2022/12/25 - 2022/12/25
652位(同エリア17050件中)
ばねおさん
パリのシテ島には毎週日曜日に鳥の市が立つ。
酉の市と紛らわしいので小鳥市といったほうが間違いがないかも知れない。
同じ場所には花の市もあって、かってはパリの名物としてガイドブックにも載っていたはずであるが、今はどうだろうか。
花市は1809年から、鳥の市は1881年からというから、歴史は随分と長い。
初めて小鳥市に来たのはいつのことであったか。手元の記録をたどると、2010年6月に撮影した写真が一番古いが、実際にはもっと以前にも訪れている記憶がある。いずれにしても、幾度となく立ち寄った場所だ。
それが、2022年12月31日をもって終了となる。
動物愛護の立場から、野鳥を狭いゲージに閉じ込めておくことの批判が高まり、そもそも動物を売買の対象にすることが疑問視されてきている。犬猫もペットショップでの販売が禁止されることになった。
小鳥に関して言えば、狭いゲージに多数を詰め込んでいる状態だけでなく、密猟した希少種の鳥たちを密かにここで取引していた実態もあったようだ。
鳥たちのことを考えれば、市の終了はやむをえないことだろう。
この10月に立ち寄った時には、閉鎖を知ってか多くのひとが訪れていた。そして閉鎖1週間前の12月25日、パリの歴史的名物を見納めるつもりでのぞいてみた。
10月に比べると業者も小鳥たちもめっきり少なくなっていて、クリスマスということもあってか訪れる人もあまりなく閑散としていた。
すぐ近くのノートルダムには多くの観光客が来ているのだが、ここには目もくれずただ通り過ぎていくだけだ。
こうした市ができることはもう二度とないだろう。
パリの名物がまたひとつ消えてゆく。
さようなら、鳥の市。
さようなら、小鳥たち。
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
12月25日。
クリスマス当日に出歩く人はさすがに少ない。
途中まで乗ってきたバスもずいぶん空いていた。 -
市が立つのは、メトロ「Cite」駅の目の前。
小雨交じりの天候で薄暗い日だ。 -
小鳥を扱う十数店ほどあった店の中で、ここだけが昔から大きな変化もなく続いている。
店頭には、ケージ、飼料、止まり木、水入れ等々、飼育のためのあらゆるものが並んでいる。 -
鳥籠も大きさ形がさまざまで、種類の多さには感心する。
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店の奥にはケージが四段重ねで並び、鳥たちがそれぞれに入っている。
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ベランダや庭に置くための巣箱も実に豊富で、まるでミニュチュアハウスのようなカラフルなものもある。
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鳥籠はオブジェにしても良さそうな素敵な作品も多い。
日本ではここまでの品揃えは見たことがない。 -
2017.04
天井からぶる下がっているたくさんの巣箱。
素朴な製品をひとつ選んで日本に持ち帰り、庭木に吊るしておいたことがあった。
それを忘れかけていた頃に、野鳥が出入りしているのを発見して嬉しくなった。 -
古い写真をたどってみた。(2010年6月)
動物愛護団体の声を待つまでもなく、いくらなんでもこれでは過密すぎる。 -
見た目の異なる数種類が一緒に入っている例もあった。
これだけ密集していると、ゲージ内の移動もままならない。
止まり木が一番良いのだろうが、ケージの枠にしがみついていたり、底板に身を置いているのもいる。 -
肩を寄せ合っていた、この3兄弟あるいは3姉妹はその後どうなっただろうか。
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2017年4月。
花の市とのコラボも多かった。 -
花屋の店頭に巣箱を置き、ケージに小鳥ではなく植物を置く。
花の市と鳥の市はなかなか相性がいい。 -
日曜日の開催なので、子供たちもたくさんやってきた。
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2017年4月。
この頃は、小鳥さんたちもケージの外に出て接客サービスにあたっていた。 -
よく飛んでいかないものだと感心したが、今思えば、もしかしたら羽を切られていたのかも。
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すでに閉鎖が決まっていた2022年10月に来た時には、それなりに賑わっていたがやはり往時の勢いは見られない。
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批判されながら相変わらずの過密状態もまだあった。
引き取り手が現れれば次第に減ってはいくのだろうが..
手前の看板にはクリアランスセールとあった
何ともやるせない -
カナリアだけを扱う店もある。
カナリアといってもずいぶんいろいろな種類があるようで、共通しているのは美しい鳴き声。
鳴き声というよりは歌声というべきか
お互いに競うように歌っている。 -
幼鳥だろう。一羽だけで不安げだ。
じっとこちらを見つめるつぶらな瞳。
困ったなあ..こういうのに弱いんだよね。
できることなら連れて帰りたいけれど... -
やっぱり話し相手が必要だよ。
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仲良しさん、ペアで迎えてくれる人がいたらいいね。
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そして12月25日。
小鳥市がなくなると、後には花の市だけが残るが、それも時間の問題らしい。
2025年までには、ここは「改修」、「整理」されるようだ。
それがどのように変わるのか、楽しみではなく、心配だ。 -
この一帯、まるでタイムスリップしたかのように時代に置き去られた感が強い。
パリの心臓部に位置しながら、むしろよく今まで手つかずに残ってきたものだと感心すべきかも知れない。 -
残った小鳥たちはどうなるのだろう。
大空に放してやればいい、と言う人もいるが、それで生き延びるとは思えない。
まるでこれからの身の振り方を話し合っているような、何となく深刻な雰囲気が伝わってくるのは気のせいか。 -
またひとつ、消えてゆくパリの名物。
さようなら、鳥の市。
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