2020/02/21 - 2020/02/21
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たけむらあきとさん
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ズントーの活動拠点ハルデンシュタインに隣接する都市クールとスイスと国境を接するオーストリアのブレゲンツでの建築探訪第2段。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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昨日は感動の聖ベネディクト教会から元来た山道を下り、最寄駅のスンビッツ(Sumvitg)まで戻り、そこから列車で約1時間、クール(Chur)にたどり着きました。
ここはズントーのアトリエのあるハルデンシュタイン(Haldenstein)に隣接する比較的大きな街であり、彼の作品がいろいろな存在します。クール駅 駅
-
まず向かったのは、ローマ遺跡発掘シェルター。
見学にはクール駅の観光案内所で自ら鍵を借りて入る必要があります。
1986年竣工のこの作品もズントーならではの独特の意匠を持っています。
建物外壁の木製ルーバーが外との境界を作ると共に、遺跡保存のための空気の循環を可能としています。
地面から浮いた鋼板の入り口も秀逸で、内部の通路へと繋がっています。 -
建物は遺跡の形状に合わせて2つのボリュームの建物で構成され、入り口からつながる鋼板の通路が一直線に内部を貫き、2つの建物をつなぐと共に、そこから階段で敷地に降りて、展示物と共に内部を見学できます。
またそれぞれの建物のボックス型のトップライトと大きなガラス窓は光を取り入れ、内と外を繋げ、空間に広がりを与えています。 -
ローマ遺跡発掘シェルターを後にし、次に向かったのがクール・ビュンドナー美術館。
その道すがら、思いがけずサッチャーさんにお会いすることができました。 -
1990年竣工のビュンドナー美術館は、1870年代の建物と1900年代前半に建てられた旧自然史博物館からなる美術館。その二つを結ぶブリッジなどの設計をズントーが行ったようですが、近年さらなる改築がなされて、そのブリッジは今はもうありませんでした。
ちなみに、あの映画「エイリアン」のデザインで有名なH・R・ギーガーは、このクールの街出身。美術館の中庭に彼の作品が鎮座していました。州立美術館(ビュンドナー美術館) 博物館・美術館・ギャラリー
-
そして次に向かうはクールの街最北に位置する「マサンスの老人ホーム」。
町の中心部から歩いて30分の道中となりましたが、その間に出会う街の日常の風景もとても興味深いです。 -
こちらが「マサンスの老人ホーム」。1993年竣工のキリスト教の教会が所有する建物です。
現在も実際に住人によって使用されているため、内部を見学することはできません。
2月という緑も枯れた時期に訪れたのもあって、周りに人を見かけることもなく正直寒々とした印象で、あまり良い写真が撮れませんでした。
建物は21戸の部屋からできており、その形はシンプルな長方形。庇も浅く、日本のような雨樋もありません。日本のような地面から立ち上がった土台はなく、1階の床は外の地面とフラットに繋がっています。こんな潔い意匠が許されるのもその土地ならではの気候風土の賜物。少し羨ましくもあります。
またそのシンプルな形状の建物を石、木、ガラス等の天然素材が構成している為、冷たい印象とはならず、むしろ味わいと暖かみを感じずにはいられません。
年と共に経年変化していく建物の中で、そこに住む人たちの幸せな暮らしが目に浮かぶようです。 -
マサンスの老人ホームを後にし、次に向かったのはスイスと国境を接するオーストリアの街ブレゲンツ。クールからは列車で約1時間の距離です。
スペインからフランス、オランダ、スイスそしてオーストリアへと今回5カ国目のヨーロッパの国訪問となりますが、EU圏内はパスポートチェックもなく、シームレスにつながっている感じ。
厳密にはシェンゲン協定というやつで、スイスはEUには加盟していませんが、シェンゲンには入っています。
ちなみにEUは政治経済連合、スイスではユーロは使えません。
独自通貨は慣れるまで時間がかかります。特にコイン。
でも今回役20年ぶりの海外でしたが、スマホやカードの浸透度を実感。
今やGoogle先生がすべて案内してくれる時代。便利になりました。
昔はトレべラーズチェックとかあったけど、若い人は知らないだろうなぁ。 -
さて少し横道にそれましたが、話は肝心の美術館へと移ります。
ブレゲンツ美術館はこの旅でこれまで私が見てきた素材を活かした、ある種ヴァナキュラーとも言えるズントーの作品とは違って、全面ガラスで覆われた近代的な面持ちです。
それでも冷たい印象はなく、むしろ曇りガラスのキューブに触れてみたくなる衝動に囚われるのは私だけでしょうか?
その要因がすりガラスにあることは自明の理。
透明ガラスと違って、内と外それぞれのものの存在を曖昧にする。光さえも。
4層(いわゆる4階建)の空間はそれぞれワンルームで構成されており、1階は壁から、それ以外は天井からすりガラスを通して自然光を取り入れています。
この日のは、それぞれの階で空間全体を使ったインスタレーションやワークショップを行っており、1階は光を遮った暗転の空間となっていました。
このように、その期間それぞれの作家の意図する作品によって、光のあり方を変化させ、作品を展示することができるようです。
そしてどうしてこのような作品が形となったのかは、ズントーのアトリエに携わる杉山幸一郎氏のこちらのブログをご参考ください。
https://architecturephoto.net/108803/ -
クールからブレゲンツへの駆け足でのスントー建築探訪第2段でした。
当初ズントー建築はこれでお終いと思っていましたが、これまでの訪問でさらなる想いが募り、この後第3段へと続きます。
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