2006/04/27 - 2006/04/30
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プイイ フュイッセさん
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この旅の目的の50%は、ヴェズレー(のはず)でした。
会社勤務の傍ら学んでいる大学の西洋美術史に「中世美術では、神を可視の存在としてどう形象化し、それが時代ごとにどう変化したのかを、・・・」という課題があり、理数系の私は、まず西洋史からやり直し、キリストと聖ペトロ、聖パウロ、そして教会の歴史をウロウロし、やがてそれはシトー会、クリュニー会といった修道会(院)に辿り着き、そしてパリから一番近いヴェズレーへ、ともかく行ってみたいと願ったのは、昨年の秋でした。
けれども、調べてみると、車の運転のできない私には、朝1本(しかない)の列車で行き、夕刻1本(しかない)列車で帰る旅しかなく、それは冬には厳しく、やっと待って4月末の決行となったわけです。
今回、利用した列車は朝7時10分、パリ・ベルシー発、アバロン行き−セルミゼルで下車、帰路は16時48分セルミゼル発、ラロッシュ・ミジェンヌ乗り換え、19:37パリ・リヨン着でした。
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ナルテクス(玄関間)のタンパン。19世紀にこのカテドラルの修復にあたったヴィオレ・ル・デュクが報告書のなかで「フランスにある玄関間の中で最も美しいこの玄関間」と記した、その修復時にもほとんど手がつけられていないというタンパン(扉口上部の反映または尖頭アーチで囲まれた部分)。
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ちょうど解説付きツアーのご一行へのタンパンの説明が終わり、開いた扉から堂内を望む。
思いがけない明るさと、白と暗褐色の石を交叉させ描くゼブラパターンの横断アーチに、歩みが止まります。 -
ヴェズレーといえば、奇奇怪怪な柱頭が迎えてくれます。これは、南扉口から入り、アーケード側最初の柱頭の「ガニュメーデースの誘拐」。詳しくは、ロマネスク彫刻などの書籍ご参照(とてもここでは語れません)。
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11世紀、マグダラのマリアの遺骨があったということで評判となったこのカテドラルは、聖遺物崇拝、そしてサンティアゴ・デ・コンポステラの起点の一つとなり、第二回十字軍の起点ともなりました。けれども、どうやら、その聖遺物が怪しいものとわかると、衰退の一途を辿り・・・、ユグノー戦争、フランス革命等による宗教建築の破壊に会い・・・、廃墟と化した後、19世紀「歴史的記念建造物委員会」という国家的事業により救済されました。そうしたことを思い描きながら見る石組みは、また格別です。
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ヴェズレー巡礼の、もう一つの楽しみ。それは聖堂裏手の見晴らしのよい広場。
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聖堂裏手の広場からの景色。このヴェズレーが小高い丘の上にあることがお分かりいただけるか、と。
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陽に焼けることが心配でなければ、いつまでも見ていたくなる光景、そして鳥達のさえずり。
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ところで、SNCF(フランス国鉄)のHPで、パリ−セルミゼル(SERMIZELLES)7時、を入力すると、BERCY発と表示され、駅で切符を買っても、同じように印字されるのですが、朝6:45にベルシー駅(リヨン駅から歩いて10分、走って6分)に行ってみると、列車が1両も居ない。そして、警察犬(?)を連れている国鉄の人なのか警察の人なのかに聞いてみると「GARE DE LYON」と強く跳ね返され、そこに来ていた数人のおばさんと共に、朝の7時、リヨン駅に向かって、走れ走れ!となったのでした。
どうやら、ほとんどがリヨン駅発で、祝日の日くらいがベルシー駅発の模様。どうか、列車で行く方は、この点を、くれぐれもご確認あれ。
パリ−セルミゼル間は、片道二等で26ユーロ程度。 -
セルミゼル駅。無人駅ではないけれど、駅員1名のようなローカル線(非電化)の駅。
ヴェズレーのツーリズムインフォメーション(HP)にも載っていますが、ここからヴェズレーまでは10kmもあるので、前日までに、ヴェズレーのタクシー会社に予約が必要です。駅前には、何ーんもありません。私は、泊まっていたホテルのコンシェルジェに、「この列車で行くから、この時刻に駅に迎えに来てくれ。日本人の女性一人が立っている、とフランス語で説明して予約して」と英語で(大笑)お願いし、無事予約しました。パリでは英語も通じますが、こうした町では、たぶん無理でしょう。
帰りのタクシーは、乗ったときに帰りの列車を説明すれば、ヴェズレーの観光案内所などを指定して、決めた時刻にピックアップしてもらえ、駅まで送ってくれます(これは、行程表だの、身振り手振りで何とかなります)。セルミゼル駅からヴェズレーまで、片道16〜20ユーロ程(2006年)。 -
何せ、朝7:10の列車で、セルミゼル9:34着。ヴェズレーには10時には着いてしまうし、帰りは16:48セルミゼル発だから、16:15頃ヴェズレーを出ればよく、都合6時間この小さな村に居続けることになります。
でも、ちゃんとしたレストラン(ホテル併設)も5、6軒見つけましたし、タバコ屋&バー兼業のブラッセリでも、20ユーロ弱でランチ(ワインはデキャンタで4ユーロ程度+水500cl=2ユーロとして)が楽しめます。この日は、クロックムッシュー(パンにハムとチーズを挟んで焼いたもの)を、地元シャブリのワインと共に(クロックムッシューと言っても、皿の半分はサラダです(笑)女性にはもの凄いボリューム)。カテドラル参道には地元醸造所直営と見受けられるワインの販売店も3、4あり、ワイン好きなら十分楽しめる町です。
※列車の時刻表は刻々変わるので、思いついたらまず、SNCFのHPでご確認を。
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