2023/05/10 - 2023/05/10
197位(同エリア254件中)
naoさん
京都府相楽郡和束町は、お茶の栽培に適した気候風土を活かして、古くから香り高い煎茶を栽培してきた所で、その美しい茶畑の景観から茶源郷と称えられています。
宇治茶の約4割を生産するお茶農家さんにとって、『♪夏も近づく八十八夜~♪』と、文部省唱歌の「茶摘み」でも歌われているように、例年5月は新茶シーズンの始まりで、茶摘み作業が最盛期を迎えます。
和束町の茶畑の景観は、鎌倉時代にまでさかのぼる800年以上の歴史の積み重ねによって生み出されたもので、この地に暮らすお茶農家さんたちの日ごろの茶摘み作業を通して、この美しい景観が今も維持されています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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和束町にやって来ました。
和束町が用意してくれていた観光客用の駐車場に車を停めさせてもらって、まずは石寺の茶畑と白栖(しらす)の茶畑のあるエリアを歩きます。 -
この辺りは石寺の茶畑になります。
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小高い山の上まで茶畑で埋めつくされています。
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爽やかな季節に、爽やかな青い花が咲いています。
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所々、黒や銀色の資材で覆われている畑が点在していますが、これは被覆栽培(覆い下栽培)と言われる栽培方法で、新芽が生育中の一定期間は遮光資材で茶畑を被覆し、日光を遮って育てるためなんだそうです。
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被覆方法には、茶畑に建てた棚を遮光資材で覆って日光を遮る「棚がけ被覆」と、直接茶の木を遮光資材で覆って日光を遮る「直がけ被覆」の2種類があるそうです。
ちなみに、奥の黒い被覆が「棚がけ被覆」、手前の銀色の被覆が「直がけ被覆」になります。 -
被覆栽培(覆い下栽培)は400年以上前に始まったと言われ、露天で栽培された煎茶にはない、鮮緑色で独特の芳香とまろやかな旨味や甘味のあるかぶせ茶、玉露、てん茶(まっ茶原料)が産出されるそうです。
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確かに手間はかかりますが、被覆栽培(覆い下栽培)と露天栽培では味に大きな差が出るんですね。
では、少し北側にある白栖(しらす)の茶畑へ移動します。 -
この辺りは石寺の茶畑と白栖の茶畑の境目にあたります。
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この辺りから白栖の茶畑に入ります。
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かまぼこ型に刈り込まれたお茶の木。
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お茶の成分であるカテキンやテアニンの量は、日光の当たり方に応じて変化するので、かまぼこ型に刈り込むことで木全体に均一に日光が当たるようにし、成分や味に違いが出ないようにしているんだそうです。
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被覆栽培(覆い下栽培)の技法だけではなく、露天で栽培するお茶にも細かい配慮がされています。
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茶畑の特徴とも言えるファンがたくさん設置されています。
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お茶の新芽にとって地表に降りる霜は大敵なので、霜が降りないようファンを回して温度の高い空気を送っているんだそうです。
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忙しそうに被覆栽培(覆い下栽培)用の遮光資材を整理しておられるお茶農家さん。
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真ん中の列が「棚がけ被覆」で、手前と奥が「直がけ被覆」になります。
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どちらも丹精込めて栽培されているのがよく判ります。
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見えているのは、和束川を挟んだ反対側に広がる撰原(えりはら)の茶畑です。
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道沿いに咲くヤマツツジの花。
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何気なく見上げていると・・・
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旅客機が飛行機雲を残して飛び去って行きました。
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白栖地区の民家の軒下では、かわいい猫ちゃんが気持ちよさそうに眠っています。
では、撰原(えりはら)の茶畑へ移動します。 -
府道5号線を通って撰原の茶畑への移動途中に、和束川対岸の白栖地区の川岸にたたずむ弥勒磨崖仏を見かけました。
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高さ6~7mの巨岩に彫られたこの磨崖仏は、正安2年(1300年)の銘が彫られていることから、鎌倉時代後期の作とされています。
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撰原地区に着きました。
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道路脇に立っている石灯籠。
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撰原の茶畑の前に、撰原峠の子安地蔵尊を見に来ました。
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鎌倉時代や室町時代の和束は、奈良と信楽方面とを結ぶ交通の要衝だったことから、白栖地区の弥勒磨崖仏やこの子安地蔵尊は街道を守護するものとして造られたと考えられています。
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ちなみに、この子安地蔵尊には文永4年(1267年)の銘が刻まれているそうです。
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では、茶畑へ向かいます。
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撰原の茶畑です。
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お茶の木が曲線状に植えられている所もあります。
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これは、刈り取り作業のしやすさを考えてのことなんでしょうね。
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うねるように植えられたお茶の木が、山肌の複雑な起伏を表しています。
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では、次に釜塚地区へ移動します。
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釜塚地区にやって来ました。
こんもりとした山の上に茶畑が見えます。 -
釜塚地区で見かけた煙り出しの越屋根がある民家。
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茶畑の風景に見事に溶け合っています。
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和束町の排水桝の蓋。
お茶の名産地らしく、茶畑に立つ茶摘み娘の周囲を、町の花「茶の花」で囲ったデザインになっています。 -
次に訪れたのは中地区にある八坂神社の大杉です。
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中地区の小高い山の中腹に、八坂神社の小さなお社が祀られています。
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八坂神社の大杉は、樹齢1300年以上と言われる、幹周り約13メートル、高さ31メートルの北山杉です。
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地元では、元々の幹が倒壊した後、新たに芽吹いた8本の枝が一つの株を形成してこのような巨木になったと伝えられています。
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これまで再三にわたって落雷にあったそうですが、今も勇壮な姿を誇っています。
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八坂神社の小さなお社。
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こちらは中地区の茶畑です。
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中地区の茶畑は、十分な日当たりを確保するため、広めに間隔をあけてお茶の木が植えられているように見えます。
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そびえるような八坂神社の大杉。
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こちらの民家は、農家民宿を営んでおられるようです。
では、原山地区へ移動します。 -
原山地区に着きました。
和束町で最も見たいと思っていた「原山の円形茶園」は、現在立入禁止なのは判っていながら一縷の望みをかけて訪れてはみたものの、地元の方にお聞きするとやっぱり立入禁止だとのことなので、残念ながら諦めざるを得ませんでした。
いずれ見られる日が来ることを願って、和束町散歩を終えます。
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