2023/07/15 - 2023/07/15
276位(同エリア1779件中)
さるおさん
通勤途中の駅で見掛けたパンフレット。新選組の"だんだら羽織"に、"京都にて待つ"の力強い文字。京都定期観光バス夏の特別コース「新選組と幕末ゆかりの地を訪ねて」。今年は新選組結成160年らしい。
新選組に"京都で待つ"と言われたら行かない訳にはいかない。速攻申込。正確には、京都で待っているのはバス会社(笑)。
行程:壬生寺本堂(特別公開)→御香宮神社→料亭「魚三楼」で京料理のランチ→島原(角屋・輪違屋)
- 旅行の満足度
- 4.5
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意気揚々と京都駅に降り立つ。今日は祇園祭の宵々山。京都は凄い人出。
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新選組ゆかりの地と言えば忘れちゃいけない「壬生寺」。新選組が境内を兵法訓練場として利用していたお寺。大砲の訓練なんかもしており、お寺はいい迷惑だったらしい。
この夏本堂が特別公開されており、お寺の方の説明付きで重要文化財の「地蔵菩薩立像」などを見学。本堂は写真撮影不可。 -
境内にあった立看板。「青のミブロ」、何かと思えば、"壬生浪士組(通称:ミブロ)"を描いた漫画。読んだことないけど。
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「近藤勇像」
言わずと知れた新選組局長。新選組については諸説あるが、私にとっては司馬遼太郎の"燃えよ剣"が全て。剣術に秀でた田舎の若者が武士になることを夢見て時代に翻弄された話。
近藤勇、慶応4年、板橋刑場で斬首。首は三条河原で晒し首となり、その後行方不明。どこかで葬られていることを願うばかり。 -
今年は新選組結成160年。
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伏見の「魚三楼」で京料理のランチ。明和元年(1764年)創業。何と260年前の創業。京都では然程珍しくもないか。店先の格子には"鳥羽伏見の戦い"の際の弾痕が残っているが、言われなきゃタダの傷にしか見えない。説明って大事。
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「魚三楼」さんの入口に飾ってあった"祇園祭の粽"。祇園祭の粽は食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守り。毎年祇園祭のときにだけ各山鉾のお会所で販売される。丁度祇園祭の最中につき記念に写させてもらった。
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続いての目的地「御香宮神社」。銘水「御香水」が涌く社。この「御香水」を飲むとどんな病も治ったという謂れを持つ。勿論、頂いときました。
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この神社は鳥羽伏見の戦いで薩摩藩の屯所となった。そのようなことが書いてあるであろう案内板。読んでないので知らんけど。
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本殿は慶長十年(1605)に家康の命によって建立されたもの。五間社流造に極彩色の装飾が施されている。
ここから次の目的地「島原」までバス移動。バスツアーはいいね。座ってるだけでいいから。バスガイドさんの案内が、時折はんなりした京都口調になるのも良き。何故か、ガイドさんが"芹澤鴨(せりざわ かも)"と発する度、"レイザーラモン"と聞こえたけど(笑)。アラ還の耳、恐るべし。 -
「島原」は京都で有名な花街の一つ。"島原"というのは正式な地名でなく呼称。
江戸時代、"六条"から今の地へ移転を命じられる。その移転騒動のバタバタぶりが"島原の乱"みたいだと"島原"と呼ばれるようになった。命を懸けて乱を蜂起した天草四郎は、まさか京の花街で、その名が残るとは思わなかったろう。
まずは、揚屋の「角屋」さんから見学。 -
揚屋「角屋」。
"揚屋"とは遊宴のために場所を提供した店のこと。太夫・格子など上級の遊女、音曲のための芸子を呼んで豪勢に遊ぶ場だった。
今回の京都定期観光バスの旅、実は、この揚屋や置屋の見学を楽しみにしていた。"花魁""花街""遊女"・・・これら艶麗な言葉は私の好物。 -
「角屋」、玄関に太夫の櫛を模した装飾。
見学はグループ毎にスタッフの方の案内付き。 -
「新選組の刀傷」
酔っ払ってふざけて付けた傷らしい。このような遊びの場での刃傷沙汰は御法度。酔ったとはいえ刀を抜いた隊士はダサいと思う。 -
50畳の配膳場。出来上がった料理をここで盛り付け各座敷へ運んでいく。料理を持った人が入れ替わり立ち代わり出入りするからだろう、躓かないよう段差は無い。バリアフリー。最盛期は多くの人が働いていたのだろうな。耳をすませば当時の喧噪が聞こえてきそうだ。
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「帳場」
お会計をする場所ではなく顧客情報を管理する場所。"今日○○さんには△△ちゃんが付いた"とか"○○さんは細身の娘が好み"とか、そういう記録を残して次回の接待に役立てるのだそう。銀座のクラブも同じ事やってるね。 -
帳場の格子。この格子を通して入って来る人を確認したという。
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店の神棚。開店前のホステスさん(当時は太夫さん)が"今日も沢山儲かりますように"と願を掛けた場所。
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台所。揚屋は料理を出す為このような大きな台所が必要だった。
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「八方」
四方八方を照らすということから名付けられた照明用吊行燈。 -
座敷への廊下。
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「中庭」
埼玉から来られたという一人参加の奥様に話しかけられた。島原見学を楽しみにして、このツアーを選ばれたそう。私も同じです。暫し歓談。 -
天井板を網代組にしている所から「網代の間」と呼ばれる一階の表座敷。
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今回のバスツアーは一階のみの見学。二階にも座敷が幾つかあり、壁や建具に青貝をちりばめた"青貝の間"等珍しい座敷もあるらしい。見学できなくて残念。
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ここで"花街"のお勉強。まず"太夫"。"太夫"とは島原の"傾城"(遊宴のもてなしを公認された女性)の最高位。太夫には美しさだけでなくお茶やお花、俳諧などの教養も身に着けていたそうです。今のキャバクラのお姉ちゃんなんて目じゃないぐらい知性と美しさを兼ね備えた女性だったのね。私には程遠い話よね(哀しい目をする"さるお"さん)。
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庭から「臥竜松」が見えるため「松の間」と名付けられた大座敷。
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「臥竜松」
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「松の間」立派な屏風。
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欄間も素敵。
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新選組芹沢鴨は殺害される直前に、ここ「松の間」で酒宴を開いている。その時芹澤鴨が座っていた場所。剣術に長けていた芹澤を斬るには、相当酔っぱらわせる必要があったようだ。ここから壬生の八木邸に帰り、そこで斬殺される。その時の生々しい刀傷が現在も八木邸に残っている。
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続いて「輪違屋」。
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「輪違屋」は元は置屋。"置屋"とは太夫や芸妓を抱えて、饗宴の場"揚屋"に送り出す商いのこと。差し詰め今で言う芸能プロダクション。幼いころから置屋に預けられた女性は訓練が施されて一人前になっていく。そして、遊宴の場へとさし向けられるのである。
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太夫が"置屋"から"揚屋"へ出向く際に、禿や引舟を引き連れて歩くのが"太夫道中"。高下駄を履いて"内八文字"に歩く。とても一人じゃ歩けないような高下駄は、逃げられない様に履かされたという説がある。華やかに見えて哀しい太夫の世界。
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「輪違屋」さんの二つの輪が繋がった紋。現代のロゴマーク。
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"すりガラス"にもロゴマーク。私、"すりガラス"、好きなのよねぇ。家を新築する時、リビングの扉のガラスを"ワッフルガラス"にするか"すりガラス"にするかで悩んで、"ワッフルガラス"を選択しましたが、こうやって見ると"すりガラス"も素敵よね。こういうの、"エモい"って言うんでしょ。
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「輪違屋」さんは元の名を「養花楼」といった。そんな名前聞くとさ、五社英雄監督の"陽暉楼"っていう映画思い出しちゃったわ。売れっ子芸妓の桃若を先頭に綺麗所が料亭の廊下を颯爽と歩くシーンが浮かぶ。彼方は土佐のお話。此方は京都だから、太夫さん達の雰囲気はもう少し円やかだったかもしれない。
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襖に貼ってあるのは、太夫さんがお客さんに宛てた恋文。"会えない日がつらいから早く会いに来て"みたいなことが書いてあるらしい・・・って、ソレ、恋文じゃなくてビジネスレターじゃないですか。知り合いの所にもキャバ嬢から似たようなメールが来てますよ(笑)。
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<花魁と太夫の違い>
花魁は芸を披露しない娼妓部門の最高位。花魁と太夫では帯の結び方が違うそうです。 -
吉野太夫の文。えっ~! 吉野太夫って実在の人物だったの? 物語の登場人物かと思ってた。
"吉野太夫"って人の名前じゃなくて名跡だそうで、初代から数えて10代目まであったそうだ。井原西鶴の『好色一代男』にも"他人を惹きつける魅力にあふれた慈悲深い女性"として登場しているが、何代目の吉野太夫の話だったのだろうか。 -
こちらは近藤勇の書。書いてある内容は判らんが、置屋にあるぐらいだ、きっと京都でブイブイいわせてる頃に書いた物だろう。田舎の若者が、京の花街で一流の太夫の上客になったのだ。当時は輝く未来しか想像していなかったろう。自分の行く末をどう感じていたのか。思うと胸が痛い。
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「輪違屋」の二階の座敷は写真不可。太夫道中で使用する傘を張り込んだ"傘の間"、壁に本物の紅葉を塗り込んで型とした"紅葉の間"などがあります。
※"傘の間"の写真はパンフレットから。
"紅葉の間"、紅葉の柄がラブリーでした。当時は蝋燭の明かりしかなく、その明かりの中でゆらゆら揺れる紅葉の柄は非常に幻想的だったそうです。そこに美しい太夫さんでしょ? 正に非日常、夢のような世界だったのでしょうね。
島原、面白かったです。埼玉の御婦人も満足された様子。「輪違屋」は現在も太夫を抱え宴席の場として営まれています。表に「観覧謝絶」の札があったので、"あら、私観覧してるのに謝絶ってどういう意味?"って思ったら、いわゆる"一見さんおことわり"ってコトだったらしいです。勉強になります。
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この旅行記へのコメント (7)
-
- オカンカンさん 2023/08/22 19:38:43
- ありがとうございました。
- さるおさま オカンカンです。
先ほど旅行記をアップいたしました。
早々のご投票もありがとうございました。相変わらず京都は暑かったです。
直前にも関わらず、色々と教えてくださり本当にありがとうございました。
まだまだ暑い日本列島ですが、どうぞお身体にご自愛くださいませ。
- さるおさん からの返信 2023/08/25 19:13:40
- RE: ありがとうございました。
- オカンカンさま
ご丁寧にお礼いただき恐縮です。
旅行記、楽しく拝見しました。
特に前半の壬生寺の所、私の知らない色んな情報も出てきて面白かったです。
真夏の京都を楽しまれたご様子。
何かのお役に立てたなら良かったです。
さるお
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- オカンカンさん 2023/07/29 21:30:38
- 初めまして
- さるお様
初めまして、オカンカンと申します。
来週末、新選組関連の特別公開に行こうと思っていましたが、さるお様の旅行記でバスツアーがあるのを知りました。
とても興味深い内容で、熱中症の心配も回避できそうです。
所要時間は5時間半とありますが、15時半ころには終了したということでしょうか?
私事ですが、16時半には京都駅に戻りたく思っています。
とても図々しいのですが、お時間があれば教えていただけると嬉しく思います。
- さるおさん からの返信 2023/08/02 20:03:03
- RE: 初めまして
- オカンカン様
ご返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
私がツアーに参加したのは、祇園祭の最中の土曜日でしたが、
然程の渋滞にあうこともなく、スムーズに運行したと思います。
確か京都駅に着いたのは16時前だったと記憶しています。
私が一番心配していたのも熱中症でしたが、バスが観光地の近辺まで連れて行ってくれましたのでね、
個人で行くよりは、随分と楽でした。
私的には満足のいくツアー内容でした。
何かの参考になれば幸いです。
さるお
- オカンカンさん からの返信 2023/08/03 09:02:10
- RE: RE: 初めまして
- さるお様
ご回答ありがとうございますm(_ _)m
迷っていましたが、申し込む事に致しました。
ありがとうございました。
オカンカン
- さるおさん からの返信 2023/08/03 18:41:16
- RE: RE: RE: 初めまして
- オカンカン 様
楽しんできてください!
さるお
- さるおさん からの返信 2023/08/03 18:42:24
- RE: RE: RE: 初めまして
- オカンカン 様
楽しんできてください!
さるお
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