2022/10/04 - 2022/10/04
6位(同エリア322件中)
Kちゃんさん
東日本大震災で津波被害にあった地域を毎年1回のペースで訪れ定点観測的に復興具合を感じていく旅。 今回で11年目/12回目となりました。
瓦礫が撤去され更地となっていた場所、嵩上げのために高く土の盛られた場所、海岸線や河川の堤防が築かれた場所、なども年月が経る毎に土の上に草が茂り、真新しいコンクリートは落ち着いた色に変わり、と次第に以前からそのような風景だったと思ってしまうようにも見えてきます。 ダンプやブルドーザーが土を運んでいたときには、この街並みをどういう風にしようとしているのかも想像のつかないものでしたが、道が出来て家が建つと新たな街の営みが始まったようにも見えます。 陸前高田や志津川では立派な復興祈念公園が造られ、あの惨劇を後世に伝え遺そうとしています。
とはいっても、素人が勝手に見てまわる旅ですから半分は観光がてらですが、そんななかで少しでも経済復興の一助になればと思っています。
さて、これまでは6月~7月に出掛けていましたが今年はその時期にコロナ感染が拡大していたこともあり躊躇している間に時間が経ってしまいました。
この度、作並温泉近くへ出掛ける用があったこともあり、翌日に一帯を廻ることにしましたが、陸前高田までの往復は少し辛そうでしたので、今回は気仙沼までとさせていただきました。 また脚に使うレンタカーもこの何回かは特徴を持った車を選んでいますが、今回もまた私的に「興味のある」車を選んでみました。
この「-2」は気仙沼の様子となります。
前編の「-1」は石巻の大川小学校、南三陸/志津川あたりの様子です。
https://4travel.jp/travelogue/11783376
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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志津川から45号線を北上。
気仙沼に入ってきました、道路はこのままバイパス的に市街地の外を通り過ぎてしまいますので、右折して漁港方面へ。 -
この一帯は少し嵩上げ工事が行われたと思うのですが、陸前高田や志津川ほど大規模なものではありません。
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2015年、このあたり
道路右側に少し嵩上げされた土地が見えます。
車の高さと比べると1.5m~2m弱くらいでしょうか? -
このあたりの道路周辺はまだ空き地ばかりですね。
道路面も嵩上げされたのかもはや普通に馴染んだ景色です。 -
魚市場付近に来ました。
港に近いこのエリアは嵩上げは感じられません。
ここも道路は綺麗に整備されたもののまだ空き地が目立ちます。 -
2011年6月
震災後3ヶ月程のこのあたりです。 -
この高さが津波の被害を左右したのでしょう。
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2011年6月
震災後3ヶ月経ったころの同じ場所です。 -
漁港です。
この岸壁も1.5mくらい嵩上げされているはずですが、今では景色に馴染んでしまっています。
(嵩上げ、というよりも地盤沈下分の補い?) -
2015年
岸壁の嵩上げと整備工事中 -
あたりを散策する前に昼食をとりましょう。
新たに観光用の駐車場が幾つか整備されていました。
3時間まで無料は嬉しい限りです。 -
選挙ポスターのようですが、商業施設(紫商店街)各店舗の御主人/ママが総出です。
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夜のお店もランチサービスをしていたり
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街並みも少しずつ整ってきています。
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コチラへお邪魔します。
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新らしい店舗ですが、
いち早く仮設復興商店街を興し入店していた時にお邪魔して以来です。 -
ケースには新鮮なネタ。
このお店、フカヒレでも有名ですね、
仙台駅の寿司屋通りにもお店を出しているはずです。 -
ランチメニュー
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折角のお寿司ですから、
と言って運転があるのでノンアルコール。 -
綺麗です。
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2012年
震災後1年で仮設商店街が出来、あさひ寿司さんも入居しておられました。
(右奥の一階) -
昼食後
付近をウロウロしてみます。 -
まだまだ津波で壊されてしまった建物の土台部分がそのまま残っている箇所が多いですね。
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商店街裏山の「紫神社」
皆さん、この上へ非難されたそうです。 -
2012年
震災後1年経った頃ですが、まだ被災した建物は撤去されていません。
このあたりも商業施設が建ち並んでいたんですね。 -
2015年
当時はまだ仮設商店街も残っていましたね。 -
この辺りが仮設の商店街だったところでしょうか?
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夜のお店ですが、手作りの「津波高さ表示」です。
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現在の様子
定点観測的に・・ -
2015年
上の写真の通りを反対から撮っています。 -
現在の様子
こちらも同様に -
上の写真のお茶屋さん。
見事に復元されて営業再開しておりますが、1階が壊滅的に破壊されたものの残った骨組みを基に復元されたとか。 -
2012年
震災後1年経った頃の同じ場所です。
電柱の右側が「お茶屋さん」、よく見ると1階部分は流されたままで、次の建物のブルーシートが見えています。 -
皆さん、こういう高台へつながる坂を目指したものと思います。
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港近くに100年以上続く老舗酒蔵2件。
こちらは「両国」などのブランドを造る角星さん。
この店舗も津波で破壊されたものを一旦解体し復元されたとか。 -
お隣の「男山本店」
3階部分の復元もですが、階下はは完全な新造により蘇りました。 -
2012年
1階と2階部分が流され、3階が階下に落ちてしまった「男山」さん。
前の道路は地盤沈下分、土盛りされています。 -
現在の男山さん
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店内
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買っちゃいました。
今回のお土産です。 -
新しい商業施設も出来始めています。
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街のアチコチに気仙沼のストーリーが掲げられれいます。
上記のお茶屋さん、両国酒店、男山酒店、など・・ -
港周辺はこのような防潮堤が整備され、部分的に出入りできるように開閉扉が設けられています。
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一番大きな開閉扉は磯屋水産さん横の道路を仕切る幅のもの。
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以前の大島フェリー桟橋のあったところ。
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2013年
同じ場所、海に落ちてしまった乗船用の桟橋はまだ引き上げられていません。 -
岸壁に係留される船は多いですね。
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こちらはカジキ漁用の漁船のようです。
舳先に陣取ってモリで突くのでしょう。 -
浮見堂周囲の遊歩道も綺麗に整備されました。
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湾の向こう側に魚市場など
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昭和初期に造られたものの震災の津波で流失。
2年前に再建されました。 -
浮見堂とならぶ恵比寿像。
よく見ると抱えているのは鯛ではなく鰹。
航海の安全を願い、浮見堂と同じ時期に造られた初代恵比寿像は第二次大戦時に金属回収のために供出。 その後復元された2代目も津波で流出してしまったとか。 この3代目は恵比寿様にちなんだビールメーカーがスポンサーとなり復元されたようです。 ちなみに3代目復元期間中に流出した2代目も海中から見つかったそうで、現在2代目はこの上の神社に納められているようです。 -
恵比寿様の後ろから魚市場。
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港、気仙沼の説明
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この辺りへ来ると、山の上の教会も大きく見えます。
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防潮堤の外側では家屋の新築工事。
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以前のフェリー埠頭近くへ戻ってきました。
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2012年
同じ場所です。
まだ防潮堤の工事には手がついていません -
このフェリー埠頭周辺の防潮堤に沿って造られた商業施設。
デッキの高さが防潮堤の高さです。 -
この4つの商業施設はそれぞれ名前が付けられました。
こちらは湾に面した奥側の「ムカエル(迎)」です。 -
その隣の「ウマレル(創)」
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その向い側、道路を挟んで「ヒラケル(拓)」
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そしてそのとなり(迎の向かい側)が「ユワエル(結)」となります。
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その間の通路はこのように遊歩道化されています。
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「ムカエル」、デッキの上。
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洒落たお店もあります。
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地元FM局
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その先には謙さんのK-Port(左側)も健在
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以前、岸壁にあった「港町ブルース」の碑が再建されました。
震災前は湾の一番奥、男山酒造さんの前あたりにありましたが、今回は謙さんのお店の前あたりに設置されています。
このときは気づきませんでしたが、湾を挟んで真正面の岡の上が「復興祈念公園」なんですね。 -
右下の緑色ボタンを押すと「港町ブルース」のメロディーが流れます。
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2011年
震災後3ヶ月経った頃の「港町ブルース」碑。 -
「港町ブルース」歌碑の由来
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岸壁も綺麗になりました
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2011年当時の同じ場所。
今は防潮堤と商業施設になっている辺りは立体駐車場でした。 -
洒落たお店
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鹿折地区に移ります
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鹿折地区左側の山に入っていきます。
新設された祈念公園を目指しますが、時折案内カンバンが在るものの判りやすくはないですね。 -
途中、トンネルの上を通りますが大船渡線の線路跡。 現在はBRTが走っています。
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新たに整備された復興祈念公園です。
陸前高田や南三陸(志津川)に比べると小規模なもの -
祈念公園
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祈念公園のシンボル「祈りの帆」
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帆は「セイル」と読むのですね。
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伝承彫刻、とされる像が幾つか設置されています
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眼下には内湾(旧フェリー埠頭付近)
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湾出口方向には三陸自動車道の気仙沼大橋と、その向こうに横たわる気仙大島
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左側には鹿折地区。
丁度、まんなか辺りに打ち上げられたカツオ漁船あったのでしょうか? -
2012年
鹿折地区
まだ打ち上げられたカツオ船が撤去されていないなかで道路やそれに沿った電柱の整備が始まっていました。 -
この祈念公園へ来てみて内湾のほうを見ると、いつも話題としている教会の場所でした。
綺麗な教会「気仙沼アーバンチャペル」。
結婚式などに使われるようですね。 -
ここまでで仙台を出てから140km走っています。
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鹿折地区は津波と同時に火災に見舞われた地域。
新しい住宅が立ち並び始めました。 -
ウロウロしているとBRTの駅に出会いました。
鹿折唐桑駅。 -
向こうが気仙沼駅方向です。
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周辺案内図
以前も大船渡線の駅だったのでしょう。
多分広げられた道路沿いに出来た商業施設などで以前とは大きく異なった景色となっているのではないでしょうか? -
ゆっくりし過ぎてしまいましたが仙台へ戻ります。
気仙沼大橋。 -
途中、大谷海岸へ寄ってみます。
道の駅 -
道の駅ですが「JR大谷海岸駅」でもあるのですね。
調べてみると、震災前に「海水浴場に一番近い駅」とされていた時代からJRの駅に「道の駅」が併設されていたようです。
(今とは逆ですね) -
「駅」ですから立派な待合室も
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BRTが出入りします。
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高速バスも停まります
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海岸へ出てみます。
10月にはいり曇天ですが、夏の間は海水浴などで賑わったのではないでしょうか?
今はこの嵩上げされた防潮堤の上に45号線が通されていますが、震災前の写真を見ると、以前は気仙沼線の線路/駅は海岸と45号線の間にあったようです。
また線路と海岸の間には僅かに松林があったようですが・・ -
ここの道の駅では、生け簀で活魚の販売も
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伊勢エビ
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気仙沼らしくフカヒレ製品
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フカヒレカレー
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時ビールもあります。
気仙沼ビール、これは先に紹介した商業施設「ヒラケル(拓)」内にミニ醸造所があるようですね。 -
コチラは大船渡の地ビール
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今回乗り回している「MIRAI」
レンタカーへの大量導入、しかも今になって旧型ということは2020東京オリンピック時にVIP送迎用として使われた車輛の再利用からでしょうか? -
仙台へ帰路を急ぎます。
石巻を過ぎて、まもなく松島。
乗っている限り「燃料電池エンジン」とか「水素自動車」というのは感じません。
普通にアクセルを踏んで/ブレーキを掛けて、と言う感じでハイブリッド車よりも感覚的には「普通」でしょうか?
当然エンジンの音はしないのですが、さりとてハイブリッド車やe-Power車のようにモーターの音も感じません。 しかし「無音」というわけではなく、タイヤの音が結構うるさいですし、雨が降ってきたら雨がフロントガラスに当たる音もパチパチと盛大に聞こえてきました。 -
ただ、以前に乗った「e-Power」ほど活力は感じません。
最初に乗ったときには「eco」モードになっていたので市内信号待ちからの加速や高速道路での追い越し時加速に「こんなものかな-?」と思っていたのですが、途中で「Power」モードに切り替えると、なるほどソコソコの加速をしますし、アクセルペダルの踏み具合に対して敏感になります。
ただその場合はコースティングというか「流す」感じは無くなりますので乗っていて疲れますね。 また「Power」モード時は、距離計が10km進むと、燃料計の可能残距離数が10km減る、という具合にほぼ同じ、対して「eco」モード時は距離計が10km進むと、燃料計の可能残距離数が6km~7km減る、という具合に俄然燃費(?)が良くなります。
利府を過ぎて仙台市内へ -
いつものように仙台港北ICで織ります。
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市内へ入ると丁度夕刻のラッシュでした。
今回は給油のために「一番安いガソリンスタンド」を探す必用がありません。 -
といっても返却の前に燃料を入れなければなりませんので、
仙台駅へ向かう道から少し外れて給油、いや給水素。
少し大きな都市に1つぐらいずつ設置されてきた水素ステーションです。 -
後からはお仲間の水素自動車もやってきました、仙台市内を走るタクシーです。
コチラは新型のMIRAI -
給油口いや給水素口にノズルをつなぎます。
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この圧力(給水素)計が「0」になれば満充填のようで・・
ガソリン給油よりだいぶ時間が掛かり5分以上掛かります。 -
2.47。
リットルではありません、kg(キログラム)です。
(下に-34.6℃、と表示ですね) -
水素 1kgあたり¥1210です。
-
ここまで269km走っていました。
普通のガソリン車は燃費、EV車は「電費」などと表現する人が居ますが、燃料電池車で水素を入れる場合はどういう風に表現するのでしょう?
今回は2.47kg充填して¥2988でしたので、レギュラーガソリン¥160/リットルで換算すると18.6リットルに相当します。 ということは今回の走行距離269kmを18.6リットルで割れば、14.4km/リットル(相当)ということになるでしょうか?
ここでちょっと。
いまどきの車で「リッターあたり14.4km」ってちっともエコカーではありません。 まあだいぶ大きな図体と重量でしょうが、今回のように大部分を地方道や高速道路を流すような場合にプリウスの30km/リットルは無理としてもカムリのハイブリッドなら20km/リットルは超えるでしょうし・・・
つまり現時点での所謂「エコ」という感覚と環境負荷面での「エコ」は全く別物で、こちらの「環境にエコ」はお財布にはちっともecoではなかったといいうことですか?
ちなみに水素のお値段は水素ステーションが出来はじめた当時の¥1100/kgに対して現在は¥110値上がっているようですが、ガソリンのお値段値上がりはそんなものではありませんので、ガソリンがお安かったら相対的にお財布への負荷はもっと重くなっているのでしょう。
EV車もだいぶ増えてきて、「充電」に要する時間が30分近く要することは別としても充電ポートは高速SAや商業施設、主要カーディーラーに設置され、出先で電気が無くなっても比較的近くで充電施設が見つかるようになりました。 対してこの水素自動車の場合は、少なくとも「水素ステーション」を探しても宮城県内ではこの水素ステーションを含めて2カ所(2カ所目は昨年オープン)しかありませんので、せいぜい半径150km程度の範囲での使用しか出来ません。 これでは個人所有で普通の感覚で使える訳はなく、限りなく非実用的/限定的なものでしかありません。
「EVと言っても電気は火力発電される」とか「水素製造には化石燃料エネルギーが使われている」などいうことは別としても、温暖化ガス削減の掛け声とは裏腹に、
「水素自動車はちっともお財布にecoでなかった」ということと「実運用出来るほどの水素ステーション整備など全く伴っていない」というのが今回の発見です。 -
車を返して仙台駅。
-
帰路ははやぶさの席がとれずこまちで。
やはりちょっと窮屈ですね。
生憎の曇天でしたが、気仙沼などにふたたび訪問することが出来ました。
また環境対策の切り札とも言われる燃料電池車も試すことが出来た旅です。
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