2007/05/11 - 2007/05/12
307位(同エリア1519件中)
鯨の味噌汁さん
- 鯨の味噌汁さんTOP
- 旅行記134冊
- クチコミ100件
- Q&A回答2件
- 273,068アクセス
- フォロワー82人
5月、スペインの朝は遅い。
6時、といっても、外は真っ暗なのである。
ホテルから駅につくと、ちょうど、地平線が、うっすらとあかるくなっていた。
朝焼けの駅に停車している「タルゴ」は、始発列車である。
どうやら、トレドの小学生たちの遠足の日に当たったらしい。
駅の構内は、見送りの母親と、子供たちがあふれていた。
びっくりするような美少女がいる。
フランス人形なくて、スペイン人形だ。
カメラに収めたいが、配偶者が「ダメ」というので、断念。
マドリ・アトーチャまで戻り、グラナダ行きの特急に乗り換える。
7:35発、アトーチャ発グラナダ行き、特急「アルタリア」。
そして、延々とオリーブ畑の中を走り続け、砂漠を越え、正午にグラナダの駅にすべりこんだ。
グラナダといえば、アルハンブラ宮殿。
リベリア半島がアラブの支配下にあったときの、歴史的な宮殿である。
とりあえず、そこを目指さなくてはならぬ。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- JAL
-
グラナダ駅で、配偶者に、ひとこと、申し上げた。
「キミは、いっつも、わしの後ろにくっついているだけではないか。
たまには、駅のインフォメーションに行って、パンフレットなど、もらってきてほしい」
すると、彼女は口の中でブツブツいいつつも、いずこへかへ消え、パンフレットらしきものを貰ってきた。
「バスは何番に、乗ればいいか、聞いた?」
「聞いた、聞いた。32番ですって」
「おお、さすが」
といいつつ、荷物をえっちらおっちら持って、バス乗り場に移動。
32番が来たので、あわてて乗車。
これで、アルハンブラが見えてきたら、降りればよい。
が、しかし。
行けども行けども、バスはアルハンブラにたどりつかないのであった。
しかも、観光客らしいのは、鯨たちだけなのだった。
みんな、ジモピーが乗っているのである。
バスは、ひろびろとした郊外に差し掛かった。
「アルハンブラって、こんな郊外にあるのかな」
それからバスは、新興住宅街を抜けた。
「アルハンブラって、住宅街のマン中にあるのかな」
やがて、バスは、高速道路わきの、小さな停車場にたどりついた。
しずかな住宅街で、バス停の前には、バールが一軒だけあった。
終点らしく、何人かのお客さんは、みんな降りて行った。
念のため、運転手に
「アルハンブラ?」
と聞いた。
聞くほうがバカだった。
運転手は、陽気なお兄さんだった。
「ちゃいまんがな、ちゃいまんがな。真逆ですがな」
「・・・やっぱし」
どう見ても、さいたま市南区、といった感じだもん。
路線図を見せてくれた。
「これに乗ってな、もどりぃや。でもって、ここでな、ほれ、乗り換えればええねん」
「・・・あんじょうおおきに」
鯨は悄然としたが、配偶者は、いたって平和に、
「32番に乗ったのにねぇ」
なんてゆってるのであった。
まこと、オンナはたくましいのである。
とって返し、駅の近くにホテルを取り、アルハンブラ宮殿まで歩いた。
途中、バールにより、イワシとイカで栄養補給。
宮殿にたどり着くと、すでに、午後3時。
観光客が、ぞろぞろ帰り出す時間であった。 -
アルハンブラを見た後は、ひたすら、球団の向かいにある、旧市街を歩いた。
地図はない。だが、すべて坂道なので、宮殿の位置を確認しながら歩けば、なんとかなる。
坂道は、すべて石畳で、旧市街の町並みは、生活のにおいがした。
午後7時を回っても、空はまだ明るい。
公園にたどりつくと、子供たちが、やわらかな夕日の中で、ダンスを踊っていた。
野良犬とホームレスが、それをのんびり見ている。
路地で、中学生くらいの姉妹が、バドミントンをしている。
それを、お母さんが二階からのぞいて「ごはんだよ」なんて言う。
鯨は、その町の洋品店で、Tシャツを一枚買った。
いったんホテルに戻り、下着を洗濯し、翌日のキップの確保のために再び駅へ。
翌日は、いけるところまで行く、という方針で、ひたすら南西方面をめざす。
セビリアまでのキップは確保できた。
駅の近くのレストランに飛び込んだ。
さいわい、ウエイターはカタコトの英語ができた。
鯨も、ポークとか、ビーフくらいなら、わかるのである。
で、無難なところで、ふたりとも肉料理にした。
隣のテーブルは、50歳くらいのおじさん・おばさんが、20人ほどまとまって座っていた。
どうやら「グラナダ高校第35回生同窓会」でもやっているらしい。
「ヨハンさー、マジョリカ好きだったんでしょー、あのとき」
「ちがうよ、好きだったのはキミさ、わっはっはー」
「コイツ、クラス中の女の子にラブレター出したんだぜー」
「そうだったのぉ、信じられない、飲みなさいよエロハゲ」
みたいな感じで、異様な盛り上がりである。
で、みんなで、一斉に笑う。店じゅうが揺れるくらいの、大爆笑。
みんな、それなりのオトシのはずなんだが、なんでスペイン人って、こんな元気なんだろう。
ビノ(ワイン)のせいか、みんな肌もピカピカなんである。
東洋からきたチューネン夫妻は、小さくなって、メシを食ったのであった。
鯨が頼んだボーン・ステーキは、ホテルに戻り、ベッドに入った後も、ずっとオナカに残っていた。
教訓。グラナダのバスで、32番に乗ってはいけない。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
「不倫・絶望・南欧逃避行」ふうの旅(嘘)
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
グラナダ(スペイン) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 「不倫・絶望・南欧逃避行」ふうの旅(嘘)
0
2