阪急交通社のツアーはブルージュ旧市街の城壁内のホテルに2泊するというのが一つの売り物になっている。確かにホテルの周囲は白鳥の優雅な姿を眺めることができる緑地公園で、夜景の美しい市の中心部まで徒歩で行くことができる。半面、ホテルの設備は古く、ドライヤーから煙が出ていると思ったら、火花を出してケーブルが燃えてしまった。一長一短である。<br /><br />ところで、ブリュージュはフランス語読み、オランダ語ではブリュッヘ、オランダ語はドイツ語に似ており、ブリュッケから類推できるように、橋を意味する。市内に張り巡らされた運河にかかる橋がその由来である。ベルギーを代表する観光都市であり、2002年には、スペインのサラマンカとともに欧州文化首都に選定された。ブルージュ市内には「ブルージュ歴史地区」のほか、「フランドル地方のベギン会修道院群」「ベルギーとフランスの鐘楼群」の３ヵ所がユネスコ世界遺産として登録されている。<br /><br />とにかくため息が出るほど美しい街並みだ。茶色のレンガ造りの建物と石畳の道路に加えて、市内に張り巡らされた運河と、石造りの橋の数々、中世ヨーロッパの都市デザイナーの美的センスは万人を納得させる説得力を持っている。「石畳の美しい中世都市」のイメージ通りの町であると思う。旧市街では馬車が走り、恐らくは中世の時代とさほど変わらぬ光景を見せてくれる。９世紀に建てられた城塞が街の起源であり、13世紀になるとハンザ同盟の在外商館がおかれ、イギリスや北欧と交易を行い、金融・貿易の拠点として繁栄した。15世紀以降運河に土砂が堆積し機能しなくなり、一旦はその重要性を失って衰退した。しかし、19世紀に運河は再生され、幸いにして2度の大戦でもブルージュが直接攻撃される事は免れ、美しい水の都として中世の面影を残した町並みが現在まで残された。<br /><br />もうひとつこの町で特筆すべきは、聖母教会内部の、博物館として仕切られた中にある、イタリア以外にはルーヴルとエルミタージュとここでしか見ることができないミケランジェロの作品、聖母子像である。聖母の慈愛に満ちた気高い表情と、生き生きとしたキリストの表情はミケランジェロ以外には創造しえない。ここを訪れるだけでもブルージュに来た甲斐がある、と言える。ちなみにツアーにはここを訪れる予定は含まれておらず、添乗員さんに頼み込んで、べギン修道院訪問には参加せず聖母子教会に立ち寄った。

名画を巡る旅No.4：ブルージュを訪れミケランジェロを鑑賞

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2024/03/22 - 2024/03/22

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旅行記グループオランダ、ベルギー、フランスの名画を巡るツアー

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2024/03/22

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阪急交通社のツアーはブルージュ旧市街の城壁内のホテルに2泊するというのが一つの売り物になっている。確かにホテルの周囲は白鳥の優雅な姿を眺めることができる緑地公園で、夜景の美しい市の中心部まで徒歩で行くことができる。半面、ホテルの設備は古く、ドライヤーから煙が出ていると思ったら、火花を出してケーブルが燃えてしまった。一長一短である。

ところで、ブリュージュはフランス語読み、オランダ語ではブリュッヘ、オランダ語はドイツ語に似ており、ブリュッケから類推できるように、橋を意味する。市内に張り巡らされた運河にかかる橋がその由来である。ベルギーを代表する観光都市であり、2002年には、スペインのサラマンカとともに欧州文化首都に選定された。ブルージュ市内には「ブルージュ歴史地区」のほか、「フランドル地方のベギン会修道院群」「ベルギーとフランスの鐘楼群」の３ヵ所がユネスコ世界遺産として登録されている。

とにかくため息が出るほど美しい街並みだ。茶色のレンガ造りの建物と石畳の道路に加えて、市内に張り巡らされた運河と、石造りの橋の数々、中世ヨーロッパの都市デザイナーの美的センスは万人を納得させる説得力を持っている。「石畳の美しい中世都市」のイメージ通りの町であると思う。旧市街では馬車が走り、恐らくは中世の時代とさほど変わらぬ光景を見せてくれる。９世紀に建てられた城塞が街の起源であり、13世紀になるとハンザ同盟の在外商館がおかれ、イギリスや北欧と交易を行い、金融・貿易の拠点として繁栄した。15世紀以降運河に土砂が堆積し機能しなくなり、一旦はその重要性を失って衰退した。しかし、19世紀に運河は再生され、幸いにして2度の大戦でもブルージュが直接攻撃される事は免れ、美しい水の都として中世の面影を残した町並みが現在まで残された。

もうひとつこの町で特筆すべきは、聖母教会内部の、博物館として仕切られた中にある、イタリア以外にはルーヴルとエルミタージュとここでしか見ることができないミケランジェロの作品、聖母子像である。聖母の慈愛に満ちた気高い表情と、生き生きとしたキリストの表情はミケランジェロ以外には創造しえない。ここを訪れるだけでもブルージュに来た甲斐がある、と言える。ちなみにツアーにはここを訪れる予定は含まれておらず、添乗員さんに頼み込んで、べギン修道院訪問には参加せず聖母子教会に立ち寄った。