2023/11/17 - 2023/11/17
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ばねおさん
イスラエルによるガザ侵攻により、日々伝えられるニュースはあまりにも悲惨だ。
ハマスの拠点を潰すことを口実に、行き場のないパレスチナの人々を無差別に攻撃し、すでに4千人を超える子供の命が失われている。
国連もジェノサイドだと非難しているが、史上最悪、最凶のイスラエル政権はまるで聞く耳を持たない。
それどころか、出来れば地球上からパレスチナ人を根絶やしにしたいという思いをユダヤ人指導者たちは隠そうともしない。
報じられる映像を見るたびに起きるやりどころのない怒りといたたまれない気持ち、そして出来ることはほとんどないという無力感。
こんな時、きっとバンクシーがヒントを与えてくれるはずだ。
そんな思いを抱えてバンクシー美術館へ出かけてみた。
神出鬼没さでも有名になったバンクシーだが、昔からパレスチナ問題に深く取り組み、作品を描くだけでなく、「分断の壁」の前にホテルを開業してパレスチナへ世界の目を向けさせようと試みている。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
「バンクシー美術館 - バンクシーの世界 - 」と「The Walled Off Hotel (in Paris)」はパリ9区フォーブルグ・モンマルトル通りにある。
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バンクシー美術館。
1200㎡の広さに100点以上のバンクシー作品が復元されている。、 -
バンクシーが描き続けている「赤い風船と少女」。
ストリートアート、特にバンクシーのような政治的、社会的な風刺を利かせた作品はもともとは美術館に展示して「鑑賞」するものではない、と自分では思っている。
描かれた場所、描かれた時期に意味があり、そこにメッセージが込められている。
とはいえ、バンクシー作品を探して世界を旅することは困難だ。 -
込められたメッセージを読み解き、それをどのように受け止めて自分の生き方に重ね合わせていくか。
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でも、何を感じるかはその人次第。
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「No Ball Gaime」
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If you get tired, learn rest. not quit.
いい言葉だね。 -
バンクシーはなぜネズミを描くのだろう?
可愛らしいハツカネズミではない、ドブネズミをだ -
答えも描かれていた。
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反問されて、さあ困った。
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メデイアのあり様を痛烈に皮肉った「Media Canvas 」2006年。
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「Angel in Bulletproof Vest (Fallen Angel)」
防弾チョッキを着込んだ天使
London/UK
2007年 -
「Smiley Grin Reaper」
Shoreditch/UK
2010年
嘘や欺瞞、差別や不正、およそこの世界のあらゆる悪徳やら矛盾をバンクシーは本質という形で示してくれる、そんな気がする。 -
2015年にイスラム過激派によってパリのバタクラン劇場で89人が殺された事件。
犠牲者を追悼して劇場の扉に描かれた作品「Bataclan」。
Paris/France
2018年 -
「Little girl covering a Swastika 鉤十字を消す女の子」
Paris/France
2018年 -
ロシアのウクライナ侵攻の中、バンクシーはウクライナにも多くの作品を残している。
キエフから55km離れた町で残された作品。
「Young Gymnast Balancing on Rubble」瓦礫の上でバランスをとる選手。
もう一つの「Young Gymnas with a Ribbon」 と言葉の上でも対になっている。
2022年11月
Borodyanka/ Ukraine -
キエフ近郊の町で破壊された建物の壁に描かれた、防毒マスクをして消火器を持った婦人。
「Woman with Gas Mask and Fire Extinguisher」
2022年11月
Gostomel/Ukraine -
パレスチナ自治区ベツレヘムにある「The Walled Off Hotel」の一部を再現した一画。
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再現されたホテルの一室。
ベッドの奥にはパレスチナとイスラエルの枕戦争が描かれている。 -
「Israel & Palestian Pillow Fight」
Walled Off Hotel/Bethlehem/Palestine
2005年 -
こちらがパレスチナ自治区ベツレヘムにある「The Walled Off Hotel」の写真。 別名、「世界一悪い眺めのホテル」。
イスラエルとパレスチナとの間には、現代のベルリンの壁とも言われる全長800キロメートルに及ぶ巨大なコンクリート壁がある。
その壁の目の前にバンクシーはホテルを開業した。 -
分断の壁にはパレスチナの人々の思いが描かれるようになった。
壁の向こう側にはイスラエルの瀟洒な住宅が建ち並んでいる。 -
土地を返してほしい、自由を返してほしい、と綴られた訴えをイスラエルが読むことはないだろう。
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その壁に描かれ、バンクシーの存在を一躍世に知らしめた「Rage, Flower Thrower」
Bethlehem/Palestine
2003年 -
「砂浜で遊ぶ少年」のはずなのだが、少年が立つのは砂山ではなく瓦礫の山。
Bethlehem/Palestine
2003年 -
「Dove of Peace」
Bethlehem/Palestine
2005年 -
「Stop and Searchi (Girl and a Soldier)」身体検査。
Bethlehem/Palestine
2007年 -
分断の壁は、2003年国連の非難決議の対象となり、2004年には国際司法裁判所も違法としたがイスラエルは全く無視し、壁を作り続けている。
国際司法裁判所が違法判決を出した一年後、バンクシーは壁に閉じ込められた少女の思いを込めてこの作品を制作した。
イスラエル兵からの狙撃の恐れもあったという、命を賭けた作品だ。 -
美術館と隣り合う、パリの「The Walled Off Hotel」
ホテル自体がインスタレーションとも言えるが、実際の宿泊もできる。 -
ホテル内の一部は見学ができるようになっている。
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室内が公開されている「アムステルダム」。
全ての客室には都市名が付けられている。 -
一見変哲のない部屋のように見えるが、飾られている絵もなかなか単純ではない。
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こうしたユーモアがあってこそ風刺が効いてくる。
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窓の外に分断の壁はないが、やはり眺めは悪い。
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バンクシーの思いを、少女の願いを込めて風船は飛んでいく。
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この旅行記へのコメント (2)
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- yunさん 2023/11/28 22:39:40
- 風船を見つけよう
- 愚かな争いに対して、胸いっぱいの怒りを抱いても、
そこから前へ進む術が見えない…
子供達の犠牲に、大方の人が鬱々とした気持ちの毎日かと。
自己の表現力を用いた「発信力」を持つ稀有な存在、バンクシー。
その表現に触れて、同調・同感・新たな気づきで
少しでも前進できるかも知れない…。
宗教も、政治権力も、『排他』を掲げた時点で失格者。
ホロコーストの悲しみの先に在るのが、なぜ『排他』のやり返しなのか?
他者の痛みが判らないはずは無いでしょうに。
どのような宗教的理由も、屁理屈でしかない。
イスラエル、パレスチナ共に極端な思想者が先頭を走っている。
穏やかに協調できる人々が前面に出る術は無いものでしょうか。
パリでバンクシー展示が常設になっているのを、全く知りませんでした。
ばねおさん
まさにこの時、貴重な旅行記ありがとうございました。
yun
- ばねおさん からの返信 2023/11/29 20:39:33
- RE: 風船を見つけよう
- バンクシーの取り上げる題材は、あらゆる社会的不正義に向けられていますが、バンクシーにとってパレスチナはこの世にある不正や欺瞞を集約する象徴としてあるように思います。
問題を直接的に批判、非難することは容易でも、そこに諧謔というひねりを利かせて、人々の目を惹きつけ考えさせるという芸当は感嘆すべきレベルです。
そしてどの作品にも根底に共通して流れているのは、ヒューマニズムの精神だろうと考えます。
今、人質解放ということでガザの一時的な停戦が実現している訳ですが、イスラエルから解放される多くが女性や子供たちであることに、つくづく疑問を感じます。いったいこれらの人々はどのような罪で刑務所に収容されていたのだろうと。
解放される一方では新たに拘束されるパレスチナ人も増えていると聞きます。裁判手続きなど無しで、支配者が被支配者を左右できる封建時代そのままです。
いずれバンクシーがこれらを作品に表現してくれるかも知れません。
神出鬼没ゆえにバンクシーの正体探しに興味が移り、込められたメッセージに思いが行かないという風が見られるのがちょっと残念ですね。昔、日本でイザヤ・ベンダサン という謎の作家の正体探しがあったことを思い出しました。
パリにいらしたら、「バンクシーの世界」展をぜひ覗いてみてください。「世界中のバンクシー」と出会うことができます。
ばねお
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