2024/10/08 - 2024/10/09
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鯨の味噌汁さん
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10月8日は午前中にカルナック神殿、午後にはルクソール博物館を訪ねた。両方とも東岸なので、ホテルからは40分ほどだ。
10時、カルナック神殿着。昨日も暑かったけれどきょうもまた一段と暑い。
広大な神殿に入ると、ズラッと並んだ石柱がデカすぎて縮尺感覚がバグを起こす。誰かが「(ガリバー旅行記の)巨人の国に迷い込んだよう」と書いていたが、石柱の間を歩いていると確かにそんな気分になる。すげーなオイ。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
石柱の向こうには、ひときわ高いラムセス2世のオベリスク。もともと2本あったのが、1本はパリのコンコルド広場まで運ばれた。
ワシがコンコルド広場を訪れたのはもう40年以上前だが、あれがエジプトから持ち出されたなんて知らなかった。そもそも「オベリスク」の意味も知らなかったんだけど。
このオベリスク、wikiには「平和裏に寄贈」なんて書いてあるが、そんなのは信用できん。当時の英仏は世界に冠たるヤクザ国家であるから、エジプトをひとニラミして「持ってってもいいよな」なんて脅したんじゃないのか。 -
だがしかし、ヤクザとはいえそこはフランス。その少し前、エジプト遠征にやってきたナポレオンは、兵員の他に研究者や画家を160人同行させている。国を挙げての大調査団派遣だった。
はるばるやってきた学者先生たちは、ウワサに聞いていたピラミッドやカルナック神殿の実物をこの目で見て、さぞかし肝をつぶしたであろう。
フランスはローマ文明のキラキラしい栄光を全身に浴びた国で、当然のようにそれを誇りにしていたから、ヨーロッパから見たら辺境の地に古代の大構造物がボコボコ建ってるのを見たら、そりゃびっくりするよね。
ある時期、地球最高の文明はアフリカにあった、なんてことは信じたくなかっただろう。 -
その研究成果は大著「エジプト誌」として出版され、現代まで続くエジプト学の嚆矢となった。
編纂を命じたナポレオンの死後に完結したというから国家事業と言って良い。
つまりフランスはただのヤクザじゃなくてインテリヤクザなのだった。(それがオチかい!)
ふと思い出す。映画「アラビアのロレンス」の中で、アラブの族長・アリが英国人のロレンスに向かって
「ロンドンの夜がランプだった頃、コルドバにはガス灯がともっていた」
と言い放つシーンがあった。それが事実かどうかは知らないが、ある時期ヨーロッパの知がアラブのそれに遠く及ばなかったのは本当だろう。
これにならって現代エジプト人は
「イギリス人が野原に石を並べてた頃、おれたちはピラミッドを作っていた」
などと自慢してヨイのではないか。ワシがエジプト人だったら絶対言ってるけどね。 -
10月9日、旅の4日目。
この日はルクソールからナイル沿いに北上、鉄路でアスワンまで行く。
午前9時、ムハマンドのタクシーで駅まで送ってもらう。結局4日間にわたってお世話になったので、最後は精一杯のチップを渡して別れる。
ちなみにチケットは前日の午後、駅で購入していた。事前にネットで買えれば安心なのだが、外国人は窓口限定、さらに支払いは米ドル限定、決済はクレジットカード限定。どうもいろいろ限定が多いけれど、その理由は外国人に5倍以上の料金をふっかけているせいだ。こりゃもう国家公認のボッタクリである。
振り返ってわが国はどうかといえば、JRグループはインバウンド客を対象に「7日間新幹線乗り放題29,650円」などという反則もの爆安チケットをバラまいている。
貧乏な日本人(=ワシ)は新幹線を横目で見て、腰痛を我慢しつつ青春18切符を使って移動しているのに。なんで還暦にもなって青春18なんだよ。
「お・も・て・な・し」もたいがいにしろ、と言いたい。 -
ムハマンドと別れホームに向かったら、入口でビブスの兄ちゃんが待ち構えていて、尋ねられる。
「チケットは持ってるか?」
ビブス姿に油断して、思わず見せてしまう。するとお兄ちゃんチケットを確認して、軽く頷き、ガバっと荷物を担ぐさっさと歩き出す。
しもうた、駅員じゃなくてポーターだった。
お兄ちゃんは早足で階段を降り、徒歩1分のホームまで運ぶと、驚くべきことに300ポンドを要求してきた。
こっちはエジプトの物価に馴染み始めているから、それがボッタクリであることは大火事よりも明らかである。朝もはよから尿道が開きかける。
「たたたたた、たっか!!!!!!」
だがしかし兄ちゃんは平然と
「スーツケースふたつだ、嫌なら元の位置まで戻す!」
むちゃくちゃ言ってるぞ。
だがしかし、これは確認を怠ったワシが悪い。ポーターだと気づいた時点でダッシュで兄ちゃんの行く手をさえぎり、ハウマッチ、と気合を入れて叫べば問題なかったのだ。
とにもかくにもボッタクリ防止は
「一にスピード、二に気合、三四がなくて五が値切り」。
ココロに刻むワシである。 -
ガッカリしつつホームの売店でコーヒー。だってまだ1時間近くある。
すると物乞いの婆ちゃん、歯の欠けた爺ちゃんなどなどがズイズイと寄ってくる。婆ちゃんは 50ポンドあげたら次の獲物を探して去っていったが、歯っ欠け爺ちゃんの方はなかなかしぶとい。
やむなくショートホープを一本差し上げると深く頷き
「箱ごとくれ」。
ここまでくるといっそ潔いな。
それでもタバコが功を奏したのか、列車が到着するたびに
「ノーノーこれじゃない、ユーの列車はレイトだ、エジプシャン・タイムなのだ」
と教えてくれるのはありがたい。
ホームには電光掲示板もないし、列車が来てもアラビア文字なんで行先は読めない。
3本ばかり列車をやり過ごし、アスワン行は40分遅れで到着した。すると爺ちゃんはワシのチケットを確認し、席まで案内してくれる。これはこれで助かったので、ちゃんとチップを支払う。
終始それを見ていたかーちゃんいわく
「サービスの対価を要求してるだけよね。ドロボーするわけじゃない」
確かに。当地においてボッタクリはニシンのように沸くが、物取りは少ない。
お巡りさんがあちこちで目を光らせてるせいもあるだろうが、そもそもイスラム教はドロボーに厳しいのかもしれん。
ほどなく警笛が鳴り、列車はゆっくりと動き出す。
アスワンまで3時間、この旅で初めての鉄道だ。 -
列車は右手にナイル川を見ながら北上する。
右手には緑と町が広がる。対して左手は乾いた土漠地帯がえんえんと続く。
日本の農地は面で広がるけれど、エジプトは一本の線だ。
ナイルは砂漠に通った、たった一本の動脈なのだなと思う。
エジプトとエジプト人を作ったのはナイルなのだな。 -
結局1時間遅れでアスワンに到着。駅でピックアップしてもらい、ナイル沿いのホテルへたどり着く。窓の正面にナイル川が流れる。すでにして夕焼けが始まっていた。
するとかーちゃんに異変。
ホテルに着くなり、ベッドに潜り込んでスウスウと眠りだし、動かなくなってしまう。
3日間炎天下を歩き回り、体調を崩したらしい。
彼女は暑さにめっぽう強いほうで、酷暑のインドも真夏の台湾も元気に歩き回っていたのだが、さすがに還暦をまたぐと、若い頃のようにはいかないんだろう。
夕食もスープをすすっただけでパス。シャワーを浴び、あとはベッドでずっと寝ている。
明日は3時に起きてアブ・シンベル神殿へ遠征の予定なのだけど、はてさて、どうなりますか。
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旅行記グループ
10月のエジプト(ガチで暑い)
この旅行記へのコメント (11)
-
- クラウディアさん 2024/11/30 16:30:42
- ウザイが懐かしい
- こんにちは。
そうそう。勝手にポーターそして高額請求にはげんなりでした。
カイロのホテルで一緒に乗り込んできた少年、勝手にエレベーターボーイをしてチップ請求されたのを思い出しました。
煙草1箱で電車案内してくださるオジサンを見習って欲しいわ~。
奥さまのおっしゃる通り、チップは労働対価。
奥さまアスワン到着後に体調崩されたとのこと。大丈夫でしたか。
暑くて乾燥しているので疲れますよね。
アスワン観光がロストバゲージで飛んでしまったので、続きも楽しみです。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2024/12/01 09:52:01
- ウチもアスワン観光がトビまして⋯
- クラウディアさん
おてがみありがとうございます。
ウチもですね、アスワン観光はほぼできんかったです。
もともとアブシンベルに行くための宿。本来は午後にアスワン観光、翌朝アブシンベル、戻ったらホテルでお昼寝のスケジュールだったんですが、列車が遅れてさらにかーちゃんダウン。彼女はホテルの窓から夕日を眺めるくらい。ワシはホテル周囲が市場だったんで見物できたのが良かったくらいでした。
クラウディアさんみたいに一気にアブシンベルに飛ぶのが正解だったなー。一気に南下してその後じわじわ北上、ってプランが一番合理的ですよね。
- クラウディアさん からの返信 2024/12/01 12:11:20
- 結果論ですよ~。
- 鯨さん、こんにちは。
カイロからアブシンベルに飛んで合理的でしたが、それは結果論ですよ~。
アブシンベル空港に荷物はロストバゲージで届かなかったですし。国内線なのに。
お互いに追い剥ぎに遭ってハダカにされたり、変な病気をもらわずに、無事に帰国できてよかったですよね。
鯨さんのアブシンベル、どうだったのかしら。鍵を持ってお写真撮っちゃったとか!?
な~んて、楽しみです。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2024/12/01 16:56:34
- たしかに往路のロスバゲはきついっすね⋯
- クラウディアさま
今回は五体無事で戻ってきただけ上々です。
そういえば、インドではクレカの番号を抜かれ、帰国後にドカンと不正利用され慌てたんですが、そんな悲しい目にも遭いませんでしたし。かーちゃんの体調も翌日には何とかなりましたし。カッコ悪い失敗はやらかしましたが⋯
-
- mistralさん 2024/11/30 08:36:37
- 鯨さんのエジプト紀行
- 鯨さん
おはようございます。
いつもながらの楽しい旅行記、読ませていただきました。
「日本の農地は面で広がるけれど、エジプトは一本の線だ。
ナイルは砂漠に通った、たった一本の動脈なのだなと思う。」
司馬遼太郎さんの 街道をゆく ばりのコメントには
(これまでも他多数)ただただ頷くばかりです。
旅先、といっても大津です、ですので手みじかでごめんなさい。
mistral
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2024/11/30 11:33:29
- 司馬遼ムードだけぱくりました
- mistralさん
旅の空からありがとうございます。
いやその⋯今回駅でボッタクられた話だけで、あまりに中身が情けないんで、白髪のヅラかぶってムードだけパクってみました。
ちなみに司馬遼が訪ねた国でワシが未到達なのはオランダとモンゴルの2国になりました(エジプトは行かれてませんが)
⋯長生きすれば2つともいけるかなと思う今日このごろです。
-
- tabinakanotaekoさん 2024/11/30 05:47:02
- エッ、8枚?ホントだ!!!
- 鯨さま、
エジプトには行ったことはありませんがきっとタイトルが魅力的だったからでしょう。じっくり拝読してふと下を見ると「全8枚の旅行記」とありました。そんな筈はないと1.2.3 ・・・と数えながら戻しました。
素晴らしい!ホントに8枚でした。知らないことばかり私にも分かるように笑いもいれながら語って下さって、才能にあっぱれ‼️と思いました。歴史の研究者さんなのかもしれませんね。かあちゃんさんにも宜しくお伝えください。
taeko
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2024/11/30 11:24:46
- 8枚でも頑張ったほうかと(汗
- taeko さん
おてがみありがとうございます。
写真は⋯そもそもあまり撮らないなんです。スマホとコンパクトカメラを持っていったんですが、カメラの方は20枚くらい、スマホも11日で100ショットくらいでした。眺めてると写真撮るの忘れちゃうの。
逆に日記の方はホテルや列車の中でドンドン書くのでやたら長くなりますの。中身は妄想半分なんで「研究者」から一番遠いです!
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- 鯨の味噌汁さん 2024/11/29 20:29:14
- もろもろおへんじ。
- ももさま、
おてがみありがとうございます。
カルナック神殿、中に入るとボーゼンとします。
観光客のみなさまもみんなクチをあけて上を見てるの。
さらにバカでかい石柱の一本一本にヒエログリフがビッチリ刻まれてる。これはいったいなんなんだー、オレが悪かった勘弁してくれー、って錯乱しちゃいそう。
>ここのオベリスクがパリのコンコルド広場まで運ばれたのですか。なるほど。とても友好の証とは思えませんね。
でしょー。
ナポレオンに付いて行った画家が「これ持っていきましょうよ」って進言した、なんて話が残ってるそうです。
そういえば。パリだけじゃなくてイスタンブールのブルーモスクの前にもあったし、なぜかワシントンにもあったような気が。ピラミッドは持っていけないから替わりにぶっこ抜いたのかなーと。
>確かに石並べよりもピラミッド建造技術の方が格段に上でしょうね。でもすぐに「英仏がコンコルドを飛ばした頃、エジプトには地下鉄もなく電気ガス水道すらままならなかった」なんて反撃くらうかな?
ワハハ。でもコンコルドは消えちゃいましたが、ピラミッドはまだそこにありますものね。さらにどうやって作ったのか現代になってもわからんし。存在感でもナゾ度でもエジプトが勝ちかと。
押しかけポーター、インドで遭遇しましたか!
駅と空港はホントに油断もスキもないっすよねー。
ワシらはエジプトの鉄道、これが最初だったのでやられてしまいました。ももであさんのようなキッパリした態度、トッサに取れればよかったんでしょうねぇ。次回からは警戒するようになったんで、やられたのはこの1回だけでした。
>奥さんは危ない状況だったのですね
エジプトの直射日光に3日間さらされて、さすがに変調をきたしたようで。
彼女は顔立ちからしてポリネシアン系、よって夏の暑さにはめっぽう強いんです。60年生きてて夏バテ知らず。
高温多湿は平気だけど、フライパンで乾煎りするような砂漠のコゲコゲ系には耐性がなかった模様です。ポリネシアには砂漠ないものね。
-
- ももであさん 2024/11/29 19:30:44
- 一にスピード コンコルド
- こんばんは
カルナック神殿って、表紙の写真見るだけでそのデカさが伝わってきます。ホントすごいですね。ここのオベリスクがパリのコンコルド広場まで運ばれたのですか。なるほど。とても友好の証とは思えませんね。
確かに石並べよりもピラミッド建造技術の方が格段に上でしょうね。でもすぐに「英仏がコンコルドを飛ばした頃、エジプトには地下鉄もなく電気ガス水道すらままならなかった」なんて反撃くらうかな?
>「一にスピード、二に気合」
これはホントそう思うことがありました。5年前のインドでAVISに車を返して空港まで送ってもらうと、頼んでもないのに勝手に荷物を運ぶ奴が。ポーターでした。
仕方なくカミさんが20ルピーだけ払おうとすると、相手は200ルピーだと言ってもめてます。こりゃイカンと思い一にスピード、二に気合で、あ、20ルピー要らないの? じゃあ と10ルピー(18円)だけ無理に渡すと、相手は勢いに押されたのか急におとなしくなりやり過ごせました。
この旅で奥さんは危ない状況だったのですね。熱中症ってタイムラグがあるからホント侮れませんよね。はてさて、どうなりますか。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2024/11/30 07:48:16
- Re: 一にスピード コンコルド
- コメントのつもりがトピたてちゃった。ごめんね~。
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