佐世保市近辺の軍事遺跡を気ままにぶらり旅

2024/09/03 - 2024/09/03

長崎県北部の佐世保市は明治時代に海軍の拠点として軍港が造られた歴史があり、現在も米軍基地や自衛隊の駐屯地があります。

また旧海軍の遺構が多く残っていますので、今回はその軍事遺跡をぶらっと見て廻りました。

個人的な趣味のスポットを廻りましたので、さらっと見ていただければ幸いです。

エリア 佐世保(長崎)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車

最初に佐世保市内が見渡せる天神山公園に来ました。

中央に佐世保港があり、右奥にはこちらも展望が望める弓張の丘が見えました。

天神山公園 公園・植物園

佐世保港には自衛隊または米軍の艦船も停泊しています。

佐世保市内にある旧海軍の佐世保鎮守府凱旋記念館に来ました。

レトロな雰囲気の建物です。

旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(佐世保市民文化ホール) 名所・史跡

大正期の第一次世界大戦において、日本艦隊は連合国側として参戦し、地中海において敵潜水艦からの護衛任務を遂行しました。

その凱旋記念として建設されました。

装飾の美しい建物で、海軍の催しなどに利用されていました。

この日がちょうど休館日でしたので、内部は見れませんでした。

以前に訪れた際の内部の様子です。

現在も様々な催しが開かれていて、軍港佐世保を紹介する展示コーナーもあります。

こちらは凱旋記念館の近くにある海上自衛隊の史料館です。

旧海軍の集会所を模して造られた建物です。

奥の建物にて旧海軍や海上自衛隊にまつわる資料や映像を紹介しています。

海上自衛隊佐世保史料館(セイルタワー) 美術館・博物館

護衛艦くらまの錨（いかり）です。

日本海軍で礼砲として使用されていた銃砲で、建設工事中に発見されたものです。

館内は無料で見学できますが、今回は時間の都合上、見学出来ませんでした。

以前に来館した際の、東郷元帥の胸像です。

日露戦争では日本艦隊を指揮してロシア軍と戦われました。

佐世保港には旧軍港の名残りがあり、艦船を修復する光景が見られました。

佐世保重工業(SSK) 名所・史跡

海上自衛隊の艦船のようです。

地元企業の造船所があり、船舶の製造・修理が行われています。

造船所の巨大なクレーンも間近で見ることが出来ます。

佐世保港から車で15分ほどの、展海峰に来ました。

九十九島が一望できる展望台で、佐世保の人気スポットです。

展海峰 名所・史跡

景色も素晴らしく、また展望台下には広い花園があり、春は菜の花、秋はコスモスが見ごろとなり、大勢の人でにぎわうスポットです。

展海峰から車で10分ほどの、旧海軍の史跡の丸出山砲台観測所跡に来ました。

狭い道でのアクセスになりますので、ご注意ください。

丸出山砲台観測所跡 名所・史跡

明治時代に旧海軍によって造られた施設跡で、佐世保港に敵艦が接近した際に、敵艦との距離を図る施設がありました。

観測所の中の室内の光景です。

100年以上前の史跡が静かに残っています。

観測所の上からは九十九島も望むことが出来ます。

こちらから敵艦との距離を計測して、近くの砲台に知らせていました。

軍港の佐世保を守る防御施設の一つですが、実戦で使われることはありませんでした。

観測所内部から九十九島を望みます。

丸出山砲台観測所跡からさらに車で10分ほどの、小首堡塁跡にいってみます。

軍用車が通れるようにでしょうか、側道には石垣が積まれています。

野草に覆われた中に、門跡がありました。

こちらが小首堡塁跡です。

突如現れる異空間に驚かされる遺構です。

明治33年に佐世保軍港を守るための砲台として造られました。

煉瓦造りの建物内部です。

現在は地元の林業関係の木材が置かれたり、上部はコウモリの住み家となっています。

某アニメ映画のラピュタを思わせるような光景です。

こちらは史跡として整備されていませんので、必ず晴天の日の明るい時間にお越しください。

観光客もほとんど来ない史跡で、その廃墟感が非日常的な雰囲気となっています。

こちらも実戦で砲台が使われることはなく、最終的には太平洋戦争の開戦後の1942年に砲弾が撤去されるまで存続していました。

これから佐世保市から対岸に見える隣の西海町に移動します。

佐世保湾をぐるっと回りますので、対岸まで車で約１時間かかります。

西海町に入り、佐世保名物の佐世保バーガーのお店に行ってみます。

佐世保バーガーは地元のグルメで色々なお店があります。

らりるれろ 西海橋店 グルメ・レストラン

佐世保バーガーはお店それぞれに味の個性を出されているようで、こちらも新鮮なレタスとベーコン、ハンバーグとホワイトソースとの相性が抜群でした。

写真が綺麗に撮れずにすみません。。

お持ち帰りもイートインもできます。

レトロな雰囲気の店内です。

次に西海町の石原岳森林公園に来ました。

こちらも明治32年に造られた砲台の跡で、公園として整備されている史跡公園です。

石原岳森林公園 公園・植物園

階段や歩道などが整備されていますので、先ほどの小首堡塁跡よりは観光に適した史跡です。

それでも石造りの堡塁跡は現実からかけ離れたような光景となっています。

堡塁跡の下に掘られたトンネルを通って、内部に入ることができます。

こちらも明るい日中の時間ではないと、さすがに一人では入りづらい雰囲気があります。

映画で見るような光景ですが、トンネル内は照明もありますので安全です。

トンネルの奥に部屋がありこの先は行き止まりでした。

当時はこの部屋に軍の関係者がいて、作戦会議などが行われたのでしょうか。

旧軍事施設跡を公園として整備して、その歴史を後世に語り継いでいます。

お薦めの史跡公園でした。

公園内には秋の訪れを告げるように栗が落ちていました。

ちなみにこの日は台風10号が過ぎた、9月初旬の残暑厳しい日でした。

再び佐世保市に戻りますが、途中にある西海の丘公園にきました。

西海町と佐世保市を結ぶ、西海橋が望めます。

以前は奥の橋が１本のみでしたが、手前の有料道路の橋が出来て、さらに交通の便が良くなっています。

新西海橋 名所・史跡

この西海の丘公園から、遠くに３本の塔が望めます。

大正11年に旧海軍によって造られた針尾送信所跡の塔です。

現在の金額で約250億円で建設されました。

太平洋戦争の海戦の口火を切った、「ニイタカヤマノボレ1208」はこちらから送信されたと言われています。

針尾送信所 名所・史跡

最後に佐世保市の隣りの川棚町に来ました。

川棚町の片島です。

以前は島でしたが現在は陸続きとなっています。

こちらにも旧海軍の軍事施設跡が残っています。

片島魚雷発射試験場の跡です。

大正7年に造られた施設で、佐世保で造られた魚雷をここで発射実験をして、その性能を観測した施設です。

大村湾に向けて発射して、その速度や方向を観測しました。

片島魚雷発射試験場跡 名所・史跡

発射場の建物は100年の時を超えて、外壁だけがかろうじて残っています。

魚雷を発射するための空気を圧縮するポンプ室の建物跡です。

この廃墟感が非常にノスタルジックで、最近は話題のスポットのようです。

この建物で魚雷の最終チェックが行われていたようです。

こちらも外壁だけが100年の時を超えて、かろうじて残っています。

外壁が崩れたり、落下の可能性もありますので、見学の際はご注意ください。

石造りの外壁はしっかりとした構造のようで、今後も後世に遺していただきたい軍事史跡です。

片島の頂上に登った場所に観測所の建物跡があります。

この観測所から発射された魚雷の精度を測定していました。

コンクリート製の外壁で、手つかずの状態で静かにその歴史を物語っていました。

観測所から見る大村湾の展望です。

対岸の奥に長崎市があります。

島からほんの少し離れた、短信儀領試験場跡の建物です。

こちらには渡ることが出来ず、海に浮かぶ施設跡で独特の雰囲気が出ています。

この片島試験場跡は約10年ほど前までは行政もあまり手を付けず、ひっそりと野放しのような状況でしたが、最近は案内板や地図も新設されて、後世に語り継ぐような整備をされています。

来年（2025年）は太平洋戦争の終戦から80年となりますが、今後もこの戦争の歴史を史跡とともに後世に語り継いで欲しいと思います。

本日は後世に遺していきたい、佐世保近辺の軍事施設跡を廻ってみました。

個人的に興味のあるスポットを巡りましたが、最後まで見ていただき、ありがとうございました。