2022/07/22 - 2022/08/01
4位(同エリア69件中)
マンボウのお城さん
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- フォロワー19人
2017年までに登録されたイタリア本土(シチリア島を除く)の全ての世界遺産を4回に分けて踏破しました。
移動手段は、基本的にレンタカーです。
今回の旅行記は、その4回目となります(過去3回分は全て旅行記に掲載済み)。旅行期間は、往復の国際線を合わせて、10日間でした。
スケジュールは以下の通りです。右端にホテル名を記入しておきました。
(凡例 ★世界遺産(今回の旅行記)/ □:世界遺産(再訪)/■:世界遺産(次回以降の旅行記)/ ●:世界遺産(過去の旅行記))
1日目:成田→フランス-パリ(エールフランス航空)/ Hilton Paris CDG Airport→荷物を置いて市内へ
2日目:Hilton Paris CDG Airport→イタリア-ミラノに移動 / Milan Linate Airport (LIN)→(レンタカー)→●ベルモンテのサクロ・モンテ→●トリノ(サヴォイア王家の王宮群)/ B&B Alba in Langhe
3日目:●ピエモンテのブドウ畑の景観:ランゲ=ロエーロとモンフェッラート→●ポルトヴェーネレ、チンクエ・テッレと小島群(パルマリア島、ティーノ島、ティネット島)/ Hotel La Scaletta, Florence
4日目:□フィレンツェ歴史地区(再訪)ウフィッツィ美術館/サンタ・クローチェ聖堂→●トスカーナ地方のメディチ家の邸宅群と庭園群(ピッティ宮殿のボーボリ庭園)→●サン・ジミニャーノ歴史地区 / NH Siena
5日目:●シエナ歴史地区→●ヴァル・ドルチャ / Vico Del Poeta→●ピエンツァ市街の歴史地区
6日目:●アッシジ、フランチェスコ聖堂と関連修道施設群→●ウルビーノ歴史地区→●サンマリノの歴史地区とティターノ山 / Mosaico Hotel, Ravenna
7日目:●ラヴェンナの初期キリスト教建築物群→●フェラーラ:ルネサンス期の市街とポー川デルタ地帯→●パドヴァの植物園(オルト・ボタニコ)/ B&B Il Melo
★8日目:★ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ→■ヴェローナ市街 / Albergo Giulia Gonzaga
9日目:■マントヴァとサッビオネータ(サッビオネータ→マントヴァ)→■クレスピ・ダッダ→Milan Linate Airport (LIN)→フランス-パリ(CDG)→
10日目:→成田(エールフランス航空)
今日は、日本を出発して8日目となりました。本日最初の世界遺産訪問となります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- レンタカー 徒歩
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- エクスペディア
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-
パドヴァからクルマで40分位で、本日宿泊するホテル「Country House B&B Il Melo」に到着しました。このホテルは、ヴィチェンツァ市街から約5Kmほど離れているため、ホテルから徒歩観光はできませんが、駐車料金がかからない上に、朝食付きで安価なため選びました。
-
市街から約5Kmほど離れてはいますが、クルマで移動すれば10分前後で市街の観光便利な駐車場に停められます。また、市内のホテルで駐車場付きのホテルは非常に高額で、さらに高額の駐車代が別途かかるため、このホテルはクルマで移動する方には、超おススメのホテルです。
部屋も広く、インテリアも使い勝手も、写真の通り決して悪くはありません。 -
バスルームも同様に使いやすくて、本当にここにして良かったと思いました。
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残念ながらバスタブはありませんが、シャワーは可動式でドアが完全に閉まるタイプなので水はね等を気にする必要もなく、非常に快適でした!
ちなみに、高層ホテルではないため、水圧も適度に強くて不満要素はゼロでした。 -
市内ではないので、夜は騒音が全くなく、熟睡できます!
周りの環境も良く庭も広いので、子供が安全に自由に走り回れるため、子連れの方々にもおススメです! -
共有スペースもあるため、言葉の問題はありますが、他の旅行者とも情報交換することも可能です(だいたい、英語で大丈夫ですよ)。
イタリアでは、英語の会話の方が、お互いネイティブじゃないので、安心ですよね。 -
朝食は5つ星のホテルと比べると当然質素ですが、私はこれだけあれば十分でした。
ヨーロッパは、朝からサラダを食べないでフルーツでビタミンを摂るため、5つ星のホテルにたまに行きたくなりますが、市内でちょこちょこ食べ歩きもすることを考えるとB&Bでも満足です。だってこのホテル、2人で72ユーロ(当時の日本円で9,000円)なんですよ! -
安価で快適なホテルに宿泊できたおかげで、市内のパーキング料金を気にすることもなく、快適な駐車場に停めようと思い、オリンピコ劇場の近く「Parcheggio Canove」に停めましたが、ここは当時、平日無料でした。週末は高いというコメントもありましたが、日本に比べると安い(2ユーロ/h)と思いますし、イタリアでも世界遺産のある観光地の割に決して高くはないと思います。
ただし、イタリアにしては少々入口が狭いかもしれません(日本人なら難なく停められます!)。
ちなみに、観光に少々不便な(距離のある)駐車場「Park Fogazzaro」等は、さらに安いとのコメントがありましたが、広くて見どころの多いヴィチェンツァでは不利かなぁって思います(長時間停める場合は、おススメです!)。 -
最初に訪れたのは、写真の「サンタ・コローナ自然科学・考古学博物館(Museo Naturalistico e Archeologico di Santa Corona)」です。
ヴィチェンツァは、紀元前2世紀から紀元前1世紀に建設されたローマの都市ウィケティアが起源となっているそうです。
他の北イタリアの都市と同じように、13世紀にはコムーネを組織し、近隣の都市国家と闘争を繰り広げましたが、15世紀にヴェネツィア共和国の統治下におかれたことで、平和と経済的繁栄がもたらされ、卓越した芸術活動を生み出すことになりました。 -
世界遺産としての「ヴィチェンツァ」で気をつけなければならないのは、ここは歴史地区が世界遺産ではなく、特定の建築物だけが登録されているということです。
世界遺産に登録されている物件は、建築家アンドレーア・パッラーディオと彼の弟子ヴィンチェンツォ・スカモッツィの手によるものだけとなります。
パッラーディオはイタリアの偉大な建築家のひとりで、彼の作品が多く残るヴィチェンツァは「パッラーディオの街」と呼ばれています。
パッラーディオはルネサンス期で最初の職業建築家であり、設計した建築物や著作に由来するスタイルは、後にパッラーディオ主義と呼ばれました。
そして、ヴェネツィア共和国をはじめ、ドイツ、ロシア、そしてイギリス、1760年代以後にはアメリカ合衆国にまで広がりを見せました。
このように、一個人の名を冠する建築様式はほかになく、彼がいかに独創的で一貫したスタイルを保ち続けたかということがわかります。 -
「サンタ・コローナ自然科学・考古学博物館」のお隣にある「Chiesa di Santa Corona」教会です。
世界遺産登録物件で建築家アンドレーア・パッラーディオが設計した「ヴァルマラーナ礼拝堂」にとても綺麗な祭壇があり、是非見ておきたい教会だと思います。 -
パッラーディオは、古代遺跡に関する知識と、ドナト・ブラマンテやヤーコポ・サンソヴィーノ、ミケランジェロ・ブオナローティ、ジュリオ・ロマーノ、そしてヴェネツィアのビザンティン建築からの影響を受けました。
ただ、後に新古典主義の理論家・建築家らによって、彼のスタイルはマニエリスム(既成の手法や形式を慣習的に踏襲して、独創性のないままに繰り返し器用に処理しようとする消極的態度)的な部分があるということで、革新的ではないと評されたこともあります。
しかし、ゲーテなどは、イタリア紀行の途中でヴィチェンツァの街並みに触れ、パッラーディオの能力を高く評価していました。
パッラーディオは公共建築や宗教建築の設計も行いましたが、終始一貫して取り組んだ建築がヴィッラであることから、その作品の数も多くなっています。
そして後世、20世紀に至るまで影響を与え続けたのも、このヴィッラでした。
これらの事柄を考慮して、1994年、新たにヴェネト地方に点在するパッラーディオ設計のヴィッラが世界遺産として登録されたというわけです。 -
では、下記に世界遺産の構成要素になっている建築物を列記します。
とても数が多いため、数日かけても全ての建築物を攻略することは難しいと思い、実際に私が行ってみて、ここは入るべき(見るべき)建築物に■印をつけました。
印がないものは、個人的な主観によるものなので、あくまでも参考程度にお考え下さい。
なお、私が入場した建築物には、◎印(入場可)、〇印(入場不可または外観のみ)を付けました。 -
【ヴィチェンツァ市街にある「パッラーディオ設計」の建築物】
■パラッツォ・バルバラーノ・ダ・ポルト(Palladio Museum) 建築に興味のある方以外は、外観だけで良いかもしれません
■パラッツォ・チヴェーナ・トリッシノ(Palazzo Trissino-Baston)〇
現在、考古学博物館になっています。パッラーディオがヴィチェンツァで、最初に設計したPalazzoです。
・パラッツォ・ティエーネ・ディ・スカンディアーノ(Palazzo Thiene)
・パラッツォ・ポルト(Palazzo Iseppo Da Porto)
■パラッツォ・デッラ・ラジョーネ 通称「バシリカ・パッラーディアーナ」(Basilica Palladiana)◎ 高い塔があるとても大きな建築物です。ヴィチェンツァ市街が見渡せます。
■ロッジア・デル・カピタニアート(Loggia del Capitaniato)〇 入場できないため、外観だけしか観れません
・パラッツォ・ヴァルマラーナ(Palazzo Valmarana Braga)
■パラッツォ・キエリカーティ(現在キエリカーティ絵画館)(Palazzo Chiericati)◎ 美術館(美術)に興味のない方は、外観だけで良いかもしれませんが、パッラーディオがパラッツォ・チヴェーナ・トリッシノに続き設計したPalazzoです。
■テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)◎ 素晴らしいローマ劇場です!ここは絶対外せないと思います。
・パラッツォ・スキオ(Palazzo Schio)
・カーサ・コゴッロ(Casa Cogollo)
・パラッツォ・ダ・モンテ(Palazzo da Monte Migliorini)
・パラッツォ・ポルト・ブレガンツェ(Palazzo Porto Breganza)
【ヴェネト地方にある「パッラーディオ設計」のヴィッラ】
ヴィッラ・アルメリコ 「ラ・ロトンダ」(ヴィチェンツァ近郊)
ヴィッラ・ガッゾッティ
ヴィッラ・アンガラーノ付属屋
ヴィッラ・カルドーニョ
ヴィッラ・キエリカーティ
ヴィッラ・フォルニ
ヴィッラ・ゴーディ
ヴィッラ・ピザーニ
ヴィッラ・ポヤーナ
ヴィッラ・サラチェーノ
ヴィッラ・ティエーネ付属屋
ヴィッラ・バルバロ -
テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)の入口です。
ココだけは見逃せないスポットなので、後で中に入りま~す。 -
【用語解説】
上記の通り、ヴィチェンツァ市街には『Palazzo』が多く存在していますが、『Palazzo』の意味は、以下の通りです。
Palazzo:イタリアの比較的大きな建築物を指し、建築としての価値を持つもの:(例)宮殿、邸宅、博物館
Casa:住居、住宅
Teatro:劇場
Loggia:建物に沿って作られた屋根付きの柱廊
Basilica:公会堂(裁判や集会に用いられた長方形の建物)、キリスト教の聖堂、大聖堂
Palladio:建築家アンドレーア・パッラーディオ(1508年-1580年)の設計から派生しヒントを得たヨーロッパの建築様式です。 -
世界遺産の登録物件には、この写真のようにUNESCOマークが掲げられています。ただ、上記の登録物件ではないところが、いくつか存在しました。
そこで、ヴィチェンツァ市街で、上記の世界遺産登録物件リストにはないものの、是非行っておきたい場所がいくつかありますので、下記に列記しておきます。
・ヴィチェンツァ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Annunciata) 世界遺産マーク有
・ポルト宮(Palazzo Porto) 世界遺産マーク無
・サンタ・コローナ自然科学・考古学博物館(Museo Naturalistico e Archeologico di Santa Corona)◎ 世界遺産マーク有
ちなみに、ヴィチェンツァ市街には、上記リスト以外にも、説明ボードにユネスコマークが入っている建築物がいくつも観られます。
したがって、上記リストに捉われずに、他の歴史地区同様、自由に歩き回る方が、楽しいかもしれません。時間はかかりますが・・・。
ただ、私が入場したところは、少なくとも展示物が豊富な所ばかりでした。 -
ここは、オリンピコ劇場の入口がある「マッテオッティ広場(Piazza Matteotti)」です。駐車場近くのとても綺麗な広場なので、最後に戻ってきた時のクライマックスを味わうためにとっておこうと思います(最後に掲載します)。
-
間違いなくピエンツァの中心部「シニョーリ広場(Piazza dei Signori)」です。
とても有名な建造物や見るべき世界遺産登録物件があります。 -
ヴェネチアの「聖マルコと聖テオドーロの円柱」によく似た獅子と聖人の円柱が、ここヴィチェンツァにもあります。この「聖マルコと聖テオドーロの円柱」は、世界で4か所にしか存在しないので、とても貴重なものですが、「聖マルコと聖テオドーロ」の2つの円柱が存在するのは、ヴェネチアとヴィチェンツァだけなのです。
・ヴェネツィアのサン・マルコ広場(Colonna di San Marco&Colonna di San Todaro/Piazza San Marco)
・ヴィチェンツァのシニョーリ広場(Colonna di San Marco&Colonna di San Todaro/Piazza dei Signori)
・ヴェローナのエルベ広場(Colonna di San Marcoのみ/Piazza dei Signori/Piazza delle Erbe)
・パドヴァのシニョーリ広場(Colonna di San Marcoのみ/Piazza dei Signori)
私は、パドヴァに再訪予定なので、シニョーリ広場には必ず行こうと思っていますが、これからパドヴァに行かれる方は、パドヴァの旅行記でご案内した2つの世界遺産とここは見逃さないようにして下さいね。
パドヴァのシニョーリ広場は、2つの世界遺産のちょうど中間辺りにあります。
Google Mapを『Colonna di San Marco, Piazza dei Signori, Padova PD, Italy』で検索するとピンポイントで場所がわかります。
また、ヴェローナのエルベ広場は次の旅行記で訪れていますので、是非参考にしてください。 -
「パラッツォ・デッラ・ラジョーネ」→通称「バシリカ・パッラーディアーナ」(Basilica Palladiana)です。船底を逆にしたような形をしている銅ふき屋根は、パドヴァのラジョーネ宮から着想を得たと言われています。
ヴィチェンツァのランドマーク的な建物で、世界遺産の登録物件です。 -
「シニョーリ広場(Piazza dei Signori)」の全景です。ヴィチェンツァで一番賑わいがある広場です。見どころが多く、是非訪れたいスポットですが、ここが中心となっているということで、周りに重要なPalazzoやLoggia、Teatro等が点在しています。
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バシリカ・パッラディアーナの「ビサーラ塔(Torre Bissara)」です。
世界で初めて市民向けの機械式時計を設けた時計塔で、高さは82mあります。
現在は、向かって左側に市庁舎がありますが、市の所有となっています。 -
バシリカ・パッラディアーナの「ビサーラ塔(Torre Bissara)」です。
バシリカ・パッラディアーナより以前に建てられました。
通常、上ることはできませんが、様々なクチコミを読んでいると、市にコネがあれば上れるとの情報がありました。一部のツアー会社(travel agent)も、催行しているとのことでした。
私は、バシリカ・パッラディアーナの屋上で十分な景色が見られるので、階段をひたすら上らなければならない「ビサーラ塔(Torre Bissara)」にツアーの申し込みまでして上らなくても良いと思いますが、チャンスがある方は、誰もが行ける場所ではないので、是非上ることをおススメします。 -
塔に向かって左側にある市庁舎の全景です。
平日であれば多分開いているので、ここに入って「わざわざ日本から来たので、塔に上りたいのですが・・・」とおねだりすれば、コネがなくても上れるかもしれません。どなたかチャレンジした方は、その結果を皆さんにお知らせいただきたく、お願い致しま~す。 -
何れにしろ、ここ「シニョーリ広場(Piazza dei Signori)」は、見どころが多く、是非訪れたいスポットであることは、間違いありません!
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「シニョーリ広場(Piazza dei Signori)」の周りには、オープンカフェやお店がいくつかありますが、ヴィチェンツァはそれほど観光化され過ぎていないので、それほど悪い印象はありませんでした。
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疲れたら、カフェでのんびりするのも有りの広場だと思いますが、バシリカ・パッラディアーナの中に入り、建物の反対側に出た写真の「エルベ広場(Piazza Delle Erbe)」の方が、圧倒的に安くて美味しいお店が多いと思います。
ただ、シニョーリ広場と比べるとエルベ広場には、派手さや賑わい感はありません。 -
では、そろそろ「バシリカ・パッラディアーナ」の中に入ります。
建築家アンドレーア・パッラーディオが生み出した『パラディアーナ』と呼ばれるアーチと円柱(ドリス式とイオニア式)を組み合わせた開口部を持つロッジア(開廊)が初めて設けられたことで有名な建物で、ヨーロッパに多く見られるこの開廊/柱廊は、ここが原点となっています。
【用語解説】のところに解説済→Loggia:建物に沿って作られた屋根付きの柱廊 -
ロッジア(開廊)が初めて設けられたということを知った上で、ヴィチェンツァを再度眺めると、ヴィチェンツァが如何に先進的で芸術的な街づくりがされていたかがわかり、「バシリカ・パッラディアーナ」の屋上からの景色が、さらに素晴らしく見えてきます。
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こんなことを知っているヴィチェンツァ以外のヨーロッパの人は、それほど多くはないと思いますので、この情報を知った上でヴィチェンツァを訪れると感慨一入だと思います。
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写真の左側の神殿のような建物は、ロッジア・デル・カピタニアート(Loggia del Capitaniato)です。パラッツォ・デル・カピタニアートともいわれるタウンハウスで、1565~72年頃に建設されました。
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ファサードの1階部分はロッジア(開廊)で、コリント式の柱は2階まで突き抜けるジャイアント・オーダーとなっています。柱の上はエンタブラチュア(柱とペディメントの間の梁構造)で、ペディメントのないローマ時代の凱旋門のような構成でつくられています。
ヴィチェンツァはスペインやヴェネツィア等の連合艦隊がオスマン帝国を破った1571年のレパントの海戦に寄付という形で参加していたため、宮殿には戦勝のレリーフや彫像が掲げられました。 -
「バシリカ・パッラディアーナ」の内部構造です。
天上は、なんと木造でした。
商人や貴族の集会場(Basilica:公会堂)として使われていただけに、中は広々としていますが、調度品等は、ここには残っていませんでした。 -
「バシリカ・パッラディアーナ」からの景色は、流石に中心地だけあって、なかなか見どころが多いと思います。
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さらに屋上からは、シニョーリ広場が見渡せると同時に、カフェが楽しめるスペースもあり、シニョーリ広場で寛ぐよりこちらの方が、よりゆったりできたように思います。
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シニョーリ広場に面している上に高さもあるので、眺望はヴィチェンツァで一番素晴らしいと思います。
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「ビサーラ塔(Torre Bissara)」は、屋上からだとさらに近くから見ることができますが、地上からの高さは感じられないものの、カメラへの収まり具合は丁度良いかもしれません。
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特に時計は、針が動く瞬間も見えるくらい迫力があります。
やはりここ屋上には、是非来ていただきたいと思います。 -
表紙にも使わせていただきましたが、「バシリカ・パッラディアーナ」の屋上から見る「ビサーラ塔(Torre Bissara)」は、圧巻でした!
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「バシリカ・パッラディアーナ」の屋上からの風景は、被写体が多く、写真好きの方もきっと楽しめると思います。
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さらに、屋上からの風景は、近景も遠景も同時に楽しめます。
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「バシリカ・パッラディアーナ」から「ヴィチェンツァ(サンタコロナ)自然科学・考古学博物館」を見学しました。
ローマ遺跡からの出土品が多いため、ローマ遺跡に興味のある方におススメです。 -
自然科学・考古学博物館にありがちな、頭蓋骨等の展示も多く、この辺は好みが分かれるので、苦手な方は「ヴィチェンツァ大聖堂」や他のPalazzo等、見どころが多いので、時間を持て余すことはないと思います。
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自然科学・考古学博物館は、ローマ時代の貴重な土器や陶器が数多く展示されています。
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ただ、大きな美術館/博物館にある音声ガイド等は、この規模の博物館にはありませんので、ほとんどの展示品は”見るだけ”で終わってしまうのが、残念でした。
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しかし、ローマ時代の彫刻「ロリケート像(西暦1世紀)」等、ローマ遺跡の貴重なものも多く展示されています。
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ローマの市民権が、ヴィチェンツァを含む地域に広げられたのは、紀元前49年です。したがって、ヴィチェンツァの人々は外国人ではなく市民と見なされました。これは特に重要です。
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外国人はローマの法律によって保護されていなかったため、結婚、貿易、財産を持つことができませんでした。ところが、市民はすべての市民的、経済的、政治的および法的権利を享受できました。
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ヴィチェンツァは最初にご説明した通り、ルネサンス期に発展したため、ローマ時代の遺跡は、ほとんど地中に埋まっていますが、ローマ時代にも市民権を得るほど発展していたため、実はこれらの遺品はとても重要なものが多いと思います。
現在は、あまり有名な博物館ではありませんが、発掘が進むとその価値も次第にあがるものと考えます。 -
多分、「ヴィチェンツァ(サンタコロナ)自然科学・考古学博物館」で一番有名な「モザイク画」です。これは必見です!
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「ヴィチェンツァ自然科学・考古学博物館」で彫刻、モザイクの次に重要な遺品は、宝石細工です。
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とても緻密で美しいものが多く、「バシリカ・パッラディアーナ」には、その芸術性がルネサンス期まで引き継がれた「Museum of Jewelry(Museo del Gioiello)」があるほどです。
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そして最後に、是非ご覧いただきたいのが「ローマ時代の重要な墓石が保存されているサンタコロナ考古学博物館の回廊」です。
墓石ですが、紀元前後のものであるにもかかわらず保存状態が極めて良いため、背後に書かれているラテン語の碑文を解明することに非常に注目が集まっています。
因みに、これは現地の最新情報なので、まだほとんどの方は知りません。
これらのことを知らなければ、「ちょっとショボい博物館に入った」というだけで終わってしまう見学も、のちに「見ておいて良かった!」となるかもしれません。 -
「オリンピコ劇場」に入る前に「ヴィチェンツァ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria Annunciata)」に入るか「Chiesa di Santa Corona」に入るかを迷いましたが、前述の通り、「Chiesa di Santa Corona」の「ヴァルマラーナ礼拝堂」は、アンドレーア・パッラーディオが設計した世界遺産登録物件のため、「Chiesa di Santa Corona」に入ることにしました(本当は両方行きたかったのですが、まだ「オリンピコ劇場」や「パラッツォ・キエリカーティ(絵画館)」を見るため、1つにせざるを得ませんでした)。
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「Chiesa di Santa Corona」は、ゴシック様式のローマカトリック教会です。
アンドレーア・パッラーディオ自身も、当初この教会に埋葬されました。 -
「Chiesa di Santa Corona(ヴァルマラーナ礼拝堂)」の内陣です。
ちなみに、祭壇の裏側に回ると、祭壇の色が黒っぽく変化します。 -
「ヴァルマラーナ礼拝堂」は、「Chiesa di Santa Corona」の一部ではありますが、ほぼ一致しています。実は、「サンタ・コローナ自然科学・考古学博物館」も教会の一部で元は修道院でした。「Casa Cogollo」もいったん外の狭い通路を挟みますが、教会の一部です。現在は、アパートメントやスタジオとなっています。教会の前の道「コントラ・サンタ・コロナ」を挟んだ「Palazzo da Monte Migliorini」も同様に教会の一部ですが、何れも現在は教会ではありません。
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「Chiesa di Santa Corona」で一番有名な『ジョヴァンニ・ベッリーニ』の「キリストの洗礼」です。
これだけは、見逃さないようにしましょう! -
袖廊には、豪華な天井画が描かれています。
Alessandro Maganza (ca. 1556-1632) と Pietro Damani (1592-1631)による作品です。 -
袖廊の祭壇にあるマリア像も美しく、袖廊がこれだけ素晴らしい教会は、非常に珍しいと思います。
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袖廊の天井画も緻密に描かれていて、圧倒されるほど豪華です。
前述の通り、Alessandro Maganza (ca. 1556-1632) と Pietro Damani (1592-1631)による作品です。 -
側廊にも豪華な絵画が描かれています。
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同様にこれも側廊にある絵画です。
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「Chiesa di Santa Corona(ヴァルマラーナ礼拝堂)」の身廊です。
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これは袖廊の祭壇にある絵画です。
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ティエネ礼拝堂には、ミケリーノダベソッツォのフレスコ画があります。
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祭壇には素晴らしい象嵌細工がなされていて、その芸術性の高さに驚きました。
これを間近に見られるだけでも、本当に来て良かったと思えるほどの出来栄えです。 -
祭壇そのものも豪華で、ヴェネチアのサンマルコ寺院の大理石の柱のようなビザンチン様式のつくりになっていて感動するほど素晴らしいものでした。
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祭壇後方のステンドグラスも見事なものでした。
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素晴らしい象嵌細工や彫刻、大理石の柱等々、これだけでも長時間見とれてしまいました。
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パイプオルガンは、それほど豪華なものではありませんでした。
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「Chiesa di Santa Corona」に飾られた宗教芸術の数々は、写真でご紹介できるのは、ほんの一部です。実際に見学されたら、本当に満足できるレベルのものが多いため、ヴィチェンツァ大聖堂と同日に見学されると、ヘトヘトになると思います。
両方見学される場合、2日間あった方が良いかもしれません。 -
小さな礼拝堂には、ヴィンセント・フェレールの像を含むドミニコ会の聖人の像がたくさんあります。
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教会内のインテリアも秀逸で、どれも芸術作品並みの完成度だと感心させられます。
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教会の他の作品には、ヴェロネーゼの東方の三博士の崇拝、マルチェロ・フォゴリーノの星のマドンナ、聖ジェローム、パオラ、モニカの聖マリア・マグダレン、レアンドロ・バッサーノによる聖アントニオと貧しい人々に施しを配る修道士を描いたキャンバス、聖セバスチャンと聖マーティンを描いたバッティスタ・ダ・ヴィチェンツァ等があります。
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「Chiesa di Santa Corona」で体力を使い果たしたため、休憩したいなぁと思ったら、Cafeが都合よくありました。
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やっと、オリンピコ劇場(Teatro Olimpico)に戻って来ました。
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オリンピコ劇場(Teatro Olimpico)は、前述の建築家アンドレーア・パッラーディオの設計により1580年から1585年に建てられました。
ルネサンス期なので、建てられた時期は比較的新しいのですが、古代ローマ劇場のリヴァイヴァル形式のため、客席にはカウェア(区画分け)がありません。
また用地の問題から客席は半円形ではなく楕円形に配置されています。 -
期待以上に見事な劇場です!
こんな素敵な劇場で、演劇を見ることができたら幸せですね! -
舞台背景のスカエナエ・フロンスは、凱旋門風の列柱と彫像をはめ込んだ壁(レンガの上に漆喰を塗ったもの)で構成されています。
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凱旋門の背後には古代ギリシアのテーバイの街路を再現した風景が木製で造られています。
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このテーバイの風景や空の雲は遠近法を用いているため、客席から立体的に見えるように構成されています。
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テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)も、やはり絶対外せない観光スポットだと思います。ここに来れば、心に響く感動が得られることが約束されます!
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テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)を出ると、もう「キエリカーティ宮殿絵画館」を見る時間は残っていないと思っていましたが、何とか見学する時間がありそうなので、このまま小走りで見学することにしました。
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「パラッツォ・キエリカーティ(Palazzo Chiericati)」は、現在「キエリカーティ宮殿絵画館」となっています。
ヴィチェンツァのクライマックスは、テアトロ・オリンピコ(Teatro Olimpico)と決めていましたが、教会の絵画であれだけ感動したため、「キエリカーティ宮殿絵画館」は外せないと思いました。 -
「キエリカーティ宮殿絵画館」の天井画は、とても有名です!
必ず、全体をご覧くださ~い。 -
外観は、ルネサンス期そのものですが、展示スペースは、いかにも今風のとても綺麗にデザインされていました。
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ヴィチェンツァの街の模型があるので、歩き回った街の全体像が空から見たように確認できます。
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Battista da Vicenza 作「San Silvestro papa battezza Costantino in Laterano」
バッティスタ・ダ・ヴィチェンツァ作「聖シルベスター教皇がコンスタンティヌス・ラテラノにバプテスマを授ける」 -
いくつか画家の名前の確認忘れがありました。
ロレンツォ・ヴェネツィアーノ、マルチェロ・フォゴリーノ、バルトロメオ・モンターニャ、ジャンバッティスタ・ピトーニの作品等、絵画の傑作が収められています。 -
Battista da Vicenza 作「San Silvestro papa debella il drago della rupe Tarpea」
バッティスタ・ダ・ヴィチェンツァ作「聖シルベスター教皇のタルペアの崖のドラゴン退治」 -
彫刻作品は、ジャンバティスタ兄弟またはジロラモアルバネーゼ兄弟によるものが多いのですが、この作品は不明です。
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メムリンク作「磔刑図」
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バルトロメオ・モンターニャ作「聖アンサヌス、アンソニー大王、ヒエロニムス、フランシスの中のマドンナと幼ないイエス」
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パオロ・ヴェネツィアーノに始まり、バッサーノ親子、チーマ・ダ・コネリアーノ、
ティントレット、ヴェロネーゼ、リッチ、ティエポロ親子等のヴェネツィア派の画家の作品が壮観です。 -
ヴェネツィア派の画家に詳しくないため、画家の名がわからないものがいくつかあります。お許しください!
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バルトロメオ・モンターニャ作
「パーゴラの下の聖母子と聖オニュフリウス、洗礼者ヨハネ」 -
バルトロメオ・モンターニャ作
「マドンナと幼いイエス」 -
この作品のタイトル&画家の名前がわかりません。
どなたかご存知であれば、教えてくださ~い! -
チーマ・ダ・コネリアーノ作「パーゴラの聖母」
-
この作品のタイトル&画家の名前がわかりません。
どなたかご存知であれば、教えてくださ~い! -
ティントレット作「不具者を癒す聖アウグスティヌス」
-
ヤーコポ・サンソヴィーノ作「マドンナと幼いイエス」
-
この作品のタイトル&画家の名前がわかりません。
どなたかご存知であれば、教えてくださ~い! -
というわけで、残エナジーが0になるまで、楽しめました。
ヴィチェンツァは、本当にいろいろな意味で見どころが多く、おススメの観光地です。パドヴァとの繋がりが強い街なので、できれば両方観光できれば良いと思います。私は、パドヴァには再訪するつもりで~す。 -
「パラッツォ・キエリカーティ(Palazzo Chiericati)」を出る時に、本当に後ろ髪を引かれましたが、同時に満足感が高くて感動で涙が出るほどでした。
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様々な芸術作品をルネサンス期を感じられるよう、最大限に工夫した見せ方をしてくれていることがよくわかる絵画館でした。おススメです!
では、これからクルマで1時間弱のロミオとジュリエットで有名な「ヴェローナ」に向かいます!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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