2007/08/14 - 2007/08/14
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shikiさん
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※流血写真は出てきませんのでご安心ください。
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さて、アトラクション列車で無事に備後落合まで辿りついたが、2時間の電車待ちという状況には変わりない。ただ備後落合は無人駅だと聞いていたので、暑いしもうのんびり昼寝でもしようと思っていた。
しかしこの駅、無人駅のくせに人が多い。ほとんどの乗客は折り返し「奥出雲おろち号」に乗って去っていったが、まだ駅には10人以上残っている。次の列車は2時間後だというのに。お前ら何やってんだ。俺もか。
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駅を出てみると、綺麗に舗装された道路が敷かれている。どうやら獣道ではないようだ。しっかり歩道もある。そして当然ながら車通りも少なく危険もなさそうだ。
駅前の案内地図を見ると、隣の道後山駅まで列車は大きく迂回するが、道路をまっすぐ進めばそれほど距離のないことが判明。 -
うーん、歩いてみるか。
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本日も快調に35℃。いざ出発。
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やはり列車に乗っているのと歩くのとでは、景色の残り方が格段に違う。歩いてみてよかった。
と、思ったのはせいぜい最初の5分間くらい。代謝しすぎ。 -
過疎地の現実。
これも「情緒」のうちに入るのだろうか。 -
温泉が見えてきた。自分は人並みには温泉好きだが、今は全く入る気になれない。プールはないのかプールは。
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この温泉は、山間にぽつんと佇む一軒家だった。穴場?
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歩道に日陰は全くない。しかし時折、雲が後ろから流れてきて陰を作ってくれる。ちょっとした日陰がどれだけ体感温度を下げてくれるのかを実感する。誠に砂漠のオアシスのようである。
でも言うまでもなく人間の歩行速度より雲が流れる速度の方が速い。雲は私を追い越して影を前方に運んでいってしまう。恨めしい。 -
再び温泉の看板が。秘湯?
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駅前の案内図は、往々にして細部が適当である。でもまあ道後山駅周辺に来れば看板でもあるだろう、と高をくくって出発した。
ない。
よく考えてみれば、このあたりの中心駅はあの無人の備後落合であり、道後山はそれより小さいわけだから看板なんてむしろないと推理すべきであった。
でももう遅い。ここで乗り遅れるのは致命的だ。何時間後かもわからない次の列車が来る前に干からびて死ぬかもしれない。しかし道を訊ける人も見当たらない。私はクソ暑い中をあてもなく走りはじめた。一方向へ走っては何か目印らしきものはないかと探し、何もなさそうと判断しては引き返す。こういう時、電線のないディーゼル路線は鬱陶しい。汗はもう、今バケツで水をぶっかけられても外観に変化なし、というくらいかきまくっている。
やがて、小高い丘の上に、線路の脇に建ててありそうな、白地に大きな×印、その左右が黒く塗りつぶされた看板を発見。
もうこの方法しかない。 -
思ったとおり線路はあった。駅の近くにいるはずなので、ここからプラットホームが見えることに望みを賭けていたが、運悪く両サイドともすぐにカーブしており遠くまで見通せない。
次の備後落合発の時刻まではまだ30分以上あったが、備後落合着の列車がいつ来るかわからない。
イチかバチか、左へ駆けた。 -
あたり。
べつにハズても死にはしないが、気力の限界だったので本当に助かった。
道後山駅には、車で訪れて周辺の写真を撮っている先客がいた。その人が私を見て一瞬ぎょっとした表情をしてから「こんにちは」と挨拶して車に乗り込み去っていった。
デジカメを取り出すと、液晶部分に真っ赤な滴が落ちた。 -
なんだなんだと慌てているとTシャツにも鮮血が落ちた。トイレへ駆け込んで鏡を覗いてみる。
うぎゃあああ。
頬のあたりから出ている血が顎へ流れ、風で顔にからみつく長髪のような模様を描いていた。
全く痛みもないし記憶にもない。線路へ駆け上がる際に、木の枝で引っ掻いたのだろうか。原因は不明だが、そんなことより血が止まらない。代謝がハイパーモード突入で汗が止まらないことと関係しているのだろうか。
タオルで5秒に一度くらい頬を押さえながら列車を待った。
ものの数分で、備後落合へ向かう列車がやってきた。こうなってみると、線路での判断は意外と生死の分かれ目だった。クーラーに当たりたかったので、これに乗って一旦備後落合へ向かって引き返すことにした。
結局血が止まったのは約一時間後、備後落合発の列車が新見に着く少し前くらい。白組のタオルが完全に紅組に変わっていた。新見駅に着いてから、ホームですれ違う人々が私を避けるように歩いた。
トイレへ駆け込んで真っ先にタオルを洗った。
タオルはピンク色になった。
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