彦根城（ひこねじょう）は、近江国彦根（彦根市金亀町）にある城。<br />江戸時代には彦根藩の政庁が置かれた。天守、附櫓及び多聞櫓は国宝、城跡は特別史跡かつ琵琶湖国定公園第1種特別地域である。<br />天守が国宝指定された5城の一（犬山城、松本城、姫路城、松江城）。<br /><br />1622年（元和8年）、彦根城が完成した。防御のための工夫がされている。狭間は外から見えないように作られ、階段は急角度（最大62度）であり、また蹴って落とせる構造とされた。<br /><br />徳川統治下の太平の世においては、城郭は軍事施設としての意義を失い、藩政や年貢米の保管の場所となり、天守や櫓は倉庫等として使われた。<br />明治時代初期の廃城令による破却を免れ、天守が現存する。大隈重信が天皇に働きかけた結果、天守や櫓の保存が決定したそうだ。<br /><br />1944年（昭和19年）、井伊家から彦根市へ、彦根城およびその一帯が寄付される。<br />1951年（昭和26年）、「彦根城跡」として国の史跡に指定、天守等6棟が重要文化財に指定された。<br />1952年（昭和27年）、天守（1棟）と附櫓及び多聞櫓（1棟）の2棟が国宝に指定された。<br />1956年（昭和31年）、「彦根城跡」が特別史跡に指定された。<br /><br />江戸時代初期、彦根山に鎮西を担う井伊氏の拠点として築かれた平山城（標高50m）、金亀城（こんきじょう）とも呼ばれた。譜代大名である井伊氏の14代藩主までの居城であった。<br /><br />城の形式は連郭式平山城。本丸、二の丸、三の丸と北側に山崎曲輪が配置された。御殿は二の丸に置かれた。<br />本丸に天守、西の丸と山崎曲輪に三重櫓が建てられた。山崎曲輪三重櫓は明治初期に破却された。<br /><br />木造復元された佐和口続多聞櫓。<br />屏風状に屈折しつつ、多聞櫓、二階櫓が連なる。<br /><br />天秤櫓は、長浜城から移築したといわれ、時代劇の撮影にも使われる。<br />堀切の上の掛橋を渡った突き当たりにあたる、長い多聞の左右の端に2重2階の一対の隅櫓を構え、天秤ばかりのような独特な形状である。<br />天秤櫓より廊下橋を渡って進むと、鐘の丸という区画になる。<br /><br />「登り石垣」が良好な形で保存されている。この石垣は、天秤櫓の向かって右が牛蒡積み（野面積みの一種）、向かって左が落し積みとなっている。<br /><br />天守は、通し柱を用いず、各階ごとに積み上げられた天守は3層3階地下1階の複合式望楼型。1階から3階迄の内部には弓矢用の長方形や鉄砲用の△形の隠狭間が有り、1重目の窓は突上窓、2重目以上の窓はすべて華頭窓を配し、最上階には実用でない外廻り縁と高欄を付けている。<br />各重に千鳥破風、切妻破風、唐破風、入母屋破風を詰め込んだように配置しており、変化に富む表情を見せる。天守3階には破風の間がある。<br /><br />太鼓門櫓は、二十間多聞櫓を経た先にある櫓門で、現存。<br />続櫓として多聞櫓を脇に備える櫓門。<br /><br /><br /><br />

近江錦秋35 彦根9　彦根城a　多聞櫓・登り石垣・天秤櫓＝防御幾重も　☆天守へ‐道けわし　

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2025/11/27 - 2025/11/27

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マキタン２さん

彦根城（ひこねじょう）は、近江国彦根（彦根市金亀町）にある城。
江戸時代には彦根藩の政庁が置かれた。天守、附櫓及び多聞櫓は国宝、城跡は特別史跡かつ琵琶湖国定公園第1種特別地域である。
天守が国宝指定された5城の一（犬山城、松本城、姫路城、松江城）。

1622年（元和8年）、彦根城が完成した。防御のための工夫がされている。狭間は外から見えないように作られ、階段は急角度（最大62度）であり、また蹴って落とせる構造とされた。

徳川統治下の太平の世においては、城郭は軍事施設としての意義を失い、藩政や年貢米の保管の場所となり、天守や櫓は倉庫等として使われた。
明治時代初期の廃城令による破却を免れ、天守が現存する。大隈重信が天皇に働きかけた結果、天守や櫓の保存が決定したそうだ。

1944年（昭和19年）、井伊家から彦根市へ、彦根城およびその一帯が寄付される。
1951年（昭和26年）、「彦根城跡」として国の史跡に指定、天守等6棟が重要文化財に指定された。
1952年（昭和27年）、天守（1棟）と附櫓及び多聞櫓（1棟）の2棟が国宝に指定された。
1956年（昭和31年）、「彦根城跡」が特別史跡に指定された。

江戸時代初期、彦根山に鎮西を担う井伊氏の拠点として築かれた平山城（標高50m）、金亀城（こんきじょう）とも呼ばれた。譜代大名である井伊氏の14代藩主までの居城であった。

城の形式は連郭式平山城。本丸、二の丸、三の丸と北側に山崎曲輪が配置された。御殿は二の丸に置かれた。
本丸に天守、西の丸と山崎曲輪に三重櫓が建てられた。山崎曲輪三重櫓は明治初期に破却された。

木造復元された佐和口続多聞櫓。
屏風状に屈折しつつ、多聞櫓、二階櫓が連なる。

天秤櫓は、長浜城から移築したといわれ、時代劇の撮影にも使われる。
堀切の上の掛橋を渡った突き当たりにあたる、長い多聞の左右の端に2重2階の一対の隅櫓を構え、天秤ばかりのような独特な形状である。
天秤櫓より廊下橋を渡って進むと、鐘の丸という区画になる。

「登り石垣」が良好な形で保存されている。この石垣は、天秤櫓の向かって右が牛蒡積み（野面積みの一種）、向かって左が落し積みとなっている。

天守は、通し柱を用いず、各階ごとに積み上げられた天守は3層3階地下1階の複合式望楼型。1階から3階迄の内部には弓矢用の長方形や鉄砲用の△形の隠狭間が有り、1重目の窓は突上窓、2重目以上の窓はすべて華頭窓を配し、最上階には実用でない外廻り縁と高欄を付けている。
各重に千鳥破風、切妻破風、唐破風、入母屋破風を詰め込んだように配置しており、変化に富む表情を見せる。天守3階には破風の間がある。

太鼓門櫓は、二十間多聞櫓を経た先にある櫓門で、現存。
続櫓として多聞櫓を脇に備える櫓門。