2017/12/28 - 2017/12/31
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藤川文化堂さん
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インドネシアに派遣されている間にどうしても行ってみたいところがあった。その一つがビアク島だ。インドネシアの戦跡を調べていくうちに玉砕の島ビアクにたどり着いた。ビアク島の戦いでは無念の死を遂げた多くの日本兵がいたことを知り、どうしてもビアクに行って手を合わせたい気持ちになった。親しいインドネシア人はインドネシアには有名な観光地も多いのに、どうしてビアクに行くのかと心配してくれた。インドネシア語はほとんどわからないが、何とかなるだろうとチケットの予約を始めた。
予約したチケット(時間は現地時間)
2017年12月28日(木)スラバヤ空港 21:25発
↓(Sriwijaya Air)
マカッサル空港 23:55着
2017年12月29日(金)マカッサル空港 02:20発
↓(Sriwijaya Air)
ビアク空港 06:05着
2017年12月31日(日)ビアク空港 11:30発
↓(Sriwijaya Air)
マカッサル空港 13:05着
マカッサル空港 14:40発
↓(Sriwijaya Air)
スラバヤ空港 15:00着
- 同行者
- 一人旅
- 航空会社
- スリウィジャヤ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
西洞窟の次に向かったのは、ボスネック海岸。昭和18年12月25日、日本軍はここからビアク島に上陸した。そして翌年5月27日、この海岸の向こうから米軍艦隊の砲撃を受けたのである。
わたしが立った砂浜では多くの日本兵が亡くなった。米軍の猛攻撃が続いたため、兵士の遺体は動かすことができず、海岸にそのまま放置された遺体は生物の餌となり、自然へとかえっていったという。 -
ボスネックからホテルに戻る途中にあるパライという場所、ここに厚生労働省が建てたモニュメントと呼ばれる慰霊碑があるので立ち寄った。手を合わそうとモニュメントの前に立ったとき、そこに書かれた第二次世界大戦という言葉がとても気になった。
兵士は第二次世界大戦を戦ったのだろうか。当時は大東亜戦争と呼ばれていた。英霊となった兵士は大東亜戦争を戦っていたのではないか。個人的な考えであるが、そんなことを思いながら手を合わせた。 -
ビアク島を離れる日、ホテルから眺める景色はリゾート地のようになっていた。前日の雨空から一転、抜けるような青空が広がり、強い日差しが朝から照りつけていた。
マカッサルに向かう飛行機は11時35分。空港はホテルの前なのでホテルを10時半に出ればいい。昨日行けなかった場所、「ソリド」に向かうことにした。 -
玉砕の島ビアク島から生還した兵士が残した本がある。その著者である渋谷惣作さんはビアク島のジャングルを彷徨ううち、仲間をマラリアや栄養失調などで失い、ついには3人になっていた。3人は食料を求めて夜中に火力発電所に近づこうとした。ゆっくり歩を進めていたところ、仲間が地雷の線にひっかかってしまった。1人は即死、もう1人は虫の息の状態で、30分後に死亡した。さっきまでは3人いっしょだったが、渋谷さんはとうとう1人になった。これまで仲間がいたからこそ生き延びることができた。だがその仲間を失った。
1人になったとき、自決も考えたが、頭には故郷にいる家族、恋人のことが浮かんだ。その夜は戦友のそばで眠りにつくと、夢には2人の戦友が出て来たという。翌朝目覚めた渋谷さんの気持ちには大きな変化があった。この惨状を日本に帰ってみんなに伝えないといけない、亡くなった戦友のことも。だから何とかして生きて帰らなければならないと決めた。
すると50mほど先にスピッツのような白い犬が現れた。飼い犬なのか、ならば近くに家がある。何日も犬について行った。犬を見失うことはあったが、犬は再び姿を現したという。
渋谷さんがたどり着いた場所には、ジャングルを生き延びるもう1人の日本兵がいた。渋谷さんは新たな仲間を見つけ、生きる力も手に入れた。白い犬はそのあと姿を見せることはなかった。渋谷さんは白い犬が最後に亡くなった仲間に思えてならなかった。 -
この話に出てくる場所がソリドかどうかはわからないが、この直前にはソリドにいたとあるから、おそらくソリドかソリドから近い場所であろう。
ホテルからソリドまではアンコットという乗合タクシーを乗り継いだ。途中から歩きに変え、手を合わせる場所を探した。
路地を入っていく人が見えたのでついて行くと、教会があった。すぐ近くには海が見える。ここにしよう。教会の近くで線香を焚き、そこで手を合わせることにした。 -
ホテルに戻る時間を考えると、飛行機出発まであまり時間がなかった。大きな道路を歩いていたが、タクシーが通らないし、車も通らない。そんな時、バイクのおじさんが声をかけてくれた。お金を見せると後ろに乗れと手でサインをしてくれた。助かった。なんとか時間前にホテルに戻ることができた。
-
いよいよビアクを離れる。飛行場から見る空は雲こそあるものの青々としていた。流れる風もスカッとしている。飛行場に立ったわたしの心もビアクに到着した日とは違い、何かすっきりとしたものに変わっていた。
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旅行記グループ 玉砕の島ビアク
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