物をえっちらおっちら持って、バス乗り場に移動。<br />32番が来たので、あわてて乗車。<br />これで、アルハンブラが見えてきたら、降りればよい。<br /><br />が、しかし。<br />行けども行けども、バスはアルハンブラにたどりつかないのであった。<br />しかも、観光客らしいのは、鯨たちだけなのだった。<br />みんな、ジモピーが乗っているのである。<br />バスは、ひろびろとした郊外に差し掛かった。<br />「アルハンブラって、こんな郊外にあるのかな」<br /><br />それからバスは、新興住宅街を抜けた。<br />「アルハンブラって、住宅街のマン中にあるのかな」<br /><br />やがて、バスは、高速道路わきの、小さな停車場にたどりついた。<br />しずかな住宅街で、バス停の前には、バールが一軒だけあった。<br />終点らしく、何人かのお客さんは、みんな降りて行った。<br />念のため、運転手に<br /><br />「アルハンブラ?」<br /><br />と聞いた。<br />聞くほうがバカだった。<br />運転手は、陽気なお兄さんだった。<br /><br />「ちゃいまんがな、ちゃいまんがな。真逆ですがな」<br /><br />「・・・やっぱし」<br />どう見ても、さいたま市南区、といった感じだもん。<br />路線図を見せてくれた。<br /><br />「これに乗ってな、もどりぃや。でもって、ここでな、ほれ、乗り換えればええねん」<br /><br />「・・・あんじょうおおきに」<br /><br />鯨は悄然としたが、配偶者は、いたって平和に、<br />「32番に乗ったのにねぇ」<br />なんてゆってるのであった。<br />まこと、オンナはたくましいのである。<br /><br />とって返し、駅の近くにホテルを取り、アルハンブラ宮殿まで歩いた。<br />途中、バールにより、イワシとイカで栄養補給。<br />宮殿にたどり着くと、すでに、午後3時。<br />観光客が、ぞろぞろ帰り出す時間であった。<br /><br />

    グラナダ駅で、配偶者に、ひとこと、申し上げた。

    「キミは、いっつも、わしの後ろにくっついているだけではないか。
    たまには、駅のインフォメーションに行って、パンフレットなど、もらってきてほしい」

    すると、彼女は口の中でブツブツいいつつも、いずこへかへ消え、パンフレットらしきものを貰ってきた。

    「バスは何番に、乗ればいいか、聞いた?」

    「聞いた、聞いた。32番ですって」

    「おお、さすが」

    といいつつ、荷物をえっちらおっちら持って、バス乗り場に移動。
    32番が来たので、あわてて乗車。
    これで、アルハンブラが見えてきたら、降りればよい。

    が、しかし。
    行けども行けども、バスはアルハンブラにたどりつかないのであった。
    しかも、観光客らしいのは、鯨たちだけなのだった。
    みんな、ジモピーが乗っているのである。
    バスは、ひろびろとした郊外に差し掛かった。
    「アルハンブラって、こんな郊外にあるのかな」

    それからバスは、新興住宅街を抜けた。
    「アルハンブラって、住宅街のマン中にあるのかな」

    やがて、バスは、高速道路わきの、小さな停車場にたどりついた。
    しずかな住宅街で、バス停の前には、バールが一軒だけあった。
    終点らしく、何人かのお客さんは、みんな降りて行った。
    念のため、運転手に

    「アルハンブラ?」

    と聞いた。
    聞くほうがバカだった。
    運転手は、陽気なお兄さんだった。

    「ちゃいまんがな、ちゃいまんがな。真逆ですがな」

    「・・・やっぱし」
    どう見ても、さいたま市南区、といった感じだもん。
    路線図を見せてくれた。

    「これに乗ってな、もどりぃや。でもって、ここでな、ほれ、乗り換えればええねん」

    「・・・あんじょうおおきに」

    鯨は悄然としたが、配偶者は、いたって平和に、
    「32番に乗ったのにねぇ」
    なんてゆってるのであった。
    まこと、オンナはたくましいのである。

    とって返し、駅の近くにホテルを取り、アルハンブラ宮殿まで歩いた。
    途中、バールにより、イワシとイカで栄養補給。
    宮殿にたどり着くと、すでに、午後3時。
    観光客が、ぞろぞろ帰り出す時間であった。

  • アルハンブラを見た後は、ひたすら、球団の向かいにある、旧市街を歩いた。<br />地図はない。だが、すべて坂道なので、宮殿の位置を確認しながら歩けば、なんとかなる。<br />坂道は、すべて石畳で、旧市街の町並みは、生活のにおいがした。<br />午後7時を回っても、空はまだ明るい。<br />公園にたどりつくと、子供たちが、やわらかな夕日の中で、ダンスを踊っていた。<br />野良犬とホームレスが、それをのんびり見ている。<br />路地で、中学生くらいの姉妹が、バドミントンをしている。<br />それを、お母さんが二階からのぞいて「ごはんだよ」なんて言う。<br />鯨は、その町の洋品店で、Tシャツを一枚買った。<br /><br />いったんホテルに戻り、下着を洗濯し、翌日のキップの確保のために再び駅へ。<br />翌日は、いけるところまで行く、という方針で、ひたすら南西方面をめざす。<br />セビリアまでのキップは確保できた。<br />駅の近くのレストランに飛び込んだ。<br />さいわい、ウエイターはカタコトの英語ができた。<br />鯨も、ポークとか、ビーフくらいなら、わかるのである。<br />で、無難なところで、ふたりとも肉料理にした。<br /><br />隣のテーブルは、50歳くらいのおじさん・おばさんが、20人ほどまとまって座っていた。<br />どうやら「グラナダ高校第35回生同窓会」でもやっているらしい。<br /><br />「ヨハンさー、マジョリカ好きだったんでしょー、あのとき」<br /><br />「ちがうよ、好きだったのはキミさ、わっはっはー」<br /><br />「コイツ、クラス中の女の子にラブレター出したんだぜー」<br /><br />「そうだったのぉ、信じられない、飲みなさいよエロハゲ」<br /><br />みたいな感じで、異様な盛り上がりである。<br />で、みんなで、一斉に笑う。店じゅうが揺れるくらいの、大爆笑。<br />みんな、それなりのオトシのはずなんだが、なんでスペイン人って、こんな元気なんだろう。<br />ビノ(ワイン)のせいか、みんな肌もピカピカなんである。<br />東洋からきたチューネン夫妻は、小さくなって、メシを食ったのであった。<br />鯨が頼んだボーン・ステーキは、ホテルに戻り、ベッドに入った後も、ずっとオナカに残っていた。<br /><br />教訓。グラナダのバスで、32番に乗ってはいけない。<br /><br />

    アルハンブラを見た後は、ひたすら、球団の向かいにある、旧市街を歩いた。
    地図はない。だが、すべて坂道なので、宮殿の位置を確認しながら歩けば、なんとかなる。
    坂道は、すべて石畳で、旧市街の町並みは、生活のにおいがした。
    午後7時を回っても、空はまだ明るい。
    公園にたどりつくと、子供たちが、やわらかな夕日の中で、ダンスを踊っていた。
    野良犬とホームレスが、それをのんびり見ている。
    路地で、中学生くらいの姉妹が、バドミントンをしている。
    それを、お母さんが二階からのぞいて「ごはんだよ」なんて言う。
    鯨は、その町の洋品店で、Tシャツを一枚買った。

    いったんホテルに戻り、下着を洗濯し、翌日のキップの確保のために再び駅へ。
    翌日は、いけるところまで行く、という方針で、ひたすら南西方面をめざす。
    セビリアまでのキップは確保できた。
    駅の近くのレストランに飛び込んだ。
    さいわい、ウエイターはカタコトの英語ができた。
    鯨も、ポークとか、ビーフくらいなら、わかるのである。
    で、無難なところで、ふたりとも肉料理にした。

    隣のテーブルは、50歳くらいのおじさん・おばさんが、20人ほどまとまって座っていた。
    どうやら「グラナダ高校第35回生同窓会」でもやっているらしい。

    「ヨハンさー、マジョリカ好きだったんでしょー、あのとき」

    「ちがうよ、好きだったのはキミさ、わっはっはー」

    「コイツ、クラス中の女の子にラブレター出したんだぜー」

    「そうだったのぉ、信じられない、飲みなさいよエロハゲ」

    みたいな感じで、異様な盛り上がりである。
    で、みんなで、一斉に笑う。店じゅうが揺れるくらいの、大爆笑。
    みんな、それなりのオトシのはずなんだが、なんでスペイン人って、こんな元気なんだろう。
    ビノ(ワイン)のせいか、みんな肌もピカピカなんである。
    東洋からきたチューネン夫妻は、小さくなって、メシを食ったのであった。
    鯨が頼んだボーン・ステーキは、ホテルに戻り、ベッドに入った後も、ずっとオナカに残っていた。

    教訓。グラナダのバスで、32番に乗ってはいけない。

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