航空機＆空港事情 in Russia

2004/10/20 - 2004/10/20

　先日、モスクワ・ペテルブルク・キエフを訪問する機会がありました。モスクワは1年ぶり、ペテルブルクは６年ぶり、キエフに至っては実に１２年ぶりの再訪でした。今回は、第１回として、利用した航空便と空港事情についてのレポートをお届けします。

　成田−モスクワ間のアエロフロート航空は最新鋭のボーイング７７７型機。エコノミークラスの座席に個人用モニターなどはさすがにありませんが、大きめのシート、可動式のヘッドレストで足は伸ばせ、座り心地は上々です。離陸してまもなく、温かいおしぼりから始まり、アイマスク、耳栓や簡易スリッパといったアメニティグッズが、美しいキャビン・アテンダントから配られます。機内食も、ホットミールは３品から選べ、味も量も満足。かつて細長いイリューシン６２Ｍ型機（成田空港で、ジャンボやエアバスの間に駐機する機体はさながら鯨にはさまれたサンマのようでした）が飛んでいたころを知る私にとっては、隔世の感があります。高度１万メートルのシベリア上空を、夕日を追いかけるように飛ぶ１０時間の空の旅は、退屈することなく快適に過ぎていきました。

　モスクワ・シェレメチェヴォ第２空港の入国審査はあっけなく終わり、かつては悪名高かった税関検査もほぼノーチェック。ただ、一歩出るとそこは白タクの客引きの群れ。シャトルバス、タクシーストップもあるわけではありません。全く、この空港からの移動手段の劣悪さだけはいつまでたっても変わりません。市内〜ホテル送迎手配は必須です。なお、セキュリティーの強化の為、一般の送迎車はターミナルビルに横付けできず、空港エリアの外まで１００メートルほど歩かねばなりません。

　主に国内線が発着する、シェレメチェヴォ第１空港ビルに入ろうとすると、入り口でエックス線と金属探知機の検査。チェックインカウンター前でもまた同じ検査。まあ、もれなくきちんとやってくれさえすれば、ハイジャックもテロも防げるので、と自分に言い聞かせます。モスクワ−ペテルブルク間はアエロフロート航空のツポレフ１５４型機。旧ソ連地域でたくさん飛んでいる中型機です。座席が狭いという欠点はありますが、１時間半程度のフライトなら問題はないでしょう。この区間は他社との競合があるせいか、乗客には嬉しいサービス競争になっています。日本の国内線ならば、ドリンク１杯がせいぜいなのに、ドリンクサービスは２回あり、ケーキまでついてきます。モスクワ同日乗り継ぎでペテルブルクに向かうと、現時時間で夜９時。しかし日本時間では午前２時。甘ったるいケーキは、寝不足の体には少々こたえますが。

エリア モスクワ(ロシア)

　ペテルブルク・プルコヴォ第１空港は久しぶりの到着でしたが、ずいぶんと明るくなりました。

　ペテルブルク?キエフ間を飛んだのは、ペテルブルクに本社のある、プルコヴォ航空のツポレフ１３４型機でした。機首がガラス張り（航法士が乗っている）、丸窓、通路を挟んで片側２席の、少々年季の入った飛行機です。差額はそれほどないので、奮発してビジネスクラスのチケットを用意しました。

ところが機内に案内されてみると、座席はエコノミーと全然変わりなく、ただカーテンで仕切っているだけ。これは騙されたか？と思っていると、ほとんど離陸と同時に、狭いテーブルに仰々しく白いクロスが敷かれ、オードブル、メインと機内食のトレーが次々と運ばれてくるではありませんか！

しかも、わずか８席の「ビジネスクラス」のお客に、メインを肉か魚か選ばせてくれるのです！余ったものはどうするのか非常に気になりましたが、カーテンのすき間から垣間見たエコノミーのあっさりした食事をみると、ビジネスの差額は十分取り戻せたように思えます。ひたすら食べ続けているうちに、２時間弱で飛行機はキエフ・ボリスポリ空港に到着しました。飛行機の古さを全く感じさせない、スムーズな飛行・離着陸でした。

　キエフ・ボリスポリ空港は、建物こそ１２年前のままでしたが、スマートな広告が目立つ、きれいな空港になりました。入国審査・税関などもヨーロッパ的な、カラフルな色使いになっていました。ただ税関検査は厳しく、１０００ドル以内の外貨持込は無申告でよいのですが、財布の中身はすべて確かめられました。

　キエフ?モスクワ間はふたたびアエロフロート航空のツポレフ１５４型機ですが、国際線にもかかわらず、何故かモスクワ?ペテルブルク間のサービスと全く同じでした。

　モスクワ?成田間は行きと違い、少々小ぶりのボーイング７６７型機。それでも、少なくともエコノミークラスは、行きと同じく他の欧州系航空会社と遜色のない快適な空の旅でした。