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まず近鉄京都線の急行橿原神宮前ゆきで西ノ京駅に向かいます。東塔の修理が終わった薬師寺と、以前子どもたちを連れて来た時は改修中であった唐招提寺を妻と再訪しました。<br />薬師寺は現在、西塔(さいとう)、中門、回廊、大講堂、食堂(じきどう)と白鳳伽藍の主要な堂塔はおおよそ復興され、いにしえの大伽藍がよみがえっています。フェノロサが「凍れる音楽」と評したと子どもの頃に聞いた時には「???」となった東塔でしたが、新プロジェクトXでの表現を俟つまでも無く、「大小の屋根がリズミカルに重なり合い空へとのびゆく」立ち姿や「美しい旋律を思わせる」その姿に、唯一無二の貴重さを感じることが出来ました。信仰の要である心柱の修理も前代未聞の工法で無事に終えられ、そんな苦労は微塵も感じさせないように、1万3千の当時の部材の9割を活かしたいにしえのままの姿で建っていました。<br />「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった唐招提寺は、奈良時代建立の金堂・講堂が天平の息吹を伝える貴重な伽藍となり、今や世界遺産「古都奈良の文化財」の構成八資産の一つにまでなっています。御影堂には国宝の「鑑真和上坐像」が奉安されていますが、そのレプリカは「御身代わり像(おみがわりぞう)」として開山堂で拝見することが出来ます。夕方早めの終了なので、ご注意ください。御朱印は前回と異なるものを頂きました。<br />唐招提寺東口からバスに乗り、近鉄奈良駅へ。ふと若草山方向を見るといかにも雨が降っているような空模様でした。夏休みということもあって、結構渋滞にハマりましたが、そのお蔭でゲリラ豪雨に遭わずに済んだようです。<br />近鉄奈良駅から今回の宿「ホテル尾花」へは徒歩10分ほど。奈良に住んでいた頃幾度となく通った(小学生の時の進学塾も此処にありました)懐かしい東向商店街を抜け、三条通りを東に進んで猿沢池沿いに南へ少し行くと見えてきます。今御門町に邸を構えていた祖母や母が訪れたという映画館「尾花座」の跡地に建っています。チェックイン時にフロントの方が開口一番「先ほどの大雨、大丈夫でしたか?」と心配してくださいました。やはりすごかったようです。駅から少し離れている分、子ども連れのファミリーがほとんどおらず落ち着いた空間となっているので、今後定宿にしたいと思います。<br />その後ならまち・餅飯殿を通って市内散策・土産購入へ出かけましたが、外国人は少なくないものの、夕方になると人波が引いていきます。国内外の観光客は奈良へ日帰りで来て、宿のある京都や大阪に戻って行くと聞きますが、まさに痛感する町の様子でした。しかし、おもてなし感が足りないのも事実です。各販売店も早めに終わってシャッターが閉まり、あちこちにある飲食店は営業中であるものの、閑散としたアーケード街ではふらっと夕食を食べに行く気がしないでしょう。奈良の観光に関わる方々には、原因の分析と対策をお願いしたいところです。<br /><br />ベッドやエアコンも快適で、さわやかに目覚めた朝は、本来なら部屋の窓から正面に見える五重塔がなんと118年ぶりの修理で工事用の囲いに覆われてしまっており、残念極まりない状態でしたが、ならまちの空気を感じてからホテル地下の日本料理「おばな」へ。「大和の恵みの朝ごはん」と銘打った朝食バイキングは、茶粥と奈良漬2種はもちろんのこと、飛鳥鍋、大和真菜と大和揚げの煮物、奈良の地野菜を使った五徳味噌汁から三輪素麺まで、奈良大和路に伝わる郷土料理をふんだんに取り入れていて特筆すべき美味しさでした! 出汁巻き玉子や蒟蒻ピリ辛煮のほか、大和茶ぷりんもあまりの美味しさにお代わりしてしまいました。<br />さて今日は猿沢池脇の石段を五十二段上った先の興福寺から。前身は藤原鎌足の病の回復を祈願し「山階寺(やましなでら)」として造営されたと伝えられており、平城京への遷都の際に藤原不比等によって此処奈良へ移されるとともに興福寺と名付けられたそうです。その後も藤原氏によって手厚く保護されて来た法相宗の大本山です。特に猿沢池からの眺めも美しい五重塔は奈良のランドマークとなっており、子どもの頃奈良市に暮らしていた私だけでなく、多くの市民に親しまれています。118年ぶりの修理で工事用の囲いに覆われてしまっており、残念極まりない状態でしたが、それでも多くの鹿たちに出会えました。ホッとします。御朱印は、一足早く復元工事が完了し創建当初の姿でよみがえった中金堂近くの南円堂脇で頂けます。<br />そしていよいよ、前回は「出張中」で拝めなかった阿修羅像を見に9時開館の国宝館へ。当然ながら撮影禁止なのでカメラをリュックサックにしまっての入館です。写真に撮れないからこその有り難みを感じつつ、ゆっくりと回りました。<br />そこから徒歩で近鉄奈良駅向かい側の奈良交通の案内所(奈良ラインハウス)ヘ向かい「奈良公園・西ノ京 世界遺産 1-Day Pass」(600円)を購入。特典一覧に興福寺国宝館が団体料金に割引になると書いてありました。先に買っておけばよかったと後悔・・・。その頃にはもう、多くの観光客にそれ以上の数の鹿たちが群がっていました。<br />春日大社本殿ゆきのバス(77・97系統)は30分に1本程度ですが、ちょうどやって来ました。浮見堂近くの春日大社表参道バス停を通るバスもありますが、本殿ゆきの方がより近くに着きます。菊水楼や四季亭・うな菊近くの一之鳥居から参道を全て歩くと素敵なのですが、なかなか大変です(笑)。<br />春日大社は奈良市民が昔から「春日さん」と親しみを込めて慕ってきたお社です。萬葉植物園の東側にある春日大社本殿バス停(と駐車場)から参道へ合流して二之鳥居をくぐるともう少しです。ただゆるいながらも上りですので、ゆっくり行きましょう。拝観料を納めて入れる千古の森の中の鮮やかな朱塗りの社殿は、鈴木亮平さんが出演している「いざいざ奈良」のCMでも印象的に登場していましたね。燈籠が象徴的で、平安時代から現在までに奉納された燈籠はおよそ三千基あるそうです。数が多いだけでなく、歴史的な資料としても重要で現存する室町時代以前の燈籠の六割以上が春日大社にあると言われています。全ての燈籠に浄火をともす「春日萬燈籠」は、2月の節分と8月14・15日の年3回しか行なわれておらず、以前子どもたちと来た時には感歎したのですが、今日はもちろんありません。昼間ですし・・・。と思っていたら、この萬燈籠神事を再現しようと、江戸時代まで神職の詰所であった重要文化財の藤浪之屋が開放され、多くの燈籠が暗闇の中に掛けられていました! 由緒ある建物の中で感じる萬燈籠の幽玄の美は貴重な体験となりました。<br />そこからまたバス(78・98系統)に乗って近鉄奈良駅へ戻り、駅ビルの最上階で昼食。奈良市内に暮らしていた小学生の頃、家族で何度も来たことがある中国料理店「百楽」へ。数十年此処で営業しているということは、市民に親しまれている証左かも知れません。今回は奈良市内観光の途中で家内とランチに立ち寄りましたが、大きな窓が二方向にある位置の丸テーブルに案内してもらえました。正面に若草山や大仏殿の屋根も望めますし、眼を少し南(右)に移すと、奈良のシンボルである興福寺の五重塔も眺められる絶好のロケーションです。修理中で囲いに覆われているのが残念です。私は「海の幸五目汁そば」という海の幸いっぱいのあっさり塩味の汁そば(1,650円)、家内の「担々麺」(1,400円)も香ばしい胡麻の風味が効いた一品でした。<br />食後再びバスに乗り東大寺大仏殿バス停で下車。鹿に挨拶しながら南大門から参道を通って大仏殿に向かいました。中門に突き当たって西(左)に進んだ所で拝観料を支払う入口はさほど混んではいませんでしたが、廻廊に囲まれた大仏殿(金堂)手前の広場では記念写真の撮影に勤しむ中国人が多くいました。一方で大仏殿内に入ると欧米人が目立ち、かなり時間をかけて丁寧に見学しており感心しました。何度拝んでも盧舎那大仏のお姿は息を呑む迫力と有難さがあります。御朱印も殿内でいただけますが、こちらは外国人が列ばないからか空いていました。<br />次に二・三月堂方面へ向かうには、出口を出て左(東)方向へ進みます。そこには二月堂参詣道とありましたが、手向山八幡宮の参道でもあります。三叉路を左に進むと「お水取り」で有名な二月堂がそびえています。石段を頑張って昇って二月堂から下を眺めると、眼の前には東大寺を開山した僧正の名を冠した良弁(ろうべん)杉が立ち、その向こうに奈良のまちがひろがっています。生駒山も見えましたが、空模様が怪しくなってきて慌てたのか、御朱印をもらい損ねました。<br />急いで二月堂から下りて左(南)へ進んだ所にある手向山八幡宮にお詣りします。百人一首でも有名で古今和歌集にも収められている「このたびは ぬさもとりあへず 手向山(たむけやま)もみぢのにしき 神のまにまに」<br />という菅原朝臣道真公が詠まれた歌の舞台とも言われています(諸説あるようです)。道真公が腰掛けた石として「菅公腰掛石」もありました。それゆえ腰掛石の前に鳥居が建てられているのでしょうね。<br />いよいよ雲行きが怪しくなってきました。古梅園の前を通ってバス停まで戻ろうと急いでいたところ、「ぐるっとバス」の停留所を発見! 時刻表を確認すると1分後に来るようです!! 二月堂・手向山八幡宮前なるバス停があったのですね。乗車1分後に、果たして強い雨が降り出しました。危ないところでした・・・。<br />若草山麓、春日大社本殿に停まって走り始めたところで隣りに座っていた中国人カップルの男性がいきなり「スミマセーン」と声を掛けてきました。見ると手にはスマホが示されており、翻訳アプリの画面に「このバスは東大子へ行きますか?」の文字。東大寺だと思ったので「ダイブツ?」と訊くとうれしそうに「YES,YES!」と答えます。実は次が東大寺大仏殿・春日大社前バス停でした。「NEXT STOP…」と言ったところ、慌てて降りる準備を始めたので、降車ボタンを指差し「PUSH,PUSH」と教えて無事停車。本当は「Press this button.」とか言うらしいけど、通じればよいのですよ。満面の笑みで雨中へ降りてゆき、彼女の方は「Bye bye!」と手を振って去って行きました。「Have a nice trip!」と見送りましたが、 この旅行中、外国人に声を掛けられることが少なくなく、「Enjoy!」も何度か発しました。もちろんマナーの良くない観光客は国内外にいますが、決して旅の恥はかき捨て的な態度ではありませんし、手に持つせんべい目当ての鹿たちに囲まれた時以外は騒がしくもありません。また欧米人はともかく韓国人以上に中国人の英語の発音の良さに驚くことも多かった気がします。<br />ぐるっとバスはその後も浮見堂・高畑駐車場、ならまち・元興寺、本子守町に停車し、近鉄奈良駅に着く頃には雨はほぼ止んでいました。またバスに救われました。<br />東向商店街に入ると、此処が最も賑わっている風景を人生で初めて見たというほどの混雑ぶり。土曜午後であることと雨宿りで集中していただけなのだとは思いますが・・・(笑)<br />奈良漬の老舗「山崎屋」の店舗の奥にある奈良みやげコーナーでいろいろ買い揃えた後は、小学生の頃進学塾帰りにわらび餅を買い食いした想い出の「千代乃舎竹村」でわらび餅ドリンクを楽しみました。店内にイートインコーナーも設置されており、小上がり席もあります。お店の方に昔話を懐かしそうにしたら、建て替え前の店舗の写真を見せてくれてさらに想い出がよみがえりました。<br />近鉄奈良駅からは急行京都ゆきから新幹線に乗り継いで帰宅しました。やはり新幹線が停まるかどうかは観光地として大きな要因です。「リニアを奈良へ」は奈良観光にとっての悲願なのかも知れません。

大阪・関西周遊記3 奈良市内寺社巡り

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2025/07/24 - 2025/07/26

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TOSHI

TOSHIさん

まず近鉄京都線の急行橿原神宮前ゆきで西ノ京駅に向かいます。東塔の修理が終わった薬師寺と、以前子どもたちを連れて来た時は改修中であった唐招提寺を妻と再訪しました。
薬師寺は現在、西塔(さいとう)、中門、回廊、大講堂、食堂(じきどう)と白鳳伽藍の主要な堂塔はおおよそ復興され、いにしえの大伽藍がよみがえっています。フェノロサが「凍れる音楽」と評したと子どもの頃に聞いた時には「???」となった東塔でしたが、新プロジェクトXでの表現を俟つまでも無く、「大小の屋根がリズミカルに重なり合い空へとのびゆく」立ち姿や「美しい旋律を思わせる」その姿に、唯一無二の貴重さを感じることが出来ました。信仰の要である心柱の修理も前代未聞の工法で無事に終えられ、そんな苦労は微塵も感じさせないように、1万3千の当時の部材の9割を活かしたいにしえのままの姿で建っていました。
「唐律招提」と名付けられ鑑真和上の私寺として始まった唐招提寺は、奈良時代建立の金堂・講堂が天平の息吹を伝える貴重な伽藍となり、今や世界遺産「古都奈良の文化財」の構成八資産の一つにまでなっています。御影堂には国宝の「鑑真和上坐像」が奉安されていますが、そのレプリカは「御身代わり像(おみがわりぞう)」として開山堂で拝見することが出来ます。夕方早めの終了なので、ご注意ください。御朱印は前回と異なるものを頂きました。
唐招提寺東口からバスに乗り、近鉄奈良駅へ。ふと若草山方向を見るといかにも雨が降っているような空模様でした。夏休みということもあって、結構渋滞にハマりましたが、そのお蔭でゲリラ豪雨に遭わずに済んだようです。
近鉄奈良駅から今回の宿「ホテル尾花」へは徒歩10分ほど。奈良に住んでいた頃幾度となく通った(小学生の時の進学塾も此処にありました)懐かしい東向商店街を抜け、三条通りを東に進んで猿沢池沿いに南へ少し行くと見えてきます。今御門町に邸を構えていた祖母や母が訪れたという映画館「尾花座」の跡地に建っています。チェックイン時にフロントの方が開口一番「先ほどの大雨、大丈夫でしたか?」と心配してくださいました。やはりすごかったようです。駅から少し離れている分、子ども連れのファミリーがほとんどおらず落ち着いた空間となっているので、今後定宿にしたいと思います。
その後ならまち・餅飯殿を通って市内散策・土産購入へ出かけましたが、外国人は少なくないものの、夕方になると人波が引いていきます。国内外の観光客は奈良へ日帰りで来て、宿のある京都や大阪に戻って行くと聞きますが、まさに痛感する町の様子でした。しかし、おもてなし感が足りないのも事実です。各販売店も早めに終わってシャッターが閉まり、あちこちにある飲食店は営業中であるものの、閑散としたアーケード街ではふらっと夕食を食べに行く気がしないでしょう。奈良の観光に関わる方々には、原因の分析と対策をお願いしたいところです。

ベッドやエアコンも快適で、さわやかに目覚めた朝は、本来なら部屋の窓から正面に見える五重塔がなんと118年ぶりの修理で工事用の囲いに覆われてしまっており、残念極まりない状態でしたが、ならまちの空気を感じてからホテル地下の日本料理「おばな」へ。「大和の恵みの朝ごはん」と銘打った朝食バイキングは、茶粥と奈良漬2種はもちろんのこと、飛鳥鍋、大和真菜と大和揚げの煮物、奈良の地野菜を使った五徳味噌汁から三輪素麺まで、奈良大和路に伝わる郷土料理をふんだんに取り入れていて特筆すべき美味しさでした! 出汁巻き玉子や蒟蒻ピリ辛煮のほか、大和茶ぷりんもあまりの美味しさにお代わりしてしまいました。
さて今日は猿沢池脇の石段を五十二段上った先の興福寺から。前身は藤原鎌足の病の回復を祈願し「山階寺(やましなでら)」として造営されたと伝えられており、平城京への遷都の際に藤原不比等によって此処奈良へ移されるとともに興福寺と名付けられたそうです。その後も藤原氏によって手厚く保護されて来た法相宗の大本山です。特に猿沢池からの眺めも美しい五重塔は奈良のランドマークとなっており、子どもの頃奈良市に暮らしていた私だけでなく、多くの市民に親しまれています。118年ぶりの修理で工事用の囲いに覆われてしまっており、残念極まりない状態でしたが、それでも多くの鹿たちに出会えました。ホッとします。御朱印は、一足早く復元工事が完了し創建当初の姿でよみがえった中金堂近くの南円堂脇で頂けます。
そしていよいよ、前回は「出張中」で拝めなかった阿修羅像を見に9時開館の国宝館へ。当然ながら撮影禁止なのでカメラをリュックサックにしまっての入館です。写真に撮れないからこその有り難みを感じつつ、ゆっくりと回りました。
そこから徒歩で近鉄奈良駅向かい側の奈良交通の案内所(奈良ラインハウス)ヘ向かい「奈良公園・西ノ京 世界遺産 1-Day Pass」(600円)を購入。特典一覧に興福寺国宝館が団体料金に割引になると書いてありました。先に買っておけばよかったと後悔・・・。その頃にはもう、多くの観光客にそれ以上の数の鹿たちが群がっていました。
春日大社本殿ゆきのバス(77・97系統)は30分に1本程度ですが、ちょうどやって来ました。浮見堂近くの春日大社表参道バス停を通るバスもありますが、本殿ゆきの方がより近くに着きます。菊水楼や四季亭・うな菊近くの一之鳥居から参道を全て歩くと素敵なのですが、なかなか大変です(笑)。
春日大社は奈良市民が昔から「春日さん」と親しみを込めて慕ってきたお社です。萬葉植物園の東側にある春日大社本殿バス停(と駐車場)から参道へ合流して二之鳥居をくぐるともう少しです。ただゆるいながらも上りですので、ゆっくり行きましょう。拝観料を納めて入れる千古の森の中の鮮やかな朱塗りの社殿は、鈴木亮平さんが出演している「いざいざ奈良」のCMでも印象的に登場していましたね。燈籠が象徴的で、平安時代から現在までに奉納された燈籠はおよそ三千基あるそうです。数が多いだけでなく、歴史的な資料としても重要で現存する室町時代以前の燈籠の六割以上が春日大社にあると言われています。全ての燈籠に浄火をともす「春日萬燈籠」は、2月の節分と8月14・15日の年3回しか行なわれておらず、以前子どもたちと来た時には感歎したのですが、今日はもちろんありません。昼間ですし・・・。と思っていたら、この萬燈籠神事を再現しようと、江戸時代まで神職の詰所であった重要文化財の藤浪之屋が開放され、多くの燈籠が暗闇の中に掛けられていました! 由緒ある建物の中で感じる萬燈籠の幽玄の美は貴重な体験となりました。
そこからまたバス(78・98系統)に乗って近鉄奈良駅へ戻り、駅ビルの最上階で昼食。奈良市内に暮らしていた小学生の頃、家族で何度も来たことがある中国料理店「百楽」へ。数十年此処で営業しているということは、市民に親しまれている証左かも知れません。今回は奈良市内観光の途中で家内とランチに立ち寄りましたが、大きな窓が二方向にある位置の丸テーブルに案内してもらえました。正面に若草山や大仏殿の屋根も望めますし、眼を少し南(右)に移すと、奈良のシンボルである興福寺の五重塔も眺められる絶好のロケーションです。修理中で囲いに覆われているのが残念です。私は「海の幸五目汁そば」という海の幸いっぱいのあっさり塩味の汁そば(1,650円)、家内の「担々麺」(1,400円)も香ばしい胡麻の風味が効いた一品でした。
食後再びバスに乗り東大寺大仏殿バス停で下車。鹿に挨拶しながら南大門から参道を通って大仏殿に向かいました。中門に突き当たって西(左)に進んだ所で拝観料を支払う入口はさほど混んではいませんでしたが、廻廊に囲まれた大仏殿(金堂)手前の広場では記念写真の撮影に勤しむ中国人が多くいました。一方で大仏殿内に入ると欧米人が目立ち、かなり時間をかけて丁寧に見学しており感心しました。何度拝んでも盧舎那大仏のお姿は息を呑む迫力と有難さがあります。御朱印も殿内でいただけますが、こちらは外国人が列ばないからか空いていました。
次に二・三月堂方面へ向かうには、出口を出て左(東)方向へ進みます。そこには二月堂参詣道とありましたが、手向山八幡宮の参道でもあります。三叉路を左に進むと「お水取り」で有名な二月堂がそびえています。石段を頑張って昇って二月堂から下を眺めると、眼の前には東大寺を開山した僧正の名を冠した良弁(ろうべん)杉が立ち、その向こうに奈良のまちがひろがっています。生駒山も見えましたが、空模様が怪しくなってきて慌てたのか、御朱印をもらい損ねました。
急いで二月堂から下りて左(南)へ進んだ所にある手向山八幡宮にお詣りします。百人一首でも有名で古今和歌集にも収められている「このたびは ぬさもとりあへず 手向山(たむけやま)もみぢのにしき 神のまにまに」
という菅原朝臣道真公が詠まれた歌の舞台とも言われています(諸説あるようです)。道真公が腰掛けた石として「菅公腰掛石」もありました。それゆえ腰掛石の前に鳥居が建てられているのでしょうね。
いよいよ雲行きが怪しくなってきました。古梅園の前を通ってバス停まで戻ろうと急いでいたところ、「ぐるっとバス」の停留所を発見! 時刻表を確認すると1分後に来るようです!! 二月堂・手向山八幡宮前なるバス停があったのですね。乗車1分後に、果たして強い雨が降り出しました。危ないところでした・・・。
若草山麓、春日大社本殿に停まって走り始めたところで隣りに座っていた中国人カップルの男性がいきなり「スミマセーン」と声を掛けてきました。見ると手にはスマホが示されており、翻訳アプリの画面に「このバスは東大子へ行きますか?」の文字。東大寺だと思ったので「ダイブツ?」と訊くとうれしそうに「YES,YES!」と答えます。実は次が東大寺大仏殿・春日大社前バス停でした。「NEXT STOP…」と言ったところ、慌てて降りる準備を始めたので、降車ボタンを指差し「PUSH,PUSH」と教えて無事停車。本当は「Press this button.」とか言うらしいけど、通じればよいのですよ。満面の笑みで雨中へ降りてゆき、彼女の方は「Bye bye!」と手を振って去って行きました。「Have a nice trip!」と見送りましたが、 この旅行中、外国人に声を掛けられることが少なくなく、「Enjoy!」も何度か発しました。もちろんマナーの良くない観光客は国内外にいますが、決して旅の恥はかき捨て的な態度ではありませんし、手に持つせんべい目当ての鹿たちに囲まれた時以外は騒がしくもありません。また欧米人はともかく韓国人以上に中国人の英語の発音の良さに驚くことも多かった気がします。
ぐるっとバスはその後も浮見堂・高畑駐車場、ならまち・元興寺、本子守町に停車し、近鉄奈良駅に着く頃には雨はほぼ止んでいました。またバスに救われました。
東向商店街に入ると、此処が最も賑わっている風景を人生で初めて見たというほどの混雑ぶり。土曜午後であることと雨宿りで集中していただけなのだとは思いますが・・・(笑)
奈良漬の老舗「山崎屋」の店舗の奥にある奈良みやげコーナーでいろいろ買い揃えた後は、小学生の頃進学塾帰りにわらび餅を買い食いした想い出の「千代乃舎竹村」でわらび餅ドリンクを楽しみました。店内にイートインコーナーも設置されており、小上がり席もあります。お店の方に昔話を懐かしそうにしたら、建て替え前の店舗の写真を見せてくれてさらに想い出がよみがえりました。
近鉄奈良駅からは急行京都ゆきから新幹線に乗り継いで帰宅しました。やはり新幹線が停まるかどうかは観光地として大きな要因です。「リニアを奈良へ」は奈良観光にとっての悲願なのかも知れません。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
ホテル
4.5
グルメ
4.0
ショッピング
4.0
交通
4.5
同行者
カップル・夫婦
交通手段
高速・路線バス 新幹線 私鉄 徒歩
旅行の手配内容
個別手配
利用旅行会社
近畿日本ツーリスト
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