2023/10/09 - 2023/10/09
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ゆうこママさん
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いつもの歴史ツアーで、滋賀県。その2日目は湖北の観音めぐり。
湖北地方の観音さまは滋賀県のなかでも特別だ。素朴な村娘から超絶美女までバリエーションの豊かさもさることながら、仏さまと地域の人々との関わり方が格別で、胸を打たれる。
観音さまとともに暮らす人々の佇まいに触れたくて、多くの人が湖北を訪れるのだと思う。やはり聖地だ。
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最初に訪れたのは石道寺。
集落の入口でツアーバスを降り、雨上がりの小道をゆるゆると登って行く。道端の水路を流れる水はさらさらと音を立て、所々、板の堰を作ってあるところに小さなスポンジたわしが置いてある。この流れが洗い物の水としてまだ使われているのだと感動する。 -
己高山の麓に建つ石道寺には、3人の十一面観音さまが大きな厨子の中に仲良くいらっしゃる。
センターには有名な村娘風十一面観音さま。向かって右側には廃寺となった高尾寺から降りてきた十一面観音さま。左側には本尊の御前立だったらしい十一面観音さま。それぞれ全く異なる雰囲気で面白い。 -
高尾廃寺十一面さまは、スタイリッシュで都会風のお顔の美形。
だが、ここではセンターの村娘風の本尊さまが圧倒的アイドル。
素朴な中に色気がにじみ出て、なんとも魅力的なのだ。 -
厨子の外には大きな多聞天、持国天。重文。
微笑みを浮かべた小さな弁財天さまも。弁財天は水の女神で天台寺院にまつられることが多いそうだ。
集落を流れる清らかな水と、弁財天の姿が重なった。 -
次に訪れたのは黒田観音寺。
ここでも少し離れた場所でバスを降り、田んぼの中の道を歩いて行く。赤い屋根のお堂が見えてきた。
余呉湖近くの集落15軒でお世話しているそうで、当番の方が鍵を開けに来て下さる。 -
黒田観音寺にお住まいの観音さまは、千手観音とも准胝観音とも言われ、来歴がよく分からないそうだ。
9~10世紀頃の造立で、眼はつり上がり厳しいお顔なのに、腕は赤子のようにムチムチしてやさしい、と講師の解説。 -
頭は冠をかぶってよく見えないが、高い髻を2段に結っているそうだ。
世話人さんのすすめで、すぐ足元まで行って見上げると、仏さまとバッチリ眼が合った。まるで生きているようだ。怖いくらいに視線が動いて仰天した。 -
昼食は木之本の料亭すし慶。美しい、美味しい、満足。
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すし慶さんから歩いて木之本地蔵へ。浄信寺というのが正式な名前だが、木之本地蔵というほうがトオリがいい。
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虫干しを兼ねてであろう、たくさんの軸や仏像が期間限定公開中で、たっぷり楽しませていただいた。
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次に訪れたのは、西野薬師堂と正妙寺。
手作り感満載の看板があたたかい。 -
西野薬師堂(充満寺)
重文の十一面観音さまは厚い胸、太い大腿、口角が上がり洋風の顔立ちのイケメンだ。翻波式の天衣、裳の渦巻き文などから10世紀の仏像ではとのこと。
伝薬師如来立像も重文。赤い漆の色合いは、十一面観音と同じように見える。薬壺は無く、右手は来迎印を結ぶ。破損した頭上面が小さな箱に入れて展示されていた。 -
正妙寺。西野薬師堂と同じ境内に建つ。
平成29年に現在地に山から降りてきたそうだ。
このお堂には全国唯一という千手千足観音さまがいらっしゃる。一刻も早く駆け付けるため、足が千本になっているそうだ。
膝小僧の見える短い腰布を巻き、脚を肩幅に開いて立ち、両腕の構えは長距離ランナー。
虫みたいだから嫌いと言っていた私だったが、カッコいいじゃんと思ってしまった。 -
高月観音堂(大円寺)
賤ヶ岳合戦で伽藍を焼失するが、十一面千手観音は自ら火から逃れ、無事だったといい、「火除けの観音様」として信仰されている。 -
大円寺は曹洞宗の寺だが、浄土真宗の方の多い高月自治会が管理を担っている。不思議な感じだが、湖北の観音堂では、このようなことがよくあるらしい。
素朴な千手観音さまと美しい弁財天女さまを惜しげもなく見せていただき、有り難い「火の用心」の御札をいただいてきた。 -
最後は渡岸寺(向源寺)。地元の方は、ドウガンジと呼ぶお寺の国宝の十一面観音菩薩立像さまに久しぶりにお会いする。
195センチ、41キロ、プロポーション抜群。
妄想に突入。緩くウェーブのかかったロングヘアは、暗めのアッシュベージュで、風になびく天衣はもちろんシルク。何色がいいだろう。
ネックレスやイヤリングは、金銀より玉のほうがいいかな。 -
観音像の後方へ。ウエストはコルセットで補正したようにきゅっと締まり、豊かな腰が色っぽい。
ゆっくりと周囲を廻って、観音さまが飛翔するポイントを見つけ、視線を高くしたり低くしたりしてみる。
きた!観音さまがスキージャンプみたいに風を切って空を翔ぶ。美しい。 -
奈良に移動してもう一泊。
特別公開中の執金剛神像に会うためだ。
宿泊は前回と同じ近鉄奈良駅前のアングランデホテル奈良。
夕食も前回と同じ串屋で、揚げたて串揚げとビールと、スマホ写真とで美仏を振り返るひとときは至福。おしまい
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