1999/08/20 - 1999/08/20
15位(同エリア18件中)
砂布巾さん
第3部 再会の巻(ドイツ、ポーランド)
8月20日 再会
朝は6時には目が覚めてしまう。朝食が8時までだったので、しばらくして行ってみる。フランスでの朝食はどこでも極めてシンプルだったけど、ここは珍しくヨーグルトやフルーツもあった。共通していたのは、飲み物がドンブリのような入れ物で出されること。これには最初はブッ飛んだ。
様々な場所、そして人との再会があった1日だった。
最初はアルザス地方、ストラスブールとの再会。世界遺産プチ・フランスの町並みとシュークルートを食べに立ち寄った。カーンとクレルモンでも食べたシュークルートは、アルザス地方が本場でドイツで言うザウアークラウト。酸っぱいキャベツと言えば分かりやすいだろうか。
実はアルザスと隣接するロレーヌ地方は、歴史的にドイツと深い関係がある。ドイツ統一を目指すビスマルク首相率いるプロイセンと、それを妨害しようとするナポレオン3世率いるフランスが激突した1870年の戦争で勝ったプロイセンを中心にドイツが統一され、それに伴い両地方はドイツに帰属が変更された。ちなみにドイツ皇帝の戴冠式は、占領中のヴェルサイユ宮殿「鏡の間」で行われた。
前述のようにヴェルサイユ条約で両地方はフランスに返還されたが、第2次大戦中に再びドイツが占領、戦後フランスに返されるなど、この百年余りの間に住民の意思とは無関係に4度も帰属を変えさせられたことになる。なおドイツ語とアルザス方言はよく似ているそうだ。橋の上の席から船が航行している様子を見るため、少し離れている間にビールを片付けていたレストランのウェイトレスに、その辺りをドイツ語で確認してみたら、あっさりとではあったが‘Ja’と教えてくれた。バス用の小銭が少しだけ足らず「0.1FFだけ返して下さい」とお願いしたら、チップを取ることもなく1FF返してくれた。
フランスはイギリス滞在をはさんで合計10泊したけど、重大イベントが相次ぎ、食べ物も美味しかったカーンでの2日間が特に印象深い。中盤のパリ、ヴェルサイユも悪くはなかったけど、観光客の多さに少々閉口。後半ではオラドゥール往復で苦労したことが印象に残る。
フランスで使ったお金は、10泊で約9万円。少し高くついたが、パリでの宿泊費が若干高かったこと、ノルマンディーツアーが370FF、ドーヴァーヘの船代が半額割引で120FFだったことを考えると、こんなものだろうか。
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「フランスが好きになったか?」と問われると、「ウーン」と少し考え込まざるを得ない。ただ文化的にも、歴史的にも偉大な国であることには違いない。
フランスでよく聞かれたのが‘Do you speak French?’の台詞。ドイツではこんなこと聞かれたことないし、日本人が外国人観光客に「日本語話せますか」と聞く何て考えられない。その裏には「言葉をちゃんと勉強して出直してこい!」という大国意識、イギリスとの植民地獲得競争に敗れた対抗意識が見え隠れする。こっちは言葉が分からずポカンとしているのに、早口のフランス語でまくし立てられたこともあった。
ライン公園まではバスで行き、ドイツにはライン川を渡って入国。ドイツとの再会だ。ドイツに入ってすぐケールの駅があるので、窓口でジャーマン・レイル・パスの使用開始の刻印をもらって列車に乗ろうとしたら、 -
ドイツ人青年が話しかけてくる。知り合いの息子さんヴィンセントでビックリ。彼はここから列車で1時間くらいの所に住んではいるけど、あまりの偶然に驚いた。
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駅のホームでドイツ語が聞けるだけでウキウキ。そしてゴミ箱が4種類に分けて置かれているのも、「さすが環境立国ドイツ!」と感心してしまう。とにかくこの2つの再会で気分的にもハイになっているのでありました。
今日の泊まりはヴォルムス。大きな町ではないが、1517年に「95カ条の意見書」を発表して宗教改革運動を開始したマルティン・ルターが1521年にこの地で開かれた国会で皇帝に自説の撤回を求められたが、それを拒否した場所だ。ルター氏とは9年前に「意見書」を発表したヴィッテンベルク、新約聖書のドイツ語訳を完成させたアイゼナッハのヴァルトブルク城以来の再会だ。
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ドーム前に位置し、ロケーションは最高だったYHの同室には日本人が居てビックリ。彼は医大生で田舎を中心にドイツを回っているそうだ。お互いにドイツ好きで気が合ったこともあって、門限の23時半まで近くで飲んでいた。
snafkinfamily@nifty.com
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