2023/08/03 - 2023/08/04
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公共交通トラベラーkenさん
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2023年8月3日(木)~4日(金)の1泊2日で山梨旅行に出かけました。連日暑い日が続くのでどこか涼しいところに避難したくなって、山梨県の清里高原に行こうということになりました。バブル経済華やかなりしころ、都会の若者が大挙して訪れた有名な駅前の繁華街も、今はすっかりシャッター街に成り下がり、むしろその寂れっぷりを面白がって訪れるもの好きがいるくらいに悲惨な状況になっていると聞いていました。ところが旅行の少し前にテレビを観ていたら、清里のシンボル的存在だったミルクポットが復活する、という驚きのニュースが報じられていました。
今後の清里がどうなるのかとても気になるところです。その偵察も兼ねて、夏の清里高原を歩き回って来ました。
旅行記その1は中央線長坂駅という所で下車して観光してから清里に向かいます。あまり観光で訪れる機会は少ないエリアだと思いますが、実際に歩いて見ると案外面白いスポットがあったりします。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JR特急 JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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JR中央線小淵沢駅の一つ手前、長坂駅から観光スタートです。初めて降りましたが、駅周辺は特に面白いものはなさそうです。
長坂駅 駅
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長坂駅前観光案内所・びたみん市場という施設がありました。このあたりでとれた野菜や果物の直売所になっているようです。ここでミニトマトを1パック購入して、バスを待つ間に食べることにしました。結構美味しいトマトでした。
北杜市民バス [3号車]グリーンライン日野春駅行のバスに乗って、中丸公民館南バス停で下車します。 -
徒歩数分で最初の観光スポット、清春芸術村に到着です。ここは、武者小路実篤や志賀直哉を始めとする白樺派同人による美術館構想を、日本を代表する銀座の老舗ギャラリー「吉井画廊」のオーナー吉井長三氏が私財を投じて実現させた施設です。
清春芸術村のソメイヨシノ 花見
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入口から入ると正面にラ・リューシュという建物があります。この建築のオリジナルはパリ現存していて、シャガールやモディリアーニなど著名な芸術家たちが集い、芸術活動の拠点としていた場所なんだそうです。
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光の美術館。安藤忠雄の設計により創設された美術館です。
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内部は一切の人口照明がなく自然光のみ。
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藤森照信設計「茶室 徹」。この人の建築は諏訪湖を旅行した時に「神長官守矢史料館」「空飛ぶ泥舟」「高過庵」「低過庵」を見ました。さらに近江八幡へ行った時も「ラ・コリーナ近江八幡」の建物を見ていました。独特な建物を作る人ですね。
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白樺派という言葉は知っていますが、実際にその芸術に触れたことはありません。
いまさら武者小路実篤を読む気にもならないですね。 -
そういえば高校の国語の授業で志賀直哉の「城崎にて」を読んだ記憶があります。石を投げてイモリを殺す話だった、かな? ヤモリだったかも。
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広い敷地の中に面白い建築が点在していますが、実際に中に入れるのは光の美術館と清春白樺美術館、ルオー礼拝堂の3つだけです(他にラ・リューシュの1室だけ資料室として公開されています)。入場料1500円は少し高いかな。
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一般庶民が高尚な白樺派の芸術に触れさせていただけるのですから、少し高めの入場料くらい我慢しなければいけませんね。
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ルオー礼拝堂。宗教画家ジョルジュ・ルオーを記念した礼拝堂です。
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ステンドグラス「ブーケ」。ルオーが制作したものです。
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祭壇背後の十字架上のキリスト像は、ルオー自身が彩色し毎日祈りを捧げていた実物です。
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壁にかかるルオーの絵画。私はルオーの絵が大好きなので、ここが一番気に入りました。
清春白樺美術館も入りましたが内部は撮影禁止でした。ピカソを撮影した写真展をやっていて割と面白かったです。 -
清春芸術村を出て、通りの反対側にある北杜市郷土資料館に入ります。北杜市は、平成の大合併で長坂町・高根町・大泉村・白州町・武川村・須玉町・明野村の7町村と、後に小淵沢町も加わって生まれた市です。
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この資料館も合併前は長坂郷土資料館という名称だったようです。1Fには昭和初期の長坂の民家が復元されていました。
学習院のエリート坊ちゃんグループが掲げる理想の芸術世界から一転、土の匂いが漂うような地域の歴史・民俗にどっぷりと浸かりましょう。入場料210円。 -
この辺りは昔から馬の一大産地だったそうです。
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初午の行事で道祖神に備えられた藁の馬。
馬の健康を祈ってお祭りが行われたそうです。 -
馬の安全を祈願するお札。北杜市高根町藏原にある鎧堂観音は馬を守護する観音として信仰を集めていました。
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北杜市では以前ホップの生産を行っていたそうです。
山梨県ホップ農業協同組合は平成3年まで存在していたようです。「かいこがね」という新品種もここで生まれたそうです。地ビール生産などで復活したら面白いかもしれません。 -
2Fのテラスからの眺め。のどかな山間の農村風景が広がっています。
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資料館を出て、少し歩きます。日差しは強いですが、山の風がとてもさわやかです。
水田の稲がとてもきれいです。用水路の水もそのまま飲めそうな清流です。きっと美味しいお米ができるのでしょう。 -
アフリカンアートミュージアムという美術館があります。
アフリカンアートミュージアム 美術館・博物館
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バス通りの道から急な坂道を登っていきます。
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やっと美術館に到着。
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展示室にはアフリカの木彫作品などがたくさん展示されています。
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大胆にデフォルメされた独特の形状が多いです。
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パワーを感じます。
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犬か猫かと思ったらライオンらしい。
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三重県伊勢市にあるマコンデ美術館という、アフリカンアートを集めた美術館に行ったことがありますが、あちらはタンザニアとモザンビークの国境地帯に暮らすマコンデ族の作品を扱っているのに対して、ここはアフリカの他の地域の作品も広く収集しています。しかも15~16世紀頃の古い作品も多く、コレクションの充実度に圧倒されます。
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子供の頃、家の壁にアフリカの木製仮面が架けてあり、私のお気に入りでした。それを毎日見て育ったせいか、大人になった今でも民俗仮面やプリミティブ・アートが大好きです。
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案外柳宗悦の民芸運動なんかにも通じるものがあるのかも。 木喰仏の素朴な風貌と印象が似ている気がします。
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帰りのバスが来るまでかなり時間があります。結局駅まで歩いてしまうことにしました。アップダウンの多い道でしたが、30分くらいの道のりなので大したことはありません。
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長坂駅に到着。駅前でお昼にします。
「みちくさ」といういかにも田舎にありそうな喫茶店に入りました。みちくさお食事喫茶 グルメ・レストラン
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期待通りの店内です。
おばあちゃんが注文を取りに来てくれます。 -
ソースカツ丼。この辺りではカツ丼というと基本的にソースカツ丼になるらしい。
結構美味しい。 -
冷やし中華。これもなかなか美味しい。
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次に乗る予定のバスが来るまでまだ時間があるので、デザート追加注文。
小倉ホットケーキ。甘くて美味しい。 -
チョコレートパフェ。
これも甘くて美味しい。 -
昭和感を満喫できる喫茶店でした。「田舎に旅行に来たなぁ」という気分に浸れて大満足です。
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バスが来るまでもう少し待ちます。
バス停の横に図書館があったので、ここで待たせてもらいました。 -
北杜市民バスで大滝公園入口バス停下車。大滝湧水公園に向かいます。
公園の入り口近くに「神供石」という大きな岩がありました。近くの解説看板によると、この岩にミシャクジ神が降臨するらしい。ミシャクジ神は諏訪地方を旅行した際に耳にした神様の名前です。東日本に広く伝わる縄文時代から崇められてきた神様なんだとか。 -
公園までのなだらかな下り坂を進むと、だんだん涼しくなっていくのがわかります。
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大滝湧水公園到着。
綺麗な小川が流れています。水に手を浸けるとヒンヤリとしてとても気持ちがいい。大滝湧水公園 公園・植物園
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公園の奥に鎮座する大滝神社。
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社殿の隣には樋があり、湧水が勢いよく流れ落ちています。
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石垣に囲まれた境内に上がり、拝殿に参拝。
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隣には生け簀があります。小さな魚が泳いでいました。ニジマスか何かを養殖しているのでしょうか。
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拝殿の裏手の山の斜面に穴発見。
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内部には特に何もないようです。
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湧水の流れる樋を上部から眺めるとこんな感じです。
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山の斜面に巨石があり、その上に小さな祠もあります。「蠶影太神」と書かれているようです。養蚕業の神様ですね。
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清らかな湧水を利用したワサビ田もありました。
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水くみ場もあります。大きなポリタンクをもって水を汲みに来ている人がいました。
私も空のペットボトルに水を汲んで飲んでみます。少し甘みを感じるとても美味しい水でした。 -
山から湧き出す豊富な湧水と神社の組み合わせがとても神聖な感じがします。
小さいですが、かなり見ごたえのある神社でした。 -
神社の参道はJR中央線の線路の下をくぐる形になっています。
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線路をくぐるといきなり気温が上がります。
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一の鳥居。線路の土手に遮られて神社は全く見えません。
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振り返ると「これぞ夏休み!」という風景が広がっています。
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バスが1日4便しかない路線なので、小淵沢まで徒歩で向かいます。約1.6キロ、20分くらいの距離ですが、ちょっと暑くて体力を消耗します。
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小淵沢駅到着。「ようこそ、馬のまち小淵沢へ」という看板がありました。先ほどの資料館の展示にもありましたが、現在でもこの辺りには乗馬クラブなどが多く集まっているそうです。そして戦国時代に武田信玄が軍用道路として使用した「棒道」を乗馬トレッキングすることもできるんだとか。
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小淵沢から小海線に乗って清里高原方面に向かいます。
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この電車は車窓の風景が楽しいです。
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30年振りに小海線に乗りました。
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甲斐大泉駅下車。
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高原の田舎駅らしい、こじんまりとした駅舎です。
本日宿泊するペンションの御主人が駅まで迎えに来てくれています。甲斐大泉駅 駅
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ペンションユーリカに到着。
ペンション ユーリカ 宿・ホテル
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海辺の民宿に泊ったことがありますが、高原のペンションに宿泊するのは多分これが初めてかも。
なかなかいい感じです。屋根のブラインドを開ければ星空も見えるはずですが、あいにく夕方から雲が出てきてしまいました。今日は星空は絶望的です。 -
夕食時間まで少し時間があったのでペンションの周囲を散歩します。この辺りは静かな別荘街で、特に観光スポットというものはないようです。井富溜池という場所があったので立ち寄ってみました。周囲はフェンスに囲まれていて中に入ることはできませんが、森に囲まれた静かな溜池で案外きれいです。マップの口コミなどによると色々な野鳥を観察できるらしいのですが、この日はあんまり飛んでいないみたいでした。
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カミキリムシ発見。斑が黄色いのでキボシカミキリだと思います。
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綺麗な白い花が咲いています。ボタンヅルという花ですかね。キンポウゲ科の毒草らしいです。
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ペンションに戻って来ました。高原のペンションは海辺の民宿とはだいぶ違いますね。階段の踊り場にあるオブジェもなんだかとてもかわいらしいです。
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夕食です。
先ずは冷製コーンポタージュとサラダ。どちらもものすごく美味しい。これだけでご飯2杯いけます。 -
グラタン。食べてみるとどうやらヤマイモが入っているようです。マカロニなどよりあっさりしていて食べやすいです。
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魚料理。舌平目のフライだったと思います。付け合わせの野菜まで美味。
特にアスパラガスが素晴らしく良い香りでした。 -
お肉、たぶん豚肉でした。大変美味。
付け合わせのトウモロコシがものすごく甘くて美味しかったです。口コミで料理の評判がとても良かったのでここを選んだのですが、大正解でした。 -
デザートはほうじ茶のプリン。これも大変美味でした。
旅先の夕食はご当地スーパーの美味しい惣菜を食べるのが最近の定番になっていたのですが、たまにちゃんとした料理を食べるとなんだか素晴らしく贅沢な気分になれます。 -
廊下の本棚に懐かしい本がありました。今夜は星空を見る事ができそうもないので、寝るまでこの本を読むことにします。筒井康隆の書いた有名なSFですが、原作をちゃんと読むのはこれが初めてです。50才過ぎてから旅先のペンションで読むとは思いませんでした。
明日はいよいよ清里観光に向かいます。
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旅行記グループ 2023年8月3日~4日 清里高原避暑の旅
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