2013/03/24 - 2013/04/01
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funasanさん
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JTB旅物語のツアー「ワンランク上の上質な旅、トルコ9日間」に妻と2人で参加してきた。旅行代金は189800円。これに燃油サーチャージ代、国内外空港税を加えて総額約24万円となった。この時期のトルコ旅行にしてはやや高い気がするが、ツアーの売りは「憧れのホテル滞在(注)、VIPバス利用、国内空路利用」等である。イスタンブールに2泊して充実した市内観光ができるのもいい。偶然にもツアー参加者が6名と少なく、小回りの利く優雅な大名旅行となった。
注:カッパドキア地方…『カッパドキア・ケイブ・リゾート』2泊
イスタンブール…『ザ・リッツ・カールトン』2泊
写真:アンカラにある「アナトリア文明博物館」
私のホームページ『第二の人生を豊かに―ライター舟橋栄二のホームページ―』に旅行記多数あり。
http://www.e-funahashi.jp/
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3月24日、午前9時30分、中部国際空港発ソウル行きの大韓航空752便に搭乗する。機種はボーイング747でエコノミー席(写真)は横3-4-3の10席。シート間隔は適度にあり、短距離路線にしては悪くはない。
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いつもスターアライアンス系の飛行機ばかりに乗っている私としては大韓航空初体験である。名古屋からソウルのインチョン空港まで2時間弱のフライトであるが、機内食(写真)がでた。軽めのランチにちょうどいい。
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インチョン空港でのトランジットは1時間30分しかないので、空港内(写真)をブラブラ見学しているとすぐに次のフライト時間になる。
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午後1時、ソウル発イスタンブール行きの大韓航空955便に搭乗する。機種はボーイング777で、エコノミーの座席配置(写真)は横3-3-3の9列である。適度なシート間隔があり、座りごごちも悪くはない。欲を言えばもう少しリクライニングが深ければ文句なし。
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ソウルからイスタンブールまでのフライト時間は12時間弱もある。狭いエコノミー座席でいかに快適に過ごすか?ここに旅の熟練度が問われる。1回目の食事の時、私は「ビーフ」(写真)を選択。普通の味。
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妻は珍しく「焼き肉ビビンバ」(写真)を選択する。大韓航空ということで韓国料理に挑戦であるが結果は×であった。
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食事の後は映画を見たり、仮眠したり、読書したりと自由に過ごす。これが結構楽しい。ロングフライトなので途中にスナック(おにぎりorピザ)のサービスがあった。ピザがうまい。写真:2回目の食事
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昼間のフライトであるが、寝れる時に睡眠をとっておくと体が楽である。また、時々、飛行機の最後部に行き、ストレッチ体操をやったり、若くて綺麗なCAとお喋りしたりして気分転換をする。2本目の映画を見終わる頃にはトルコ上空に来ている。写真:2回目の食事
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現地時間の午後6時半頃にイスタンブール空港に到着。現地添乗員出迎えで大型バスに乗り、空港に近い本日のホテル「ワオ・イスタンブール・ホテル」(写真)に向かう。
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10分程度でホテルに到着し、直ぐに客室(写真)に入る。日本からのロングフライトの後、ホテルのベッドで寝られるというのはありがたい。
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「ワオ・イスタンブール・ホテル」には室内温水プール(写真)もあり、夜景を見ながら一泳ぎできる。しかし、時差で頭がぼーっとしているので泳ぐのはやめる。
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プールの隣にはジム(写真)もあり空港周辺のホテルにしては施設が充実している。私は部屋のバスタブに浸かりゆっくりと長旅の疲れをとってからベッドにもぐりこむ。そして、夜9時頃、深い眠りに入る。
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翌朝は夫婦とも朝4時に起床。妻は朝のシャワーを浴び、私は持参のコーヒーを煎れて夜明け前のコーヒータイムを楽しむ。その後、ガイドブックを読み、朝6時過ぎに朝食レストラン(写真)に一番乗りをする。
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昨夜はぐっすり寝たので元気満々でトルコの朝を迎える。ビュッフェカウンターからピックアップして私の朝食メニュー(写真)を作る。どれも結構うまい。写真左上のスープ「ドマテス・チョルバス」がうまい。また、ハチミツが巣のままで提供されているのに驚く。
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今日の出発は朝7時15分と早い。朝食後はホテルの外へ出て写真を撮っていると直ぐに時間になってしまった。
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イスタンブール空港に戻り、午前9時発、アンカラ行きのトルコ航空・国内線に搭乗する。1時間のフライトでトルコの山岳地帯(写真)を越えて行く。
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短いフライトであるがサンドイッチの機内食(写真)が出た。既にホテルでの朝食済みなのでこれはパスをする。
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アンカラ空港から市内中心部へは整備された道路が通っており、周囲には建築中のマンション群(写真)も多い。まさに発展途上の若い国のようである。
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我々のアンカラ観光は「アナトリア文明博物館」(写真)入場からはじまる。アナトリアとはトルコのアジア部分の呼称で歴史の宝庫である。
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館内(写真)にはアナトリアで産出された歴史的文化財が時代順に展示されている。事前にお勉強しておいたほうがいい。
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入り口右手にある大きな石灰石の彫像は「タルフンザ王像」(写真)で紀元前8世紀頃(新ヒッタイト王国)のものである。
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入り口左手の石灰石の像は「ライオン門」(写真)で、紀元前10-9世紀(新ヒッタイト王国)のものである。ライオンにしては優しい顔をしている。
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紀元前2000年頃にアナトリアに移住したインド・ヨーロッパ語系の民族は、紀元前18世紀頃に最初の統一王国である「ヒッタイト古王国」を樹立した。写真:「封筒入り粘土板文書」、紀元前19世紀(アッシリア植民時代)の作
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ヒッタイトは優れた騎馬技術と鉄器の独占により、西アジアからアナトリアまで席巻し、大帝国(ヒッタイト帝国)を築く。これは世界初の鉄器文明国家の誕生である。そして、エジプトやバビロニアと覇権を競う。
写真:「浮き彫りつき壺」、高さ82?、紀元前17世紀中頃の作 -
紀元前1275年、ヒッタイトはラムセス2世率いるエジプト軍とシリアのカデシュで戦うほど強大な帝国となった。
写真:「牝牛形リュトン」高さ90?の土器で紀元前16世紀のもの。リュトン(rhyton)は古代の器の一種で、角杯(かくはい)ともいう。 -
恐れ多くもアブシンベル神殿(以下参照)でにらみをきかす古代エジプト王・ラムセス2世と互角の戦いをするとは…、ヒッタイトは凄い!
http://4travel.jp/traveler/funasan/album/10434370/
写真:青銅の「文書」高さ35?。紀元前1235年、ヒッタイトの王トウタルヤ4世とタルフンタシャのクルンタ王との間で交わされた国境に関する協定文書が刻まれた青銅版である。 -
館内にはヒッタイトとエジプトとの戦いの後、両国の間で取り交わされた条約文書(楔形文字で記された焼成粘土製)が残っている。
写真:浮き彫り「戦車」多数。高さ175?。紀元前8世紀後半(新ヒッタイト王国)の作。レリーフでは体は正面を向いているのに、頭や足は横向きになっている。これもヒッタイト様式の特徴である。 -
浮き彫り「神に礼拝するスルメリ王」(写真)高さ86.2?。紀元前10-9世紀(新ヒッタイト王国)。ヒッタイト帝国の代表的芸術として石のオルスタット(石壁ブロック)がある。石に刻まれたレリーフ(浮き彫り)が見事である。
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エジプト最南端のナイル川岸にあるアブシンベル神殿内にラムセス2世率いるエジプト軍とヒッタイトとの壮大な戦闘場面(カデシュの戦い)を描いたレリーフが残っている。両者を見学した私としては歴史のロマンを感じる。
写真:「人面付き壺」、高さ14.6?。紀元前9-8世紀の作。 -
アナトリア文明博物館内には、ラムセス2世の妃や、ツタンカーメン王の妃からヒッタイト王や妃への書簡も残っている。日本人にとって古代エジプト文明はよく知られているがヒッタイト帝国の重要性は認識がない。(反省)
写真:黄金の耳飾り -
アナトリア文明博物館はアンカラ城の麓にある。博物館で歴史の勉強をした後、アンカラ城塞(写真)の外観を遠くから見る。
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私の目に焼き付いたのはアンカラ城の対岸に密集する古い住宅群(写真)である。いかにも朽ち果てた印象の家々であるが、人が住んでいるのであろう…。郊外の新築マンション群との対比がすごい。
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次に、トルコ共和国建国の父、ケマル・パシャ(アタチュルク)を奉った「アタチュルク廟」(写真)に行く。アタチュルクとはトルコの父という意味である。残念ながら遠くからの写真撮影のみ。
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ここで近代トルコの歴史を少し…。長らく続いたオスマントルコ帝国は第1次世界大戦で敗北し、戦後イギリス等戦勝連合国側の分割統治の危機に直面した。オスマントルコ帝国最後のスルタン(皇帝)メフメット6世にはもはや抵抗する実力も気力もなかった。そこに登場したのが一介の愛国青年「ケマル・パシャ」である。
写真:アンカラ駅 -
ケマル・パシャはトルコ国民にスルタンへの忠誠と本土防衛を呼びかけ、連合国側への抵抗運動を続ける。そして、イズミールでのギリシャ軍との戦いやスルタンの裏切りを乗り越え、天才的な外交戦術を使って、遂に、1923年トルコ共和国を建国、初代大統領に就任する。
写真:アンカラ駅構内のレストラン -
トルコの近代化を推進するに当たって、アタチュルクは日本の明治天皇を師と仰ぎ、明治維新を模範としたという。日露戦争における日本の勝利にトルコ国民は驚喜し、現在でもトルコの人々の多くは日露戦争の英雄「乃木希典」や「東郷平八郎」の名前を良く知っているという。
写真:ランチメニュー「トルコ風肉と野菜の炒め料理」 -
アタチュルクのトルコ近代化改革が凄い。イスラム教徒の国ながら、「世俗主義」、「革新主義」を打ち出し、宗教裁判の禁止、一夫多妻制の廃止、服装改革、太陽歴の採用、アラビア文字の廃止、メートル法の採用、女性の参政権承認(日本より10年早い)等、である。
写真:ランチメニュー、上の写真のおかずをパスタにかけて食べるとうまい。 -
これらの改革はイスラム教徒が圧倒的多数を占める国家では前例のない画期的なもので、その後のトルコの社会、文化に計り知れない影響を与えた。
写真:ランチメニューのデザート「バクラワ」(パイのシロップ漬け、かなり甘い) -
ランチの後は、本ツアーの売りの1つ、「VIPバス」(写真)に乗車して、アンカラからカッパドキアまでの長いドライブをする。大型VIPバス1台を6名で自由自在に使う。これぞ前例のない大名旅行である。
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アンカラ郊外には新築マンション(写真)が延々と続いている。他の小都市でも続々とマンションが建設されており、想像以上にトルコの国力はありそうである。
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ちなみにトルコの2011年の名目GDPは7743億ドルで世界18位である。韓国が1兆1162億ドルで世界15位なので、トルコはいずれ韓国に迫る。
参考:世界の名目GDPランキング(USドル)
http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html
写真:カッパドキアに近い白銀のエルジェス山(3916m) -
アンカラから5時間くらいかけてようやく世界遺産「カッパドキア」(写真)に到着する。
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残念ながら天気が悪く夕闇も迫る。ギヨレメ・パノラマからウチヒサル(尖った砦の意味)を遠望する。今夜のホテルはこのウチヒサル最上位にある洞窟ホテル『カッパドキア・ケーブ・リゾート・アンド・スパ』である。
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ホテル(写真)に到着。ツアー客として6名しかいないので添乗員さんのチェックインも簡単で直ぐに客室に向かう。
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さて、初体験の洞窟ホテルとは?期待と少しの“失望”を予期しながら客室(写真)に入る。天井は半円形でまさにドーム客室、室内は綺麗で広さもある。Goodです。
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奥の扉を開けると驚くほど広いバスルーム(写真)になっている。早速、バスタブにお湯をはり湯船に浸かる。熱い湯が勢いよく出てきて不満はない。バスアメニティも全部揃っている。
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シャワーブース(写真)が別にありここで最後の仕上げをする。風呂上がりはバスローブに身を包みバルコニーに出る。3月下旬のカッパドキアは寒い。すぐに客室にもどる。
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部屋にはウエルカムフルーツ、ボトルの水、コーヒーメーカー(写真)等が置いてあり無料でティータイムを楽しめる。さすが、カッパドキアで最高級のホテルだけある。
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部屋で休憩した後はホテルのレストラン(写真)に夕食をとりに行く。「ツアー客6名+日本人添乗員」の楽しいディナーがはじまる。
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「サラダ盛り合わせ」(写真)数種類のソース類?にからめて食べる。Good.
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前菜「チーズの春巻き」(写真)。抜群にうまい。
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メイン肉料理「牛肉と羊肉のケバブ」(写真)量が少なく繊細でいい。Good.
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デザート「フルン・スュトラッチ」(写真)。フルン(オーブン)で焼いたプリン。Good. 料理はおいしく会話も盛り上がり大変満足したディナーであった。
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広いバルコニーからライトアップされた我々の客室(写真)を見る。このホテルに2泊できる。やはり高級ホテル滞在は気分がいい。気持ちよくベッドに入る。
注:洞窟ホテルは保温が良すぎるので、床暖房を切り、冷たい外気を入れ、さらに、エアコンをつけて室温を下げてから寝た。
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