2022/10/19 - 2022/10/20
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ブリッヂ・トレック(橋梁旅行)さん
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この旅行記のスケジュール
2022/10/19
この旅行記スケジュールを元に
紅葉シーズンで混みだす前に、東北南部をぐるっと廻ってきました。宮城県には北上川や鳴瀬川水系もありますが、行程の都合上今回は見送り。
名取川水系は秋保温泉方面へ伸びる名取川と、仙台市街や仙山線・作並温泉方面へ伸びる広瀬川の2つの川がメイン。仙山線と言えばトレッスル橋脚の第二広瀬川橋梁や日本初の交流電化で有名ですが、この他にも廃線や旧道の遺構等も観て廻りました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- レンタカー 新幹線 徒歩
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東北本線【名取川橋梁】
1887年(明治20年)日本鉄道が開通、1996年(平成8年)架替、PC斜版橋
日本初のPC斜版橋。
【田中賞受賞】 -
架替前は河道の約半分が盛土になっており、洪水流下能力上のネックになっていましたが、建設省の河川改修事業として架替されました。
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東北本線【諏訪第一橋梁】
2006年(平成18年)頃竣工、下路PRCランガー橋
最近PCのランガーが増えてきました。特にJR東は多用している感があり、東北地方太平洋沖地震の常磐線災害復旧区間や磐越東線・南武線等でも採用されていて、省メンテ化を積極的に進めている姿勢が伺えます。 -
東北本線【郡山閖上架道橋】
2007年(平成19年)頃竣工、下路PRCランガー橋
こちらははライズ比が小さく、上横構が無いのが特徴的です。 -
【霊屋橋】(おたまや)
1935年(昭和10年)竣工、RC開腹アーチ橋
スパンドレルのアーケード状の垂直材や灯籠の様な親柱が素敵です。
昭和恐慌の中、失業応急事業として吊橋から架替られました。設計は井上廣志技手。 -
親柱には沿革概要が記されています。霊屋の地名は伊達政宗卿の霊廟に由来しているそうで、地元に愛されていた事が伺えますね。
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【C60 1】
1942年(昭和17年)日立製作所にてC59 27号機として製造、1953年(昭和28年)国鉄浜松工場にてC60に改造、1968年(昭和43年)除籍
唯一現存するC60!従台車が2軸になり軸重を軽減、運用可能線区が拡大しました。アングル等をレーシングした屋根柱も素敵です。 -
【荒巻本沢大橋】
2006年(平成18年)竣工、エキストラドーズド橋
エキストラドーズド橋は川や湖を跨ぐイメージしか無いので、都市部に架設されると独特の雰囲気があります。 -
跨いでいるのは道路、波形鋼板ウェブも見えました。
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【大橋】
1938年(昭和13年)竣工、RC充腹アーチ橋
大きいバルコニーの受け梁や縁取りされたアーチリブの意匠等、かっこいいアーチ橋です。 -
【新落合橋】
1983年(昭和58年)竣工、下路ワーレントラス橋
弦材だけでなく斜材にも鋼管が使われています。 -
下流側に1948年(昭和23年)のアイオン台風で被災した旧橋の橋脚が残っています。木材を受けていたような穴があるので、方丈で補強した木橋だったのかもしれません。
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上流側には更に古い橋の橋脚跡やその来歴を記した看板もあり、仙台と山形を結ぶ作並街道の難所だったのかもしれません。
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仙山線【第一広瀬川橋梁】
1929年(昭和4年)開通、上路プレートガーダー橋 -
仙台方2連はT型鋼のJ型スティフナー。J型にしては珍しく銘板が付いていました。
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手前のネットにピントが合ってしまってMATERIALSがないこと、活荷重E33と鐵道省位しか判読できませんでした。
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補剛材はロの字型で横構がない点は作錬式や作30年式の特徴とも合致しますが、スティフナーの配置等に違いもみられ、作練式を参考に設計した橋桁か。改造の痕跡も無さそうなのに鐵道省の銘板という点は謎ですが、地理的に東北本線や常磐線を建設した日本鉄道からの転用桁でしょうか。
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秋保電気鉄道【岩の川橋梁】(正式名称不明)
秋保電気鉄道は1914年(大正3年)に開業し、仙台市長町と秋保温泉を結んでいた鉄道。元々は地元で採れる秋保石の運搬を目的とした馬車軌道、秋保石材軌道が前身だったそうです。 -
イチオシ
使われている石はその秋保石か。
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南側坑門は往時の姿をよく残していますが、反対側は崩壊してしまったのでしょうか。所々コンクリートで補修された箇所も崩壊が進行中です。
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【赤石橋】
1934年(昭和9年)頃竣工、下路ワーレントラス橋
古い割にがっちりした橋門構の橋。と思ったら橋門構は改修されていました。 -
安藤鐵工所の縦書きの銘板も渋い!
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【仙台市電119号】
1952年(昭和27年)新潟鐵工所製
1976年(昭和51年)市電廃止後、長崎電気軌道に譲渡され2000年(平成12年)に廃車となりますが、翌年こちらへ譲渡され、保存展示しています。方向幕は時々切替られているようで、この時は「蛍茶屋?石橋」になっていました。 -
【旧小滝沢橋】
1939年(昭和14年)竣工、石造アーチ橋
石材は近隣で採掘された秋保石。設計は #佐藤清一 氏。
旧道へ降りる階段は施錠されて行けませんでした。両岸の桜が咲く時期に来てみたいですね。 -
仙山線【白沢川橋梁】
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋 -
昭和五年大阪鐵工所の製造。開業時の桁が現用されているようです。
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イチオシ
仙山線【第二広瀬川橋梁】
1931年(昭和6年)開通、上路プレートガーダー橋
トレッスル橋脚!旧余部橋梁や立野橋梁と同様、桁を1スパン丸々受けています。
【土木学会選奨土木遺産】(仙山線鉄道施設群) -
河道部の橋脚はRCの基礎を設置して嵩上げ。
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旧余部橋梁や立野橋梁と違い昭和中期に電化されているので、トレッスルと架線柱の接続方も注目ポイント。
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【熊ヶ根橋】
1954年(昭和29年)竣工、スパンドレルブレーストアーチ橋他
できそうなら第二広瀬川橋梁まで河原をあるいて行こうと、ウォーターシューズを準備していきましたが、距離も水量もあるし初めてやる場ではないと判断して断念しました。靴もウォーターシューズではなくウェーダーシューズの方が良さそうです。 -
1972年(昭和47年)に上路トラストランガーの歩道橋が架設されますが、車道幅員6mでは大型車の通行には狭く、2006年(平成18年)に既存アーチを両側に拡幅する形で改修・補強されました。この為下弦材や垂直材等が4列並ぶ、独特の構造になっています。
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【青下第一ダム】
1934年(昭和9年)竣工、重力式コンクリートダム
玉石の石貼りにした堤体が綺麗なダム。
【登録有形文化財】 -
【青下隧道】
1933年(昭和8年)竣工
中原浄水場へ続く導水路の坑門。
扁額には仙台市長渋谷徳三郎氏の揮毫で、『碧流混々』
【登録有形文化財】 -
【青下ダム旧管理事務所】
1933年(昭和8年)築
小判型橋脚の様な形の階段室が独特です。
【登録有形文化財】 -
イチオシ
仙山線【新川川橋梁】
1937年(昭和12年)開通、上路プレートガーダー橋
こちらは第二広瀬川橋梁と違い、桁端部のみを受けるトレッスル橋脚。
【土木学会選奨土木遺産】(仙山線鉄道施設群) -
トレッスルの銘板が非常に読みやすい状態で見えました。
鐵道省
活荷重ーKS15ーとく23
東京石川島造船所製作
昭和九年(酉契橋1579)
ーーーーー◆ーーーーー
CL.八幡製鉄所
材 L.製鉄所 日本鋼管會社
鈑.淺野造船所
料 平.大阪製鉄所
鋲.淺野小倉製鋼所
橋脚の銘板は初めて。「平」は平鋼でしょうか。 -
仙山線作並駅
作並駅 駅
-
【作並駅転車台】
18m級のバランスト型
見学会が開催されるようになり、盛土して展望台が作られています。残念ながらこの時は観ることができませんでした。
【土木学会選奨土木遺産】(仙山線鉄道施設群) -
【交流電化発祥地】
交流電化は地上設備のコストダウン等、閑散線区で優位との意見から、1953年(昭和28年)交流電化調査委員会が設置され、1954年(昭和29年)仙山線で実用化試験がなされ、その結果を踏まえ1957年(昭和32年)日本初の交流電化営業運転が仙山線で開始され、その後北陸本線や新幹線等にその技術が活かされました。
【土木学会選奨土木遺産】(仙山線鉄道施設群) -
【岩田洞橋】
1933年(昭和8年)竣工、1953年(昭和28年)廃止、上路2ヒンジアーチ橋 -
イチオシ
河原に降りる事ができました。アーチリブに細かく入った補剛材が印象的です。
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イチオシ
廃止から70年近く経っていますが、各部まだまだしっかりしていてこれからも余程の増水がなければ残ってくれそうです。
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【旧湯渡戸橋】(ゆわたど)
1953年(昭和28年)竣工、2022年(令和4年)廃止、上路ワーレントラス橋
岩田洞橋の隣にできた新橋。狭小幅員の為、今年新橋へバトンタッチしました。これから撤去工事が始まるものと思われます。 -
興味深いのは橋の名前の変化。「江戸時代には土橋の湯渡戸橋があった」と土木学会の橋梁史年表に記載があります。岩田洞橋も本邦道路橋輯覧等に詳細に記載があるので、こちらも間違いありません。元々「ゆわたど」(或いは濁らず「ゆわたと」)だったのが発音のしにくさから「いわたど」に変化し、「岩田洞」と当て字。その後郷土史等の研究が反映され、本来の名前に戻されたのではないでしょうか。
-
今回の旅は以上です。
コンクリート系の新しい構造の橋や貴重なトレッスルに廃橋もあり、充実した旅になりました。特に岩田洞橋の美しさが印象深かったです。
トータル 橋19、SL・旧車2、他5 を巡る旅でした。
この後は山形県へ、最上川水系の橋梁等を巡る旅に続きます。⇒https://4travel.jp/travelogue/11792580
※古写真出典:土木学会
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