2022/11/29 - 2022/11/29
113位(同エリア417件中)
じいさんさん
この旅行記のスケジュール
2022/11/29
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イヨボヤ会館
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魚屋、きっかわ
この旅行記スケジュールを元に
荒巻鮭とは鮭の塩漬けで、塩引きは塩をすりこんだ後に塩を抜き、干して熟成させる製法である。そんな塩引きづくりが新潟県村上市イヨボヤ会館内塩引き道場で開催されているので挑戦した。
塩引き道場への申し込みは9月?で早い時期に申し込んだが、それでもやっとなんとかひっかかって、修行日は鮭の遡上が終わるころの11月29日となった。ちなみに各回とも定数に達していたそうだ。塩引き道場は確か年に10回くらい開催しているようで、参加者は1シーズンで150人くらいだろうか。教材費(鮭、1尾含む)は6,000円だった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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九時半開始の40分前に塩引き道場についた。師範は既に準備に入っていた。
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道場は村上市のイヨボヤ会館の敷地の中にあった。「イヨボヤ」はこの地方の方言で「鮭」のことだとか。
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道場の敷地内ではきれいな淡水で養殖されている鮭が。これで何年ものなのだろうか。
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また、日が当たらない風通しのよい建物の脇には、処理された鮭の塩引きが干されていた。
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本日の修行者数は10人と少し。長靴をはいてエプロンをつけて集合。
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まずは、師範が解説しながら、下処理し、塩を引き、仕上げをするところまでをやって見せた。
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さあ、自分の番だ。まな板の上に白鮭のオスがのっていた。まず合掌。生き物をいただくということと、江戸時代から引き継がれた塩引きという技術への感謝からだ。
教わった通りやってみる。魚のぬめりを落として、口の奥に包丁を入れ、えらを切って引きぬく、次に腹をわって内臓を取り除き、血合いを除去するのだが、師範の実演を1回聞いて、見ただけではよくわからなかった。しかし、先生方が回って指導していただいたので、何とかなった。 -
最初は処理の過程を写真に撮ろうと思っていたが、そんな余裕はなく、撮影しよう思ったときは下処理が終わって塩を引くところだった。
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なんとか、初段の認定書をもらうことができた。1年に1回で1段昇段だから、来年は二段に挑戦しようと思う。参加者の中には十段という人もいて、拍手喝采だった。
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9時半に始まり、11時くらいにはすべて終了した。時間があったので隣のイヨボヤ会館を初めて見学した。
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鮭はおもしろい魚だ。川で生まれて、海に出て、海で大きく育って生まれた川に産卵しに帰って一生を終える。こう考えれば、こんな律儀な魚に感謝するのは当然だ。
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ヤマメ、ヒメマス、ニジマスが鮭の仲間として紹介されていた。ヤマメは海に下るとサクラマス(降海型)・・・・例えば、富山のマス寿司に使われる・・・・になり、陸にとどまるとヤマメ(陸封型の名前)となる。同様にヒメマスは降海すると、紅鮭となる。イワナも同様だ。ながらく食にかかわる仕事をしてきたので、こんなことを思い出した。
陸と海は川を通してつながっているから、身近なところから環境に配慮することが海の環境を守ることにつながる。 -
鮭は日本人に一番なじみがあって、いちばん食べられているのではないだろうか。その鮭だが、天然でとれる量が減っている。原因は地球の温暖化だ。鮭は海水温が25℃以上になると生きていけないのだ。海水温が上がって生まれた川までいきつけないのだ。
更に、ロシアとウクライナの戦争でイクラの価格が上がってイクラめあての鮭の密漁もあって、資源保護はまったなしだ。
そして、鮭に限らずマイカやサンマもとれなくなっていて、水産資源量も減り、漁師もいなくなっている。近年、水産物を今まで食べなかったアジアの人たちが食べはじめている。さんざん食べつくした日本人が「たべるな」とはいまさら言えない。日本人の食卓はかなり大変な状況だ。いろんな鮭料理が展示されていたが、こんな食生活は過去の話かもしれない。 -
イヨボヤ会館を出て、市役所近くの市街地に行った。「魚屋」(うおや)「きっかわ」のある通りだ。両者とも村上を代表する老舗だ。「魚屋」の塩引き館で塩引きの切り身を買って、
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「きっかわ」で老舗のつくりと、
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塩引きの量に圧倒されて、思わず明日の朝ごはんの鮭を買った。
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「きっかわ」の隣の酒屋「益甚」という店に行った。車で来ているので、試飲をこらえて、
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正月に息子と息子の嫁と飲む純米大吟醸を買った。
確か、だいぶ前にNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」で出た店だ。その時の女優さんにオーラがあったと店のおかみさんが言っていた。 -
村上の塩引きでは内臓を外す際に「止め腹」といって、腹を一文字には切らない。江戸時代ここは村上藩の城下町だ。武士の町ということで「切腹」を連想させないよう、このように腹の一部を残すのだ。
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村上に行って、鮭のことや海の環境のこと、食文化(おおげさか?)を考えた一日だった。
約1週間後に塩抜きして干した。日光が当たらない北側の風通しのよいひさしの下で15日~20日の間、つるして干すべしとなっているが、狭い我が家にはそんなひさしはない。それに鳥害が心配だ。ここにしようかと言うと、妻殿が「生ぐさい!」と言って否決する。組織は頭から腐るが、魚はエラと内臓から臭くなる。ということは、エラと内臓をはずせば、そんなに生臭くはないということだ。「1尾くらいでは生臭くならない」と頼みこんで、やっと居場所を確保した。 -
しかし、しばらくすると、下処理が良くなかったせいか、においが家中に広がって妻殿にこっぴどく怒られた。
我が家から車で40分くらいのところに、妻の実家があって、農機具を保管している作業小屋ある。そこで干すこととなったので鳥よけの網を用意した。ショバ代はカマのところの切身にしようと思った。
道場にもう少しお金を払うと、塩を抜き、干して、自宅まで送ってくれるサービスがあるので来年からはお願いすることにする。
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