2024/11/16 - 2024/11/16
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かっちんさん
JR吾妻線(あがつません)の万座・鹿沢口駅周辺を散策していると、かつて新軽井沢と草津温泉を結んでいた「草軽電鉄 上州三原駅跡」を発見。国鉄長野原線(現 JR吾妻線)が万座・鹿沢口駅に延伸してくるより前に鉄道があったことは驚きです。
せっかくなので、JR吾妻線の終点「大前駅」まで往復します。
ところで、昭和45年当時の国鉄長野原線の終点は方向の違う「太子駅(おおしえき)」。群馬鉄山の鉄鉱石を運ぶためにつくられた駅で、ここには鉄鉱石を貨車に積み込む「ホッパの遺構」が今でも残されおり、国の登録有形文化財になっています。
吾妻渓谷は渓谷美で有名なところですが、八ッ場(やんば)ダム建設のため川原湯温泉と吾妻渓谷の一部がダム湖に沈み、吾妻線は高台の新線区間に移りました。
今回の旅行記は、JR吾妻線、草軽電鉄上州三原駅跡、太子駅、八ッ場ダム建設前後の吾妻峡等を、以前訪れた旅も含めて紹介します。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・Googleブログ「群馬県吾妻郡嬬恋村のマンホール蓋」
・群馬県建設企画課「笹平(万座鹿沢口)」急傾斜、YouTube
・エントランス「⑧吾妻川の特異な地形-断崖と渓谷-」
・旅行でGO!「長野原草津口駅が長野県にない理由とは?群馬県にある理由を解説」
・中之条町「旧太子駅」
・時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the map」2008年:川原湯温泉駅
・利根川ダム統合管理事務所「八ッ場ダム」
・八ッ場あしたの会「八ッ場ダムと東京電力の水力発電と導水管構想」2016/12/11
・火の見櫓図鑑
・ウィキペディア「万座・鹿沢口駅」「休暇村」「吾妻線」「大前駅」「草津・四万」「川原湯温泉駅」「八ッ場大橋」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「万座鹿沢口」バス停
昨晩、万座プリンスホテルに宿泊し、路線バス「西武観光バス」にて「万座鹿沢口駅」に来ています。 -
JR吾妻線の駅名標「万座・鹿沢口駅」
「万座・鹿沢口駅」は、昭和46年(1971)国鉄長野原駅(現 長野原草津口駅)~大前駅まで延伸時に開業。
駅名は「万座温泉」と「鹿沢温泉」が互いに自らの名前を主張し譲らなかったことから、折衷案として「万座・鹿沢口駅」となります。
駅名に「・」がある珍しい駅で、「・・口」は万座と鹿沢各々の入口を意味しています。
駅名下のデザインは、鉄道に沿う河川「吾妻川の流れ」を表しているようです。 -
紅葉の樹林(万座・鹿沢口)
列車まで時間があるので、駅の周辺を散策します。 -
イチオシ
古い看板「鹿沢国民休暇村」(万座・鹿沢口)
「鹿沢国民休暇村」は、昭和37年(1962)に開業した休暇村の宿泊施設。
現在は改築され、昨晩宿泊した「休暇村嬬恋鹿沢」に改称されています。
昭和46年(1971)開業した「万座・鹿沢口駅」からは、国鉄バス「鹿沢菅平線」が鹿沢方面に出ていました。
この看板は1971年から53年も経っています。
隣の看板「スーパーつまこいマート」は、ここより800mなので地図を調べてみると、今でも健在。
どちらも現存している看板なのでビックリ! -
「シタラ時計店」と「宮尾生花店」(三原)
吾妻川の橋を渡った対岸に町並みが広がります。
ここは群馬県吾妻郡嬬恋村三原。 -
「芝田理髪館」(三原)
一般的に「理髪店」と言ってますが、「理髪館」だと高級なイメージです。 -
この空き地は旧草軽電鉄「上州三原駅跡」
国鉄吾妻線開業よりも前に存在した鉄道です。 -
「旧草軽電鉄 上州三原駅跡地」説明板
草軽電鉄は、大正8年(1919)SLにより新軽井沢駅から嬬恋駅(吾妻川の軽井沢側)が開通し、大正13年に電化。
大正15年に吾妻川を渡り、草津前口駅まで延長され、この場所に新嬬恋駅が開設。後に新鹿沢温泉口駅⇒上州三原駅となります。
昭和30年には草軽電鉄が最盛期となり、上州三原駅は国鉄バスと民間のバス路線が集まる観光拠点として賑わいました。
昭和34年に台風7号により吾妻川橋梁が流失し、昭和35年に上州三原駅~新軽井沢間が廃止。
また、国鉄長野原線の開通(渋川-長野原間)と自動車輸送の急速な発展等により乗客が減少し、昭和37年(1962)に廃線となりました。
それから9年後に国鉄長野原線が延伸し、「万座・鹿沢口駅」が開業します。 -
鉄道車両の整備工場があった「上州三原駅」(説明板)
-
草軽電鉄の路線図「新軽井沢~上州三原間」(説明板)
現在は草軽交通の路線バス「軽井沢~草津間」に引き継がれましたが、バスルートは途中から国道146号に入り、JR羽根尾駅経由で草津へ到達するので、当時の草軽電鉄路線図とは異なっています。 -
草軽電鉄の路線図「上州三原~草津温泉間」(説明板)
上州三原から万座温泉口を経由し、草津温泉に到達するルートです。
現在、草軽交通の路線バスは、JR羽根尾駅から国道292号に入り草津温泉までのルートです。
万座温泉を経由しなくなったのは、草軽交通が東急系、万座温泉が西武系で競合関係だったからです。 -
草軽電鉄の「電気機関車と電車」(説明板)
電気機関車は車両本体が小さいため、架線へのパンタグラフが長くなっています。 -
「火の見櫓」(三原)
再び、散策を開始します。 -
紅葉と明治屋旅館(三原)
明治時代から続く旅館かも知れません? -
「校章の謎解き」(三原)
じっくり見ると、「高」のまわりに「女-需」と「恋」が組み合わさっており、「嬬恋高」とわかります。 -
嬬恋村の「デザインマンホール」(三原)
嬬恋村の自然環境を基調に村の魚である、清流を泳ぐ「ヤマメ」と、村民の心の山である「浅間山」、「レンゲツツジ」等をデザインしたマンホールです。
湯の丸高原ではレンゲツツジが6/中から見頃になります。 -
「飛び出し注意」(三原)
飛び出し坊やのデザインは最近のものでなく、昭和の頃・・・ -
「嬬恋キャベツの段ボール」(三原)
草取りした雑草が積まれています。 -
反射ステッカー「とびだしちゅうい!」(三原)
マンガに出てくるキャラクターにそっくり。 -
三原大橋から見える断崖(三原)
吾妻川に架かる三原大橋に戻ってきました。
急峻な傾斜地の下には、万座・鹿沢口駅ホームがあります。 -
空から見た地形写真
吾妻川の右岸に、河岸段丘でできた急峻な傾斜地があります。
左岸は平地が広がり町並みがあります。 -
急峻な傾斜地の過去
昭和41年7月30日(1966)に発生した大規模な崖崩れで尊い人命が奪われました。
その後、34年かけて対策工事が行われ、新たにつくられた斜面には植栽も行われ、周囲との景観の調和がはかられています。 -
駅名標「万座・鹿沢口」
右隣はこれから向かう終点の「大前」。 -
吾妻線「遊湯あがつま」路線図
沿線には草津温泉、四万温泉、沢渡温泉、万座温泉、鹿沢温泉、川原湯温泉、尻焼温泉、小野上温泉など、温泉が数多く存在する路線です。 -
「大前行き」(万座・鹿沢口)
この電車に乗り終点へ向かいます。
車両はロングシートの211系。 -
◎昔の思い出:「以前の吾妻線電車」(2013/9/1 万座・鹿沢口にて)
11年前は、湘南色の115系電車でした。 -
終点の「大前駅」
昭和36年(1961)当時、国鉄長野原線は長野県境を越えて信越本線の豊野まで延伸する計画でしたが未着工に終わります。
建設断念の理由として、当時の国鉄財政力の弱さだけでなく、大前以西の地熱が高く、長大トンネルを掘削して列車を通過させることが危険だという技術的な判断もあったとされています。 -
ホームより長い線路末端(大前駅)
ホームの長さは4両編成分あるのですが、線路はホームの端から約100mほど奥に伸びています。
これはかつて特急「草津」に使われていた7両編成の車両が回送で一時退避できるように配慮されているため。 -
◎昔の思い出:「185系特急草津」(2012/10/28 長野原草津口駅にて撮影)
湘南色の7両編成です。 -
◎昔の思い出:「651系特急草津」(2014/9/9 川原湯温泉~岩島間で撮影)
八ッ場ダム建設による新線切換え前に、旧線の川原湯温泉駅付近で651系と出会いました。
この旧線は2014/9/24までの運転でした。 -
「双体道祖神が佇む大前駅」
-
道中安全を祈る「双体道祖神」(大前駅)
昔から村境に祀られる道祖神とは異なり、円柱石にお顔を彫り胴体を色づけした道祖神。
吾妻線の終点にあるところは村境と似ており、道中安全は旅行者の安全を守る神として共通ですね。 -
駅名標「大前駅」
目の前に吾妻川が流れています。 -
移動する「女性運転士」(大前駅)
渋川に引き返すため先頭車へ向かっています。 -
紅葉するカラマツ(大前駅)
渋川行き電車は大前駅を出発。
周りの風景は秋が真っ盛り。 -
西窪地区の「垂直断崖」(大前駅を出てすぐ)
右側の車窓に続く「垂直断崖」。 -
イチオシ
顔に見える「垂直断崖」
大きな口を開けている顔もあります。 -
紅葉するカラマツ(袋倉駅付近)
-
イチオシ
ややっ「謎の水路橋」(長野原草津口駅手前の右側車窓)
地図上で調べてみると、吾妻川のやや上流に長野原堰があります。
ここで取水した水資源を下流にある松谷発電所に送る導水路の「水路橋」とわかりました。 -
「長野原草津口駅」に停車
駅名の由来は群馬県吾妻郡長野原町に位置し、草津温泉へのアクセス入口になっていることから。 -
◎昔の思い出:「JTB時刻表の1969年5月号」
かつて国鉄長野原線の終点は、「太子駅」(おおしえき)でした。
昭和20年に日本鋼管群馬鉄山の鉄鉱石を運ぶために開業し、昭和27に国鉄に移管されました。
その後、昭和45年に鉄鉱石輸送の廃止に伴い営業休止となり、翌年駅が廃止されました。 -
◎昔の思い出:「太子駅跡」(2012/10/28訪問)
太子駅跡を訪れたのは、廃止から41年後の2012年。
六合村(くにむら)の秘湯の宿「湯の平温泉 松泉閣」に泊まった翌日です。
線路はありませんでしたが、ホッパー棟とトイレが残されていました。 -
イチオシ
◎昔の思い出:「太子駅ホッパー棟」(2012/10/28訪問)
群馬鉄山から運ばれてきた鉄鉱石を貨車に積み込むため、ホッパーの上部から鉄鉱石を貨車に落とす施設が残されています。
2025年現在、ホッパーの遺構は国の登録有形文化財に登録されています。 -
イチオシ
◎昔の思い出:秘湯の宿の「架空索道」(2012/10/27訪問)
「湯の平温泉 松泉閣」は、峡谷の下にある宿で、山道から荷物を運ぶ「架空索道」がありました。
現在「松泉閣」は、残念ながら営業休止しています。 -
紅葉の中の「長野原めがね橋」(長野原草津口)
電車は長野原草津口駅を出発すると、八ッ場ダム建設に伴いダムサイト周辺が水没したので、岩島駅まで線路付け替えした新線区間を通ります。
国道145号も新道に切り替わり湖面橋が新設され、2つの連続するアーチ橋に「長野原めがね橋」が名付けられています。
アーチ橋が湖面に綺麗に映れば、めがねの片目になります。 -
「川原湯温泉駅」に停車
八ッ場ダム完成により「川原湯温泉駅」の旧駅舎はダム湖に沈むため高台に移転し、平成26年10月1日(2014)から新駅舎で営業を再開します。
ここの標高は597m。 -
「特急草津31号と列車交換」(川原湯温泉駅)
車両は2021年から運用を開始した「E257系5500番台」。 -
「紅葉真っ盛り!」(川原湯温泉駅)
-
◎昔の思い出:「旧駅舎の川原湯温泉駅」(2014/9/9訪問)
旧駅舎の近くでは「八ッ場大橋」(高さ73.5m)を建設中。
当時、吾妻渓谷を散策した旅行記があるのでご覧ください。
『消えゆく吾妻渓谷の鉄道にお別れ(群馬)』2014/9/9
https://4travel.jp/travelogue/10928737 -
◎昔の思い出:「水没前の吾妻線 夏風景」(2014/9/9訪問)
川原湯温泉駅に入る吾妻線。
ここの標高は520m。 -
◎昔の思い出:「八ッ場ダム建設中」(2018/11/7訪問)
旧線廃止から4年後の2018年、建設中の「八ッ場ダム見学会」に参加します。
八ッ場ダムの完成は2020年3月です。 -
イチオシ
◎昔の思い出:「廃線跡探訪」(2018/11/7訪問)
廃線跡となった旧線区間を歩いて八ッ場ダムへ向かっています。
「廃線跡探訪」にワクワクしました!
こちらも旅行記にしているのでご覧ください。
『紅葉絶頂期の吾妻渓谷と八ッ場ダム工事見学 2018 ~奇岩の渓谷美と24時間工事~(群馬)』
https://4travel.jp/travelogue/11422374 -
「岩島駅」に到着
新線区間(長野原草津口~川原湯温泉~岩島間)が終わり「岩島駅」に到着。
ここで降りて、吾妻峡を目指します。 -
「お洒落な駅舎」(岩島駅)
吹き抜けの2階は明り取りのようです。 -
「吾妻峡」の案内図
当初、八ッ場ダム建設計画では吾妻峡が水没する予定でしたが反対運動があり、八ッ場ダムの建設位置が上流側に変更となり、吾妻峡と旧線の一部が残されました。
これから、道の駅「あがつま峡」へ向かいます。 -
「フルーツパーク.いわしま」(岩島付近)
若い女性がりんごを持って休んでます。
話しかけようとしたら、マネキンでした・・・ -
「美味しそうなりんご」(岩島付近)
地元の「吾妻りんご」が食べごろです。 -
「パン工房 日野製パン」(岩島付近)
町のパン屋さんです。
「食パンにひげ」のデザインと「欧州パン」が気になります。 -
深い谷「吾妻峡」(荒神橋)
吾妻川の荒神橋を渡っています。 -
「色鮮やかなイチョウの黄葉」(小林フルーツ園)
吾妻川右岸に広がる「小林フルーツ園」の横を歩いています。 -
イチオシ
「美しい彩りの紅葉」(小林フルーツ園)
-
「真っ赤なりんご」(小林フルーツ園)
-
「急峻な崖につくられた水圧鉄管」(吾妻川の対岸)
八ッ場ダムの下流にある東京電力「松谷(まつや)発電所」の水圧鉄管です。
八ッ場ダム竣工前はさらに上流の長野原取水堰より取水して発電し、その後放水を下流の5発電所に導水路で結び、合計6発電所に利用されていました。
八ッ場ダム完成後は、ダム湖の水をダム下に設置された「八ッ場発電所」に利用し、その後新設された導水管で下流の「松谷発電所」に結ばれました。
ところが、高低差があわないため「松谷発電所」には利用できず、「松谷発電所」の放水路と結ばれ、下流の5発電所に放水が利用されています。
現在、松谷発電所は長野原取水堰の取水量を調整しながら稼働しているようです。 -
「天狗の湯」バス停
道の駅「あがつま峡」に到着しました。
ここで昼食をとり、その後、紅葉の吾妻峡を散策する予定でした。
でも、雨が降ってきたので、運よく見つけた町営バスで引き返すことにします。 -
「東吾妻町の路線バス」(天狗の湯バス停)
岩島駅近くの「岩島大橋」まで乗ります。 -
ツタの絡まる「火の見櫓」(岩島大橋)
「岩島大橋」で降りると、近くに「火の見櫓」が見えます。
見張台にいるのは、桃太郎電鉄に出てきた「ボンビー(貧乏神)」か?
監視のお仕事、ご苦労様・・・ -
「火の見櫓」の特徴(岩島大橋付近)
屋根は六角形の蕨手のある傘形。
屋根飾りの避雷針周りは「コロ助」の顔みたい。
半鐘があるはずですが、代わりにサイレンだろうか?
丸型の見張台にはひげ飾りがあります。 -
紅葉の吾妻峡(岩島大橋から)
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崖の紅葉(岩島大橋から)
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イチオシ
吾妻峡の素晴らしいグラデーション(岩島大橋から)
カエデの紅葉です。 -
吾妻峡の彩りのある紅葉(岩島大橋から)
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帰りの電車(岩島駅)
渋川行きに普通電車に乗ります。
お隣は特急草津と交換。
秋の吾妻線と吾妻峡を楽しめました。
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