
2023/12/23 - 2023/12/24
54位(同エリア156件中)
willyさん
- willyさんTOP
- 旅行記119冊
- クチコミ136件
- Q&A回答8件
- 145,537アクセス
- フォロワー47人
中継地の野付で会えなかったコクガンにどうしても会いたくて、その先の越冬地、宮城の志津川湾にいってきた。
日本の雁の最大の越冬地である栗原(伊豆沼)は、実は11月のシルバーウィークにもカリガネを自力で探したくて行ったのだが、写真が雁ばっかりだったので旅行記にもしなかった。
でもここまできたら雁しばりで1本にしてしまう。
というわけで、雁や鳥は興味ないわ~という方には、鳥だらけのつまらない、1mmも参考にならない旅行記なのでお断りしておきます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 新幹線
-
とうとうコクガンに会えた。
雁を見始めて2年目。聞くもの見るものすべて嬉しい。
コクガンは今年になってから認識をして、どこで見られるのか、渡りはどうなのか、日本での保護活動などについてもじっくり研究者の方のサイトで勉強した。
育った九州では雁を見たことがなかったから、知らない鳥なのだ。 -
日本への、また日本からの渡りのルートはまだ正確には解明されていない。
繁殖地はロシアの北極圏。
か弱いコクガンは自力では巣を守ることができず、カモメの巣近くに営巣して、カモメが天敵を追い払うおこぼれにあずかるそうだ。それでも半数近くやられてしまうのだそうだ。 -
このシックで美しい鳥は、雁の中では唯一海水域で生息する。
食性は海苔やアマモ。さらに自力で採餌できないため、オオバンなどの他の鳥が取った餌を失敬(横取り)して生きている。これを労働寄生というらしい。
オオバンちょっと気の毒だけどがんばっておくれ。 -
比較的警戒心が薄いというのも生活力に影響するのかもしれない。
おかげで近く観察できて至福なのだが。 -
こちらは飛び姿つながりでおまけのミコアイサ。行きの車中から観察。
白黒って点は似てますけど、優雅さは及びもつかない。といってはミコアイサに失礼だが・・ -
そしてこちらが大好きなカリガネ♪
ありがたいことに日本への飛来は年々増えていて、今年栗原市では200羽を越えたそうだ。
もう、愛しくて悶絶・・。どうも私はアイリングに弱いらしい。 -
だけど喜んでばかりはいられない。
その遠因には、中国での越冬が難しくなったことがある。
開発や旱魃などで彼らが安心して越冬できる場所が狭められていることは、憂慮すべき事態だから。 -
今回は専門家に同行させてもらったが、これは11月に自力で見つけたカリガネ。
12万羽飛来のマガンのなかにわずかに混じる彼らは、スコープならまだしも、遠くから双眼鏡で見分けるのは至難、というかほぼ不可能に近くて、心折れそうになる自分を叱咤激励しつつ1日粘った結果だった。
深くガッツポーズした。 -
11月のときは晩秋でまだ紅葉も残っていた。
これはねぐら立ちのマガンたち。 -
志津川湾は2日目にいったのだが、初日はまずは伊豆沼・長沼周辺で観察。
こちらは亜種ヒシクイ。
地味でとくに美しいということもないが、実はとっても賢い雁で、研究者にとっては手ごわい相手だそうだ。 -
他の雁とちがってビシャビシャした水っぽい環境を好む。
-
亜種ヒシクイは、昔、狩猟対象だったころには一番高級とされたのだそうだ。
-
見ていないようでしっかりこっちをみていて、なかなか捕まらないのだそうだ。
-
夕方はねぐら入りを見る。
こちらは11月の時の様子。雲の切れ間に月がでたのでこれは!と思い、なんとか撮れた一枚。
ここに来てほしい、というところになかなか飛んでくれないものだ。
月に合わせて待っていると雁がぼけるし。 -
これは今回分。冬至直後の為、すっかり夜。
こっちはぼけました。 -
11月の時は初日快晴で雲ひとつない素晴らしい日の出だった。
-
11月伊豆沼での塒立ち。朝日を受けて光る彼ら。
-
この時は去年に続いて2回目の塒立ち観察だったが、これ以上ないというほどの一斉の、怒涛の飛び立ちで鳥肌がたった。地鳴りのような羽音・声とともに圧倒的な光景だった。
-
朝焼けの空に本当に感動的な彼らの姿。なぜにこんなにも心を打つのか不思議だ。
何度見ても涙がでる。 -
家族単位で、親族まとまって、それぞれのグループでそれぞれの好きな田んぼで過ごしに行く。
-
今回の塒立ちは蕪栗沼にて。
-
そして前回見つけられなかったハクガンも、今回はがっつり観察。
嬉しい。 -
江戸時代は東京湾に雪のように来ていたというハクガンは一時日本から絶滅したが、たくさんの人の努力で復活した。
八郎潟が大きな越冬地だが、伊豆沼にも少し来る。
今年は60羽ほどだそうだ。
この7羽には若鳥2羽が混じっていた。 -
美しい白い体に黒い風切り。そしてピンクのくちばしのお顔は愛嬌がある。
でも食は激しくて、この綺麗な嘴を泥の中に突っ込んでほじくり返して根っこごと食す。 -
かわいい。もうたまりません。(*´ω`*)
可愛すぎる。 -
彼らがいたところの田んぼには足跡が乱れる。
足跡みるだけでも愛しくてうれしくなる。 -
こちらはう〇こ。
マガンのものが一番臭いそうだ。カリガネは無臭。ハクガンやヒシクイは根っこごと食べるから泥っぽいそうだ。 -
羽根はたべませんよ。
-
なんて美しい生き物だろう。
-
しつこくもう一枚。
-
ハクガンをたっぷり見た後、帰り際にコハクチョウの群れがいるとおもったら、アメリカコハクチョウが混じっていた。
初見。 -
コハクチョウはしずしずと大人しくて鳴き声もかわいい。
オオハクチョウは首が長すぎてちょっと怖い。騒がしくけんかっ早いし。 -
さらに帰り際、もういちどカリガネに会いに行ったら、中カナダガンにも会えた。
去年の今頃、バンクーバであったカナダガンは自分では種が同定できなかった。というより、亜種がずいぶんいることすら帰ってきて調べてから知った。
専門家の同定なので間違いないと思う。マガンと比べても体格は大きい。
カナダガンは特定外来生物に指定されて2015年に駆除されたという記事があった。ブラックバスとかカメは困るなあとおもうのに、鳥だと複雑。えこひいきだけど。 -
シジュウカラガンとの違いは、首と胸の堺の白いリングがなく、胸が茶色で嘴が長い。そしてやたら鳩胸というか、胸と比べると首の位置がちょっと後ろ目だ。
シジュウカラガンも会えたけれど、これは今回遠くて少なくて、ろくな写真にならなかったので割愛。 -
ついでに11月同様、今回もコチョウゲンボウのメスも見つけた。
だけど、どうしてかオスに会えない。 -
最後は日暈が見送ってくれた。
夜明け前から晩まで雁漬け・雁のみ・雁一筋の旅でした。至福!!!!
日本で見られる雁、残りはレアだけれどミカドガン、アオガン、サカツラガン、ハイイロガン。
いつか会いたいものである。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (4)
-
- durianさん 2024/01/21 11:30:43
- どれも素晴らしいお写真です
- willyさん
こんにちは。鳥を追いかけて全国を行脚 ですね。どれも素晴らしいく
カッコいい写真ばかりです。やはりそれぞれの鳥の習性も勉強しないと
いけないんですね。当たり前かぁな。こちらも学ばせていただきました。
durian
- willyさん からの返信 2024/01/21 13:06:27
- RE: どれも素晴らしいお写真です
- durianさん
こんにちは。ご訪問とコメントありがとうございます。
つたない写真や書きなぐりに、durianさんから過分のお言葉で、まことに恐縮です(;^_^A
野生動物全般そうだと思いますが、鳥もまず会えないとお話にならず、そのためにはどういう生態で、どんな場所・食を好むのかを知るのが何よりの基本となることを、わたしも初めてから学びました。というより学ばねばならぬことが多すぎて深すぎて「足りない」を追いかける日々で、乏しい脳みそフル稼働です。
そのうえ写真撮ろうと思うと動くし早いし飛ぶし、で苦労しております(-_-;)
そういえば別件ですが、durianさんのラダックでの出来事について、私のご縁のある方にきいてみても、写真家さんのその方面のお話はうなづいておられました。
いやはや・・。
willy
-
- mistralさん 2023/12/29 18:30:14
- あつい想いのこもった。
- willy さん
年末のひと時
美しい写真で、癒されました。
鳥だらけ、1ミリも参考にならない旅行記と書かれていて
確かにこの目では見ることの出来ない世界のことと想像。
朝日を受けて光る彼らの飛び立ち、
涙が出てくるほどと表現される大自然の中での彼らの日々の営み
一枚一枚の写真がまるで一幅の日本画のように美しくて感動ものです。
多分、その地で想いを込めてシャッターを切っておられるwillyさんの
あつい心が伝わってくるんだと思いました。
この一年、さまざまな地からのたくさんのお写真を見せていただきました。
来る年も良き年となりますよう、お祈りします。
mistral
- willyさん からの返信 2023/12/30 09:57:44
- Re: あつい想いのこもった。
- mistralさん
お忙しい時期なのに鳥だらけの自己満足な旅行記に、ご訪問とコメントをいただき、ありがとうございました。おっしゃるとおり、鷹が行ってしまうと雁が来て、今時期はこちらがHOTです。
渡り鳥に心打たれるのは彼らの姿に共感とあこがれを感じるからでしょうか。わたしの下手な写真では、彼らの素晴らしさの100万分の1も表現してあげられないと思いますが、そう言っていただけるととてもうれしいです。
今回、雁に関しては縁あって研究者の方とお話をさせていただくことができ、ますます彼らを知ることができて幸せでした。
まだまだ地球上には、人間が(一般人はなおのこと)見ることのできない不思議と驚きに満ちた彼らの営みがあると思います。そんな場所に一つでも多く近づきたいと思います。
こちらこそ今年もたくさんの美しい風景と新しい知を与えていただきありがとうございました。皆様にさらにお幸せな1年が続きますよう。
willy
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
栗駒・栗原(宮城) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
4
36