JR九州の『いぶすきたまて箱号』で指宿へ

2023/06/29 - 2023/06/30

JR九州のテーマ列車は水戸岡鋭治の力作揃い。今回は鹿児島中央から指宿の1時間の旅。指宿に桃太郎伝説が残ることからそれをテーマにした『指宿たまて箱号』。ユニークな列車の内外装デザインのとどまらず、写真撮影サービス、スタンプサービスなど盛りだくさん。
指宿でのお楽しみは砂蒸し風呂。砂に埋められた途端に鼻の頭がかゆくなるのは誰もがそうなのだろうか。苦行の10分だった。

エリア 指宿(鹿児島)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

指宿が浦島太郎伝説発祥の地だと初めて聞いた。丹後にも浦島伝説が残っているけど・・・。
JR九州の特急『指宿のたまて箱』号はそれをテーマとした列車。

鹿児島中央駅 駅

「黒髪だった浦島太郎が玉手箱を開けたら白髪になってしまった」というストーリーを表現して、車両の海側が“白”、山側が“黒”のツートンカラーで彩られている。

鹿児島中央駅 駅

略称は『IMUTAMA』。
「ななつ星in九州」などで鉄道車両デザインに革命を起こした水戸岡鋭治の仕事だ。

鹿児島中央駅 駅

二両連結だが、１号車の車内には南九州産のスギ、２号車にはチーク材が使用された、木材に包まれ ぬくもりと豪華さを備えたデザインが旅情をそそる。

指宿のたまて箱 乗り物

海側には窓を向いたカウンター座席がある。
すわると、目の前には一面に海の景色が広がる。

JR指宿枕崎線 乗り物

この二人はカナダから来たウクライナ系のご主人と日本人の奥様のカップル。
窓にかじりついて錦江湾越しの桜島をカメラに収めていた。

JR指宿枕崎線 乗り物

通路を挟んだ山側にはソファー席。

指宿のたまて箱 乗り物

壁面に空いたスペースがあると、ちょっとしたアートが掲げられている。

指宿のたまて箱 乗り物

絵本風イラストや

指宿のたまて箱 乗り物

図鑑風細密画。

指宿のたまて箱 乗り物

浦島伝説の絵本。

指宿のたまて箱 乗り物

子供向けに書棚も備えられている。

指宿のたまて箱 乗り物

インスタ映えスポットが多いことで、停車中から撮り鉄が大活躍。中国系も多い。

指宿のたまて箱 乗り物

場所によっては思ったより上下動が激しく、そのせいか方々に掴まるところがある。

指宿のたまて箱 乗り物

運転席。

指宿のたまて箱 乗り物

車掌席。

指宿のたまて箱 乗り物

アテンダントの基地でもあるギャレースペース。

指宿のたまて箱 乗り物

ワゴンサービスでは、関連グッズも販売している。

指宿のたまて箱 乗り物

残念ながら窓一杯に海の広がる区間は意外に少ない。

JR指宿枕崎線 乗り物

指宿駅に到着。

指宿駅 駅

指宿で日帰りで砂蒸し風呂を楽しめるのは、今は砂楽だけのようだ。歩くと指宿駅から20分かかるとのことで、タクシーで向かう。

砂むし会館「砂楽」 温泉

砂蒸し風呂は神経痛、リウマチ、腰痛、五十肩、関節痛、麻痺、骨折、冷え性に効くという。

砂むし会館「砂楽」 温泉

料金は浴衣込みで1,100円。

砂むし会館「砂楽」 温泉

更衣室で浴衣に着替え、

砂むし会館「砂楽」 温泉

外に出て、

砂むし会館「砂楽」 温泉

階段を降りると、

砂むし会館「砂楽」 温泉

天井に葦簀の張られた全天候型砂蒸し場。
中の様子はうかがえない。

砂むし会館「砂楽」 温泉

たまたま広告だろうか撮影が行われていた。

砂むし会館「砂楽」 温泉

葦簀張の中はカメラ持ち込み禁止。
一区画に4人3列で12人が砂に埋まる。しっかり重量感のある砂。
それにしても老人客が多い。中には歩行もおぼつかない人までいる。

砂むし会館「砂楽」 温泉

砂蒸し風呂は10分ほど砂に埋まる。温度も適温でなかなか快適。
問題は砂に埋められた途端に鼻の脇が痒くなった事。
10分が目処だそうだが、15分まで頑張る。
途中、痒みに耐えきれず右手を出して顔を掻く。
砂を掘ると下の方はしっかり熱いが、上に砂をかけられた状態ならサウナほど熱くない。
しばらくすると汗がどっと出てきた。

砂むし会館「砂楽」 温泉

本屋に戻り、浴衣を脱いで、

砂むし会館「砂楽」 温泉

上がり湯を遣い、

砂むし会館「砂楽」 温泉

丁寧に砂を落として、

砂むし会館「砂楽」 温泉

浴槽にドボン。

砂むし会館「砂楽」 温泉

時計を見ると、12時6分発の鹿児島中央行き各駅停車には間に合いそうもない。

砂むし会館「砂楽」 温泉

指宿のスターはこの地を領する今和泉島津家に生まれ、やがて島津成彬及び近衛忠熙の養女として13代将軍徳川家定に嫁した天璋院篤姫。
夫とは早くに死に別れたが、14代家茂とその妻皇女和宮の姑として長く大奥を仕切り、明治に入っては徳川家の存続に力を尽くす。
漱石は吾輩は猫であるの中で、身分の良い例えとして『天璋院さまの御祐筆の妹の御嫁に行った先の御っかさんの甥の娘』というフレーズを使い評判となった。それだけ明治期の人にとっては馴染みのある存在だったのだろう。

砂むし会館「砂楽」 温泉

タクシーを呼んで駅前まで戻ってきた。
12時57分のたまて箱に乗ることにして青葉という店でランチ。

さつま黒豚と郷土料理 青葉 グルメ・レストラン

指宿は温泉卵で町おこしをしようと、多くの店で『温たまらん丼』をメニューに載せている。
それぞれの店の名物料理に温泉卵をのせたもの。
事前には温たまらん丼を考えていたが、店に入ってタブレットのメニューを見て、特製黒豚ちゃんぽんに変更。

さつま黒豚と郷土料理 青葉 グルメ・レストラン

950円にしては量が多い。

さつま黒豚と郷土料理 青葉 グルメ・レストラン

妻は黒豚かた焼きそば。

さつま黒豚と郷土料理 青葉 グルメ・レストラン

駅前にあったポストはIBUTAMAデザイン。

指宿駅 駅

駅に観光写真を紹介するコーナーがあり、列車待ちの時間をつぶす。

指宿駅 駅

帰りのIBUTAMA号は思ったより空いていた。

指宿のたまて箱 乗り物

アテンダントのお嬢さんとしばらくおしゃべり。

指宿のたまて箱 乗り物