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※写真は、レオン大聖堂前、バルにて<br /><br />カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴの巡礼路)の旅が始まる。<br />今回の旅の相棒はキャセイパシフィック航空。<br />前回の旅でしっかり貯めたマイルを活用し、「浮いた予算はすべて現地でのワイン代に回す」という、のんべえグループならではの暗黙の了解のもと、我々は旅立った。<br />しかし、出発の時点でこの旅の異質さは際立っていた。<br />我々は5人グループ。<br />しかし、日本を出発した段階では4人。<br />実は、残る1名のメンバー・HO氏を巡り、裏で「香港でのサプライズ合流ドッキリ計画」が秘密裏に進んでいたのだ。<br />しかも、成田、羽田、名古屋、大阪の各空港からそれぞれ香港へ向かうという、「それぞれが行けるルートで飛んで、世界のどこかで合流すればいい」という、大人の自由すぎる強気な布陣でのキックオフである。<br /><br />1. 香港空港の邂逅:仕掛けられたミステリーツアー<br /><br />香港の乗り換えゲート付近。<br />私、IM氏、TA氏の3人は、何食わぬ顔で待機していた。<br />そこへ、背後から少し遅れて“秘密のHO氏”がヌッと登場する。<br />IM氏「……あれー!?」見事にフリーズするIM氏を見て、してやったりのHO氏がニヤリと笑う。<br />「一人でミステリーツアーや!」ドッキリは大成功。<br />しかし、この劇的な瞬間の裏で、もう一つのシュールなドラマが生まれていた。<br />実は、TA氏とHO氏はこの日が完全な初対面。<br />初対面の挨拶がいきなりドッキリの現場というハードすぎる自己紹介となり、TA氏は置いてけぼりのカオスな空気に包まれることとなった。<br /><br />2. 成田組・HI氏の“プライベートジェット巻き添え事故”<br /><br />ドッキリの余韻に浸る間もなく、成田から向かっているはずのもう1名のメンバー・HI氏から、LINEで戦慄の連絡が入った。<br />『飛行機の事故で、出発が大幅に遅延してる』聞けば、成田空港でプライベートジェットが滑走路を逸脱する事故が発生し、その影響をまともに食らったという。<br />一般人が一生に一度遭遇するかどうかという超レアなアクシデントである。<br />なぜそんな事件に、カミーノ出発当日の氏がピンポイントで巻き込まれているのか。<br />香港にいる我々の頭をよぎったのは、ひとつの答えだった。<br />「……これ、HI氏の日頃のワガママの祟りか?」神様の粋な(?)計らいに納得しつつも、届くLINEをハラハラしながら見守る。<br />やっとの思いで香港に到着したらしい氏から「空港に着いた!」と連絡があったものの、こちらのマドリード便の搭乗時刻はすでに目の前に迫っていた。<br />香港空港は恐ろしく広く、今から走っても絶望的な距離だ。<br />我々は一縷の望みをかけて、キャセイのカウンターへ駆け込んだ。<br />「すみません!まだメンバーが空港内を必死に移動中なんです!待ってください!」カウンターのお姉さんの返答は、潔いほどの即答だった。<br />「知らん!」海外の航空会社の洗礼を浴び、無情にも飛行機のドアが閉まる。<br /> 指定席に着席、「HI氏、終わったな……」と全員が氏の脱落を覚悟した、その時だった。<br />機内の前方から、息も絶え絶えの、しかし聞き覚えのある声が響いた。<br />「泣きそうになった……」間違いない、HI氏だ。<br />まさかの超絶滑り込みセーフ!奇跡の生還である。<br />しかし、HI氏の到着があまりにもギリギリすぎて、HI氏に仕掛ける予定だったもう一つのドッキリは不発に終わった。<br />香港でのドッキリ作戦は、一勝一敗のドローである。<br /><br />3. マドリード到着、しかし試練は続く<br /><br />長時間のフライトを経て、ようやくマドリードへ。<br />だが、スペインの地は我々に一息つく暇さえ大して与えてくれない。<br />チャマルチン駅で高速鉄道(AVE)の乗り場を探して、広い駅を右往左往。<br />係員に道を尋ねるも「クアトロ(4番)!」などと早口のスペイン語でまくしたてられ、完全に迷子状態に陥る。<br />ようやく乗り場を見つけたと思ったら、今度はTA氏の姿がどこにもない。<br />慌てて探すと、TA氏はAVEの手荷物検査でガッチリと捕まっていた。<br />カバンから出てきたのは、なぜか大きなハサミ。<br />もちろん一発で没収である。<br />さらに、ようやくたどり着いた改札口では、厳格そうな係のおっさんに通せんぼを食らう。<br />「1時間前にならないと改札は入れない!」しかし、長旅で疲弊した我々もここでは引けない。<br />コンフォートのチケットと、「2時間前から入場可能」と明記されたRENFE(スペイン国鉄)の公式ホームページの画面をおっさんの目の前に突きつけ、気迫で強行突破した。<br />さあ、これでお目当てのラウンジで休めるぞ!と期待した瞬間に飛び込んできたのは「工事中のため閉鎖」の看板。<br />全員、声も出ずに撃沈した。<br /><br />4. 体力赤点滅からの、人間の再生ようやくAVEの乗車アナウンスが流れたが、試練は最後の最後まで続く。<br /><br />ホームに降りると、目の前にある車両は最後尾。<br />しかし、我々の指定席があるのは遥か彼方の先頭車両。<br />重い荷物を引きずりながらホームをダッシュする。<br />この時点で、全員の脳内にはライフゲージの赤点滅とアラート音が鳴り響いていた。<br />泥のように座席に流れ込むと、タイミングよく車内食が運ばれてきた。<br />すかさず冷えたビールとワインを喉に流し込む。<br />アルコールが染み渡るにつれ、ガチガチだったメンバーの顔に生気が戻っていく。<br />「……ようやく人間に戻れたな」お酒の力でなんとかHPを回復し、15時過ぎ、我々はついに目的地のレオン駅へと降り立った。<br /><br />5. レオンの街で炸裂した、HI氏の「アコーディオン・ジェスチャー」<br /><br />ホテルにチェックインし、シャワーと洗濯を猛スピードで済ませる。<br />翌日の荷物搬送サービス(PAQ・MOCHILA)の置き場を念入りに確認し、17:00、巡礼者の命とも言える「クレデンシャル(巡礼手帳)」を入手すべく街へ繰り出した。<br />まずはサン・イシドロ教会を訪ねたが、手帳を発行してくれる事務所が見つからず、またしても迷子に。<br />諦めて荘厳なレオン大聖堂へと向かい、入口の受付で「クレデンシャル(巡礼手帳をください)」と告げた。<br />しかし、言葉の壁は厚かった。<br />受付のオバハンは我々の英語を1ミリも理解しておらず、笑顔で差し出されたのは、7ユーロ×5名=合計35ユーロの「ただの大聖堂の入場券」だった。<br />「違う、これじゃない……!」全員がパニックになりかけたその時、成田からの大脱出を遂げたHI氏が動いた。<br />HI氏は受付のオバハンの前に立つと、おもむろに両手を突き出し、ジャバラ状の御朱印帳をアコーディオンのようにびよんびよんと伸縮させる渾身のジェスチャーを披露したのだ。<br />「……あぁ!」オバハンの脳内に電撃が走った。<br />HI氏の肉体を張った表現により、ようやく「巡礼手帳が欲しい」という意図が伝わったのだ。<br />誤って発券された入場券は無事にキャンセル・払い戻しされ、我々は大聖堂の真ん前にある土産物屋(観光案内所)へと案内され、ついに念願のクレデンシャルと、ホルダー(私だけ)をゲットしたのだった。<br /><br />6. バタンキューの夜、ここから本番<br /><br />大役を果たした我々は、大聖堂の美しい姿を眺めながら、待ちに待ったディナータイムに突入した。<br />テーブルに並ぶのは、本場のコロッケ、パスタ、ピザ、そして絶品のタコ。<br />もちろん、ここでもボトルワインとビールが次々と空いていく。<br />お会計は5人で約80ユーロ。<br />日本円にすれば驚くほどリーズナブルで大満足のクオリティだった。<br />帰り道、近くのカルフールエクスプレスに滑り込み、命の水を購入。<br />ホテルに戻った瞬間、緊張の糸が切れたように全員がベッドへ崩れ落ち、文字通りの「バタンキュー」で深い眠りに落ちていった。<br />初日から、ドッキリの明暗、ハサミ没収、ラウンジ閉鎖、入場券の誤購入、精度抜群のアコーディオンジェスチャーと、数年分のイベントを1日で消化したような濃密すぎる移動日だった。<br />しかし、我々は無事にレオンの地に立っている。<br /><br />トラブルを笑い飛ばせる最高の仲間と共に、明日からいよいよ本番、カミーノの美しい巡礼の旅が始まる。<br />

Day0 怒涛の開幕!香港ドッキリ、ハサミ没収、アコーディオンで乗り切るカミーノ初日移動ドキュメント

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2026/04/17 - 2026/04/17

12230位(同エリア24030件中)

旅行記グループ 2026Camino Leon To Sarria

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24

Akuta

Akutaさん

この旅行記スケジュールを元に

※写真は、レオン大聖堂前、バルにて

カミーノ・デ・サンティアゴ(サンティアゴの巡礼路)の旅が始まる。
今回の旅の相棒はキャセイパシフィック航空。
前回の旅でしっかり貯めたマイルを活用し、「浮いた予算はすべて現地でのワイン代に回す」という、のんべえグループならではの暗黙の了解のもと、我々は旅立った。
しかし、出発の時点でこの旅の異質さは際立っていた。
我々は5人グループ。
しかし、日本を出発した段階では4人。
実は、残る1名のメンバー・HO氏を巡り、裏で「香港でのサプライズ合流ドッキリ計画」が秘密裏に進んでいたのだ。
しかも、成田、羽田、名古屋、大阪の各空港からそれぞれ香港へ向かうという、「それぞれが行けるルートで飛んで、世界のどこかで合流すればいい」という、大人の自由すぎる強気な布陣でのキックオフである。

1. 香港空港の邂逅:仕掛けられたミステリーツアー

香港の乗り換えゲート付近。
私、IM氏、TA氏の3人は、何食わぬ顔で待機していた。
そこへ、背後から少し遅れて“秘密のHO氏”がヌッと登場する。
IM氏「……あれー!?」見事にフリーズするIM氏を見て、してやったりのHO氏がニヤリと笑う。
「一人でミステリーツアーや!」ドッキリは大成功。
しかし、この劇的な瞬間の裏で、もう一つのシュールなドラマが生まれていた。
実は、TA氏とHO氏はこの日が完全な初対面。
初対面の挨拶がいきなりドッキリの現場というハードすぎる自己紹介となり、TA氏は置いてけぼりのカオスな空気に包まれることとなった。

2. 成田組・HI氏の“プライベートジェット巻き添え事故”

ドッキリの余韻に浸る間もなく、成田から向かっているはずのもう1名のメンバー・HI氏から、LINEで戦慄の連絡が入った。
『飛行機の事故で、出発が大幅に遅延してる』聞けば、成田空港でプライベートジェットが滑走路を逸脱する事故が発生し、その影響をまともに食らったという。
一般人が一生に一度遭遇するかどうかという超レアなアクシデントである。
なぜそんな事件に、カミーノ出発当日の氏がピンポイントで巻き込まれているのか。
香港にいる我々の頭をよぎったのは、ひとつの答えだった。
「……これ、HI氏の日頃のワガママの祟りか?」神様の粋な(?)計らいに納得しつつも、届くLINEをハラハラしながら見守る。
やっとの思いで香港に到着したらしい氏から「空港に着いた!」と連絡があったものの、こちらのマドリード便の搭乗時刻はすでに目の前に迫っていた。
香港空港は恐ろしく広く、今から走っても絶望的な距離だ。
我々は一縷の望みをかけて、キャセイのカウンターへ駆け込んだ。
「すみません!まだメンバーが空港内を必死に移動中なんです!待ってください!」カウンターのお姉さんの返答は、潔いほどの即答だった。
「知らん!」海外の航空会社の洗礼を浴び、無情にも飛行機のドアが閉まる。
 指定席に着席、「HI氏、終わったな……」と全員が氏の脱落を覚悟した、その時だった。
機内の前方から、息も絶え絶えの、しかし聞き覚えのある声が響いた。
「泣きそうになった……」間違いない、HI氏だ。
まさかの超絶滑り込みセーフ!奇跡の生還である。
しかし、HI氏の到着があまりにもギリギリすぎて、HI氏に仕掛ける予定だったもう一つのドッキリは不発に終わった。
香港でのドッキリ作戦は、一勝一敗のドローである。

3. マドリード到着、しかし試練は続く

長時間のフライトを経て、ようやくマドリードへ。
だが、スペインの地は我々に一息つく暇さえ大して与えてくれない。
チャマルチン駅で高速鉄道(AVE)の乗り場を探して、広い駅を右往左往。
係員に道を尋ねるも「クアトロ(4番)!」などと早口のスペイン語でまくしたてられ、完全に迷子状態に陥る。
ようやく乗り場を見つけたと思ったら、今度はTA氏の姿がどこにもない。
慌てて探すと、TA氏はAVEの手荷物検査でガッチリと捕まっていた。
カバンから出てきたのは、なぜか大きなハサミ。
もちろん一発で没収である。
さらに、ようやくたどり着いた改札口では、厳格そうな係のおっさんに通せんぼを食らう。
「1時間前にならないと改札は入れない!」しかし、長旅で疲弊した我々もここでは引けない。
コンフォートのチケットと、「2時間前から入場可能」と明記されたRENFE(スペイン国鉄)の公式ホームページの画面をおっさんの目の前に突きつけ、気迫で強行突破した。
さあ、これでお目当てのラウンジで休めるぞ!と期待した瞬間に飛び込んできたのは「工事中のため閉鎖」の看板。
全員、声も出ずに撃沈した。

4. 体力赤点滅からの、人間の再生ようやくAVEの乗車アナウンスが流れたが、試練は最後の最後まで続く。

ホームに降りると、目の前にある車両は最後尾。
しかし、我々の指定席があるのは遥か彼方の先頭車両。
重い荷物を引きずりながらホームをダッシュする。
この時点で、全員の脳内にはライフゲージの赤点滅とアラート音が鳴り響いていた。
泥のように座席に流れ込むと、タイミングよく車内食が運ばれてきた。
すかさず冷えたビールとワインを喉に流し込む。
アルコールが染み渡るにつれ、ガチガチだったメンバーの顔に生気が戻っていく。
「……ようやく人間に戻れたな」お酒の力でなんとかHPを回復し、15時過ぎ、我々はついに目的地のレオン駅へと降り立った。

5. レオンの街で炸裂した、HI氏の「アコーディオン・ジェスチャー」

ホテルにチェックインし、シャワーと洗濯を猛スピードで済ませる。
翌日の荷物搬送サービス(PAQ・MOCHILA)の置き場を念入りに確認し、17:00、巡礼者の命とも言える「クレデンシャル(巡礼手帳)」を入手すべく街へ繰り出した。
まずはサン・イシドロ教会を訪ねたが、手帳を発行してくれる事務所が見つからず、またしても迷子に。
諦めて荘厳なレオン大聖堂へと向かい、入口の受付で「クレデンシャル(巡礼手帳をください)」と告げた。
しかし、言葉の壁は厚かった。
受付のオバハンは我々の英語を1ミリも理解しておらず、笑顔で差し出されたのは、7ユーロ×5名=合計35ユーロの「ただの大聖堂の入場券」だった。
「違う、これじゃない……!」全員がパニックになりかけたその時、成田からの大脱出を遂げたHI氏が動いた。
HI氏は受付のオバハンの前に立つと、おもむろに両手を突き出し、ジャバラ状の御朱印帳をアコーディオンのようにびよんびよんと伸縮させる渾身のジェスチャーを披露したのだ。
「……あぁ!」オバハンの脳内に電撃が走った。
HI氏の肉体を張った表現により、ようやく「巡礼手帳が欲しい」という意図が伝わったのだ。
誤って発券された入場券は無事にキャンセル・払い戻しされ、我々は大聖堂の真ん前にある土産物屋(観光案内所)へと案内され、ついに念願のクレデンシャルと、ホルダー(私だけ)をゲットしたのだった。

6. バタンキューの夜、ここから本番

大役を果たした我々は、大聖堂の美しい姿を眺めながら、待ちに待ったディナータイムに突入した。
テーブルに並ぶのは、本場のコロッケ、パスタ、ピザ、そして絶品のタコ。
もちろん、ここでもボトルワインとビールが次々と空いていく。
お会計は5人で約80ユーロ。
日本円にすれば驚くほどリーズナブルで大満足のクオリティだった。
帰り道、近くのカルフールエクスプレスに滑り込み、命の水を購入。
ホテルに戻った瞬間、緊張の糸が切れたように全員がベッドへ崩れ落ち、文字通りの「バタンキュー」で深い眠りに落ちていった。
初日から、ドッキリの明暗、ハサミ没収、ラウンジ閉鎖、入場券の誤購入、精度抜群のアコーディオンジェスチャーと、数年分のイベントを1日で消化したような濃密すぎる移動日だった。
しかし、我々は無事にレオンの地に立っている。

トラブルを笑い飛ばせる最高の仲間と共に、明日からいよいよ本番、カミーノの美しい巡礼の旅が始まる。

旅行の満足度
5.0
同行者
その他
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
キャセイパシフィック航空
旅行の手配内容
個別手配
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