2022/12/05 - 2022/12/09
347位(同エリア1306件中)
youさん
2022年10月末に4日間ツアーにて四国を一周しました。その際松山の道後温泉に宿泊しましたが、松山のシンボルでもある松山城は市内からちらりと見ただけで行けずに残念な思いをしました。今回の松山訪問はそのリベンジ旅で、松山市内に4泊して近辺を歩きます。
日程は下記。
12月5日 羽田→松山(泊)→松山市内散策
12月6日 松山城→二之丸史跡
12月7日 ■道後温泉→湯築城跡→宝源寺→伊佐爾波神社→石手寺
12月8日 萬翠荘→坂の上の雲ミュージアム→松山市内散策
12月9日 松山→羽田
この旅行記は、道後温泉周辺の湯築城・宝厳寺・伊佐爾波神社・石手寺を掲載します。
表紙の写真は、伊佐爾波神社の急な階段上から市街地の眺望。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
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12月7日 宿泊しているホテル前の大街道から市電にて道後温泉に来ました。
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道後温泉のアーケード街を少しぶらつき、ランチ用の食料などを調達します。
こちらは「飛鳥の湯」の前庭です。カラフルなお庭でスタッフが朝のミーティング中でした。随分と大勢なスタッフが働いているのですね。 -
道後温泉に来た一番の目的は、日本の100名城に入っている「湯築城跡」を訪れることです。
湯築城跡の資料館で資料をゲットします。
こちらは、湯築城跡説明パンフレットから転載。 -
資料館にある湯築城のジオラマです。
湯築城は、伊予国守護に任じられた伊予の豪族 河野通盛が建武年間(1334年~1338年)に築城しました。その後、南北朝期から戦国期(14世紀前半~16世紀末)まで、約250年にわたって河野氏が居城としていました(説明パンフレット)。
城跡の地図やジオラマを見ると、「本壇」があったと思われる丘陵地を囲むように内堀と外堀とが築かれ、堀の内に家臣らの居住空間や庭園等を構えた中世の平山城です。
松山市の中心に構える松山城よりも前に造られていますが、それと比べるとコンパクトなお城です。 -
城跡の地図で示されている、大手(東口)から跡地に入ります。
手前はお堀、堀に沿って土塁が築かれています。その奥は木が生えている丘陵地とその麓に平坦地(グラウンド)が見えています。 -
土塁を一部削った入口から城跡の敷地を見ています。
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外堀や土塁に囲まれた堀の内に入って来ました。丘陵地の麓に広い敷地が広がっていおり、かっては武士の居住区だった場所です。
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敷地の奥には更にご覧の内堀と土塁が築かれています。
内堀の背後はゴツゴツした岩が並んでおり、庭園風の崖になっています。 -
内堀の草むらには白いサギが佇んでいます。
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上級武士の居住区にあった土坑(ごみ捨て穴)。
説明版によれば、土質師土器の皿や杯が多くここに捨てられていました。上級武士らが岩山庭園や内堀に来る野鳥を眺めながら儀式や宴会をした後、そこで使用したものを捨てていたのでしょう。 -
外堀土塁に沿って造られている道路や排水溝です。
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その説明版。
要所要所にこのような説明版が設置されています。旅行記はこの説明版を参考にしています。 -
外堀土塁の断面を示す展示室もあります。
外堀を掘った時に出る土を盛り上げて土塁が造られており、「掻き揚げ土塁」と呼ばれています。 -
土塁の上から外堀を見ています。
土塁の底辺幅は約20m、高さ5mで、外堀と共に丘陵地をぐるりと一周していました。 -
土塁の上から内側・家臣団の居住区を見ています。
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家臣団の居住区に建つ武家屋敷です。
発掘の成果をもとに外観や間取りなどを復元しています。 -
武家屋敷の中に入ります。
16世紀中ごろの武家屋敷に住む家臣らの日常が見られます。左の主室では武士や僧侶が集まって、連歌を楽しみながら教養と仲間意識を高めているようです。右側は台所で、使用人が主室に集まる人々にお茶などを準備しています。 -
家臣団の居住区に円形石積遺構が見られます。
井戸かトイレかゴミ捨て場か・・・何に使われていたかはまだはっきりしていません。 -
丘陵の麓に沿って造られている内堀。
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西口(搦手門)横に建つ湯築城資料館に入ります。
発掘調査の概要や河野氏の歴史、城内の武士の生活についてのパネルや出土遺物などが展示されています(城内敷地や資料館は入場無料)。 -
内堀に架かる橋を渡って丘陵地の上に登って行きましょう。
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10分ほど登って山頂に来ました。
曲輪と思われる平坦地があり、それよりも一段上がった所に展望台が備えられています。
この場所付近を調査したところでは、天守などの遺構が発見されていないとのこと。しかしこの丘陵が二重のお堀と土塁で囲まれているということは、この場所を防御する必要があったということであり、山頂には天守、要塞、砦とかの何らかの建造物があったと考えるのが自然だと思います。 -
展望台に上って眺望を楽しみます。
こちらは北方向。中央の山の上に松山城が見えます。お城の規模や格は違っても、ここに立った一国一城の主としては、あの松山城と対等・・いやいやこっちの方が先に建てたお城で古いのだから先輩じゃけん偉いのだぁ。。。と思いたいですね。 -
こちらは道後温泉街方向の眺望。
中央の御幸寺山、その左手奥に瀬戸内海が薄っすら見えています。 -
道後山方向の眺望。
なかなかの絶景です。このような素晴らしい絶景が見られる山頂ですから、当時の城主は勿論、どなた様もここに天守閣か館など建てたくなると思います。 -
山頂から道後温泉街方向に下ります。公園北口手前に、石造湯釜(通称「湯釜薬師」)
があります。
湯釜の宝珠には、河野通有の依頼により一遍上人が書いたとされる「南無阿弥陀仏」の刻文が残っています。一遍上人の生誕地である「宝厳寺」はこの後に訪れます。 -
内堀に沿ったところに子規記念博物館が建っています。
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更にその先は外堀が見られます。
外堀を造っている奥の石垣上は、武家屋敷かぁと思われるような旅亭が建っています。
グランド脇の公園にて、温泉街のコンビニで仕入れたランチを食します。歴史ある場所で風を感じながら食べるのが美味しく感じて好きなんです。 -
道後山の裾野斜面に築かれている上人坂を上って、一遍上人の生誕地である「宝厳寺」に来ました。
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宝厳寺は、665年に創建された古い寺院で、時宗の開祖一遍上人の生誕地です。
鐘楼門を潜って境内に入ります。 -
本堂は2013年に焼失してしまいましたが、2016年に一遍上人が活躍した鎌倉時代中期を想定した荒削りの力強い造りで再建されたました。
右側が本堂、左側は一遍上人堂です。 -
本尊は阿弥陀如来で、松山出身の仏師が彫り上げた弥陀三尊像が安置されています(左下の解説版)。
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一遍上人堂内には、 一遍上人立像が安置されています。
彼は、伊予の豪族出身で河野通広の第二子として1239年に生まれました。幼い頃に母を亡くした一遍は父の勧めをきっかけに出家し、浄土門を学びました。「南無阿弥陀佛」と記した念仏札を配る賦算(ふさん)を行いながら、全国を行脚し、各地で盆踊りの起源ともいわれる踊り念仏を広めたことでも知られています(説明版)。 -
道後山の裾野斜面に造られた長い石段を上って伊佐爾波神社に行きます。
石段下から朱色の楼門が見えます。 -
135段の石段をそろりそろりと上って境内に着きました。
この神社は、かって「湯月八幡」と呼ばれており、9世紀中頃に創建されました。
社殿は、八幡造の様式で均整の取れた造りです。 -
社殿を取り巻く回廊をぐるりと廻って奉納された絵画や彫刻などを見学します。
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こちらは奉納されていた絵画の一つ。
日露戦争における旅順港総攻撃の場面を描いた絵の様です。当時この激戦地に行ってた人が無事に松山に戻り描いたものかも知れません。。。
この絵を見ながら、2016年に旅順港が見渡せる二〇三高地を訪れたことを思い出しました。また、翌日「坂の上の雲ミュージアム」に行きましたが、この絵と共に近代国家を目指した松山の人達の物語を垣間見た気がしました。 -
回廊から見る赤い八幡造りの本殿。二棟の社殿屋根の軒先が中央で密着して建っているのが「八幡造り」の特色です。
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石段上からの眺望です。参道がず~と延び、道後温泉の町並みなど素晴らしい眺めです。
さて、登った階段は下りなければなりません。シニアはこのような下りの場所で良く足を踏み外して怪我をするのです。手摺の鎖を握りしめてゆっくり・ゆっくりと下ります。 -
石段下から奥道後方面に20分ほど歩き、「石手寺」に来ました。ここは四国八十八箇所霊場の第51番札所になります。
屋根付きの参道を通って境内に入ります。参道の両側にお店も並んでいますがこの時はほとんど閉まっていました。 -
1318年に建てられた国宝の仁王門。
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仁王門の左右に大きな草履が備えられています。
草履には1円珠が沢山挟み込まれていますが、巡礼者が健脚を祈願したものでしょう。youは1円珠の持ち合わせが無かったので、10円玉を奉納しました。 -
仁王門を潜った右側に建つ高さ24mの三重塔、鎌倉後期(1275~1332)に創建されました。
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三重塔の脇を抜けると右側に弘法大師本殿、左側奥に鐘楼が建っています。鐘楼は1334年に建てられたものです(石手寺発行の資料)。
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一段上がったところに本堂があります。仁王門と同じころに建てられたと言われています。
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本堂の右側に護摩堂があります。素朴な和洋造りですが、室町時代初期に建てられたものです。
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こちらは大師堂。
正面に立つ石碑には何か書かれていますが、意味が分かりません。 -
安産祈願所となる訶梨帝母天堂の脇にある子宝石と知恵誕生くぐり輪。
くぐり輪の周りの石を持ち帰り、無事に出産すると石を2つにして返す風習があるとのこと。 -
絵画、彫刻像、石像などなどごちゃごちゃした宝物???が並んでいて、ちょっと怪しげな雰囲気の場所もあります。
精神統一してこれらの中から自分に合ったものを探し出せぃ~う~ん。。。良く分かりません。修行が足りないようです。 -
こちらは、元気再生の輪。
石を一つ持ち帰り、一年経ったら七添えて七転び八起きの石として返す。それで元気と改心、復活を得る・・・そうです。 -
本堂左奥にマントラ(曼途羅)洞窟への入口があります。
ここは弘法大師修行場と四国八十八霊場・・・とあります。
100円のお布施をして中に入ります。 -
こちらは洞窟への入口。
何が見えるか、何が大事か、何をすべきか、悟りの世界の修行道場・・・ふむふむ。 -
入口付近は薄暗い電灯がついていますが分岐する一方のトンネルを進むと真っ暗になります。フラッシュ撮影すると、おお~仏像が並んでいたり、通路の真ん中に彫刻像や人形が立っていたりと薄気味悪くなります。
足元も悪いので、スマホのライトをつけて出口まで進みます。 -
暗い中を相方の手を引いて数分進んで出口に辿り着きました。暗い中での老々介護状態でした。お陰で少しは相方との絆が深まった・・・気がします。
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道路を渡った先に奥の院の指標があります。閻魔大王様が上から見下ろしていて何かミステリーゾーンに侵入する感じですが、折角なので奥に進んでみましょう。
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金色の玉ねぎ型建物が見えます。これが奥の院でしょうか。中を覗けば、多数の木彫り像がにらんでいます。怖~い。。。とりあえず合掌。。。
周囲にも木彫り像などが並んでいて、迷宮に入り込んでしまったみたい。早々に退散します。
周囲に誰もいなくて、夜間だったら肝試しの場所になると思います。 -
再び暗いトンネルを抜けて本堂のある境内に無事戻りました。ちょっとした不思議体験ができる石手寺です。
本堂の左側山裾に、四国八十八箇所巡りの登り口があります。折角ここまで来ましたのでミニ巡礼路にトライします。 -
いきなり裏山に登る急な石段です。
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山道の途中に石像や石碑などが並ぶ札所が設置されています。ここは「常楽寺」の表示が出ており、14番札所になっています。
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木々の間から松山市内が見える場所まで登ってきました。
巡礼路は更に巨大な弘法大師像のある山頂まで続いているようですが、行き交う巡礼者には会いませんし、時間もないので途中から引き返します。
本格的な四国八十八箇所巡りを一度はしてみたいとの思いはあります。。。。行きたい場所がまたまた増えて困りました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- pedaruさん 2023/02/05 05:52:38
- 中身の濃い旅行記
- youさん おはようございます
同じ城でも、メジャーな松山城でなく、湯築城跡とは渋いですね。初めて聞く名前です。
大変興味をそそられる城跡でした。ちょうど佐倉城にたいして、中世の山城が佐倉にあるのと似ています。時崎城というらしいです。しかし、湯築城のように整備もしなければ、説明板が一つあるだけです。松山市は力を入れていますね。
出土品なども展示して、縄文土器ばかり見るのと違って、新鮮に思えました。
石手寺は鎌倉室町時代に建てられた建築もあり、由緒正しい寺なのに、やたら怪しいものを持ち込んで、石器時代なみのアホな
迷信を振りまいていて残念な寺ですね。
まぁ、大きな寺や神社でも似たり寄ったりのところがあるのは仕方がありません。
次は四国八十八箇所巡りを期待してます。
pedaru
- youさん からの返信 2023/02/05 21:48:06
- Re: 中身の濃い旅行記
- pedaruさん こんばんは。
中身の濃い旅行記。。恐縮です。ただ、pedaruさんの東京歴史参歩の中身の濃さにはとても及びません。
確かに、湯築城跡は松山城などと比べたら地味ですが、お城の勉強をするにはコンパクトで分かりやすいお城だと思います。それに、探検ポイントが設けてあり、そこにあるスタンプを集めると景品を頂けるとか、クイズなども出されている等、興味をそそるように工夫されているのもいいと思いました。
松山市は、まち全体を屋根のない博物館とする構想のもとに街づくりを進めているようです。
佐倉城。。。申し訳ございませんが知りませんでした。調べたら、佐倉城、湯築城、八王子城。。。いずれも日本100名城に含まれていますね。名城と言うからには、それを管理する自治体は、それなりにしっかりと整備してほしいですね。
you
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旅行記グループ 愛媛県・松山を歩く
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