2025年GWイタリア　フィレンツェ拠点あちこち遠出の旅（その３：チンクエテッレで愛の小道を歩く）

2025/05/04 - 2025/05/11

今年のGWは１年ぶりのフィレンツェでした。
今回はフィレンツェを拠点に、これまで気になっていたもののなかなか訪問する機会がなかった場所を巡ってきました。
また偶然にも、次のローマ教皇を決めるコンクラーベの開催日がフィレンツェ滞在期間と重なったため、コンクラーベ開催日にバチカン市国にも行ってきました。
一方で、想定外のことが多かった今回の旅行。
色々経験値が上がりました。

旅行記その３。旅行３日目の前半です。
以前から行きたいと思っていた場所、チンクエテッレ。
これまで閉鎖されていた愛の小道が今年２月に一般人の通行再開したというニュースに後押しされ、ようやく行く決意を固めました。
ところがこの日は、GoogleMapの情報によると鉄道ストライキが予定されているとのこと。
果たして、チンクエテッレにたどり着くことができるのでしょうか？

エリア チンクエ・テッレ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ANA

旅行３日目の早朝。
朝７時台のトレニタリアに乗車するために、早起きしました。

パラッツォ マンナイオーニスイート ホテル

あさぼらけのアルノ川。

朝から活動するゴミ収集車。
街中に設置されているゴミ箱をクレーン車がそのまま引き上げ、ごみを回収する姿は、最初見た時にはたいそう驚きました。

フィレンツェSMN駅着。
券売機でチンクエテッレの玄関口、ラ・スペッツィアまでの切符を購入します。

フィレンツェ サンタ マリア ノヴェッラ駅 駅

7時発のレジョナーレに乗車です。

列車は、想像通り数分の遅れで、滑るように出発しました。

ところで、コンド出発前にGoogleMapでチンクエテッレまでのルート検索をしてみたところ、「注意」的なテキストがイタリア語で表示されていました。
翻訳してみたところ、「今日はストライキが予定されているから9-18時の間は電車は動かないかもよ？」的な警告文でした。
んん？スト？
でもフィレンツェ発は7時ですし、帰りもチンクエテッレを18時過ぎに出発するつもりでしたので、特に問題ないかなと思っていました。

そう、この時までは。

車内はぼちぼちの乗車率。
通学でこの列車を利用する学生もいるようでした。

およそ１時間後、ピサ中央駅に到着。
ここで乗り換えです。

ピサ中央駅 駅

ラ・スペッツィア駅行きは8時19分発。
発車時刻を示す電光掲示板を見る限り、ストの影響はなさそうです。

30分くらい乗り換え時間があったので、ピサ中央駅の外に出てみました。
ちなみにイタリアは改札がないため、このように途中で列車を降りて駅構内から外に出ても特に問題はありません。
その代わり車内ではちゃんと検札がありますので、もちろんキセル乗車はできません。

次の列車は５番ホームです。

ほぼ時刻通りに電車がやってきました。

車内には、到着予定時刻などを表示するモニタがあちこちに設置されています。
ちなみに表示されている到着予定時刻はあくまでも当初の予定を表示していて、電車が遅れたからといって、その遅れを反映した予定時刻は表示されません。
ですので、遅延すればするほど、ここに表示されている予定時刻が虚しく見えてきます。

そしてここに表示されている予定時刻も、もちろん既に虚しい時刻となっています。

結局、20分くらいの遅れでラ・スペッツィア中央駅に到着。
当初予定では、ここでチンクエテッレカードを購入し、30分くらいの乗り継ぎ時間で次の電車に乗り、チンクエテッレの最初の村、リオマッジョーレ駅に向かうつもりでした。
気が焦ります。

ラ スペツィア駅 駅

チンクエテッレカードを売っているらしき観光案内所に行ったところ、なぜか人があふれかえっています。
受付カウンターの行列の後ろに並び、じりじりと順番を待つこと十数分。
ようやく自分たちの番がやってきました。
そもそも英語で何を言っているのかがあまり聞き取れませんでしたが、「ストで電車が動く保証がないから、チンクエテッレカードは販売できない」と言っている様子。
なに、ストだと？

慌てて電車の電子掲示板をみたところ、運行中止を示す「CAN」の文字が点灯しだしているではないですか！
フィレンツェから遠く離れたこの地でストに巻き込まれてしまうとは！

ラ・スペッツィア中央駅から進むことも戻ることもできず、路頭に迷うこと約１時間。
その間に相方が気合で導き出したルートは、ここからカンピーリアという駅までバスで行き、そこから２時間くらい歩いてリオマッジョーレを目指すという強行軍。
バス旅さながらのルートを選択するか、運命の決断をしようとしたその時、、、。

『鉄・道・再・開！』

経緯はよく分かりませんが、チンクエテッレ方面に行く電車が動くと電光掲示板が示しているではありませんか！
慌てて列車に飛び乗る我々２人。
そして数分後、満員の乗客を乗せた列車がゆっくりと発車すると、車内は安どのため息が一斉に漏れたのでした。

そんなこんなで、当初の予定よりも１時間くらい遅れてリオマッジョーレ駅に到着。

リオマッジョーレ駅 駅

リオマッジョーレ駅は、地中海の海岸線に面した駅でした。

駅を降りて右手の方角に、どうやらリオマッジョーレの中心地がある模様。

トンネルを抜けると、そこにはカラフルな建物が軒を連ねていました。
おー、メルヘンだ！
昔行ったことのあるブラーノ島みたい。

まずは山の方に向かってみます。
割と急な坂道を登っていきます。

こんな小道とか、何気ない風景が絵になります。

リオマッジョーレ村の高台から眺めた景色。
狭いエリアに建物が肩寄せ合うように建てられているのが分かります。

高台には、サンジョヴァンニ・バッティスタ教会が。

サン ジョヴァンニ バッティスタ教会 寺院・教会

せっかくなのでお邪魔してみます。
厳粛な雰囲気で、背筋がシャキンとなります。

上ってきた坂道を、違うルートで降りていきます。
こんな狭くて傾斜がきつい階段があちこちにあります。
GoogleMapがなければ迷ってしまいそう。
そして、ここで生活している方々は大変そう。

海岸までやってきました。

そろそろランチの時間です。
GoogleMapで評判の良かった「RIOPOINT Pizza」というお店でToGoします。

ピザ屋さんの目の前には、まさに絵葉書のような風景が。
海からの風を受けて、カモメが気持ちよさそうに舞っていました。

さて、そろそろ今回のメインイベント、愛の小道に向かいます。
愛の小道に入場するためには、チンクエテッレ・トレッキングカードを購入する必要があります。
日によって値段は異なるようですが、私が行ったときにはトレッキングカードが10ユーロ、愛の小道の入場券が7.5ユーロでした。
なかなかの値段ですね。
リオマッジョーレ駅の隣の観光案内所でチケットを購入しました。

ちなみに、愛の小道の入場枠は30分ごとに200人と決められているようです。
オンラインで事前に購入することもできますが、私が事前にチェックしたところ200人の枠は常にガラガラでしたので、当日の購入でも問題ない気がしました。
今回のようにストで電車が動かず、予約した時間枠に間に合わないということもありますので、事前購入しない方が安全かもしれません。
私も、オンラインで事前購入していたら大変なことになっていました。

愛の小道の入り口でチケットを見せ、入場です。
昨日はフィレンツェは雷雨でしたが、今日は雲は多いものの日差しも顔を出してくれて、まずまずの天候です。

海がきれいー
そして愛の小道は遊歩道として整備されていて、歩きやすいです。
海岸線をのんびりと歩きます。

愛の小道 散歩・街歩き

振り返ると、先ほどまで滞在していたリオマッジョーレの町並みが我々を見送っていました。

愛の小道には屋根のある個所もあります。

ここを歩く観光客はかなり少なめ。
そりゃ入場に17.5ユーロかかりますからね。
ということで、愛の小道を独占しつつ、気持ちの良い青空を見ながらのウォーキングです。

どこを撮っても絵になる気がします。

時折、逆方向に歩いてくる観光客がいました。
本来、愛の小道はリオマッジョーレから隣村のマナローラまでの一方通行なのですが、おそらく愛の小道を何往復もしているのでしょう。
観光客も少ないし、入場料も高いし、何より景色が素晴らしいので、何往復もしたくなる気持ちがよく分かります。

のんびり歩いて30分。
マナローラまでやってきました。

マナローラ駅 駅

ここが愛の小道の終点です。
愛の小道には終点がありますが、愛に終点はありません。
なんちゃって。

その４に続きます。