2024年一家でアメリカの旅（3） It’s Sho-Time!

2024/07/22 - 2024/07/22

　この日、7月22日は大谷の日である。これは私が勝手に決めたわけではなく、いわゆる「Giveaway」（来場者プレゼント）があり、彼をデザインした特製キャップ（野球帽）がもらえる。いわばドジャース公式の大谷の日といえるだろう。久方ぶりに生で見る大谷選手はいかに。
　試合は夜からなので、午前中はドルビーシアターの見学ツアーに参加した。

エリア ロサンゼルス(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

まずは宿から徒歩1分のドルビーシアターへ。アカデミー賞授賞式などの催事時は前面の道路ともども盛大に飾り付けられるようだが、普段は実にシンプルなエントランスである。

ドルビー シアター 劇場・ホール・ショー

ロビーも装飾は少なめで、割と質素な感じ。

壁に飾られたオスカー像を見学。オスカーという名称の由来は諸説あってはっきりしない。ご存知のとおりアカデミー賞受賞者に贈られる高さ約34センチの立像である。たまに転売されているオリンピックのメダルとは違い、オスカー像は転売が禁止されているようで、万が一転売された場合には1ドルで主宰者に譲られると決められているらしい。なので、末端価格は1ドルということになる。その辺の土産店に大小さまざまなレプリカが大量に並んでいるが、これらは当然1ドル以上の価格なので、オリジナルよりもレプリカのほうが高い。

通路の照明にもオスカー像が取り入れられている。

こちらがドルビーシアターの客席。外観とは打って変わって、なかなかゴージャスな雰囲気だ。映画館とは違い、正統派の劇場という感じである。天井付近の曲線を取り入れたデザインが優美だ。

受賞者になった気分で、ステージ上から客席を見渡す。悪くない。スターの気分を味わえた。

見学後は、近くのハンバーガー店「ジョニー・ロケッツ」へ。

ジョニー ロケット (オーベーション ハリウッド店) ファーストフード

なかなかのボリューム。しかし、バーガーばっかり食べてるな。

食後は地下鉄に乗って、ドジャースタジアム最寄りのユニオン駅にやって来た。地下鉄のほか、長距離列車のアムトラック、通勤列車のメトロリンクが乗り入れているターミナル駅だ。

ロサンゼルス ユニオンステーション 駅

なかなか立派な待合室。こういう味のある駅は見応えがある。

こちらの旧チケットカウンターは、現在はイベントスペースなどとして使われている。かつてはここから多くの人が全米へ旅立っていったかと思うと感慨深い。

ついにドジャースタジアムへ到着。この日はサンフランシスコ・ジャイアンツとの一戦だ。
なお、防犯上の理由から、手荷物を入れる鞄・バッグは透明なものしか許可されていない。大きさにも制限があり、なかなか厳重である。また、テレビ中継ではまったく気づかなかったが、試合中もグラウンド内のフェンス際に10メートルおきくらいの間隔で警備員が配置されている。セキュリティは万全だ。

ドジャースタジアム スタジアム・スポーツ観戦

こちらが来場者プレゼントの特製大谷キャップである。つばの裏には鯉の滝登り柄がデザインされており、スナップバック上にはスポンサーなのか「バンテリン」の文字が。和風といえば和風だが、アメリカ人の考える和風といえなくもない。どことなく、日本村プラザ的アジアごった煮風味を感じさせる。このキャップをかぶって応援せねば。

今回のチケットは2月というかなり早い段階で買い、その時の価格は4枚で608ドルであった。レフトポール際やや内野寄りの前から2列目で、当時のレートで9万円強である。高い。日本の同条件の席の3～4倍といったところだろうか。メジャーリーガーの年俸の相場は日本の10倍というから、その比率で考えればかなりお得……かもしれない。そういうことにしておこう。

こちらは名物のドジャー・ドッグである。価格は1本7.99ドルと球場メシの相場からすれば割とお手頃で、メジャー全球場のなかでもっとも売れるホットドッグとのこと。来場者の半数が食べると言われている。ソーセージのうま味をマイルドに主張した非常にわかりやすい味で、子どもから大人まで人気があるのもうなずける。古き良きアメリカの味、とでもいうのだろうか。正直なところ、先日のピンクスよりもこちらが気に入った。子供舌なもんですみません。

球場内の通路にはあちこちにケチャップ・マスタードと刻みピクルスおよび刻みたまねぎの無限供給装置が置かれ、売店で購入したドジャー・ドッグにトッピングし放題。全面的にドジャー・ドッグ推しの様相となっている。

価格の話ばかりで恐縮だが、ドジャースブランドの缶ビールは1本18.99ドルであった。1本3,000円。酔いも覚めますな。

この日の先発はメジャー初登板というリバー・ライアン投手である。2021年にパドレスに入団し、翌年にはドジャースにトレード移籍してきた。大学時代は二刀流で活躍し、ルーキーシーズンは野手だったようだが、ドジャース入団後は投手に専念しているという。ぜひメジャーを代表する大投手に成長してもらって、「あのライアンのメジャー初登板を生で見た」と自慢したい。

登板に向けて集中力を高めている模様。ノックアウトされてマウンドでうなだれる、というポーズに見えなくもないが、数時間後にそうならないよう、好投を期待する。

午後7時すぎ、ついに試合が始まった。初回、ライアン投手は1アウト2塁のピンチを招くも、後続を打ち取りまずまずの立ち上がり。
そして1回裏、トップバッターの大谷選手がさっそく登場。意外とあっさり現れた。

第1打席はフルカウントから四球を選び、さっそく盗塁を試みる。際どいタイミングで一度はセーフの判定が出たものの、相手チームのビデオ判定要求により、残念ながらアウトに覆った。大谷選手の盗塁失敗という、ある意味非常に貴重なシーンである（2024年シーズンは59盗塁に対し、盗塁死は4回のみ）。

この日試合を決めたのは大谷……ではなく、4番に座るテオスカー・ヘルナンデス選手である。4回に放った21号の同点ソロホームランに加え、2本の勝ち越しタイムリーヒットで、チームの全得点を叩き出した。

一方の大谷選手。第1打席の四球の後は、三振、一ゴロ、同点で迎えた8回無死二塁の絶好機には三振と、いいところなく凡退し、快音は聞かれず。まあ、そういう日もあるさ。こうして、わが家の夏が終わった……とならないように、旅の後半にも山場は準備してある。総員、安心せい。

4番の活躍で、ドジャースが接戦を制した。今シーズン60勝目である。

試合開始が日本より1時間遅いため、試合自体はサクサクと進んでも、終了時間はそれなりに遅くなる。

帰りのバスは長蛇の列。そもそもバスが来ない。その理由は前夜のグリフィス天文台と同じで、「集客力のある施設と街をつないでいる道が1本しかない」ということに尽きる。唯一の道が自家用車で埋まることで、バスやUberなども滞るわけだ。ユニオン駅までは3キロ強なので歩けない距離ではないが、球場と駅周辺の治安があまりよくないらしく、深夜に歩くなどもってのほかだろう。毎試合のことだろうし、なんとかならないのかね。なお、実業家のイーロン・マスク氏もこの渋滞を憂慮しているそうで、ハリウッド方面とスタジアムを直接つなぐトンネルの建設を提案したらしい。頼むぜ。

夜も11時を過ぎて、ようやくユニオン駅へ到着できた。駅には警備員が多数配置されており、この時間でも安全面の問題はなさそう。Uberを呼んで無事にホテルへ帰還した。
明日は次の目的地、ラスベガスへと向かう。