2026/05/22 - 2026/05/22
111位(同エリア156件中)
リョーさん
ずっと回ってみたいと思っていた珠江デルタ地方を弾丸でぐるっと巡ります。一人旅、男のロマンです。
金土日の計3日。木曜夜に北九州空港を出発し、金土で回り日曜帰ってくるという強行スケジュール。
AIに助けを借り、小説風に、時間の経過と共に半日づつ分けて書き記します。
第1話 境界線を越える。出発からマカオまで編
第2話 熱を持つ街。中国広東省珠海、夏湾夜市編
第3話 華僑の夢の跡。中国広東省開平、碉楼群編
第4話 深夜香港。旅の終わり。香港編
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14:28 中国側へ抜けた瞬間、空気が少し変わった。建物のスケールが大きい。
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土地の使い方がダイナミック。そして、人々の歩く速度が速い。
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明日の朝の開平行きバスチケットを買うために、下調べしていたバスターミナルへ向かう。国境から右手に歩く。人々の勢いを止めるため、横断歩道は赤信号時に柵で閉じられていた。
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14:34 左の建物がバスターミナルのはずだか、中身は廃墟。バスターミナルが消えていた。後で調べて分かったことだが、正確には「閉鎖されていた」。
そんなことも知らずに、廃墟の周囲をうろつく。 -
道行く人にGoogle翻訳で尋ねるが「駅前に行け」としか言われず、辺りをさまよう。
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14:57 このままでは計画が進まないので、先にホテルへチェックインする。宿泊する潮漫酒店(珠海拱北口岸店)は、複数のホテルが同居するビルにある。
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フロントの若い女性が、同僚と二人がかりでスマホ翻訳を使いながら開平行きバスターミナルを調べてくれたが、よく分からない。ただ中国人は、本当に親切で嬉しかった。
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言われた場所へ行くと、確かにバスターミナルはあったが、そこからは開平行きは出てないという。
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先のバスターミナルが閉鎖していることをまだ知らなかった僕は、また廃墟へ戻るが、やはりない。
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ヒントがあるかと思い地下街へ降りる。そこには別世界が広がっていた。
スマホケース。イヤホン。激安スーツケース。電子タバコ。偽ブランドっぽい時計。店員たちが大声で客を呼び込む。 -
頭上の案内を頼りに、すぐ右のエスカレーターを下る。
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ようやく地下のバスターミナルを発見した。珠海の地下奥深く、外国人は明らかに立ち寄らない空気だった。当然ながら英語の案内などもなく、漢字を読む感覚で辿り着いた。
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開平行きを尋ねるが、朝は9時30分発しかない。約2時間かかることは調査済みであり、到着が遅くなるため、別を探すことにする。事前の調査では、もっと早いバスがあるはずだった。
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15:53 Google先生は「バスターミナルは汽車駅横にある」と言う。何度も周辺を歩き回るが、どこにもない。DiDiでのタクシー移動の可能性も調べるが、とても許容できる金額ではない。
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16:22 探し始めて2時間。結局、諦めて最初に見つけた地下ターミナルへ戻った。
バス会社の窓口が二つ並んでいる。隣は10時発。こちらは9時30分発。もう、これでいい。 -
単語のつなぎ合わせ、スマホ筆談によりなんとか予約を済ませる。面倒くさそうだったが「謝謝」と言うと、窓口の女性は少し笑った。地下ターミナルの場所は完璧に覚えた。迷って自力で辿り着いた人間は強い。73元
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16:35 ホテルに戻る。
結論、珠海には二つのバスターミナルがある。
地上側には開平行きがなく、地下側にだけある。しかも2つのバス会社の窓口が並んでいる。足で稼いで理解した時、自分が少しだけこの街の住人になれた気がした。 -
ホテルの部屋は新しいが、少しだけ雑だった。壁紙に穴が空いている。シャワールームのガラスが微妙に歪んで水が漏れ出す。だが、それが嫌ではない。中国のホテルには、“勢い”がある。
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シャワールームの窓から国境が見えるから。
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17:14 ホテルで少し休憩した後、街を歩く。
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ホテルの裏、大通りから一本入った瞬間、景色が変わる。
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マンションでも農村でもない。
国境の街の中に確かに存在する生活空間。 -
EVバイクが次々に通り抜ける。道端で大人がスマホをいじっている。タバコ屋の前で若者がしゃがんでいる。観光地ではない。
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生活があった。
果物を売る屋台。路上のテーブル席。呼び込み。雑踏。 -
あらゆる目的が入り混じる国境の街で生きる人間たちの息遣いが、そのまま熱になって漂っていた。
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再び戻った地下街の熱気も凄まじかった。SIMカードの客引きが次々に声をかけてくる。
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18:02 小腹が空いたので、地下街の鲜更佳超市で葱肉餅を買う。4.9元
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雑踏の道端で頬張る。中国の一定の美味しさが詰まっていた。熱くはなかったが。
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街を歩きながら思った。日本は古いものを壊して、新しく作り直す。もしくは活かしながら使う。
だが中国は違う。古いものは放置したまま、空き地に新しいものを建てる。とにかく建てる。増やす。進む。大量に放置されたシェアサイクルも、そんな国の考え方に見えた。自分は好きだ。 -
19:15 夜、夏湾へ歩きだす。
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夜の街に延々と飲食店が続く。
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これだけの飲食店が成り立つこの街、いや中国の強さを感じる。
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19:35 夏湾夜市の会場である広場に到着。
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この後に爆発するためのエネルギーを蓄えているかのような広場。今は駐車場として利用されている。
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19:45 腹ごしらえに、広場近くの马如海牛肉面馆に入る。客の少ない、賑わっていない店を選んだ。
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焼きそばとコーラを指差しで注文。家族経営の店では、店主の子ども二人が座ってゲームをしており、店主に命令され皿を片付けていた。武骨な料理人店主と配膳係の妻、子ども2人。中国家族経営の暖かさを垣間見る。22元
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夜市開始前までまだ時間があるので、街をうろつく。日本人が来たことがないであろうローカルな街並みを見る。
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20:16 ベンチに座りぼんやり考える。香港。マカオ。珠海。全部、隣り合っている。だが、それぞれ空気が違う。速度も、匂いも違う。その境界を、身体で跨いでいる。
旅というより、“流域を漂流している”感覚だった。 -
20:52 ベンチの向かいの古春堂凉茶という店にふらふらと吸い寄せられ、デザートを食べながら夜市を待つ。
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マンゴーのデザート、味は想定内。深夜のグッタリした雰囲気のローカルなカフェ。28元
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21:17 やがて警備員が広場から人を追い出すために怒鳴り始める。お客様は神様だという日本の常識が通じない。 でもこれがスタンダードとも思う。
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人のエネルギー量そのものが違う
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21:41 夜市開始とともに、一斉に屋台が流れ込んでくる。
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まるでディズニーランドのエレクトロニカルパレードの早送りように
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目の前を走り去る屋台群。
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それを歓声とともに撮影する観客。
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あっという間に埋め尽くされる広場。
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即座に料理の準備に入る。
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怒涛のようにイスを並べ、設営が始まる。
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ものの数分、夜市が始まった。
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カップル、労働者、若い家族、学生、全ての種類の人々が買い求め、食べていた。
観光客が同じ空間にいるとは誰も思っていない。それが良かった。“歓迎”されるより、“背景になる”方が、旅は深くなる。 -
外国人観光客のためではない。そもそもここには存在していない。
中国人による、中国人のための夜市だった。 -
深夜特急より。「黙っている限り、誰も私のことを異国人とは見なさなくなる。異国にありながら、異国の人から特別の関心を示されない。こちらは好奇の眼で眺めているが、向こうからは少しも見られない。それは、自分が一種の透明人間になっていくような快感があった。」。
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自分は今、観光客が来るはずもない中国の最深部に立っている。そう思った。
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午後十時前。
これから朝まで、この熱は冷めないだろう。 -
ただの夜市ではない。人々の熱気が伴った深夜の宴だ。
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帰り道、熱気に揉まれながら歩くと、生ぬるい風が吹く。その瞬間、不意に思った。「ああ、本当に広東省にいるんだ」
観光地ではなく、巨大な生活圏の中に、自分が紛れ込んでいる。その感覚が、たまらなく好きだった。 -
21:55 まだこの旅で飲茶を食べていないことに気付き、なんとなくセブンイレブンに入り、水と緑色の肉まんを買った。6.5元
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せっかく買ったが肉まんは口に合わなかった。
DIDIタクシーを呼び、ホテルへ戻る。
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この旅行記へのコメント (2)
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