2022/07/22 - 2022/08/01
5位(同エリア45件中)
マンボウのお城さん
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2017年までに登録されたイタリア本土(シチリア島を除く)の全ての世界遺産を4回に分けて踏破しました。
移動手段は、基本的にレンタカーです。
今回の旅行記は、その4回目となります(過去3回分は全て旅行記に掲載済み)。旅行期間は、往復の国際線を合わせて、10日間でした。
スケジュールは以下の通りです。右端にホテル名を記入しておきました。
(凡例 ★世界遺産(今回の旅行記)/ □:世界遺産(再訪)/■:世界遺産(次回以降の旅行記)/ ●:世界遺産(過去の旅行記))
1日目:成田→フランス-パリ(エールフランス航空)/ Hilton Paris CDG Airport→荷物を置いて市内へ
2日目:Hilton Paris CDG Airport→イタリア-ミラノに移動 / Milan Linate Airport (LIN)→(レンタカー)→●ベルモンテのサクロ・モンテ→●トリノ(サヴォイア王家の王宮群)/ B&B Alba in Langhe
3日目:●ピエモンテのブドウ畑の景観:ランゲ=ロエーロとモンフェッラート→●ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)/ Hotel La Scaletta, Florence
4日目:□フィレンツェ歴史地区(再訪)ウフィッツィ美術館/サンタ・クローチェ聖堂→●トスカーナ地方のメディチ家の邸宅群と庭園群(ピッティ宮殿のボーボリ庭園)→●サン・ジミニャーノ歴史地区 / NH Siena
5日目:●シエナ歴史地区→●ヴァル・ドルチャ / Vico Del Poeta→●ピエンツァ市街の歴史地区
6日目:●アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群→●ウルビーノ歴史地区→●サンマリノの歴史地区とティターノ山 / Mosaico Hotel, Ravenna
7日目:●ラヴェンナの初期キリスト教建築物群→●フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯→●パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)/ B&B Il Melo
8日目:●ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ→●ヴェローナ市街 / Albergo Giulia Gonzaga
★9日目:★マントヴァとサッビオネータ(サッビオネータ→マントヴァ)→■クレスピ・ダッダ→Milan Linate Airport (LIN)→フランス-パリ(CDG)→
10日目:→成田(エールフランス航空)
今日は、日本を出発して9日目となりました。本日1&2か所目の世界遺産訪問となります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エクスペディア
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ヴェローナ市街からサッビオネータのホテルまで約80Kmあるため、クルマで約80分ほどかかりました。夜遅くの到着だったため、小さな街サッビオネータのレストランは、全て閉まっていたため、ヴェローナ市街で簡単な食事をしたのは正解でした!
ホテルの美味しそうなレストランも営業を終了していました。
ホテル名:Giulia Gonzaga -
道路側からホテルの正面を見た外観は、普通の家と全く変わらないため、見つけにくいホテルですが、中は奥に広くインテリアも良い印象でした。
また、オーナーはとてもフレンドリーで、とっても良いかたでした! -
部屋は2階ですが、エレベータはありません…。
ただ、階段もとっても素敵なデザインでした! -
部屋は予想外に広く、ソファーや机もあり、とても快適でした。
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ベッドはダブルでキングサイズではありませんが、少し大きめのクイーンサイズで、十分快適でした。
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バスルームはこんな感じで、洗面台が小さく見えますが、奥に台がちゃんとあり、モノが置けますし、シャワーも可動式で使いやすかったです。
床はビショビショになりますが、トイレとはブロックが異なるため、問題ありませんでした。 -
トイレは、ちゃんとビデ付きかつ十分広く、ペーパーの位置も良くて、使いやすかったと思います。
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洋服もこの大きさの家具があるので、ホテルのファシリティに問題は全くありませんでした。本当に、よく考えられたホテルだと思います。
テレビや机が小さいかもしれませんが、大きなソファーがあるので、私は必要十分といった感じでした。 -
特筆すべきは、朝食です。まるでディナーかと思う品揃えに驚きました。
ヨーロッパの100を超える街の3~5星のホテルを経験していますが、過去、最高のコスパだったと思います。ちなみに、今でもよくここの朝食をまた食べたいなぁと想い出すほど味も最高でした。 -
写真を見ていただくと説明の必要はないと思いますが、まずパンの種類の多さと美味しさは、格別でした。
ハム類に関してイタリアは、ドイツやフランスよりも美味しくて、チーズとの相性も良く、大満足でした。 -
このフルーツの種類、量もハンパないです。
そして、クオリティが凄い!日本より甘くて美味しいものばかりでした。 -
朝から、これだけのケーキも用意してくれました。
ちなみに、この日は私達2人だけの宿泊と聞いていたので、私達2人だけのために、これだけ用意してくれました。 -
チーズの種類、量、質共に申し分ないものでした。
特に、私の大好きな高価なミモレット(オレンジ色)は、ほっぺが落ちるほど美味しくて、オーナーに絶賛すると、凄くうれしそうな顔で、これはもっと美味しいぞ!と後から、超高級そうなチーズをいくつも持ってきてくれました。
ちなみに、それらは人生で最も美味しいチーズでした! -
上の写真だけでも十分な種類、量でしたが、これも最初から置いてあったチーズです。後から持ってきてくれたチーズは、これら以外のラッピングされたものでしたが、惜しむ気配もなく、開けてくれました。
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これも朝食から出してくれるんです!クレイジーですよね!?
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パンの種類1です。
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パンの種類2です。
もう、これもクレイジーでした。 -
フルーツもイタリアで結構高い、ブルーベリーやブラックベリーなど、この量(私たちが食べた後)を持ってきてくれます。
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このフルーツの量、質共に忘れられないくらい美味しかったです!
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メロンにヨーグルトの種類がまた凄かった!
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マロンとピスタチオのヨーグルト、はじめて見ました。
超、超美味しかったです! -
自家製ジャムは、ケーキが食べ放題だったので、味見程度でいただきましたが、過去最高のフルーツ感でした。
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ちなみに、サンドイッチだけもこの量です!他にもピザ、ミートパイ、ブルーベリーパイ、チョコ饅頭??と何でもごじゃれでした。
2人だけのためにこれだけ用意してくれたホテルは、当然過去一度もありません! -
テーブル半分で、この種類&量です。それもいくつかは入れ替わっているんです。もちろん、コーヒー、紅茶は飲み放題です。
ザッビオネータに行く方は、このホテルが絶対おススメです!
ロケーションも、観光に一番良い場所です!
これで、2人で65ユーロ(約8,000円)は、持ってけドロボーレベルの破格プライスです。B&Bが4,000円/人で、下のDegli Antichi Galleryの目の前に泊まれます! -
マントヴァとサッビオネータは、イタリアのマントヴァ県に位置する2つの都市で、約30Km離れています。
それぞれの都市は、ルネサンス期の優れた都市計画を伝え、他の諸都市にも大きな影響を与えたとして、歴史的な街並み(歴史地区)が世界遺産に登録されました。
したがって、特定の建造物ではなく街全体が世界遺産の対象となっています。
ただ、マントヴァとサッビオネータの都市の規模は大きく異なります。
マントヴァの登録面積、175haに対し、サッビオネータの登録面積は、60haのため、面積比でマントヴァはサッビオネータの約3倍広いわけです。
実際に両都市に行ってみましたが、主な建造物を全て見ることを前提に考えると、要する時間は3倍どころではないように感じました。 -
それでは、各々の都市毎に説明させていただきます。
(旅行記をわかりやすくご覧いただくために、私が訪問した順で列記します)
①サッビオネータ
サッビオネータはヴェスパシアーノ・ゴンザーガ(1531年 - 1591年)によって16世紀に彼の理念が投影され建設された計画都市で、六芒星のような形状の城壁に囲まれた区画に市庁舎や宮殿などが建ち並んでいます。
「小アテネ」という異名を持っており、世界遺産に登録されているのは、その城壁に囲まれた歴史地域です。 -
登録範囲内の主な建造物群には以下のものがあります。
(凡例:◎入場観光、〇外観観光、■是非ご覧いただきたい物件、□時間があればご覧いただきたい物件)
◎Degli Antichi Galleryと庭園宮殿
■庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)は、かつて武器の貯蔵場所として使われたカステッロ広場に面する1584年建造の宮殿で、もともとはヴェスパシアーノの娼館でした。
内部の装飾を手がけたのはジュリオ・ロマーノの弟子やベルナルド・カンピ。
◎古代劇場
■古代劇場(Teatro all'Antica)は1590年に建てられた劇場で、ヴィンチェンツォ・スカモッツィが手がけた作品の中でも傑作といわれています。
◎ドゥカーレ宮殿
■ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)は市庁舎や教区聖堂も面するドゥカーレ広場の一角を占める1568年建造の宮殿で、かつてはヴェスパシアーノの居城となっていました。
〇ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)
■ドゥカーレ広場は、重要建造物が立ち並ぶ、サッビオネータの中心となっている美しい広場です。
◎インコロナータ聖堂
■インコロナータ聖堂 (Chiesa dell'Incorobata) は1588年建造で、ヴェスパシアーノの霊廟となっています。八角形のその聖堂は、見事な天井画のだまし絵が必見です。
◎シナゴーグ
□シナゴーグ(Sinagoga)は、ユダヤ教の会堂のことで、元々は聖書の朗読と解説を行う集会所でしたが、現在では、祈りの場であると同時に各地のディアスポラのユダヤ人の礼拝や結婚、教育の場であり、文化行事などを行うコミュニティーの場ともなっています。 -
ホテルの目の前にある「Degli Antichi Gallery」と奥に見える白い建物が、「庭園宮殿」です。
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「庭園宮殿」の前に広がる「Statua della piccola Atene(庭園)」にあるピアッツァ・ダルミ、アンドレア・カヴァッリによるミネルヴァの柱です。
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「Statua della piccola Atene(庭園)」から見える「Castello di Sabbioneta」というお城ですが、中を見ることはできません。
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「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」の中に入りました。
本当に素晴らしいフレスコ画が沢山残っています! -
1584年に建造された宮殿ですが、フレスコ画が多く残っているため、非常に古い感じがします。
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宮殿に相応しいフレスコ画を堪能することができます。
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床の大理石のデザインも非常に凝っていて、壁のフレスコ画と相まって、普通の宮殿とは全く異なるギリシャ神殿のような内装です。
サッビオネータが「小アテネ」という異名を持っていることが、この宮殿でわかりました。 -
サッビオネータは小さな街ですが、ここに来て、本当に良かったと感じる何かがあります。ホテルも最高でしたが、宮殿も今まで見たことがない絵画を堪能することができます。
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天井のデザインも、コリッコリッに凝ってます。必ず感動します!
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サッビオネータは、おそらくマントヴァに比べると交通事情から観光客の数は、圧倒的に少ないかもしれませんが、もしクルマでイタリアを訪問する方には、超絶おススメの観光地だと思います。
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街が大きくないため、徒歩数分で世界遺産の主な建造物を観て周れるのは、本当に助かりますし、街の中心には無料の駐車場もあるため余計なコストも発生しません。
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ホテルに駐車場はなかったのですが、荷物を置いてから、徒歩数分の無料の駐車場に停めに行こうとしたら、ホテル裏側の目の前に停めたらいいよと教えてくれるなど、オーナーがとても親切でした。
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この素晴らしい「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」にホテルから1~2分で来ることができるなんて、信じられません!
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この素晴らしい宮殿とフレスコ画を見るだけでも、相当な価値があると思いますが、下記の7つの入場チケット(合計46ユーロ(6,700円))のコンバイン(共通)チケットが15ユーロ(2,200円)であるため、ドゥカーレ宮殿と古代劇場に入るだけでも共通チケットをInformartion(観光案内所)で購入することをおススメします。
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登録範囲内の主な建造物のプライスリストは、以下の通りです(2023年最新)。
?・Palazzo Ducale - ?10
・Teatro all'Antica - ?6
・Palazzo del Giardino - ?6
・Chiesa della Beata Vergine Incoronata - ?6
・Museo del Ducato - ?6
・?Pinacoteca di San Rocco -?6
?・Synagogue - ?6
Single ticket for each of the above sights - ?15 ← これがおススメです。 -
私が入場した5つのスポットを上記の通り個別に購入すると34ユーロ(約5,000円)が、15ユーロ(2,200円)に割引かれるわけです。
また、是非ご覧いただきたい4つのチケットだけでも個別にチケットを買うと、28ユーロ(4,100円)かかります。
写真の天井の芸術的な装飾を見るだけでも日本だったら、いったいいくらかかんだろう?と思うほど、素晴らしいものでした。 -
ちなみに、ドゥカーレ宮殿と古代劇場に行くだけでも16ユーロかかるので、7か所全部入れるコンバイン(共通)チケット15ユーロの購入をおススメします。
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庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)の外観からは想像できないくらい素晴らしい宮殿ですね。
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フレスコ画の種類も豊富で、期待以上の内装と観光客の少なさ(終始、私達だけでした)で、満足感は高まるばかりです。
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全部、ご紹介できないのが残念ですが、このような緻密なフレスコ画も多数見受けられ、幸せな気持ちでいっぱいになれました。
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この素晴らしい内装を、最も世界中から観光客が集まる夏季に、独り占めできるのは、サッビオネータだけかもしれません。
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このフレスコ画は、入り口の紹介ボードの写真に紹介されていたため、この宮殿で最も重要なものかもしれません。
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宮殿らしい長い廊下も見渡せて、とてもまったりできました!
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天井は木製ですが、壁は一面フレスコ画が描かれ、写真ではわかりづらいかもしれませんが、ところどころだまし絵のように飛び出して見えました。
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彫刻と絵画を組み合わせて、絵画が立体的に見えるように描かれています。
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写真で見るより、実際の方がよりリアルに立体的に見えました。
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これが一番わかりやすい2次元の立体絵画で、奥行きが感じられるよう工夫して描かれています。
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天井画に緻密な金の装飾が、豪華さを際立させています。
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また、天井から馬が飛び出してきそうな気がします。ところどころ、絵が傷んでいるのが残念でしたが、不思議なだまし絵に翻弄されました。
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それにしてもギリシャ神話のような題材でほとんどが描かれているルネサンス期のフレスコ画は、世界中探してもそれほど多くはないと思います。
まだ、1つ目の入場観光で多くの時間を費やしてしまうほど、庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)は、素晴らしいスポットでした。 -
星型の城壁に囲まれたサッビオネータは、「イタリアの最も美しい村」の1つにも選ばれていますが、本当にその通りの素晴らしい街だと断言できます。
日本でここを訪れるツアーを見たことがありませんが、海外のオプショナルツアーを扱っているVELTRA等だったら、主要な都市からのツアーがあるかもしれません。
個人旅行でイタリア訪問の際は、是非候補の1つにされることをおススメします。 -
先程ご紹介した、見学はできないお城「Castello di Sabbioneta」です。
間近に見ると大きいですね! -
サッビオネータに来る前に一番期待していた観光スポットが、ここ「古代劇場(Teatro all'Antica)」です。
「古代劇場(Teatro all'Antica)」の入口の道を挟んだ対面が「Infopoint/Biglietteria Pro Loco Sabbioneta(観光案内所)」です。 -
ヴィチェンツァの「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」と比べると、見劣りしてしまうかもしれませんが、サッビオネータという小さなコムーネにある劇場(Teatro)にしては、完成度が高いと感じました。
イタリアでもこれだけの劇場(Teatro)は、それほど多くはありません。 -
舞台は、ヴィチェンツァの「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」には見劣りするかもしれないと書きましたが、規模は違うものの、客席側の装飾は、「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」と見間違えるほどの出来栄えでした。
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壁のフレスコ画は宮殿同様、立体的に描かれており、天井画と舞台の立体感が味わえる「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」とは、一線を画したデザインとなっています。
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フレスコ画がより多く描かれている「古代劇場(Teatro all'Antica)」は、やはりヴィチェンツァの「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」とセットで、比較して見ていただければ、それぞれの良さがおわかりいただけると思います。
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「古代劇場(Teatro all'Antica)」が残念なのは、舞台ではなく天井がむき出しの木製と言う点で、これは「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」と大きな違いとなっています。
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ただ、ヴィチェンツァの「テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)」の客席は、リヴァイヴァル形式のためカウェア(区画分け)が、全くなかったことから、客席はここ「古代劇場(Teatro all'Antica)」の方が、比べ物にならないくらい豪華ですね。
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「古代劇場(Teatro all'Antica)」の外観です。
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ヴィチェンツァで建築家アンドレーア・パッラーディオが生み出した『パラディアーナ』と呼ばれるアーチと柱を組み合わせた開口部を持つロッジア(開廊)は、ここサッビオネータでも見られます。
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重要建造物が立ち並ぶ、サッビオネータの中心となっている美しい「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」です。
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「Chiesa dell'Assunta」です。重要建造物が立ち並ぶ「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」にありますが、「インコロナータ聖堂 (Chiesa dell'Incorobata)」ではありません。
ただ、内陣、祭壇ともに美しく、時間があれば是非、入ってみる価値のある教会です。 -
「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」側から「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」を見渡すとこんなに広いんですよ!
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「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」で最も有名な「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」です。入場料が、唯一単体で10ユーロのところで、「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」よりさらに目を見張る内装と博物館的要素が見どころです。
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では、「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」に入ります。
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「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」の方が細部にわたって豪華ではありますが、やはり「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」とよく似ていると感じました。
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フレスコ画に彫刻、立体的な装飾がされた天井が、所々より豪華には見えますが、大きいな違いは発見できませんでした。
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少なくともフレスコ画は、同じ画家が描いたように感じました。
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だまし絵的な立体感も同じように見えます。
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ただ、このような天井の装飾は、「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」の方が豪華に見えます。
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フレスコ画と彫刻だけなら、両宮殿の違いは、発見できないレベルでした。
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フレスコ画は、ほぼ同じ作風ですが、こちらの方が少し明るい印象の作品が多いように感じました。
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この日は、「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)」の常設の作品に加えて、絵画等のコラボした企画展が開催されていたため、本来の姿がかなり変化した状態での見学となりました。
できるだけ企画展の作品は、旅行記に掲載しないようにしましたが、壁にかかっている絵画は、企画展のものです。 -
こちらの木製の騎馬像は、常設の展示物です。
まるで生きているかのような迫力に圧倒されました。 -
木造の天井デザインは、ほぼ「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」と同じでした。
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やはりフレスコ画は、明るい印象ではありますが、まるで天井から飛び出してきそうに描かれているところは、「庭園宮殿 (Palazzo del Giardino)」と変わりないように感じましたが、よりリアルな印象を受けました。
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天井に描かれたフレスコ画ではありますが、1枚の絵画としても通用するような高い技術で描かれています。
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この部屋も部屋が実際よりも大きく見えるだまし絵てきな描き方に彫刻を加え、さらに奥行きを感じるよう工夫されていました。
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さらにこの部屋の天井パネル1枚1枚の彫刻は、思わず声が出るほど素晴らしいものでした。
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この天井の彫刻もフレスコ画同様、立体的に見せることによる奥行き感を狙っているように感じました。
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どの部屋の天井も感嘆符がつく程、素晴らしいものでした。
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ここで、「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」は、お終いです。
これから、「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」とは反対に位置する「インコロナータ聖堂 (Chiesa dell'Incorobata)」を見学します。 -
八角形の聖堂と天井のだまし絵(立体的な窓)が特徴の「インコロナータ聖堂 (Chiesa dell'Incorobata)」です。
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外観からは想像できない、豪華な内装に目を奪われます。
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「インコロナータ聖堂 (Chiesa dell'Incorobata)」もまた、壁のフレスコ画のタッチが他の2つの宮殿と非常に似ていることがわかります。
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ただ、下側には彫刻ではなく祭壇やパイプオルガンが配置されているため、明らかに聖堂であることがわかります。
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八角形分の祭壇が配置されている内装に驚かされます!
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まるで宮殿のような豪華な内装ではありますが、ヴェスパシアーノ・ゴンザーガの霊廟としての役割が本来の姿です。
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何度見ても素晴らしい八角形のクーポラでした!
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この内装は1768年から、フランチェスコ・ボレッリという建築家によって作り始められたそうですが、1770年、ボレッリは足場から落ちて、ここで亡くなったとのことです。
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左側の手を伸ばしている銅像がヴェスパシアーノ・ゴンザーガです。
これは1588年に作られたレオーネ・レオーニというスペインやオーストリアでも活躍した彫刻家によるもので、ローマにあるマルクス・アウレリウスの騎馬像とゴンザーガ本人を組み合わせたものだそうです。 -
外側から見た八角形のクーポラがある聖堂ですが、外観からは想像もできない美しさでしたね。
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聖堂の建っている位置がうまく写真に収まらないため、外観の全体像がつかみにくい教会でした。
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先程、「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」に面して建てられている「Chiesa dell'Assunta」と言う教会をご紹介しましたが、入ってみると、ここもまた素晴らしい内装を有する教会でした。
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特に祭壇は、特に豪華絢爛で、やはり一度見てみることをおススメします。
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「Chiesa dell'Assunta」の身廊です。柱の縞模様が、ヴェローナの「サン・ロレンツォ聖堂(Basilica di San Lorenzo)」に少しだけ似ていました。
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「ドゥカーレ広場(Piazza Ducale)」から「ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale Sabbioneta)」は、こんな威風堂々に見ることができます。
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「Chiesa dell'Assunta」からほど近い「シナゴーグ(Sinagoga)」に移動します。
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シナゴーグ(Sinagoga)は前述の通り、ユダヤ教の会堂のことで、元々は聖書の朗読と解説を行う集会所でしたが、現在では、祈りの場であると同時に各地のディアスポラのユダヤ人の礼拝や結婚、教育の場であり、文化行事などを行うコミュニティーの場ともなっています。
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ユダヤ教と聞くと、キリスト教やイスラム教との違いを説明されている書物が多く見受けられ、読まなければ本当の違いが良くわからないと思ったので、関連本をいくつか読破しました。
本の内容をここで説明すると長くなりますので、ここでは簡単に説明すると、
ユダヤ教の唯一神は、ヤハウェ(エホバ)で、発音によって他にもいろいろな呼び方がありますが、呼び名が違うだけです。イエス・キリスト誕生以前の旧約聖書だけがユダヤ教の聖書のため、ヤハウェ(エホバ)もイエス・キリストも神とする旧約&新約聖書のキリスト教とは全く異なるものなのです。よって、大まかに言うと、イエス・キリストを神とするかどうかが、ユダヤ教とキリスト教との違いとなります。 -
キリスト教もローマが東西に分断された後、有名なルターの宗教革命によって、ローマ教皇を神のように崇めるカトリックと人間として特別視しないプロテスタントに分かれました。ただ、国によっては、しっかり分かれているところと、中間派的な国もあり、さらに、発祥は同じでもアラーの神を唯一神とするイスラム教があるため、わかりにくい=争いが起きたりしています。
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また、これらが政治利用されたり、領土問題に発展したため、ユダヤ教信者(現在のイスラエル人)が迫害を受けたり、逆にパレスチナ(主にアラブ人)が被害を被ったりしているわけです。
宗教の書物を単純な疑問の解決のために読んでいると、悲しいかな政治利用した欧米各国が各々の国の利益のためだけに、三枚舌外交を行ったことで、多くの流血を生み出し、現在もなお続いていることがわかると、ここシナゴーグ(Sinagoga)において、一般の信者が清い心で信仰しているこの場所が、とても崇高で神聖な気がします。 -
この世に、ルターのような真の改革者が現れない限り、どことは申しませんが、複雑な問題を解決できることはなく、我々一般の旅行者が、中東やアフリカを自由に旅することは、増々できなくなっていく気がします。
さて、重い話はこれくらいにして、「ザッビオネータ」に魅了されたため、予定時間を大幅に超えてしまい「マントヴァ」観光の時間が圧迫されてしまいました。 -
仕方なく、「マントヴァ」観光は、下記の主な建造物=観光スポットの中で、今回は「テ宮殿」だけに絞りました。
※写真は「テ宮殿」の入口の門になります。 -
※写真は、「テ宮殿」の全体像です。ドローンがあれば、上空からの全体像が確認できるというくらい大きな宮殿です。では、ザッビオネータからクルマで約40分(30Km+)のマントヴァについて、簡単にご説明します。
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マントヴァはマントヴァ県の県庁所在地であり、その歴史は紀元前6世紀ないし5世紀のエトルリア人都市にさかのぼります。
14世紀以降はゴンザーガ家が統治するようになり、1530年には同家のフェデリーコ2世(1500年 - 1540年)が公爵位を授けられ、マントヴァ公国が成立しました。
フェデリーコ2世は建築家でもあったジュリオ・ロマーノを招き、マントヴァのいくつかの建物をルネサンス様式で新築したり改築したりさせました。
世界遺産に登録されているのは中世からルネサンス期の建造物群が残るエルベ広場、マンテーニャ広場、ソルデッロ広場などの市中心部および市街地の南端に位置するテ宮殿(テ離宮)とそれらをつなぐサン・セバスティアーノ聖堂などが面する街路部分です。
所謂、「マントヴァ歴史地区」と呼ばれる範囲で、決してマントヴァ全体ではありません。また、見るべき主要な建築物は、以下の通りです。
※写真は「テ宮殿」の一部です。 -
■サンタンドレーア聖堂
サンタンドレーア聖堂(Basilica di Sant'Andrea)は、レオン・バッティスタ・アルベルティの設計に基づいて1472年から1494年に建造されたルネサンス様式の聖堂です。エルベ広場とマンテーニャ広場に面し、入り口近くの左側礼拝堂には画家アンドレア・マンテーニャの墓があります。
■サン・ロレンツォ円形聖堂
サン・ロレンツォ円形聖堂(Rotonda di San Lorenzo)はエルベ広場をはさんでサンタンドレーア聖堂の向かい側に位置する円形聖堂で、単に「ロトンダ」とも呼ばれています。ロマネスク様式の建物で、11世紀に建てられました。
■ラジョーネ宮
ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)はエルベ広場に面し、サン・ロレンツォ円形聖堂に隣接しています。13世紀の建物で、ポルチコは15世紀のものです。
■サン・ピエトロ大聖堂(ドゥオーモ)
サン・ピエトロ大聖堂(ドゥオーモ)は、エルベ広場の北東、ソルデッロ広場に面する中世の大聖堂です。現在残るドゥオーモは、マニエリスム様式で16世紀に再建されたもので、部分的にロマネスク様式、ゴシック様式の要素も見られます。内装の設計者はジュリオ・ロマーノとされています。
■ドゥカーレ宮殿
ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)はソルデッロ広場に面するゴンザーガ家の旧城館で、13世紀から18世紀の建造ですが、ほとんどが16世紀に建てられたものです。
内部はマンテーニャ、ジュリオ・ロマーノ、ピサネロらが手がけた美しい壁画で飾られています。また、ピーテル・パウル・ルーベンスの『ゴンザーガ公爵とその婦人』をはじめとする絵画も展示されていますので、忘れないようにご覧ください。
■サン・ジョルジョ城
サン・ジョルジョ城(Castello di San Giorgio)は14世紀に建造された城塞で、ドゥカーレ宮殿と内部でつながっています。
■学術劇場
学術劇場(Teatro Accademico Bibiena)は18世紀に建てられた劇場で、手がけたのはアントニオ・ビビエーナです。内部のボックス席は4階建てになっています。
■アルコ宮
アルコ宮は、エルベ広場などからは西方に離れたアルコ広場に面した建物で、18世紀末に建てられました。新古典主義様式の建物で、パッラーディオ様式の影響を強く受けています。
■サン・セバスティアーノ聖堂
サン・セバスティアーノ聖堂はエルベ広場からテ宮殿へと続く街路、アチェルビ通りに面するレオン・バッティスタ・アルベルティによって設計された聖堂です。
■マンテーニャの家
マンテーニャの家(Casa del Mantegna)はサン・セバスティアーノ聖堂のはす向かいに建っている邸宅で、1476年にマンテーニャ自身が設計したとされるレンガ造りの建物です。
◎テ宮殿
テ宮殿(Palazzo Te)は、1525年から1535年にジュリオ・ロマーノが手がけたゴンザーガ家の夏の離宮(ヴィラ)で、マントヴァ市内のテジェト(Tejeto)という場所に建っていることからそれを略して「テ」宮殿と呼ばれています。マニエリスム様式で建てられ、内部の装飾を手がけたのもロマーノとその弟子とされています。
※私は「テ宮殿」しか見ることができなかったので、再訪して必ず他の建築物も見たいと思っています! -
内装は、『ジュリオ・ロマーノ』と彼の弟子が手がけただけに威風堂々としています。
※この部屋は「紋章の間」と呼ばれ、草木にからまれた子供達とその間に描かれた顔など何か不思議ですが、草木の中に人間や果実を入れたこの描き方は、この時代に流行っていたグロテスク装飾と言われる装飾法の一つです。 -
それもそのはずで、『ジュリオ・ロマーノ』は、かの有名な『ラファエロ』のもとで修行を始めた実力派で、のちに『ラファエロ』の工房内において最も重要な人物とななるほどに彼の名声は教会国家の範囲を超えて急速に広まりました。
※ちなみに、写真は「馬の間」と名のついた居室です。馬は、だまし絵となっていて、壁から飛び出して見えるように描かれています。 -
師である『ラファエロ』の死後、「マントヴァ」のゴンザーガ家に招かれて、夏の離宮である「テ宮殿」の建築家に任命され、この素晴らしい宮殿の設計から内部装飾まで任されたというわけです。
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実は、『ラファエロ』とともに「バチカン宮殿」の壁画を描き、ラファエロが急逝した後に壁画を完成させたのは『ジュリオ・ロマーノ』なのです。
したがって、バチカンの後期のフレスコ画や「キリストの変容」、「樫の木の下の聖家族」といった後期の作品は一般的に『ラファエロ』ではなく『ジュリオ・ロマーノ』と言われています!
『ラファエロ』好きな私には、それは驚きでもあり、「テ宮殿」のこれだけの作品を自由に長時間観られるのは、極上の幸福でした。 -
『ラファエロ』と「バチカン宮殿」の絵画を描いたことを知った上で、ここ「アモーレとプシケの間」を見ると、納得!と感じていただけると思います。
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テ宮殿の中で一番豪華な装飾がされているのがここ「アモーレとプシケの間」です。ギリシア・ローマ神話が元になっているアモーレとプシケの愛の物語を描いていて、壁面から天井、隅々まで細やかで美しい絵で埋め尽くされています。
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「アモーレとプシケの間」の天井は、下から見ると丁度良い構図になっているため、違和感がなく、本当にこの神話の世界が広がっているような不思議な気持ちになります。
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「アモーレとプシケの間」を抜けると、爽やかな名前の「風の間」に続きます。
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「風の間」は、その部屋にいるだけで、風を感じられるということで、名付けられました。
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天井には直線と曲線で組み合わされた枠に、風を感じる絵画が描かれています。
それは、天井を取り巻く木製のカメオの顔をご覧いただくとわかるのですが、その顔は、ヒトが息をふぅ~と吹く時の顔になっているため、絵画だけではなくその顔からも風を感じるというわけです。
このウイットに富んだ感性も、「ジュリオ・ロマーノ」の魅力だと思います! -
「風の間」に続くのが、「鷲の間」です。
ゴンザーガ家の紋章が、鷲の模様だったそうです。 -
この部屋は、フェデリーコⅡ世の寝室に使われていた部屋だそうです。
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「ゼウスとエウロペ」というカメオです。
ギリシア神話の神々の頂点に立つゼウスが、エウロペという少女に恋をして雄牛に変身して近づきます。少女が雄牛ににまたがった途端に牛は走り出し誘拐してしまう瞬間の絵です!ヨーロッパ大陸を走り回った後、クレタ島まで行き、その後少女はゼウスの子供を産み平和に暮らしたそうな…w
(ちなみにヨーロッパという地名はエウロペが、雄牛のゼウスに誘拐されて走り回ったエリアに由来してるんですよ!) -
「鷲の間」を抜けると広い「ダヴィデの開廊」に出ます。
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「ダヴィデの開廊」には、女性戦士の彫刻が数多く飾られていましたが、
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ダヴィデだとわからないフレスコ画ですが、開廊の正面扉の上に描かれているのが、竪琴を弾いているダヴィデです。足下にはゴリアテの首がコロがっています。
これまで、ギリシャ神話が中心だった作品が、ここで急に旧約聖書に登場するダヴィデの登場です。 -
ちなみにこの写真のフレスコ画の解説がなかったので、ダヴィデとゴリアトについて簡単に説明します。ペリシテ最強の戦士でガト出身のゴリアトは、単身イスラエルの前に現れてイスラエル兵を恐れさせました。従軍していた兄たちに食料を届けるために戦火を訪れたダヴィデはゴリアトの挑発を受け、鎧と武器を与えられましたが、すぐに脱ぎ捨て、羊飼いの杖と石だけを持って出て行きました。それを見たゴリアトは、ダヴィデをあざ笑いましたが、ダヴィデが石を投じるとゴリアトの額にめり込み、ゴリアトはうつぶせに倒れました。ダビデは剣を持っていなかったため、ゴリアトの剣を引き抜いてその首を落としたという話です。
ペリシテ軍はこれを見て総崩れになり、追撃したイスラエル軍は大いに勝利しました。その物語を描いたのが、上のダヴィデの写真になります。 -
ちなみに、ダヴィデはトランプのスペードのキングのモデルとされ、フランスのカードではここのフレスコ画のように竪琴を持つダビデの姿が描かれています。
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ちなみに「ダヴィデの開廊」には、女性戦士の他にも様々な完成度の高い女性像が飾られていますが、この理由を知っている人はいませんでした。
どなたかご存知の方は、是非教えてください! -
途中、「内庭」に出ることもでき、素晴らしいフレスコ画に感動し続けて、少々お疲れ気味の身体を癒してくれる効果がありました!
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やはり、『ラファエロ』に匹敵する強烈な個性のフレスコ画や息が詰まるほど素晴らしい内装ばかり観ていると、この風景が180度違った開放感を味わせてくれることがわかりました。
また、写真からもわかる通り、とっても広いため、途中何度か休憩が必要になりますので、時間はたっぷり取っておかれることをおススメ致します! -
はっきり言って、ここは特別な宮殿だと断言できます。
「ザッビオネータ」だけでも大満足でしたが、「マントヴァ」恐るべしと言った感じです! -
ここは、「スタッコの間」と呼ばれる部屋で、部屋中が「カメオ」で埋め尽くされています。
これだけ素晴らしい「カメオ」を部屋中で見られるのも「テ宮殿」の魅力となっています。 -
「カメオ」とは、浮き彫りという技法のことを言います。
シェルやストーン、象牙や珊瑚、木材や金属まで、使われている素材は様々です。 -
カメオの起源は紀元前3世紀、ギリシャ時代に装飾品をはじめ、お守りなど
神聖なものとして使われていたことから始まります。
約2千年前の大噴火で火山灰に覆われたポンペイの遺跡を発掘した際、半貴石に彫刻が施されたカメオが出土したことで明らかになりました。
一般的にカメオという名称が使われるようになったのは12世紀頃からですが、その精緻な技法の歴史は古代エジプト時代から脈々と受け継がれてきました。 -
ここは、「皇帝の間」と呼ばれる部屋です。
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天井中央には「ポンペイウスの手紙を燃やすように命令するカエサル」の場面があります。ポンペイウスの元老院派とカエサル軍の間で行われたファルサルスの戦いの後、和睦の手紙を焼くカエサルです。この戦いはローマ内戦中の最大の激戦でした。
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そして、遂に「テ宮殿」を代表する「巨人の間」に到着しました。
実に12番目の部屋になります。 -
ギリシア・ローマ神話について書かれた『変身物語』の中の一場面「巨人の没落」が描かれているこの部屋は、天井と壁の境目をわからなくするために角が無くされていて、ドーム型になっています。そのため本当に絵の中の世界に入ってしまったように感じます!
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また「巨人の間」は、マニエリスム美術の傑作と評価されています。
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「巨人の間」を抜けると「奇怪の小部屋」に入ります。
ここも前述のグロテスク装飾でご説明した通り、草木の中に人間や果実を入れたこの時代に流行っていた装飾法を取り入れているため、「グロテスク装飾の小部屋」と言う方が正しいのかもしれません。グロテスクを奇怪と訳すのは、この時代の背景から意味が違うからです。 -
と言っても、マントヴァ発行の日本語の解説書には、「奇怪の小部屋」と書かれているらしく、ここでは「奇怪の小部屋」と呼ばせていただきます。
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「奇怪の小部屋」を抜けると「燭台の間」に入ります。
ちなみに、様々な解説/旅行記ブログが世界中にありますが、「テ宮殿」を代表する「巨人の間」以降の写真は、見当たらないため、一応貴重な写真と自慢しておきます…。エッヘン! -
全16部屋中の15部屋目の「女像柱の間」です。
この写真は、「女像柱の間」の天井の装飾です。 -
「女像柱の間」の壁は、とても緻密なカメオやレリーフになっていて、「巨人の間」で息が上がっているため、もう息が詰まるほどの感動が押し寄せます。
「テ宮殿」は、ラファエロ、美術/芸術、建築が好きな方にはたまらない本当に素晴らしい、またおススメの宮殿です。豪華なインテリアも素敵ですが、豪華な芸術作品を16部屋もゆったり観られる宮殿は、イタリア凄しと言えどもここだけだと断言できます。 -
何故なら、今日までに本土の世界遺産を全てカバーしたからです。残すは、これかた訪問する産業遺産の「クレスピ・ダッダ」だけなので、この宮殿がいかに素晴らしいかということが、よくわかりました。
フィレンツェ、ローマは『芸術鑑賞』と言う点では、総合力で当然マントヴァとは比較になりませんが、こんなにゆったり観られることはありません。 -
さて、最後の16部屋目の「勝利の間」は、今までのほぼ隣り合わせの部屋ではなく、しばらく廊下を歩くことになります。
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そして、最後が「勝利の間」となります。
「勝利の間」は、今までの部屋と違って、マントヴァのゴンザーガ時代の遺物やコインを展示する博物館となっています。 -
円柱、三角破風、エンタブラチュアが特徴の古典主義建築の規則に囚われない自由な造形が、「ジュリオ・ロマーノ」の特筆すべき建築技法で、マニエリスム建築の代表作となっています。
もう私の中では、完全に「ラファエロ」をも凌駕する存在になりました。 -
写真で見る限り「テ宮殿」は平屋建てに見えますが、意外に高さがあり、2階建てとなっています。2階部分は、大量の記録資料と芸術作品が収蔵されています。
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したがって、2階部分から中庭を見るとこのように少し高さが感じられるわけです。
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写真は「フェデリゴ・ザンドメネギ」の作品です。
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絵画や彫刻は、主に「モンダドーリ寄贈」作品で、「フェデリゴ・ザンドメネギ」や「アルマンド・スパディーニ」など、19~20世紀の主要な画家の作品が収蔵されていました。
※写真は1枚ですが、絵画の数は載せきれないほどの量がありました。 -
そして、イタリア国内では数少ないメソポタミア・コレクションには、チグリス川とユーフラテス川の間で繁栄した古代文明に関する約250の工芸品が収蔵されています。
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展示室も「モンダドーリ寄贈」の展示スペースとは、全く異なる趣で作られています。
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小さいものでも、非常に貴重なものが多く、ここは是非、見ておくべきと思います。
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マントヴァ出身ジュセッペ・アチュルビの収集した貴重な「エジプトコレクション」も展示されています。
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「エジプトコレクション」には大理石、青銅、木製の彫刻や葬儀や礼拝の儀式に使用された物品が多く収められています。
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「テ宮殿(Palazzo Te)」の開館情報
開館時間:9:00-18:30(月曜のみ13:00-18:30)※サマータイム時は19:30まで
休館日:12月25日
※なお、コロナ以降、テンポラリーで変更になっている場合がありますので、事前にご自分で必ず確認してから訪問するようにお願い致します。 -
「テ宮殿(Palazzo Te)」の入館チケット料金
入館料:12ユーロ(約1,600円)
入館料には、近くの「聖セバスチャン宮殿市立博物館」への入館も含まれています。こちらの博物館にも見応えのあるフレスコ画などが展示されているので、お時間があればぜひ行ってみてください。
※イタリアのチケット料金は、本当に良く変更になるため、参考価格とお考え下さい。したがって、直前にご自分で必ず確認することをおススメします。 -
これだけのボリュームの展示品を、入館料だけで観られるのも「テ宮殿」の魅力だと思います。
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ただ、「テ宮殿」のある「マントヴァ」は、最初にご説明した通り、見どころが多く、かつ広いので、1日で全部観ることはできないと思います。
折角行かれるのなら、全部で3日間は必要かもしれません。 -
ましてや、「ザッビオネータ」も観光される場合、さらに最低1日は必要なため、クルマで効率よく移動できることを勘案しても、4日間必要と考えます。
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もちろん、見るべきスポットを絞れば、2日間でも可能だと思いますが、ご紹介できなかった他のスポットも、非常に素晴らしい所が多く、時間がかかると思います。
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これだけ広いと体力も必要なため、体を労わりながら、ゆったり観光されることをおススメします。ある程度選択した写真でご紹介しても、1か所でこれだけのボリュームがあるため、体調には万全を期して臨まれることをお願い致します。
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「マントヴァ」の「テ宮殿」は、非常に名残り惜しいのですが、これで終了です。
朝早くから、「ザッビオネータ」→「マントヴァ」と観てきましたが、最後にイタリアでは珍しい産業遺産「クレスピ・ダッダ」を残しているため、早急に向かいたいと思います。
「マントヴァ」からクルマで約1時間40分(約155Km)かかるため、多分到着するのは、15時を過ぎると思います。イタリアのサマータイムは日の入りが非常に遅く、明るさは大丈夫なのですが、本日はイタリアからフランスへの移動もしなければならないため、実は相当焦っています。
では、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
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