2023/01/28 - 2023/01/29
127位(同エリア920件中)
れいろんさん
「大谷」といえば、今、WBC開幕を待つこの時、多くの人は、「大谷(おおたに)翔平」選手が、頭に浮かぶに決まっているのですが・・・。
私の大谷は「おおや」なんですよね~。
栃木県宇都宮市郊外の大谷地区は、言わずと知れた(?)大谷石の採掘地。
2023年1月に行ってきました。
首都圏からは日帰り圏内ですが、全国旅行支援を受けられたこともあり、1泊でゆっくりすることに。
「旅」感はあまりないのですが、この時期ならではの苺を楽しみ、宇都宮と言えばの餃子、そして大谷石の採掘場(現役&遺構)観光と、思った以上に楽しかったです。
大谷石は建材として主に外壁に用いられている「加工が容易な荒い石」ですよね?
『フランク・ロイド・ライトが、帝国ホテルの旧本館に使用し、「多孔質の独特な風合い」の美しさが評価された・・・』という記述も目にするのですが、私の印象は「無骨な外壁の石」。
現在は薄くスライスして、内装にも用いられているとも聞きましたが・・・。 ごめんね、大谷石!
どうしても、その名前からは「蔵やお屋敷の外壁」を想像してしまうよ~。
頑張っても、外に設置する「石窯(パン窯、ピザ窯)」までなんだよなぁ。
※大谷石の名誉のために追記。
『天然の見た目の美しさが再評価されているだけではなく、吸湿や消臭、音響効果に優れている事がわかり、住宅や店舗の内装、音楽ホールへの利用など、用途が広がっている。』
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
東北自動車道宇都宮インターチェンジの近くで評判の良いラーメン屋さんへ。
郊外店は広い駐車場があるのが良いですね。 -
開店時間の少し前に着き、口明けの客として入店しました。
天井の高い店内は広くて清潔だし、店長さん始め、スタッフも感じがとても良いです。
こういうお店に外れなしですよ~。 -
夫はタンメン。このお店は自家栽培の野菜を用いているということで、なかなか美味しかったようです。
私はわんたん麺。わんたん大好き!
もちろん餃子も頼みました。 -
初日の観光は「現役の大谷石採掘場」の見学です。
カネホン採石場。「じゃらんネット」で事前に予約しました。
(当日でも、電話予約なら大丈夫です。) -
受付を済ませて集合場所に向かうと、右手に大谷石の窯が並んでいました。
大谷石は、耐火性・蓄熱性に優れているので、パン窯やピザ窯に用いられることも多いようですが・・・、 -
・・・カネホンでは、「ここの採掘場で採掘された大谷石を使った窯」で、ピザ焼きができる、体験プログラムがあります。
ちょうどピザ焼き体験中の方たちがいたので、写真を撮らせていただきました。 -
また、大谷石は柔らかくて、加工しやすいので、ガイドさんの指導のもと、石灯りや表札等を手作りする体験プログラムも行われています。
※写真の石灯りはプロが作ったもので、販売されています。 -
私たちが参加するのは「現在も稼働中の大谷石採石場をガイドさんと巡るツアー」。
いざ、ヘルメットをつけて採掘場へ。凹っと大きな穴が見えました。
重機やダンプが通る作業道を歩いて、採掘現地まで下って行きます。
(この日は土曜日で作業は行われていません。) -
樹木が生えているのが、元々の地面。
正面の垂壁は大谷石の採掘によって形成されたものです。
ものすごい高さを掘り進んできたんだなぁ。
採掘の開始は安政元年(1854年)だそうです。当初はもちろん手掘りです。 -
上からのぞき込んだ現役の採掘現場。
綺麗な長方形に切られています。
石塀や蔵に用いられる大谷石ですからね~。 -
凄いのが、これですよ! これっ!
この階段! 岩盤にステップを切っただけの階段。
下に下に採掘していくタイミングで少しづつ刻まれていったのでしょうか? -
こんな感じです。
凄いなぁ。大谷石の安定感。 -
水抜けの悪い場所には雨水などが溜まって池のようになっています。
カネホンでは水抜きポンプを設置し、モーターを利用し「上部に」水を上げて調整しているそうです。 -
作業道の横の壁に見る大谷石の断面。
石材として適さない「みそ」の説明がありました。
「みそ」は、この写真では暗い灰色の部分です。 -
大谷石は、火山灰が地上や水中に堆積し、凝固した岩石。
「みそ」の部分は、凝固が十分ではない(※)ため脆く、石材にした時も「みそ」の部分が抜け落ちるのだとか。
※主因は鉱物の分布の偏りが主因と言われている。 -
ガイドさんがファイリングした資料を示して説明してくれます。
大谷石は軽石凝灰岩(浮石凝灰岩、pumice tuff)と説明されていることが多いのですが、ガイドさんのご説明だと緑色凝灰岩(green tuff)だということでした。 -
削岩のアタッチメントをつけた重機の説明などを聞きながら、下へ降りていきます。
-
皆が立っている背後の部分が、古い採掘場所だそうで、足場の杭を打ちこんだ穴などが残っています。
なるほど、当初は地表から浅い場所を掘っていたんだなぁと。 -
こちらは、かつて地下での採掘を行っていた場所だそう。
窪みは採石した跡(今は空洞)で、垂直に岩石が残っている部分は「柱」だったそうです。 -
話は変わって、この場所は多くの映画やテレビドラマ(※)、ミュージックビデオなどの撮影に利用されていて・・・
※子供向けアクションドラマが多いそうです。 -
あの足場は歌手の〇〇〇さんが実際に立って、ミュージックビデオを撮影した足場で、ファンの人達には「聖地」扱いになっているのだとか。
-
今まさに、切り出しを行っている場所に来ました。
昔は「のみ」「のこぎり」「やっとこ」などで切り出していた大谷石も・・・ -
切り出し機を用いて、労力をかけずに、無駄も出さず、正確な長方形に切り出すことができるそうです。
切り込まれたライン、拍子切りにした豆腐のようです。 -
そして見上げれば掘り進めて、形成された「崖」。
人の力というものは凄いなぁと思わずにいられません。 -
カネホン採石場の見学は800円かかるのですが、ガイド氏の説明も楽しく、参加して良かったです。
因みに「カネホン」の「カネ」は、金尺(指矩(さしがね))のマーク=「L」のひっくり返しだそうです。 -
最後に、お土産として、「大谷石のメモスタンド」と「日本遺産プリントのクッキー」を貰いました。
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初日は、ここで観光終了。
国道から大谷資料館に入る所にある大谷景観公園。
姿川沿いの大谷石の断崖が見事です。
なかなかに寒いので、採掘の跡などを対岸からさっくり眺めて撤収します。 -
さて2日目。
この日は大谷資料館に寄って、道の駅で苺を買って、早めに帰宅する予定。
ですが、大谷資料館、冬期は9時半開館(※)なので、のんびりしたスタートになりました。(※通常は9時開館。) -
駐車場から少し歩くと、正面にすぱっと切られた岩壁が現れます。
この下部がかつての採掘場で、今は大谷資料館のメインになっている地下の大空間です。 -
この写真だと、左の岩壁の中ほどにある空洞が良くわかりますね。
あそこも大谷石を採掘した跡地になります。
主に、大谷石の採掘は、地表から下に掘って行き、価値のある岩層に当たった地点で、横へ掘る「垣根掘り」で採掘されています。
なので、地下には巨大な空洞が残されています。 -
今から、その地下空洞を見学します。
大谷資料館の入館料は大人800円。
正面の建物で料金を支払い、建物内部の階段から坑内に下って行きます。
(車いす利用の方などは、事前の申し込みにより、石を搬出していたスリープを利用した入場も可能。) -
階段を下って行くと、奥に進む通路が整備されています。
右手には切り出した石が積まれていて・・・ -
切り出しの様子や・・・
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切り出しに用いた機械などが置かれています。
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この辺りは「大谷石の採掘場」といった雰囲気ですが・・・
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その後は、ただただ広大な地下空間に驚き・・・
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古代の神殿の内部にいるような不思議な気持ちになります。
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照明が安全が保たれる程度、かなり控えめなので、神秘的な雰囲気たっぷりです。
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特殊な空間なので、新車や美術品の展示、映画がテレビドラマ、写真集、ミュージックプロモーションなどの撮影に幅広く利用されているそうです。
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照明の色が変わる空間もありました。
薄い赤色に・・・ -
そして緑に。
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これは凄い。大迫力のこの作品。
假屋崎氏の生け花だったかな? -
水が抜けなかった場所(池)があって、上部から外の光が差し込んでいます。
この柱は何かの作品なのか? 単なる残石なのか?? -
地下空洞の下の方から、入口方面を。
斜面の傾斜の様子がわかりますか? -
この大きな空間が、一般見学ができる最下部(最深部)のようです。
とても広く、天井も高い。 -
その奥には写真撮影サービスがありました。
ここで撮ってもらって、地上出口で受け取るという、よくあるスタイル。
しおりタイプは無料で、気に入ったらB5サイズ程度のプリントを買うのだとか。 -
徐々に見学者が増えてきました。
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人の姿があるほうが、空間の広さが引き立ちます。
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採石の搬出口をその真下から。ここは真っすぐ拓かれています。
あそこから車を入れ、ここで新車のコマーシャルフィルムの撮影なども行われたそうです。 -
採掘時に柱として残された「岩柱」や「岩壁」は、ちょうどよい仕切りとなっていて、単に駄々っ広いだけの空間ではないのも良いです。
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ふっのぞき込めば、こんな場所があったり・・・。
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って・・? あそこは何なのかなぁ?
一般の見学者は入れないみたいです。 -
ここにも「池(水の抜けない箇所)」があって、先ほど見た生け花のような作品が展示されていました。
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「るるぶ」などの情報誌には大谷資料館の地下の洞窟の図が載っているようですが、できれば、入場券(パンフレット)にも図面をつけて欲しいものです。
まあ、知らない場所を手探りで回るのも、発見があったりして楽しいのですけれど。 -
おっ、採掘の痕跡発見。柱にささった木の足場ですね。
こんな大きな採掘場でも、当初はこんな足場を利用し、掘り進めていたのですね。 -
大谷資料館、思いのほか、楽しめました。
出口は、入口と同じ建物の中なので、緩く登って行きます。 -
壁の窪みに、手掘り時代の採掘ポーズのマネキンが設置されていました。
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建物の下のこの場所は、先述したとおり、大谷石の採掘の状況などが簡単に展示されています。
説明版もあるのですが、暗いので読みにくいです。 -
最後に、階段を上る手前で降りむくと、切り出された大谷石の奥、左側には先ほどの採掘マネキンの影が映っていました。
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建物に戻ってきました。
チケット売り場の奥のスペースには「資料館」の名をどうにか保てるような、簡単な展示がありました。 -
石を切り出しに使用する刃物など。
壁には写真なども貼られていますが、もう少し、読みやすく、理解しやすく、展示する努力をしても良いのではないのかなぁ。 -
切り出された大谷石。用途が用途なので、同じサイズの直方体です。
個人的な感想として、ここは「地下の広大な空間を体感する場所」であって、大谷石採掘について学ぶ場所ではない」です。 -
大谷石分布の地形図などもありました。
これは興味深い。屋号で見る採掘場の分布図です。 -
鉱山の屋号は山とカネ、そして丸。
それぞれ、上にヘ、上にLのひっくり返し、囲み〇です。
赤字が現役の採掘場とのことで、昨日行ったカネホン採石場も見つかりました。
(写真右上辺り) -
1泊2日、宇都宮&大谷のミニミニ旅、これでおしまい。
この後、道の駅によって、苺をたくさん買っていきます。
最近の気に入っている品種は「とちあいか」なので、売っていると嬉しいなぁ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Matt Yさん 2023/03/06 20:49:35
- 資料館じゃない方の
- 資料館じゃない現役の切り出し場が見学できるのは素晴らしいですね。そういう体験型の旅行良いなぁ輪、、
なんだか知らないけど大谷石ってお金持ちの家の庭の壁ってイメージが有ります。ま、庶民がコンクリブロックを使うところ、差をつけているのでしょうけどそのせいか、石に罪はないのになんか良い思いが有りません(壁の向こうに猛犬がいたり(笑))が、今度そういう壁を見つけても優しく接してみようと思います。
- れいろんさん からの返信 2023/03/08 10:05:10
- Re: 資料館じゃない方の
- Matt Y さん、こんにちは。
やはり関東の人間としては、大谷石=(お金持ちの家の)壁というイメージですよね。
コンクリブロックよりは高級感があるけれど、しょせん外壁用の石じゃんと・・・。
実際、採掘現場を見学しても、同じ直方体に切り出される石は、私の石心を刺激しません。
でも、おっしゃるとおり、カネホン採石場の見学は、ガイドさんが歴史的背景なども説明してくれるので、なかなか面白かったです。
出張にくっつけられれば(?)、是非、お出かけください。
(暗にわざわざ行かなくても・・と言っています(笑))
れいろん
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