広島県　バブル遺産の面影が色濃く残る臨海公園　潮風に当たりながら「呉ポートピアパーク」をぷらっとモリ散歩　オッサンネコの一人旅

2023/11/22 - 2023/11/23

オッサンネコです。

それは30年も前の事。
日本という国はバブルという泡沫の夢にわいておりました。
とにかくお金は使えや使え。
狂気の宴のたけなわに、日本各地にはいろんなハコがつくられました。

その中のひとつが、呉ポートピアランド。
情熱的な太陽の日差しが降り注ぐスペインの高級リゾート地
「コスタ・デル・ソル」をイメージにして
多くのアトラクションを備えたレジャー施設だったのですが、
バブル崩壊後、わずか6年で廃止に追い込まれる結果となりました。

しかしながら、その跡地は「呉ポートピアパーク」として、
誰でも入れる市民公園として一般に開放されているそうな。
そして公園には当時の面影を感じさせるモノが残されているそうな。
バブル期の恩恵に全く与れなかった世代として、
そんな面白い情報を聞いた以上は…　行かねばならぬでしょう。

果たして「呉ポートピアランド」はどの様なハコだったのか。
その時の記録です。

エリア 呉・海田・安浦(広島)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: ANAグループ JRローカル 徒歩

どうもどうも、オッサンネコことモリネコちゃんです。
前回、スカイレールに乗ってヒャッハーした後のお話。
広島で呉線に乗り換え、電車にゴトゴト揺られること30分。
呉ポートピアパークの最寄り駅、呉ポートピア駅で降車。

呉ポートピアランドはもうないけど、名前はそのまま呉ポートピア駅。
まぁ「呉ポートピアパーク」として生まれ変わっているので、
問題は全くないのである (*´з`)

階段を上がって改札口。
ステンドグラスから漏れる光が構内を淡く浮かび上がらせていますぅ。
テーマパークという主を失っても、コンセプトだけが幻影の様に
残されているのがバブル遺産探索の醍醐味 (ΦωΦ)ﾌﾌﾌ…♪

改札口を出て公園までの連絡通路。
通路から既に見えているロシア正教の教会みたいなアレ…。
かつての呉ポートピアランドのランドマークだっっ。
既に興奮度マックスで足早に連絡通路を駆け抜けていきますぅ。

早速入り口の前でお出迎えしてくれるのがこのブロンズ像。
世界的に有名な西洋文学に登場する寓話の騎士『ドン･キホーテ』ですな。
ドン・キホーテは当時のスペインを風刺したパロディ作品であり、
当時の騎士社会における制度や因習を文学的にディスっているのです。

でもドン・キホーテって…共通点はスペインってとこだけで、
コスタ・デル・ソルとはあんま関係ない気がしますが…
まぁ当時はネットも何もなかったので良しとしときましょう (*´з`)

さていざ入場…と思ったけど、周囲があまりにも閑散としすぎちょる。
はてはて、何か変だなと思い始めた矢先…。

おや…　ゲートが閉まってる？　……( ﾟДﾟ)……

………( ﾟДﾟ)………


まさかの休園日ぃ━━━(ﾟ∀ﾟ≡(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)≡ﾟ∀ﾟ)━━━━ｯ!!

嗚呼、此処にきて自分の行き当たりばったりな性格を呪いたい…。
まぁ愚痴をこぼしても仕方ない。
思案した結果、翌日もう一度再訪してみる事にしました。
呉ポートピアパークは水曜日が休園日！
皆様もご注意をば。

はい、という事で翌日またやってきました (¯∀¯*) ｳｼｼ
ちゃんと調べとけば二度手間にならなかったのに…。

まず誤解のない様に最初にご説明。
当方、人が映らない様に写真を撮っておりますが、
公園内はキッズを連れた家族でおおいに賑わっておりました。
人が全くいないワケではないのです。

まずはここ。呉ポートピアパークの西出口跡。
正面出口と比べて此処は閑散としちょりますのぅ。
昔はここでもチケットをパッチンしてたんでしょうね。
二度と上がる事のないシャッターが何か物悲しい雰囲気… ( ﾟДﾟ)

海側のテラスでは穏やかな瀬戸内海を拝む事ができまっす (*´з`)
あらま、なんと美しい海ざんしょ。

そしてこの懐かしの円盤状のテーブル…。
中央にパラソルを立てる支柱が辛うじて残っております。
モリネコの少年時代には、夏のプールには必ずこのテーブルがあって、
アメリカンドッグをもしゃもしゃ食べてた記憶が蘇るのです (*´艸`)?

公園内のレトロ地区をぷらりぷらり。
この辺は呉ポーの建物をそのまま使ってる感じですね。
何とか地中海テイストを出そうとした感じが微笑ましい。

いや、地中海リゾート、行った事ないから知らんけど。

そもそも、コスタ・デル・ソルとは何ぞや？
実際にスペインに「コスタ・デル・ソル」という名前の町は無く、
スペイン南部の地中海に面した海岸地域一帯の事を指す名称となります。
すごーくラフに例えると、日本の「湘南」がそれに近いかと (¯∀¯*)
「太陽海岸」の名前が示す通り、年間を通じて気候は温暖ぽかぽか、
なので、国際的にも屈指のリゾート観光地となっています。

ちなみにFFⅦでもコスタ・デル・ソルはリゾート地として出てきます。
私らの世代にはこっちの方が有名かも… (ΦωΦ)ﾌﾌﾌ…

手洗い場のレプリカもバブル遺産を感じられていい感じ。
ちょっと怖いが。

レトロ地区（自称）はややくたびれた感じ。
残念ながらこの辺を歩きながら、
「お～　エスパニョ～ル…」とは絶対ならないのである。

かつてのテーマパーク　呉ポートピアランド。
通称「呉ポー」。
TRFの「JOY」という曲のプロモがここ呉ポーで撮られています
YouTubeで見る事ができるので、興味があれば検索してみてね。

お！なんか西欧っぽい風景が撮れたぞ。
もはやバブル遺産と趣旨違ってるけど、まぁこれはこれでOK (*´艸`)?

レトロ地区（自称）の中心には見た目リッチな噴水がありますが…
つくりもの感がハンパないっす。ｳｪ━━ (σﾟ∀ﾟ)σ ━━ｲ

これもテーマパーク時代の名残でしょうか…( ﾟДﾟ)
ここまでテーマパークの遺産が活用されているのも珍しいですじゃ。
倉敷チボリ公園など、本来は痕跡を探す方が大変なんだけどね。

呉ポートピアパークのシンボルドーム。
ブルガリア正教会のドーム型教会を彷彿させる外観。
シブい… ( ﾟДﾟ)
残念ながら内部は立ち入りができない様です。

呉ポートピアランドは阪急電鉄と呉市が出資し、
第三セクターとして1992年に開業しています。
開業初年度は年間90万人程度の入場者数を確保できていたのですが、
入場者はその後、年々減少。
比較しちゃいけないけど、同時期のTDRの入場者が約1,500万人…。
うん、レベチですね (lll-ω-)

料金は大人1,400円也。
アトラクション毎にチケットを購入する昔ながらの遊園地スタイル。
6年半の経営期間中、呉ポーの収支が黒字になった事はほぼなく、
抱えた負債の総額は114憶円と、もはや壊滅的な経営体制でありました。
尚、出資元の阪急電鉄は、今回の呉ポーの教訓を活かして、
倉敷チボリ公園の出資の話もあったのですが、完全に手を引きました。

結局経営破綻の理由は入場者数を稼げなかった事に尽きるのですが、
リピーターが付くような魅力的なアトラクションがなかった事と、
広島県民の熱しやすく冷めやすい県民性も要因の一つだったそうです。

そして市民の公園の中に婚活サポートセンター…。
キッズが戯れる公園の中で、ここだけオトナのかほりが漂ってますが…

公園内にはかつて呉市街を走っていた呉市電も展示されていまっす。
呉市電は車社会への移行に抗えず、1967年に惜しまれつつも廃線。
車両は廃線後に、伊予鉄道に譲渡されましたが、
勇退後に晴れて呉に戻ってきたという事になります。
ええ話や (*´▽`人)

ライトレールが見直されている中、今だったらワンチャンあったかもね。

内装はまっこと見事に昭和のかほり。
板張りの床とか、ついついお触りしちゃう青シートとか、
いいじゃないの、いいじゃないの (*´з`)

なんと呉ポーの面影を今に残す貴重な遺構を発見（笑）
今日イチの成果や～ (*´艸`)?
恐竜かカモノハシかは分からんけど、これが何かと申しますと…

昔、公園でよく見かけた水飲み場…でしたぁ♪
このタイプの蛇口は確実に淘汰されてますね。
水はもう出ないので、っていうかレバーがぶっ壊れているので、
残念ながら当時に耽る事はできませんでした。

駆け足ではありますが、呉ポートピアランドの探索はこれにて終了。
テーマパーク時代の面影は…　確かにありました！

呉市は第三セクターの巨額赤字の負い目があったのか、
跡地を市民公園として無料で一般開放した結果、
廃テーマパークの活用にうまくハマったのだと思います。

昨今、廃墟となったテーマパークどうする問題が取り沙汰されている中、
この呉ポーの事例が全国各地で広がれば面白いんですけどね。

最後に駅のコンコースから望むシンボルドーム。
高級リゾート地でうぇーいした気持ちにはなりませんが、
潮風に当たりながら、ぷらりお散歩するにはちょうどいい場所なのかと。
バブル期の熱量を夢想しつつ、今は穏やかな公園に乾杯、なのでした。

広島の旅、もう少し続きます♪

この旅行記へのコメント （4）

• naniwa ladyさん 2024/06/30 06:06:43

  はじめまして🎵

  オッサンネコというネーミングにおもわずニヤリ、呉ポートピアランド、このような施設、本当に全国にありますよね、主婦なので、あまりバブルの思い出が、ありません、楽しい文章、有難うございました?

  morisukeさん からの返信 2024/07/08 13:18:55

  RE: はじめまして🎵

  Naniwa lady 様
  
  こんにちは〜。返信が遅くなり申し訳ありません。
  私の父親は半分親方日の丸のお仕事だったので、私も世間一般で言うバブルの恩恵は全くありませんでした（笑）　バブルでも食卓に並ぶ晩御飯は何も変わらず…　世間の浮かれ具合は何なのだと子供ながらに不思議に思っていました。私は団地暮らしだったので、当時新興住宅地に住む一軒家の同世代が羨ましくてしようがなかったのですが、今思えば山の上とかとんでもねぇとこに家があったので、まぁ一長一短だったのでしょうね。
  
  バブル遺産っぽいものってまだまだ全国にたくさんあるので、不法侵入にならない範囲で探索を続けていきたいなぁと思います (*´з`)　今後ともよろしくお願いします！
  
  Mori Neko

• 横浜臨海公園さん 2024/05/29 09:50:05

  全国各地のバブルの恥遺産

  morisukeさま、おはようございます。
  
  何時も旅行記を興味深く拝見させて頂いております。
  昭和末期から平成最初期のバブル時代、東京ディズニーランドにあやかろうと、全国各地に雨後の筍の如くテーマパークが建設されましたが、成功例は北九州ぷぺーすワールドぐらいなもので、他施設は所詮は低予算で工事を行う為に、ノウハウなど皆無で無恥な地元土建屋が施工したセコい施設は、狸の泥船の如きハリボテバレバレで、１度訪れ２度訪れぬ施設ばかりが乱立となり、最悪例は宮崎シーガイアでした、広島県内はポートピア以外にナタリー宮島という滑稽極まる施設２個所は過剰も過剰で、ドチラも共倒れとなった事はご承知の事と思います。
  全国各地跡地横を通るにつけ、もっと賢いカネの使い道たる発想をしなかった理由が見出せません。
  
  
  
  横浜臨海公園

  morisukeさん からの返信 2024/06/04 12:55:26

  RE: 全国各地のバブルの恥遺産

  横浜臨海公園様
  
  書き込みありがとうございます。返信がすっかり遅くなってしまいました。
  タヌキの泥船…　当時を知る方の貴重な言葉ですね（笑）　私は九州に縁あって、スペースワールドもシーガイアも両方こどもの頃に行ったことがあります。シーガイアは子供の目には画期的なテーマパーク…に見えたのですが、大学生で再訪した時にあまりのチャチさに愕然とした覚えがあります。最終的にUSJの開園が有象無象のテーマパークにトドメを刺した形になりましたが、稀に「養老ランド」の様な怪しい遊園地がまだまだ頑張っているのは嬉しい限りです (*´з`)
  個人的には、バブル遺産ではないけれども、滋賀県にあったびわ湖タワーに思い入れがあります。昭和の遊園地感がハンパなかったのですが、やはりバブル後の2001年に業績不振で廃業しています。もし残ってたら、逆に今の令和世代にはエモいんじゃないかなーと。
  
  怪しい場所は大好物なので、今後もしっかり探索していきたいと思います (*^-^*)
  今後ともよろしくお願いします。
  
  Mori Neko