2024/05/13 - 2024/05/15
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鯨の味噌汁さん
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アルバニアは、長いこと気になっていた国だった。
過去の評判はあまりかんばしくなく、
・欧州の北朝鮮
・欧州最貧国
・ネズミ講で国ごと破産
…みんな香ばしいなオイ。
でもって最近は「カヌーイスト憧れの国」であるらしい。
そのほかトレッキングが人気だとか。
ワシの場合、その両方とも興味がない。
まぁなくてもいい。
ぼちぼちと歩いてみよう。
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-
5月12日、日曜。
テッサロニキを出たバスは、夕日を追いかけるように高速道路を西に走る。
ところどころに水田が広がる。
田植を前の水面が夕日に光るさまは日本と変わらない。
米の貯蔵庫もあちこちに建っている。
ギリシャはヨーロッパでも有数の米どころなのだ。 -
やがて、日が落ちる。
バスは海沿いの道をそれ、バルカンの山中に入っていく。
夜行バスでは眠れないタチなので、タブレットに落としてある歴史小説をぼちぼちと読む。
ふと、思い出す。学生のとき、やっぱり欧州旅行に文庫本を一冊だけ持って行った。角川文庫の「平家物語」。
夜行列車の中で繰り返し読んだっけ。
文庫本からタブレットに変わったけど、人間、やってることは変わらんもんだ。 -
23時ちょうど。
バスが停まり、助手が「パスポート」。
どうやら国境に着いたらしい。乗客はパスポートを持って税関に並ぶ。
ここからアルバニアだ。 -
午前4時。
バスが大きな町につき、乗客はぞろぞろと降り始める。
google map で確かめると、首都のティラナだった。
ワシが持っているチケットはシュコダルまでで、到着は7時の予定。
なおかつチケットには「DIRECT」と明記されている。つまり直行便のはず。
助手氏に「シュコダル???」と訊くと、シッシっと手を振って「あっちへ行け」みたいなことをゆってるらしい。ギリシャ語かアルバニア語か。
「こまったこまった、こまつたつおー」
などとつぶやきつつ、バスターミナルをウロウロする。
何人かの乗客はそのままベンチに座っていた。
さいわい、バス会社のオフィスに人がいた。おおお地獄に仏。
「シュコダル???」
チケットを見せると、キレイな英語で
「ここで待て、フォー・サーティーにミニバスが来る」
どうやら「DIRECT」は「乗り換えなし」ではなく「同一バス会社で接続」の意味らしい。ええいまぎらわしい。
でもこれで安心してオシッコ行ける、と有料(0.5ユーロ)トイレで元気に朝の放水。
ついでに歯も磨き、トイレから戻り、ベンチに腰掛ける。煙草を一本吸い。腕時計を見る。4時40分。
フォー・フォーティだな。
10分過ぎてるな。
待て待て。ちょっと待て。もう行ってしもたのか。初手から乗り遅れか。どーすんだよ。
一人で青くなる。だがしかし、周囲の方々はのんびり座っている。
スマホを取り出すと、3時45分だった。
ギリシャとアルバニア、1時間の時差があるらしい。 -
7時半、アルバニア第四の都市シュコダル着。
ホテルのチェックインは13時からなので、まず荷物を預けに寄る。
バスでは眠れず、たいそう疲れていたので、フロントのパツキンお姉さんに
「今すぐベッドで眠れたらハッピーだ」
それとなくアーリーチェックインをおねだりしてみたのだが、
「13時からだ、これから掃除だ、おととい来やがれ、このハゲ」
みたいに冷たくあしらわれてしまい、遺憾である。ナンパされたと思われたかもしれん。 -
眠い目をこすって街歩きに出かける。
街の真ん中にモスクとカトリック教会が並んで建っている。
でもって広場には猫背のオバーチャンのブロンズ像。
近寄って見るとマザー・テレサだった。アルバニアはゆかりの国であるらしい。
ここだけでなく、マザー・テレサ像はあちこちで見た。銅像だけでなく大理石造り、コンクリート作りもあった。
バスで移動中にもいくつか発見したので、日本における二宮金次郎みたいなものでであろう。
やがて、正午の鐘が鳴る。すると教会の横の窓口が開き、シスターの方々によるお弁当配布が始まった。
身なりの貧しいおじさんおばさんがそれを受け取っていく。
なるほどマザー・テレサだな、と妙に納得する。
本能でワシも並びかけるが
「いやいやそれはさすがに」
と思いとどまる。 -
ぼちぼち歩いてツーリスト・インフォメーションを探す。
きょうは街歩き、あすは郊外へ行くつもりだ。
シュコダルは地球の歩き方に乗ってない町だけど、ネットで探すと「郊外には自然満喫のアクティビティがいっぱい」なんて書いてある。
アクティビティってなんだよ。ワシが子供の頃はレジャーって言ったぞ。
どっちにしろあんまりハードなのはイヤである。
歩きたくないし山道も坂道もイヤだしカヌーも漕げない、バンジージャンプなんぞは論外だ。
あくまで物見遊山系でお願いしたい。 -
ツーリスト・インフォは街の中心地「ホテル・ロザファ」の横にあった。
見るからに不愛想なお姉さんに地図を貰い、
「ワンデイ・トリップ希望、アクティビティ希望」
するとホイ、と紙切れ一枚をくれ「そこに電話しな」。
ツアー主催会社は「ガブリエル・ツアー」とある。
google map で検索すると徒歩5分と出たので、電話じゃなくて直接訪ねることにする。 -
たどりつくと間口一間の小さなオフィスだったが、こちらのお姉ちゃんはニコニコと愛想がいい。
ワンデイトリップのパンフレットをもらい、その中から「近場のダム湖(コマン・レイク)を船で遊覧」なんてお手軽なのを申し込む。
一日遊べて40ユーロ、まずまず安い。
船なら歩かなくていいから楽ちんだ。湖の名前もほんのり色っぽくてよろしい。 -
明日の予定は決まったので、13時にホテルに戻りチェックイン。
3日間の洗濯物を袋に入れ、フロントで尋ねる。
「セルフサービスのオートランドリーは」
「ない。フツーのランドリー(クリーニング屋さん)ならある」
100メートルほど通りを歩くと間口一間の小さなお店で、人妻ふうのコケティッシュ美人が店番をしていた。ワシのどまんなかストライクなので
「ユーはテイクアウトできるか?」
なんて聞きそうなるが、そこはグッとこらえ(当たり前だ)
「あさっての朝9時までにこれ全部」(ズボンにパーカー、おパンツ2枚シャツ2枚靴下3足)
コケティッシュ人妻は中身をざっとチェックし
「きょう6時にできますわよん。500レク(800円ほど)でいい?」
奥様におパンツ洗っていただけるのであれば倍でもええです。
そのまま宿に戻ってゴーゴーお昼寝。(恒例)
目が覚めると5時だった。
洗濯物を受取り、ホテルで早めの夕飯。
ペコペコだったんでラムのローストを注文、完食。サラダのトマトがうまい。 -
翌5月14日、火曜。曇りで薄日のさす陽気。
だがしかし天気予報は「曇り時々雨」。気温は上がらないらしい。
まぁ船に乗ってればいいんだから雨でもいいや。
アクティビティとやら、どこからでもかかってきなさい。
7時半にミニバスが迎えに来る。あちこちで客を拾って都合11人。若いカップルが多い。単独参加はワシを含め3人。
地図で確認するとコマン・レイクは市街地から15キロほどしか離れていない。
よって30分もあればつくだろう、とのんびり構える。
だがしかし、市街地を抜け山間部にミニバスが入っていくと、道の状態が一変した。
登り坂でカーブ連続まではいいのだが、穴ボコだらけ。スキー場のコブみたいに道全体がうねってるところもある。
その中を走るんだからミニバスはシケの海の漁船みたいな状態になる。
それまで賑やかだった車内が沈黙する。そりゃそうだ、この状態で会話なんてできるわけがない、間違いなく舌を噛む。
天井に頭を1ダースぶつける。内臓がはげしく撹拌されて気持ち悪い。
シェイカーのなかで上下に揺さぶられるカクテルになった気分だ。
さらには大腸が刺激を受け、必要以上の蠕動を開始する。
これがアクティビティか。アルバニアのアクテビティとはこれであったか。
もともと旅に出ると便秘であって、金曜日に浦和の自宅で投下したのが最後である。
3日分、まとめてお出ましになるのであろうか。
その場合、何とか穏便にお願いしたい。 -
1時間走って船着き場。揺れすぎて内臓が痛く、早くもヨレヨレである。
船は30人ほどが向かい合って座る、ボートの親玉くらいのヤツだった。松江のお堀巡りの遊覧船と同じ作りだ。
するとお隣に賑やかなお姉さん3人組が座った。車内では見かけなかったから、他のツアーからの合流だろう。
東アジア系、東欧系、南米系の3人娘。3人ともショートパンツでおみ足が眩しい。
と、東アジア系の女性が言う。
「日本人ですかー」
ありゃま。あなたは日本人なの?
「いえ、私はイギリス人です」
なんで日本語しゃべるの、学生さん?
「アクターです、日本大好きで何回も行ってます!」
3人ともロンドンで活動する女優さんだそう。ミュージカル「となりのトトロ」の英国公演のメンバーだという。
動画もいくつか見せてもらったが、ネコバスなんぞがうまく再現されてかっこええ。
そういえばロンドンってミュージカルの本場だもんな。
「きょうの道、帰りはネコバスでお願いしたい、あれなら揺れない」
ワシがボケをかますと大いにウケる。それを隣の二人に通訳してくれ、また大ウケ。よしよし。
https://www.youtube.com/watch?v=jFsED3izkkg -
お嬢さんの名前はナオミで両親中国人。
子供の頃に北京からロンドンに家族で引っ越ししたそうな。明るくて元気なお嬢さんであった。年齢は30代の半ばだろうか。
ボートはダム湖を奥に向かって走る。
ところどころに小さな船着き場があり、カヌーが係留され、釣人がいて、ゲストハウスが建っていた。
断崖を移動する野生のヤギも目撃した。
みなさま新しい景色が広がるごとに歓声を上げる。
ヨーロッパ人にとって渓流とか山脈はわざわざ訪ねていって見物するものらしい。
いっぽう急峻な山河が身近にあるわれわれ日本人にとって、ダム湖って見慣れた風景のひとつだ。エチゴには奥只見湖もあるしね。
…などとぼちぼち見物していると、一天にわかにかき曇り、横殴りの風雨が来た。
ちゃちなボートにビニールシートの屋根をかぶせただけのものだから、たちまち濡れネズミになる。
のみならず、急激に冷えたせいで徐々に腹が痛くなる。
お腹の3日分が液状化を開始。もはや待ったナシである。千秋楽であり大一番である。
横には日本語を解すかわいらしい女優さんとゆう、大変喜ばしい状況なのに、よりによってなんでここで千秋楽。
ワイルドなアクテビティってこれか。
確かにワイルドであるが個人的体験過ぎる。汎用性に乏しいだろ。 -
そのうち脂汗がわんわん噴出し、雨で濡れてるのか脂汗で濡れたのかわからなくなる。
とりあえず船内お漏らしだけは避けなければならないので、元気に歌うことにする。
そういえば遠藤周作も言ってたな、「ウンコをガマンするときはリズミカルな歌に限る」
とゆうわけで、いきなり「トトロ」を歌い出す。
トトロは鯨家の子育て定番ビデオだったので、ソラで全部行ける。
すると三人娘も喜んで追従する。フルコーラスで歌って次は「歩こう歩こう、私は元気」。
おお神も照覧あれ、ワシはトトロを歌い、下半身の試練に耐えております。
ダム湖の一番奥にボートがついたときには幽体離脱寸前であった。
みなさま、昼食の席に就いたりトレッキングに出かけて行ったりであるが、ワシはトイレ直行。
ゲストハウスにはトイレが4つ。そのうちの一つを、1時間半の滞在中、ほぼワシが占拠した。
痛いし苦しい。脂汗が止まらない。さらには気持ち悪くて立てない。
新しいボートがつくと、お客さんがドヤドヤやってきて、ドアをノック。そのたびにご返事するのは心苦しかったが、ミニバスでの内臓撹拌、さらに雨でのドン冷えで、3日分が一斉に来たのであるからやむを得ない。 -
凸凹道を引き返し、シュコダルに戻ったら、最初に目についた薬屋に飛び込む。
「旅のものですが、差し込みが」
なんてことは言わず、google 先生に「下痢止め」を翻訳してもらう。
でもってスマホの画面を見せると、クスリを売ってくれた。
たいそうよく効いたので吉とする。
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