2023/10/08 - 2023/10/09
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ゆうこママさん
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またしても滋賀県にて秘仏めぐり。
滋賀県では、普通のお寺に重要文化財指定の仏像が普通にいらっしゃる。
ものすごく素敵な仏さまが未指定だったり市指定文化財だったり。
そんな仏さまにたくさん会ってきました。
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石馬寺は今年秘仏本尊の十一面観音様が70年ぶりに開帳。春の開帳でも訪れたが、圧巻の仏像林立空間に再び身を置くのが楽しみ。
300段の石段を登ってお堂へ。 -
ご開帳の秘仏本尊、十一面観音さまは鎌倉時代の快慶作とも聖徳太子作とも伝わるもの。
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脇侍は平安時代の地蔵菩薩と毘沙門天立像。毘沙門天さまは鎌倉時代の運慶作と伝わるもので、スタイル抜群、躍動感に満ちて隙がなく、何よりイケメン。惚れ惚れする。
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宝物殿には重文の仏像が所狭しと並ぶ。
ふたりの十一面観音は、渦まく衣文の彫りの深いほうが古く、彫りのあっさりしたほうが100年くらい後の作といった解説を聞く。
並べてみると、時代の推移が分かって面白い。
衣文にかすかに金箔の残る二天は平安時代の終わり頃の像で、当初はさぞやきらびやかだったはず。 -
境内には不動明王石像。春にお会いしたときは、コケで毛むくじゃらの髭づらだったが、この日はさっぱりして、男っぷりが上がっていた。
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次に訪れたのは小松寺。二度目の訪問。
小松中将平重盛が全国に66か寺建てた寺のうちの一つ。信長焼き討ちに遭うが、1670年代に再興。元々は天台宗であったが黄檗宗に転宗。江戸時代に伊井家の比護を受けて伽藍を整えた。 -
本尊の十一面千手観音は正統派美女。品格ある美仏。
手の美しさ、しなやかさが心地良い。ふくよかな頬から顎のラインが優しく落ち着いた雰囲気を作る。 -
本堂には、翌日に行われるという秋の彼岸のお施餓鬼法要の準備が整えられ、地蔵石仏が祭壇に座る。この辺りは農家が多いので秋の彼岸よりも少し後に法要を行うのだそう。
にっこり微笑み、赤い唇がチャーミングなお地蔵さまが可愛らしいお洋服を着せられ、辺りをハッピーな空気に包む。 -
小松寺は、中興の鉄眼禅師の時代、中国から伝わった版木印刷技術で経典を印刷し、復興資金を集めたそうだ。
穏やかな集落にたたずむ寺であるが、今日までの歴史は決して穏やかではなかったようだ。 -
大般若経。当時と同じ版木で刷った明朝体の経典。
明朝体という字体や原稿用紙の規格の起源が寺にあったとは驚き。
拡げて見せていただくと確かに400字詰原稿用紙だ。
寺の隅から隅まで拝観し、帰りには住職さまらにはお見送りまでいただき、恐縮。 -
昼食は糀屋にて、美しく美味しいお料理をいただく。
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午後イチは竜王町の苗村神社。
楼門は重要文化財。 -
苗村神社楼門。屋根を近江のヨシで葺き堂々の風格。
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苗村神社では、他の多くの神社と同様、江戸時代までは神仏が一緒にまつられ、苗村神社の本地仏である不動明王も境内にいらっしゃった。
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今は境内の隅の新しいお堂に、不動明王さまはお住まい。
鎌倉時代の初期の作という不動さまの裳や条帛には、赤い彩色がよく残り、グッと力を込めたポーズを決め、やんちゃなガキ大将といった顔つき。重文。 -
国宝の西本殿に特別に入れていただく。
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中央には三間社流造の社殿。
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両サイドは一間社流造。
建築の解説で、角柱の面取りの幅で建築年代の新旧が分かるとか、屋根の形状とか説明を受けたがあまり覚えていない。面取りが幅広のほうが、古いんだっけ?トホホ -
神社建築は、鎌倉時代に入ると寺院のような技法を取り入れ、蟇股などの組物で装飾するようになったそうな。これもその例。
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境内の外に出ると、古びたお堂。不動明王の以前のお住まいだそう。
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竜王町綾戸の集落の中の迷路のような細道を少し歩くと、ほどなく正覚院に到着。
重文の阿弥陀如来座像は、定朝様の平安最末期の像。衣文は浅くスリムでバランスも整っている。 -
地蔵菩薩立像は、12世紀の作でこれまた重文。
滋賀県のお寺は重要文化財だらけだ。
このお地蔵さまは、繊細に表現された衣をまとい、錫杖を持つ右手は人差し指と小指を立てる。地蔵菩薩なのに瓔珞で胸元を飾り、後補だが沓をはいている。なかなかのオシャレさん。垂れ目気味の彫眼により、穏やかな癒し系お地蔵さまになっている。 -
最後は竜王町西川の正光寺。天台真盛宗。
寺の説明によると、この寺も信長に焼かれる歴史を持つ。 -
本尊の阿弥陀如来立像。運慶に近い慶派の仏師の鎌倉時代の造立で、以前は国宝だったが、台座が江戸時代のため、今は重文になってしまったそうだ。それでも、美仏であることに変わりはない。
斜めから見ると、小さくツンとした鼻、ぷっくりした唇は、10代の女の子のよう。何色のルージュが似合うかな。本当に清らかで美しく可愛らしいと思う。 -
お楽しみの夕食は、ますやにて。
美味しく飲んで食べて写真を撮る暇なし。
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