2024/08/07 - 2024/08/16
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PuellaApuliaeさん
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VITA社のバスと徒歩で一日に城を三つ回ったものの、公共交通機関で更なる訪問をするには限界があります。まず別の街に行ってそこから市バスに乗らなければ行けなかったり、車でしか行けなかったりなど、難度が上がってくるため、タクシーに行きたい城をまとめて連れて行ってもらおうと考えました。業者を検索してWhatsappで連絡をとり、翌日の朝に宿に迎えに来てもらうことにしました。行きたい城は、まずフェニス城、そしてウッセル城、クリ城だったのですが、運転手さんが気が利く人で、ついでにここもあそこもと更に3つ追加して連れて行ってくれました。表紙写真はフェニス城です。
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朝9時ぴったりにB&Bを出発しました。時間厳守の勤勉な若い運転手さんです。言葉のイントネーションが北部のものではないので、どこ出身か聞いたところ、何とプーリア州とのことで、プーリア好きとしてはうれしいです。南部から移住して頑張っておられるようで、以前にG7会議が開催されたときに日本の財相と公使を乗せたことがあるよとおっしゃってました。日本旅行経験もあるとか。
最初にここはおすすめだから行こうと連れて行ってくれたのが、サール(サッレ)城Castello Reale di Sarreでした。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世やウンベルト1世などイタリア統一後のサヴォイア家の王たちの狩猟の館です。だから古城ではなくて新しい城なのですが、位置と外見がいいので入ってみることにしました。 -
朝日がまぶしい。本日も快晴です。また暑くなるだろうな。
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こういうところにあります。見晴らし最高。そりゃここに城建てたくなるよね。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世は狩りが大好きな王様として有名で、トリノ近郊にもストゥピニージ宮殿を狩猟のために建てています。ここのあたりはアイベックスが多くいたらしい。
何となく遠くに城のような館のようなものが見えます。拡大したら後で行ったアイマヴィル城であることが分かりました。 -
では入ります。一階は無料で見られますが、二階はガイドツアーで案内してもらいます。やっぱり二階の方が見るもの多いので、払う価値あると思います。特に統一イタリア王国の歴史が好きな人は必見。私はサヴォイア家好きじゃないんですけどね。今さら称号巡って訴訟したり王政復活呼びかけたりって一体何やってるんですかあのやんごとない方たちは。
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二階には代々のサヴォイア家の王と王妃の肖像やゆかりのものが展示されています。こちらはウンベルト1世とマルゲリータ王妃(ピッツァの人ね)。この王様も狩りが好きだったそうな。アナキストに暗殺されたんだっけ。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世と有名な愛人の写真もありました。ウンベルト1世の次のヴィットーリオ・エマヌエーレ3世の肖像と収集癖グッズもありました。身長が150センチしかなかったという話は有名で(私も知ってる)、ガイドさんがその話をしていたらすかさず「近親婚のせいでしょ」と突っ込みを入れる客も。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の父親は2メートルあったそうなのに、数代で小さくなったのか?
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これが一番の見所らしい大広間。装飾は動物の骨と角で作られているんですよ。アイベックス(スタンベッコ)が中心です。私はこの手のものが苦手というかはっきり言って嫌いなのです。野蛮としか思えません。他の見学者の中にもChe roba!(何これ)と言って嫌悪感を隠さない人たちもいました。
タクシー運転手さんに後で聞いたところ、彼らがこの辺の動物を狩りまくってしまったから数がとても減ったそうです。 -
気持ち悪い・・。(じゃあなぜ写真を撮る?)
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見終わったのでさあ次の城に行きましょう。
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次は近くのサン・ピエール城Château de Saint-Pierreです。中は自然史博物館があるそうなので、外だけ見て入りませんでした。というか、案内ツアーがもう始まっていたので入れてくれなかった。まあいいや、自然史だし(文系なもので)。
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きれいに修復されてます。
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次にこれまた予定に入れていなかったのに連れて行ってくれたアイマヴィル城Château d'Aymavilles です。ここは外見だけでいい、中は何もないからと運転手さん談。写真をとって終わりです。典型的な観光客になりました。
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確かに新しい城だしねえ。好みじゃないな。18世紀にシャラン家によって建てられたそうです。
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ということで、次のクリ(クライ)城Château de Clyです。やはりここもシャラン家の城で、後にサヴォイア家のものになったそうな。
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ここはいかにも中世の古城という感じで雰囲気あります。しかしガイドツアーがもう出てしまったので、写真だけとって戻りました。
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下から見るとこんな形状で、なかなかいいですね。
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いよいよ次は一番行きたかったフェニス城Château de Fenisです。さすがに有名なようで、ここだけは観光客がたくさんいました。ここだけ単独で行くならシャティヨンから市バスがあります。
ここもまたもやシャラン家の城です。このあたりの歴史に疎いので、彼らの権力がどれほど強く、また領土がどれほど広かったのか全く知りませんでしたが、相当なものですね。ちょっと調べてみよう。名前すら知らなかったのです。サヴォイア家の臣下らしい。 -
お城の入り口です。入ったところは狭いので、ガイドツアー開始までは外で待ちます。
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ここも同じく見学はガイドツアーのみ。8月は観光客が多い季節なので、15分ごとにツアー出発でありがたや。英語ツアーもここなら多分あると思います。知らんけど。
城の形がいかにも中世(15世紀なのでかなり微妙)でいいですね。ツアー出発待ちの間に外をぐるっと回ってとりました。 -
イタリア南部やトスカーナと違うのは、緑が多くて夏でも枯れないということですね。
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小高いところにあります。よくこんなところに石を運んだなあとどの城を見ても思います。
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ガイドツアー始まりで城の中に入りました。この城の見所は何と言っても美しい彩色のフレスコ画です。これが見たかったのです。
約10年前にピエモンテのサルッツォ近くにあるマンタ城に行ったとき美しい中世のフレスコに感動しました(だから旅行記はなくてもPC版マイページのカバー写真にしてます)。画風が似ていると思うのです。同じ流派ではないだろうか?文化圏は同じだし。
で、調べてみました。勘が当たりました(エヘン)。これを描いたのはジャコモ・ヤクェリオGiacomo Jaquerio という画家で、マンタ城の壁画を描いた無名の画家にはこの画家の影響が見られるそうです。 -
城内に入ったらこの中庭がありまして、正面に聖ジョルジョ(ゲオルギウス)が竜を倒している壁画が描かれています。
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赤と黒のシャラン家の色で描かれた中庭の反対側の壁画です。
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二階に上がりました。壁画が取り巻いています。
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近くに寄って撮りました。この人たちは知者・学者たちだそうで、古いフランス語が書かれた紙を持っています。構図がマンタ城のと似てます。あれほど優美ではないですけどね。女性がいないからかな。ん?真ん中の方は女性?あ、ちゃうわ!今思い出した。ピーコ・デッラ・ミランドラだとガイドさんが言ってたと思う(おぼろげな記憶)。違ってたらすみません。
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その続き。もっと密着して鮮明に撮るべきであった・・。
しかし見学者が多すぎてうつらないように撮るのが大変だったのです。後から後から次のグループがやってきて追い立てられました。 -
礼拝堂のある広間に行くとあるのが天使と聖人達の壁画です。
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聖人達と慈悲の聖母の絵です。中世後期の定番画です。
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ここは何の絵だったか忘れてしまいました。何となく聖人譚のような感じ。
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これは紋章ですね。
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バラバラになったタイルをこうやって保存しています。
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見学終了。さよならフェニス城。
マンタ城は何度も行きたいが、ここは観光客が多すぎてまた来たいという気になれません。オフシーズンならいいかもですが、ガイドツアーの回数が限定されているかも知れません。 -
そして最後の訪問地、ウッセル城Château d'Usselです。近く(サン・ヴァンサンSt-VincentからシャティヨンChatillonの間)を車で走っていると嫌でも高い丘の上に立つかっこいい姿が目に入ってきて、絶対行きたいという気持ちにさせられます。
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この登って行くときがわくわくします。
シャラン家とサヴォイア家の間で所有が行ったりきたりだったそうです。牢獄として使われていたとのこと。 -
うん、いい姿だ。
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あれあれあれ、修復中・・?裏側だから道路からは見えなかったよ。嫌な予感。
・・入れませんでした。昼休みに入ってしまったという可能性もあります。ちょっと残念だが内部の写真が各サイトにないということは、大したものが残っていないのでしょう。
ということで、行きたい城訪問ミッション完了!アオスタに戻ります。
タクシーのお兄さんは明朗会計で、昨日教えてくれた200ユーロで良いと言ったが、いやいや3つ余分に連れて行ってくれたんだし250ユーロ払いました。
この回終了。
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