2023/11/20 - 2023/11/20
3004位(同エリア3726件中)
さらりんさん
テレビで飛雲閣の放送を見たことがあり、いつか本物を見てみたいものだな、と思っていました ふだんは公開されていません ところが、インターネットで、11月12日~21日までの間、特別公開されることがわかりました さらに、書院の「浪の間」と「太鼓の間」も今回、特別に公開されるというのです これはもう行くしかない、と、急遽、京都行きを決断しました
今回、初めて公開されるという一念寺、法輪寺、明覚寺も訪ねます
飛雲閣公開の期間が10日間だけなので、訪問可能な日をひねり出し、日帰り弾丸ツアーとなりました
旅程は次の通りです
新横浜ー(新幹線)→京都
●西本願寺『飛雲閣』『浪の間・太鼓の間』
※「坂安」でランチ
●一念寺
●法輪寺
●明覚寺
※「茶筅」でティータイム
京都ー(新幹線)→新横浜
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
東海道新幹線が京都駅の直前で急停車、というハプニングがあり到着が予定より10分ほど遅れました
徒歩で西本願寺へ
10:00少し前に飛雲閣受付に到着しました
入場待ちの行列を予想していたのですが、なんと行列はありません
拝観料1000円を払い、滴翠園ーてきすいえん に入ります
滄浪池ーそうろうち という池の手前から飛雲閣を眺めます
眺めるだけで、飛雲閣の中には入れません
眺めるだけなのに、残念ながら撮影禁止 -
なので、絵はがきです
金閣、銀閣、そしてこの飛雲閣が京都の三名閣と言われています
三層構造になっています
一層は主室のほかに、舟入の間というものがあり、池を舟で渡り、楼閣の中へ入ります 屋根は向かって左側が唐破風、右側が入母屋で、非対称というのが珍しいです
二層は寄棟造中心で、千鳥破風を配し、周囲の杉戸の内外に三十六歌仙が描かれています 修復がなされたので色鮮やかな姿です 雨風が吹き付けるのがわかっているのに、あのような絵を杉戸に描くなんて、いったい誰が思いついたのでしょう
三層は寄棟造、摘星楼と称し、火灯窓が設けられています
摘星楼、という名称はすてきです
飛雲閣、という名前の由来ですが、柱が細く障子が多いため、白い部分の面積が大きくなり、空に浮かぶ雲のようだから、と言われています 白い障子が池に映り込むとますます雲に浮かんでいるかのように見えるのでしょう
屋根の形がいろいろで非対称、中心線がどこだかわからない、なのに、不自然な感じはしません 不思議なバランスです
いつまで見ても飽きないです -
次は書院の見学です
入口 -
書院入口の上部
鳳凰でしょうか、見事な彫刻です -
書院見学の案内板です
こちらも行列はありません
『浪の間』では全面の襖に豪快な浪の絵が描かれています
さらに、格天井の72個のマス目すべて異なる浪の絵が描かれているのです
ちょっとすすけた感じですので、よく目をこらして見ないと浪の形の違いはわかりませんが
絵師は円山応挙の弟子である吉村孝敬と言われています
間宮家に下絵があるので、判明した、ということです
『太鼓の間』では、襖や壁に絵は描かれていません
天井44個のマス目すべて異なる太鼓の絵が描かれています
こちらは、浪の間よりもハッキリとした絵です 太鼓の胴や、波打っている紐の色がカラフルで、それぞれの太鼓の様子がよくわかります あんなにたくさんの太鼓の種類があるんだろうか、と思ってしまいます
能に使用する太鼓を描いたのだとか 役者の控室として使われた部屋だということで、太鼓の絵はこの部屋にはふさわしいような気がします
『欄間 葡萄とリス』二つの部屋の間の欄間に葡萄とリスが彫られでいます
武道を律す、の意味があると言われています
『虎の間』 立ち入り禁止なのですが、チラリと見えました
ヒョウ(梅みたいな模様)とトラが描かれています
ヒョウは、当時はトラのメスだと思われていたのだとか
復元されてとても色鮮やかです
渡辺了慶の作だそうです
虎の間の向こうに対面所があります 私たちはそちらへは行けません
公開されていないはずなのに、なぜか、見学者がゾロゾロいるではありませんか
説明の係の人に聞いたところ、お寺関係の方々とか
関係者は公開、非公開にかかわらず見学できるのですね
それはともかく、大満足の浪の間、太鼓の間の見学でした -
西本願寺境内を散策してみます
書院への大玄関 -
書院への大玄関の門
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書院への大玄関
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唐門、国宝です
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唐門上部
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唐門アップ1
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唐門アップ2
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唐門アップ3
キリンビールのマークに使われた麒麟だそうです
ツアーのガイドさんの説明が聞こえてきて、わかりました -
唐門アップ4
中国の逸話だそうです -
唐門アップ5
中国の逸話その2 -
菊まつりをやってました
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逆さ銀杏、見事です
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沓石
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沓石ーくついし の説明板です
沓石とは、柱の束柱を受けるために用いる石のこと
一見すると、石ではなく、木です
ところが、実は、石を木で覆っているのだそうです
もともとはざくろの木で造られていたのですが、修理の際、木では腐る可能性があるため、石を用いることになりました
昔の面影を残すために、表面を木で覆ったのだそうです -
御影堂ーごえいどう 国宝です
親鸞聖人の木造が安置されています
中に入って、法話を聞きました 11時から15分ほどです
なもあみだぶつ の話
な「む」あみだぶつではなく、な「も」あみだぶつ、と言っていました
インド語だそうです
なも:おまかせする
あ:un 否定の意味
みだ:メーター
ぶつ:ブッダ
=
無限を開いた方(阿弥陀様)にすべてお任せします、という意味だそうです -
阿弥陀堂、国宝です
阿弥陀如来像などが安置されています -
お西の市
数珠、唐紙、織物、甘酒、京都名産品などを販売していました -
お西の市キッチンカー
たこ焼き、ピザ、ホッとドッグなどを販売していました -
阿弥陀門
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御影堂門からいったん外に出て、ぐるりと塀を回り、唐門を裏側から見ます
-
裏側の唐門を道路側から
-
唐門アップ1
獅子の親子その1
こどもの獅子2匹が母親獅子に甘えています -
唐門アップ2
獅子の親子その2
こどもの獅子がおっぱいを飲んでいます -
唐門アップ3
手をなめている姿がかわいいです -
唐門アップ4
上部 -
唐門アップ5
たぶん中国の逸話 -
唐門アップ6
たぶん中国の逸話 -
幼稚園がありました
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幼稚園の入口です
本願寺中央幼稚園の表札がかけられています
立派だこと!
園児が毎日この門をくぐって幼稚園へ通うのですね、さすが京都です -
幼稚園庭
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幼稚園の向かい側に龍谷大学がありました
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大学門の脇に明治天皇に関連した石碑
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大学キャンパス1
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大学キャンパス2
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大学建物の説明
なかなかステキな建物です 重要文化財に指定されました
残念ながら案内板が傷んでいて、よく読めません ネットで見つけた京都芸術大学の資料によると、外観は、日本人が設計した擬洋風建築の様式で、近代、明治期(1868-1912)初期に、大工棟梁が日本の伝統的な技術を用い、西洋建築を表現した和洋折衷の様式だそうです -
大学その2
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ランチはこちらの京料理屋「坂安」で食べました
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ランチメニュー
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子持ち鮎有馬煮を食べました
有馬煮とは山椒で煮ることをいうそうです
たっぷりの子持ちで、おいしかったです -
ランチは相席です
ランチの後は一念寺を目指します -
通り慣れた七条通りではなく、通ったことのない細い道「正面通」を歩いてみようと思います
堀川通を横断する必要があります 御影堂門の前にある地下道入口から、地下道を通り、反対側に出ました -
西本願寺周辺の、特別公開マップ
西本願寺にまっすぐつながる「正面通」は仏具、数珠を商う店や旅館がある門前町です -
数珠屋さんショーウィンドーその1
数珠の玉の一つ一つが凝っています
左から3万円、7万円、2万円ほどもする高級品です -
数珠屋さんショーウィンドーその2
伝道院という建物で、西本願寺の歴史や文化、門前町について学ぶ講座があるようです
それにしても、伝道院って、すてきな建物だこと -
数珠屋さんショーウィンドーその3
ターコイズやラピスラズリを使用した数珠、ステキです -
正面通りを進んでいくと、あらまぁ、ショーウィンドーで見たすてきな建物が見えるではありませんか
伝道院です -
伝道院についての説明
伊東忠太設計、施工は竹中組(現在の竹中工務店)
もとは真宗信徒生命保険株式会社で、今は僧侶を養成する場だそうです
伊東忠太は「建築進化論」を提唱 それは、石材や鉄に依存しつつも、欧化でも和洋折衷でもなく日本建築の木造伝統を進化させる、というものです この建物はその内容を明確に表現しているそうです
外観は古典様式に基づくものの、開口部まわりや軒まわり、塔屋の形態などにサラセン様式、日本の伝統的な様式が用いられています -
歩道ガードレールのオブジェ1
-
歩道ガードレールのオブジェ2
象、かわいいです 象に翼がはえてる? -
一念寺に到着しました
内部は影禁止でした
元は武家屋敷、富島頼母ーとみじまたのも の屋敷でしたので、座敷御堂ーざしきみどう と言われています
本願寺に仕えていた富島頼母は、今のリーガロイヤルホテルの場所に新たに屯所を作り、西本願寺に屯所を置いていた新撰組に移ってもらうよう努力したそうです -
山本義雄画伯による屏風「明治維新期騒乱図屏風」が展示されていました
イラスト風でわかりやすいです
左隻「新撰組と西本願寺・門前町」
右隻「京の都の喧騒」
新撰組伍長、島田魁は西本願寺の守衛になった、とか
新撰組隊士、山野八十八は小学校の用務員になった、などの説明も書かれていました
文化人の書が多数展示されていました
芥川龍之介、永井荷風、高村光太郎、会津八一、泉鏡花、川合玉堂など
このお寺は大谷探検隊の派遣に関係したそうです -
一念寺の庭1
サザンカがきれいです
茶室への廊下から、庭の写真をパチリ
茶室には、
池大雅、前川文嶺、大島徹水などの書画がありました
襖絵はボロボロだけど(失礼なことを言ってすみません)、よい絵だと思いました
襖の引手は楽器の琵琶と思われる形や、木の葉の形で、赴きがあります -
一念寺の庭2
南天でしょうか -
法輪寺です、一念寺のとなりです
やはり撮影禁止です
座敷御堂ーざしきみどう の形式です
床の間があり、さくらの木の床柱で、「ちんくぐり」があります
ちんくぐりとは、床の間の下の方に開いている穴のことです
茶室が、外陣の左側にに続いてありました
250年前の地図が壁にかけられてありました
その地図にお隣の一念寺は書かれていません 250年前には一念寺は別の場所にあったからです
今は龍谷大学になっている場所は、下間家ーしもつまけ の敷地となっていました
大友能直の子孫、戒雲が初代住職です
龍谷大学の源流となる西本願寺の学問所「学林(学寮)」で「能化ーのうけ(学長のような職)」の代役を務めた人だそうです -
次は明覚寺です
こちらも撮影禁止です
外陣と内陣があり、内陣には赤いヘリの畳がありました
赤いヘリは天皇など高貴な方が座る場所に使用されます
親鸞の御絵伝がありました 親鸞の生涯が描かれています
楠木正成の子孫が柱本郷に寺を建立して始まったお寺です
檀家はないそうです、ペット専用合同納骨墓があります
縁側から出て、サンダルをはいて裏庭へ
土蔵と茶室(杏梁庵)見ました
明覚寺第17世住職の柱本瑞俊さんは大谷探検隊員でした
土蔵に大谷探検隊の寄せ書きがあり、「柱本瑞俊」と書かれていました
シルクロードのつぼもありました
土蔵には九条武子さんに関わるものも展示されていました
九条武子さんは大谷光瑞の妹で、歌人として知られていました
しかも美人
大谷探検隊の主導者が大谷光瑞です
明覚寺と関わりのある大谷光瑞と伊東忠太はシルクロートで出会ったとか
その出会いが縁となって、伝道院や築地本願寺の設計を伊東忠太に依頼することにつながったそうです
茶室の後ろに石垣があり、それは東本願寺との境界だそうです
昔は石垣に通路が造られて、堀があり舟で行き来できたとか
今はふさがれていました -
明覚寺の門
本堂、茶室、土蔵、門が国の登録有形文化財(建造物)に登録されました -
特別公開の「拝観手引き」冊子です
-
表紙の裏側に、今回の特別公開の文化財リストが出ています
-
特別拝観チケット5カ所分
古文化保存協会主催で、チケットデザインはすべて同じです
拝観料は一律1000円
修復などの費用に充てるそうです
一念寺、法輪寺、明覚寺の見学者は地元の人が多い印象でした
初めての公開だったからでしょうか
●「ペットの法要、いいですね、でもうちは浄土宗で知恩院やから~」
●「おひがしさんの石垣、ずーっと続いてますよね」
●法輪寺で、250年前の地図を見て、写真をとりたがっていた僧侶風の方がいました 撮影不可と知り、残念がっていました 地図を見ながら、この○○は、今は△△になっている、など、地元の方ならではの会話をしていました 私が拝観料を払っているとき、バイクでさっそうと乗り付けた方でした -
京都駅ビル10階のカフェ「煎茶」で学生時代の友人とティータイムです
お抹茶玉手箱をオーダーしました -
お抹茶玉手箱を開けると・・・なんと、煙がもくもく
-
いよいよ弾丸ツアー終了です
新幹線改札を入り、夕食用に弁当を買いました
友人オススメのばらずしです -
サバのそぼろが二段に入っていて、おいしかったです
-
お土産も買いました
ブラックサンダー(応仁の乱以来の衝撃、というキャッチコピーが気に入っています)
阿闍梨餅
柿かぶら
京の麩しぐれちりめん これは友人からおみやげにいただいたものです
日帰り旅行という限られた時間で、はたして『飛雲閣』と、書院『浪の間』『太鼓の間』が見られるのかしら、と、出発前は不安でした
混雑で長い行列に長時間並ばないといけないのではないか、
気温が低かったり、風が冷たかったりして、体調をくずすのではないか・・、
でも、フタを開けてみればサクサクと順調に見学をすることができました
先回の京都旅行で龍谷ミュージアムを訪ねたとき、ミュージアムの向かい側の大きなお寺を見て、あれは何というお寺?と夫に尋ねました すると、「西本願寺」という答えでした 「あー、あれが、私が見たいと思っていた飛雲閣がある西本願寺なんだ、いつか訪れて、ぜひ飛雲閣を見てみたい」と思ったのでした
思いのほか早く念願が叶いました
さらに、今回初公開の一念寺、法輪寺、明覚寺の見学もできてよかったです
小さなお寺ですが、保存協会の方の親しみのある説明のおかげで満足のいく参観ができました 新撰組との関わりや大谷探検隊のことがわかり、小さいお寺であるにもかかわらず、大きな仕事をしたことがよくわかりました
思い切って弾丸ツアーを決行してよかったです
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