2009/07/11 - 2009/07/11
95位(同エリア177件中)
まみさん
2009/07/11土 クリミア半島3日目(現地英語ガイド&車付)
・マリー・マイアーク村(Malyi Maiak)の聖ニコラス教会
・ガリツィン邸のワイン博物館
・ノーヴィ・スヴェット(Novy Svet)植物保護地区&絶景海岸
・スダック(Sudak)のジェノヴァ要塞跡
【ヤルタ泊:ホテル・ブリストル(Bristol)】
スダックに着いたとたん、大雨に見舞われて、ガーン!
車窓の外にレンガ造りの立派な要塞を目にしても、さすがの私も、たちまち膝丈ほどの泥水の河と化した道路を見ては、この雨の中を車から下りて見学する気にはなれません。
でもがっかりした顔を隠せなかった私をみて、現地ガイドのニーナが、スダックは午後にまた戻ってきましょう、と提案し、先にノーヴィ・スヴェットに向かうことにしました。
クリミア半島に天気の変わりやすさを当てにして。
そしてスダックに向かう途中で私たちの行く手に立ち込めた雨雲は、ノーヴィ・スヴェットに向かう私たちを今度は追いかけず、海に抜けたようです。
すぐ隣の町のノーヴィ・スヴェットは、スダックでの雨が嘘のようなギラギラの晴天で、ノーヴィ・スヴェットの人たちも、スダックでそんな大雨だったなんて、全く知らずにいました。
ノーヴィ・スヴェットでは、クリミア半島でワインの商業生産に成功したレフ・ガリツィン公爵の家をまず訪れました。
そこは、ささやかなワイン博物館となっていました。
本当は改装中で閉鎖されていたようですが、ニーナが頼み込んで、見学させてもらえることになりました。
ガリツィンの名は、クリミア半島を知るためのキーワードの1つです。
当時、誰もが不可能と思っていたクリミアワインの商業化に成功した人物です。
クリミア半島はワイン生産の南のボーダーぎりぎりで、ガリツィン以前にもワインの生産はされていましたが、生産量や品質は不安定でした。
でも、商業生産となると、毎年一定の品質・一定の生産量を維持しなければなりません。
誰もが無理だと思っていたのに、ガリツィンは私財を投じてそれをやりとげました。
しかも、1900年のパリ世界博覧会で、試飲したコンテスト審査員の誰もがすばらしいフランスワインかと勘違いしたほどの上質のワイン銘柄を生み出したのです。
そしてガリツィンは、当時のヨーロッパでは知らぬ者がいないと言われたほど有名になりました。
でもそんなに有名でも、日本では世界史の中のヨーロッパ史のほとんどは西欧史だから、こういう話はなかなか入ってきませんね。
ワインを造っているのはフランスだけだなんてさすがに誰も思っていないでしょうけど、日本でクリミアワインを知っている人は、業界人以外でどれほどいるかしら。
子供がいなかったガリツィンは、自分のワイナリーやブドウ園が親族の間でばらばらに相続され、規模が縮小することによってワインの品質が保てなることを恐れて、当時の支配者のロマノフ王家に寄贈しました。
その際、皇帝ニコライ2世に向かって「私の息子を陛下の養子にしてください」と言って、皇帝を驚かせたそうです。
ガリツィンの広大なブドウ園はその後、ロシア革命やソ連時代の混乱期にいったんばらばらになったようですが、今は買い戻されて、商業生産に必要な品質を保っているそうです。
ニーナは、ここノーヴィ・スヴェットではワイン1本がヤルタよりも20フリヴニャ(2009年7月現在、1フリヴニャ=約14円で換算)も安いのよ、と嬉しそうに言って、市内のワインの老舗で箱ごと買い込んでいました。
手持ちの現金が足らなくて、ドライバーのビクターと私からお金を借りてまで@
ニーナはそのうちの1本を翌日あけ、私も賞味させてもらいました。
※2009年ウクライナ旅行の旅程一覧はこちら。
簡易版「2009年ウクライナ旅行プロローグ(旅程一覧)地図付」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10359084/
詳細版「2009年ウクライナ旅行の詳細旅程」(もう1つのブログ「まみ’s Travel Diary」より)
http://mami1.cocolog-nifty.com/travel_diary1/2009/07/2009-2271.html
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現在はワイン博物館となっているガリツィン邸と、扉を叩くニーナ
ここも、マリー・マイアーク村の聖ニコラス教会と同じく、最初の日程に入っていないところでした。
現地ガイドのニーナにノーヴィ・スヴェットに着くまで車の中でガリツィンについて説明してもらったあとで、「興味があれば、行ってみる?」と聞かれたので、イエスと答えたおかげです。 -
ガリツィン邸のテラスから
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ノーヴィ・スヴェットの海岸に立つガリツィンの肖像画
背景は、まさしくこの後に見学した絶景海岸です。
そこにはガリツィンのワイン貯蔵庫として使われていた洞窟があるのです。
ちなみに、ガリツィンは赤いシャンパンも開発しました。赤いシャンパンって珍しくないですか? -
地下では水を求めて最大17mも伸びるという丈夫なブドウの根
すごいです。根っこというより、まるで枝か幹のようです。 -
ワイナリーのジオラマ
地中にトンネルを掘ってワインを貯蔵しました。 -
ボトルにコルクを詰める、いまでは珍しい昔の機械
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ギリシャ時代にはこういう壷にワインを貯蔵
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ブドウのツルの標本
ブドウのツルが地上2mものびているとき、地下では17mも根がはっているそうです。 -
地下ワイン貯蔵室
現在は貯蔵室として使われてはいないのですが、ここでワインの試飲ができるそうです。
残念ながらいまは改装中ですし、改装中ということでどうやら特別に入場料を払うことなく入れてもらえたようなので(ニーナ、ちゃっかりしてる!)、ワインの試飲はさせてもらえなかったのですが、記念にコルクをたくさんもらいました。
コルクの写真はこちらにあります。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16662517/
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/pict/16662518/
関連の旅行記
「2009年ウクライナ・ハイライトその8:ウクライナでゲットしたもの」
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10361990/ -
地下ワイン貯蔵室
地下なのでとても涼しくて、地上の灼熱を思うと、はなれがたかったです。 -
1878年創立のクリミアワインの老舗ノーヴィ・スヴェット(町の名前と一緒)
ニーナお薦めの店です。
着いたときはお昼休みですが、もうすぐ開店というちょうどよいタイミングにやってきました。
もっとも、午後の開店時間をすぎてもすぐに店は再開しなかったので、ニーナは扉をドンドン叩いて急かしてました@ -
ワインの老舗の店内と店員さん
ニーナは個人的にここに来るのをとても楽しみにしていたようで、お店の人にお徳だと薦められるままに、私やドライバーのビクターに借金をしてまで箱単位で買い込んでいました。
ヤルタより1本20フリヴニャも安いのよ! 友達の分も買ってあげるの! うふふ、と嬉しそうに堂々と言われて、憎めないというか、貸してあげないのはかわいそうなくらいでした@
私はというと……まだ旅の半ば。
残念ながらこんなところでワインを買って持ち歩けるほど、荷物は軽くないのです。
今回は、寝台車移動でホテルと空港や駅の移動は送迎を頼んでいたから、自分でスーツケースを転がす必要はほとんどなかったとはいえ。
「2009年ウクライナ旅行第7日目(3)クリミア半島:ノーヴィ・スヴェットの絶景海岸」につづく。
http://4travel.jp/traveler/traveler-mami/album/10394060/
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