赤瓦の国紀行(終)　花より団子：飯田線

2007/08/16 - 2007/08/16

　青春18きっぷを使った'07夏中国地方一周の旅の最後を飾るのはもちろん飯田線である。なんでやねん。

エリア 駒ヶ根(長野)

　18きっぷが一日分余ったので、帰りに寄り道しようと飯田線に乗ることを決意。前日は豊橋に泊まって特上のうな重を食す。
　うまひ。やはりうなぎは脂ギッシュでないと。養殖バンザイ。

　そして翌日、始発の飯田線へ。意外と人が乗っている。

　正直な感想を申し上げると、か〜な〜り期待はずれであった。事前に飯田線に対する賞賛の言葉をあまりに聞きすぎて、想像力が膨らみすぎたからかもしれない。一部区間特急も走っているし車内も地元客で賑わっている。少なくとも「日本一のローカル線」では全然ないような気がするのだが、まあ個人差だし、考えても仕方ない。

　この路線の名を上げている秘境エリアは、中部天竜〜天竜峡間の短い区間のみ。写真はその区間、車内から駅越し（確か小和田駅）に撮ったもの。

　秘境エリアの面白いところは「なんでこんなところに駅を建てようと思ったのか」を想像するところにあると思う。「このあたり全然駅ねえからちょっと作っとかね？」みたいな感じなのか。考え出すと気になって眠れなくなる。

　爆睡しているうちに電車が飯田駅に着いたので降りてみる。

　何かがあるわけでもなさそうなのでさっさと立ち去る。
　駅前スーパー内のビュッフェコーナーにあったかき氷が150円だか180円だか、とにかく安くて生き返った。

　同じく駅前にあった、昼食堂夜小料理屋の看板。

　孫に書かすな！　ちゃんとやれ！

　でもこれだけでなんだか飯田が好きになった。

　駅前の土産屋でカップ酒を買って、キオスクでじゃがりこを買って駅のベンチで小酒盛り。タイミングよく、この旅行では実に珍しい風が吹いて気持ちがいい。

　向かいのホームでおっさんが昼寝をしている。なんだか良い光景だなと思ってデジカメを向けた途端におっさんはむっくりと起き上がり、こちらに怒鳴りかけてきた。とりあえず手を振ってみたらおっさんはそのままどこかへ行ってしまった。

　飯田から岡谷へ向かう。次に人がどどっと乗降したのが駒ヶ根駅だったので、流れに呑まれてみる。

　駅前の商店街にはオレンジの幟が立ち並んでいる。どうやらソースカツ丼がここの名物らしく、ソースカツ丼を扱っている店には同じ幟が立っている。これはわかりやすくて良い。

　私は「ソースカツ丼を食うくらいだったらトンカツ定食食うから」と常々思っており、カツ丼は卵とじしか認めない人間だったが、せっかくなのでとある一軒に入ってみた。

　やべなにこれうめえ。卵とじよりうめえ。

　私はソースカツ丼を、トンカツの上にブル○ッグあたりのソースをかけただけの代物だとばかり思っていた。ナイス想像力。何このごはんに合うソース。何この汁ごはん。
　中国地方一周旅行で一番旨いものは駒が根にあった。

＊＊＊

　駒ヶ根を発ってからはもうどこでも降りず、一直線で実家へ帰省。この７日間は連日の35度オーバーでクタクタ。もう旅行はこりごり……なんて思うのも毎年のこと。
　また夏が来れば、汗を流してから宿でやる一杯と腰の痛みが懐かしくなるだろう。

この旅行記へのコメント （3）

• 練馬の材木屋さん 2012/06/29 11:07:14

  面白かったですね-

  赤がわら紀行、ついに
  全部仕事中に
  読んじゃった
  でもやはり変だ
  只見あたりで告白ある
  と-り
  変態だ
  なんでここに飯田線がはいるの？

• シベックさん 2008/08/04 13:33:32

  看板

  shikiさん、はじめまして。
  
  私のページにおいでくださり、ありがとうございました。
  花より団子：飯田線、見せていただきました。
  飯田駅前の小料理屋の看板、愉快ですね。
  
  ＞孫に書かすな！　ちゃんとやれ！
  
  同感です！でも、田舎らしく、ほほえましくもありますね。
  中国地方一周の旅で一番旨いものは駒が根のソースカツ丼だったとか。
  どこに美味いものがあるか分かりませんね。
  カツ丼大好きです。
  私も卵とじのカツ丼しか食べたことがなく、チャンスがあったら是非食べてみたいです。
  
  　　　シベック

  shikiさん からの返信 2008/08/04 22:38:39

  RE: 看板

  シベックさん、ようこそお越しくださいました。
  南紀方面への旅行を考えており、シベックさんのページにたどり着いて参考にさせていただきました。
  
  コメントくださった看板は私もお気に入りです。なんだか店の雰囲気が滲み出ているようです。なぜ自由に消せる黒板なのに線引いて見え消しなのか、とか、よく見ていると奥深さもあります。
  
  ソースカツ丼は、ぜひ一度試してみてください。同じくカツ丼大好きの私が保証します。新しい世界が待っています（大げさ）