2023/07/07 - 2023/07/07
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gyachung kangさん
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金曜日に休暇を一日とって東北のお山に入る。行き先は山形県の中部にある月山。古くからの信仰の山でありたおやかな稜線は登山者に優しそう。東北地方、いや日本を代表する名山であります。
梅雨明け前のスキマ狙いで今夏序盤の脚慣らしに入山したのだが。私を待ち受けていたのは猫の目天候とホンマかいな?の豪快な冬の名残りでありました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 新幹線 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
西川IC
それ、どこですか?とか言わないで。
ここは山形県山形市。そこから日本海方向に舵を取ってバスで40分。西川町である。町内に入るとありがたい町営バスが走っていた。一日4本。目的地は今夜の宿。
だがしかし、ここで問題が起きていた。
当初の予定は本日はのんびり宿に前泊。天候を待って明日の朝から月山頂上に登る、このプラン。
ところが、このバス待ちの間に天気予報をチェックするといつの間にか明日は無慈悲な雨マークに入れ替わっていた。
ぐわーん泣
そりゃないぜ
どうする月山?
私の頭にはプランBが浮かび上がっていた。 -
鉄は熱いうちに打て
山は晴れているうちに登れ
我が家の家訓である。西川町営バスに乗り予約していたお宿に到着。ご主人と意見交換した後、これから登ることにした。時間は13時前。セオリーならば絶対に避けるべき午後入山であるが禁を破った。17時半に戻ります、と告げご主人はじゃあ17時半に貴方の風呂時間をとっておくから、と温かい励ましの言葉をいただいた。
宿から5分のリフト乗り場へダッシュする。
この日いちばん遅い入山者かもしれない。 -
リフトの下にはニッコウキスゲがベルトになって咲き誇っていた。波乱含みの月山登山になったがスタートはこの上無し。
-
リフトを降りて靴紐をこれ以上ないくらいキツめに縛り上げた。行手には先週まで春スキーしてたんじゃないかと見紛うほどの残雪が覗いている。
-
赤いおべべが映える。
安全地蔵に本日の安全を祈る。 -
だがあ、これですよ!
いきなりの試練がやってきた。
大雪渓、しかも急登のおまけつき。
私の3シーズン登山靴、なかなかソールは頼もしく、何とかなるかあ?と踏み出してみた。
全く歯が立たない。新雪でないからか踏み込みが効かず滑り落ちるのみ。使わないけれど心の安心のためにザックのいちばん底に忍ばせていた軽アイゼンを取り出して装着。
この序盤戦で転げ落ちているバヤイではなかと。 -
軽アイゼンのサポートを得て悶絶しながら魔の急登雪渓をクリア。
一転してなだらかになった稜線を黙々と進む。
気まぐれな天候がとにかく怖い。
何とか下山まで持ち堪えておくんなまし。た、たのむよ。 -
いい感じになってきました。
ご機嫌を取り戻しつつある私。 -
この先はもう大丈夫!
安心フラグが立ったんだよね、この時は。 -
岩影からミヤマキンバイ
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延命地蔵尊
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このあたりに昔鍛冶小屋があったらしい。
頂上が射程に入った。 -
山頂が見えた。
あれぞ月山神社。 -
頂上に向かう登山者ならば必ず目に入るこの石碑
八紘一宇
これは太平洋戦争の遂行時に日本がスローガンとしたあまりにも有名なワードでその経緯から戦後では苦い響きを持って捉えられている。私でさえ知っている言葉だが、ルーツは日本書紀に由来するそうだ。とは言えちょっと、いやかなり驚いた。 -
頂上が本宮への入り口になっている。
まさに信仰の山、霊峰と呼ぶにふさわしい月山
門をくぐると右側の建屋に控える神官からお祓いを受ける。その後に最終目的地である神社を参拝。ちなみにここにも無言の神官が身を固めて隠れるように鎮座していた。独特な緊張感に包まれた場であった。 -
頂上にもミヤマキンバイ
並ぶようにホソバイワベンケイらしき姿
もう一週間あとなら可憐に咲いていたも知れない -
神饌ノ池
ここ好天の日ならば間違いなく絶好のランチスポットなのになあ。今日の強行軍ではちと難しい。
ランチ抜きで下山を急がねば。 -
優しさ満載の稜線でしょ?
このペースなら下りリフト最終便16時半に飛び乗れるかもしれない。 -
リフトに飛び乗る
前に進むことで頭の中がいっぱいだった私。落とし穴がここに。牛首の分岐点で月山ペアリフトの文字に目を奪われ疑いもなく選択したのが左手方向の道。
ところがなんかおかしい。20分進んだあたりで登り道一辺倒になり地図確認。あちゃあ、コチラは湯殿山に通じるルートで途中姥ヶ岳経由でリフトには降りられるが大周りになる道であった。もちろん下山道の雪渓状態は全く未知数。リフト場に出てもその地点から下山ルートは無い。
リフトに間に合わないことが決定的なこのルートに賭けることはリスク大。牛首まで引き返すことにした。 -
正解はこの斜面
よく見たらピンクテープが地味に巻かれておる。
こんなん普通に間違えるわ~
一言悪態をついてみるのが精一杯の抵抗。
この斜面はリフト下駅の東側に出る道へと繋がっている。
この時間、私の前後にもはや他の人影はない。
心細くなる気持ちを抑えながら、途中2回転倒しながら、雪渓を降りる。 -
悪戦苦闘の末、なんとか大雪渓を降り切った。
姥沢バス停、ここから下降していける。もうリフトは間に合わないが。難儀のあとには心が和む安堵感。 -
休憩ベンチでひと息入れていたこの時、月山頂上方向の上空が青く晴れ渡った。この青さは間違いなく夏の空ですよ。報われましたね。思い切って今日登った甲斐がありました。
-
が、しかし。お山はやっぱり甘くない。
雪渓を抜けたらあとは気楽な下山道🎶宿に帰ればお風呂と夕飯が待っている~と勝手に踏んでいた私。
想像よりもじぇんじぇん長いこのルート、木道があるうちはいいんだが雪溶け水がじゃかじゃか流れ落ちてオンルートなのか怪しげな箇所も出現。最後の辛抱のしどころである。 -
最難関はここ。
沢渡りならぬ雪渓渡り。画面奥から降ってくると斜面に雪渓が200メートルほど横たわっていたのだが、どのポイントが安全なのか検討がつかない。渡り用に便りないロープが細い木の幹に巻かれて支持に使うがこの斜度では下に向かってズリ落ちるばかり。雪渓と地面の差も1メートル以上あって最後は飛び降りた。雪渓のリスクを身をもって体験する機会となった。 -
そしてようやく脱出に成功!
目の前にはリフト下駅の建屋が現れた。
ここまで来ればもう大丈夫。時計の針を見ると17時20分。どうやらご主人との約束の時間に間に合いました。 -
今夜のお宿にチェックイン。当初は前泊地として利用するつもりだったが前倒し登山が終わり緊張が解けて畳の上で一気に弛緩する。タオルを持ってお風呂に突撃。
-
風呂から上がって明るい食堂に向かうと私の食事が用意されていた。山形らしい山菜と鮎の塩焼き、そしてご当地名物の芋煮にスイーツはさくらんぼ。
終わりよければ全て良し。都合良くまとめるなよとかは言わないで笑。波乱含みの今回の七夕山行、無事の下山となったことを月山の神に心より感謝致します。
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