2023/10/01 - 2023/10/01
52位(同エリア55件中)
ゆーちさん
この旅行記のスケジュール
2023/10/01
-
江別河川防災ステーション
-
榎本公園
-
Pasco夢パン工房野幌店
もっと見る
閉じる
この旅行記スケジュールを元に
江別市は人口12万、石狩平野の中央に位置し、札幌駅まで約20分の通勤圏で、北海道遺産の「煉瓦」の建物が400近くある。煉瓦に適した粘土層の重なる野幌丘陵の舌状台地に広がり道産小麦「はるゆたか」の生産でも知名度を上げている。
北海道立の公共施設も多く、図書館、博物館、開拓の村、埋蔵文化財センターなどがある。さらに道立自然公園の原生林や4大学と1短大、5つのJR 駅を持つ。王子製紙工場、町村牧場などの産業や酪農でも知られている。
今回は北海道開拓の歴史と自然 をテーマに
埋蔵文化財センター
野幌森林公園ビジターセンター 自然ふれあい交流館
(ユズリハコース散策 樹齢180年のカツラ)
江別市屯田資料館 (野幌屯田兵第二中隊本部)
江別市郷土資料館 (ヤツメウナギ)
江別河川防災センター (石狩川・洪水・航行の歴史)
榎本公園 (榎本武揚の農場経営、江別市発祥の地)
江別市ガラス工芸館 (旧石田邸 煉瓦の洋館)
千古園 (庭園散策 江別市指定の保存木)
のっぽろ「ゆめちからテラス」野菜直売所 などを廻ってきた。
歴史や自然が教えてくれるものは深く大きかった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
PR
-
江別市の全体航空写真。石狩川が北部をほぼ直角に曲がって流れ、南部には野幌森林公園(原生林)が広がる。人口12万、面積187.38K㎡の平坦な町である。
-
最初に訪れたのは、北海道立埋蔵文化財センター
道内の文化財の保護、保存、活用を図ることを目的に1991年に設置された。丁度今話題の「北海道・北東北の縄文遺跡群2 すすめ!縄文ワールド展」開催中だった。北海道立埋蔵文化財センター 美術館・博物館
-
センターに入ると早速縄文土器のお出迎え
-
Welcome Drink ならぬ Welcome ”土器 “ 。福島町舘崎遺跡から借用中とのこと。右から順に縄文前期から縄文後期へと形や模様の変化が見て取れる。
-
さらに展示室の方へ進むと左手には明るい天然林の木立がひろがり、右手には、、、。
-
黒曜石を川と風のイメージで石庭の様にアレンジした展示空間があった。
-
黒曜石展示の詳細。全国最大で世界的にも有名な白滝村や置戸町と共に北海道では赤井川村、十勝三股が四大産地。発見された地域ごとに大小色彩別に並べてある。
-
黒曜石は地下のマグマが地上に出て急激に冷えてできた天然のガラスである。
打ち欠くと鋭い刃ができ、縄文時代から石器として利用された。展示に当たって産地別に並べた人の心意気が伝わってくる。 -
千歳空港近くにある縄文遺跡群の一つ「キウス周提墓」のジオラマ。まだ謎は多いが、環状列石や配石遺構など石造りの記念物は、縄文人がこの世の中における自分達の位置や別の世界に対する発達した感覚を持っていたことを示すものであるという。
-
アイヌコタンの様子 ジオラマ
-
発掘の地層の深さが7mにもなるってびっくり
-
座った姿勢の両足が何ともユーモラスなオブジェに見えた。キウス周提墓から出たもの。
-
ヒスイの数々。縄文時代からお守りとしても大変な価値があったという。これらは千歳空港の滑走路の下、美々4遺跡から発見された。
-
3500年前のもので函館にある北海道唯一の国宝「中空土偶」(カックウ)のレプリカ。実物から直接型を取って作られたそう。
2009年にロンドンの大英博物館で開かれた縄文土偶の展覧会『The Power of DOGU』にも展示され、そのデザインセンスが卓越した土器造りの技術に支えられていると評判を呼んだそうである。
ユネスコ世界遺産に登録された縄文遺跡群のマークデザインも北海道と北東北の大地のつながりを上手に表現していて感心する。 -
埋蔵文化財センターの外に出ると栗が大きな実を付けていた。
-
次は道立自然公園野幌森林公園へ行く。ここは「自然ふれあい交流館」。自然公園のビジターセンターになっている。地元の高校生の葉っぱの形のアイデアを採用して建てられたそう。
野幌森林公園自然ふれあい交流館 名所・史跡
-
天上の様子。
野幌森林公園自然ふれあい交流館 名所・史跡
-
全ての壁が曲線で作られている。野幌森林公園内には他に「北海道開拓の村」や「北海道博物館」の施設があり北海道の歴史・文化・自然を様々な利用スタイルで楽しめる北海道ミュージアムパークとなっている。
-
野幌森林公園にはいくつものフットパスコースがある。今日は一番短い1.2kmのユズリハコースを歩く。「北海道名木100選」にも選ばれたカツラの大木やヤチダモが見られ、ヤドリギのついた木も多い。
-
土あけびの真っ赤な実がたわわになっていた。
今回はヒグマの糞が見つかったため、スタッフによる案内はできず、散策する側が鈴など鳴らしながら十分注意して歩いてくださいとのことだった。 -
大きすぎてカメラに収まらなかったが、樹齢180年という桂(カツラ)の大樹(高さ28m)。天然林には温帯林から亜寒帯林への移行帯に位置する森林の様子が、比較的よく残されている。
-
カツラの根元にあった説明版。木版なので読みにくいが写真では判読できた。
“日本の代表的な名木。英語でも「カツラTree 」という。北海道の落葉樹の中では一番大きくなる木。直径2m の巨木もある。語源はその芳香性「香出(かつ)」から来ている。芽吹の紅色、秋の黄葉が美しい。”とある。 -
ここは昭和の森と呼ばれている.
「野幌森林公園」は貴重な天然林でその保護育成と、道民への自然に親しむ休養の場の提供を目的に、北海道百年記念事業の一環として昭和43年(1968)北海道立自然公園に指定された。 -
「国設自然公園」と書かれた大きな石碑があった。2053haの面積の内、約8割(1603ha)が「国有林」でその一部は昭和の森・自然休養林や鳥獣保護区に指定されている。天然林は温帯林から亜寒帯林への移行帯に位置するミズナラ、カツラ、シナノキなどの温帯性の広葉樹林、トドマツを主体とする亜寒帯性の針葉樹林が入り交じった針広混交林である。
-
歩いた後はお昼ご飯。お弁当の後に江別名菓「煉化もち」を食べる。煉瓦は食べられないが瓦が化けたら食べられるのでは?という発想から「煉化」と表記されているという。 しっかりしたコシのあるお餅で中の餡との相性がよかった。
無農薬の道内産もち米100%で作られているので翌日には固くなる。昭和初期には野幌駅で立ち売り販売されていた歴史があった。煉化もち本舗 グルメ・レストラン
-
市内には北海道遺産の「煉瓦」の建物が400近くあるが、よく見かけるサイロはコバ空間積みと呼ばれ断熱を目的とし空気の層を中に形成した積み方だそう。
-
江別市郷土資料館 今回は主に漁業のヤツメウナギ、農業の米と小麦、酪農。工業では王子製紙やレンガ工場などの産業文化遺産を中心に学んだ。
江別は粘土層が幾重にも堆積した野幌丘陵という舌状台地の上に位置し、煉瓦の材料が豊富に採れる。最盛期の煉瓦工場は昭和25年(1925)年の15社。現在稼働しているのは3社で全国シェアの20%を製造している。市内には小学校やサイロ、バス停、民家など400以上の「れんが建築物」が現存している。江別市郷土資料館 美術館・博物館
-
脱穀機など農業のコメと酪農用具。他にも第二次世界大戦中、日本陸軍航空本部による木製戦闘機 キ106 の見本が展示されていた。
-
昭和の生活用具の中に昔のストーブがあった。北海道の冬の朝一番の仕事はストーブに火をつける事。冷え込んだ寒さの中、ストーブのふたを開け、新聞祇の上に 小枝や割りばし 石炭の順に積んでからマッチで火をつけていた母を思い出す。
-
北の守り人「屯田兵」の制服や銃。戦時中に作られた木製の飛行機の話を聞く。全国で計画された10機製造の内、江別で5機作られようとしたとのこと。
奥に展示された扁額は2点とも、黒田清隆書・市指定有形文化財だという。 -
明治の開拓時代から石狩川で仕掛けられた八つ目鰻(ヤツメウナギ)の魚籠(びく)。こんなに大きいとは!人が入れる位だ。
江別のヤツメウナギのシェアは最盛期には全国一位。1990年から毎年4月に「江別ヤツメうなぎ祭り」が開催されていたが、石狩川の治水工事と共に漁獲量が激減し2001年に終了した。 -
他の施設にも、実際に漁をしている所と鰻を干している写真があった。
-
石狩川と千歳川が合流する地点。
-
その近くに沢山のヤツメウナギの魚籠が置かれていた。
-
その写真があったのはここ、江別河川防災ステーション。水防活動の拠点基地や災害時の避難場所として活用されている。北海道開発局と江別市の施設である。
江別河川防災ステーション 名所・史跡
-
屋上を含めた二階建ての建物で昔河川で活躍した鉄製蒸気船「上川丸」の模型の天井階が展望台になっている。江別の舟運は石狩川を利用して物資の輸送が盛んに行われていた。特に1889年~1935年まで運航していたこの外輪船「上川丸」は有名。
-
外輪船というのは蒸気で左右の大きな水車を動かして進む蒸気船である。これはその外輪 石炭による動力で両側の車輪を動かして進んでいた。
-
蒸気船「上川丸」の後部。石川島播磨重工が保存していた設計図をもとに作成された原寸大の模型だそうである。
-
船底から外輪の一部を写す。船の底は平らになっていて水深1m前後の所でも航行できるようになっていた。速度は上り早足、下りは駆け足位だったそうである。
-
明治44年に撮影された写真をもとに作成されたジオラマ。
上川丸の活躍風景。秋になると一隻の外輪船が4~5隻もの雑穀船を引いて江別川沿いの倉庫に運び込んでいた。明治15年にできた江別駅で鉄道に積み替えられて、札幌や小樽に運ばれたという。 -
同じく江別橋と上川丸。逆に鉄道を使って小樽や札幌から運ばれた生活物資は江別で船に積み替えられ石狩川の上流地域に運ばれた。
-
赤で囲まれているのが石狩川流域。北海道の面積の約1/6を占める。北は雨竜川を起点とする地域まで川の流通経路は広がっていた。
-
河川防災ステーションの屋上に登った。右を見ると、大きなほぼ直角の流れが観測できる。画面奥には2005年に完成した白い斜張橋「三原大橋」が見える。
972mの長さで石狩川の河口から6番目の橋である。橋が出来てから流れの影響で川の中央に小島ができたという。 -
左側を見ると、右手に石狩川、左手に千歳川。合流点が遠望できた。
-
千歳川の方へ降りていく。
-
千歳川の対岸に白と赤の線が見える。白は昭和50年(1975)8月災害の最高水位7m91cm。赤は昭和56年(1981)8月の大洪水災害時の過去最高水位9m20cm。
-
昭和56年8月の大洪水の様子。航空写真。
-
石狩川は数回の治水工事によりこのような形になった。これまで全域で29か所のショートカットが行われた。結果流れが急になり、土砂の流出もあって川底が深くなっているそうである。
-
江別市内から石狩川にそそぐ川。右から順に、夕張川、千歳川、豊平川。
-
その石狩川沿いにある「 榎本公園」にやってきた。公園の名前はかつて榎本武揚(エノモトタケアキ)が、開拓史から払い下げを受けて農場経営を行わせた土地であることに由来する。
ここはもと「対雁(ツイシカリ)」と呼ばれ、2020年の直木賞受賞作『熱源(川越宗一著)』の舞台にもなっている地。草をきれいに刈ったばかり。枯草のにおいがしていた。 -
道産子馬にまたがった榎本武揚像。土台は五稜郭を模した五角形。
明治8年(1875)に榎本は特命全権大使としてサンクトペテルブルグに赴き、樺太千島交換条約が交わされ、千島列島は日本に、南樺太はロシアになった。後に南樺太のアイヌの人々がこの地に移住したきっかけとなる。 -
「対雁百年碑」ここは石狩川左岸に面した津石狩だった地点のすぐ近く。史跡 対雁番屋・駅逓(エキテイ;官営の宿場、人馬の中継ぎ、郵便配送の役割)など流通の要衝だったため江別発祥の地とされている。1871年宮城県からの入植、1876年樺太アイヌの移住の事が書かれている。
-
「江別市ガラス工芸館」に立ち寄る。煉瓦の洋館だ。煉瓦と円形の建物がおしゃれな雰囲気。
旧石田邸 江別市のレンガ工場北海煉瓦合資会社の代表者だった故石田惣喜知氏が1946年に自ら設計し建築した。1992年に江別市が買い上げ改修整備した。現在はガラス工芸家柿崎均氏の工房となって作品も展示されている。江別市ガラス工芸館 名所・史跡
-
中に入るとグラスの展示販売。
-
面白いデザインだ。人物の胸像をモチーフにしている。
-
別の角度から。両腕がデフォルメされて楽しい。
-
洋館の外の木々も少し紅葉が始まっていた。
-
次に訪れたのは 江別市屯田資料館。札幌周辺には6~7箇所の屯田兵入植地があり、屯田兵一人に4000坪のうっそうとした荒地が与えられた。家族持ちの兵が殆どで協力して開墾すれば自分の土地となった。しかし機械のない時代だから開墾も斧や鍬など人力によるもので困難をきわめたという。
野幌屯田兵第二中隊本部 美術館・博物館
-
建物の間取り図。どの地域も同じ建て方、区画で整備されたとのこと。野幌の屯田兵は明治18(1885)年と19(1886)年に225戸が入地した。鳥取、鹿児島、広島、熊本、山口、佐賀、石川の各県からの移住だった。
-
野幌屯田兵第二中隊本部(道指定有形文化財)。門には開拓史のマーク 五角形の星。洋風二階建て、屋根は切妻造りで柾葺(まさぶき)、小屋構造はバルーンフレームと呼ばれ開拓使以来のアメリカ風の建築手法が用いられた。
野幌屯田兵第二中隊本部 美術館・博物館
-
民間人で江別の開拓に尽力した「北越植民社」の社長 関矢孫左衛門。越後(新潟県)出身で、この方の屋敷の一部だった場所「千古園」にやって来た。
彼は国会議員の職を捨て最初の移住民と共に入地し長期にわたって模範的農場経営に当たると共に現在の特別天然記念物に指定される前から「野幌原始林」保存運動を推進した人物。千古園 公園・植物園
-
千古園は江別市指定の文化財第一号である。市指定の保存木 キタコブシの老木が支えられてなお葉をいっぱいつけていた。
-
江別市指定の保存木 ブナの大樹。6人の両手で輪がつながった。
千古園 公園・植物園
-
小さな池のそばに茅葺の茶室「道庵」があり、黄色い立ち入り禁止のテープが貼られていた。春には桜が咲き、大勢の花見客で賑わうそうだ。
-
お地蔵さまが16体一列に並ぶ。
-
千古園を出てすぐの場所に、敷島製パン(パスコ)が手がける「夢パン工房 野幌店」が入った「ゆめちからテラス」がある。
-
夢パン工房の内部。「はるゆたか」という江別産の小麦で焼いたパンはもちもちして美味しい。他にも「ホロシリコムギ」「春よ恋」などのブレンドに適した小麦が生産され、パン・スイーツ・ビールなど江別産小麦を加工した商品も多く販売されている。
Pasco夢パン工房 野幌店 グルメ・レストラン
-
夢ちからテラスの右側には近隣の新鮮な野菜が安く手に入る「のっぽろ野菜直売所」がある。
のっぽろ野菜直売所 お土産屋・直売所・特産品
-
いつ行っても野菜はもちろん、新鮮な果物も並ぶ。
のっぽろ野菜直売所 お土産屋・直売所・特産品
-
南瓜の種類も半端ではなかった。千両なしと長芋、大豆を買って今晩のメニューに。
今日はたっぷりと江別市の歴史と自然に触れ、改めて先人の苦労を感じることが出来た一日だった。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったスポット
もっと見る
この旅行で行ったグルメ・レストラン
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 北海道内 日帰りのバス旅
0
70